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心理師わたるんの働くをカウンセリングするチャンネル。 今回は、いわゆる繊細な人との付き合い方についてお伝えします。
皆さん、今週も1週間お疲れ様でした。 公認心理師・臨床心理師のわたるんと申します。
このチャンネルでは、就職や復職などいろんな働くをサポートしてきたカウンセラーが、お仕事・ご家庭で役立つような
カウンセリングの豆知識や心理師のあれこれを簡単にお伝えしています。 今回はこんな話。
どんな人と付き合う時も自分が感じたこと、思ったことは大事にしましょうという内容です。 あの嬉しいことにですね、またまたグーグルフォームでお便りをいただきました。
今回は藤林吾さんという方で、毎日楽しく聞かせていただいていますとのことです。 いやー嬉しい、あのテンション爆上がりですね。
あのー、なんか僕よくプライベートでも何考えてるかわかんない、感情がよくわかんないって言われるので、多分このテンション爆上がり感も皆さんに伝わってないと思うんですけれども、しっかり嬉しい気持ちです。
藤林吾さんありがとうございます。 それで藤林吾さんからはこんなご相談をいただきました。
読み上げていきますね。 私は自分が信じた人に何か傷つくことを言われても、きっと相手には私を傷つけるつもりはなかったんだろうと、自分の中で折り合いをつけて、相手を悪く思わないようにすることが多いです。
その相手の人が精神的に不安定だったり、自分自身で私は繊細だと言っている人ならなおさらです。 繊細なことは悪いことではないと私は思っています。
でもその人の言葉や態度に何度も傷つけられたことが続いた時に、私自身はもうダメだと思いました。
自分が繊細だと思っている人でも他人を傷つけることはあるのに、そのことには気づかないのでしょうか。
精神的に不安定で自分の言動をよく覚えていないのかもしれないなぁと私は思うようにしたり、あの人は自分の心の動きばかり考えていて他の人を傷つけていることに気がついていないのだろう、他のことを考えられないのだろうと理解し、私は納得しようと努力しています。
このような関係はこちらが理解しようとする労力が大きいと感じて、私は繊細だという人にちょっと警戒する自分がいます。
私自身はその人のことを悪い人ではないと思っています。 私は繊細だという人との関わり方のヒントはありますか?
ということです。まずですね、フジリンゴさん。フジリンゴさんご自身もその繊細な方、ここではご友人としましょうか。
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ご友人と付き合っていく中でたくさん傷ついて、でもそのご友人を傷つけないようにずっと我慢してきたのだと思います。
僕はまずその我慢強さや誠実な関わりを心からねぎらいたいと思います。本当にお疲れ様です。
そしてフジリンゴさんのお悩みに共感できるリスナーの方もたくさんいらっしゃるんじゃないかなと思います。
そんな方もフジリンゴさんと一緒にこの後の話を聞いてもらえると嬉しいです。
さてじゃあこのお便りから僕が推測するご友人の人物像と、私は繊細だと言ってくることの背景とかをお話ししてから、
なんで冒頭の予約に結論づけられるのかについてお伝えしていきますね。 まずですね、このご友人は簡単に言うとフジリンゴさんを含む周囲の人に無自覚に過度に甘えているんだと思います。
だからフジリンゴさん以外もみんな警戒しちゃうんじゃないかな。 そうだな、こういう現象や人物像についてはいろんな言われ方がされるんですが、
例えば人間関係におけるバウンダリー、境界が薄いとかって言われますね。 境界が薄いどういうことかというと、自分と他人の境界が薄い。
つまり自分は自分、他人は他人という考え方が直感的に理解できないんですね。 ご友人よりも極端な例を出すと、例えば
私が好きなことはあなたも好きでしょ?とか、私がこうしたいと思うんだからあなたは当然答えてくれるでしょ?と、何の悪気もなく相手の都合を考えずに自分の都合を押し付ける、なんてことがあります。
フジリンゴさんのご友人は悪い人ではないけど、少し人のパーソナルな世界に土足で入ってしまう癖のある人なんじゃないかなと推測します。
その一環で、私は繊細だからみんな優しくしてね、というのを悪気なく主張してるんじゃないかなと思います。
それで誰かがその関わり方に対して、例えばNOを出したり拒否をしたりすると、私は繊細なのに理不尽に傷つけられたと、自分が最初に被害を受けたと言わんばかりに起こる、
みたいなことがあるんじゃないでしょうか。
ご友人からしたら悪気はないので、いきなり拒否されたという体験になりますからね。それはそれで傷つくかと思います。
これが簡単ですが、僕が推測したご友人の人物像と繊細だという背景です。
ひとまずフジリンゴさんのご友人がそういう方だと仮定して話を進めていきますね。
それでそういう方に周りがどう付き合うかというと、大きく2種類に分かれるかなと思います。
それは完全に一線を引いて距離を取るか、フジリンゴさんみたく優しく粘り強く関わり続けるか、です。
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完全に一線を引く人はドライですが、ある種自分を守るという点では正しい選択かもしれませんね。
優しく関わり続けるという方は人道的には正しいかもしれませんが、多少自分が傷つくリスクを取ることになりそうです。
理想としてはできれば両方のいいとこどり、いい距離感でそのご友人と付き合っていきたいですよね。
さてちょっと話がずれますが、こういうご友人のような方、実はカウンセリングによく来られるんです。
なんでかっていうと、ご友人目線では本当に人間関係でうまくいっていない感じがあって、
周りの人が自分に冷たく接してくる感じもするし、そのせいで自分が抱えているストレスがめちゃめちゃ苦しくて、自分じゃどうにもできないと思っているからですね。
ご友人目線では本当にこの苦しさを誰かどうにかしてくれって感じなわけです。
そんな方にどんな風にカウンセリングをするかというと、しっかりカウンセラーのできる範囲を伝えて、その範囲内で関わりながらカウンセリングをしていくんです。
例えばカウンセリングで話すことはこれこれこういうことで、これこれこういうことは柔軟に対応できるけど、ちょっとここまでされるのはここじゃできないからよろしくね、みたいな感じです。
限界設定って言うんですけど、そのルールが共有されることでお互いが安心してその枠組みの中でカウンセリングができるし、
その枠組みから外れたら、あ、外れたね、なんでかなって話題にできるんですね。
話を藤林吾さんとご友人との関係に戻します。 今のカウンセリングのことを日常の人間関係に応用するとすると、
簡単に言えば親しき中にも礼儀ありを日常会話でしっかり伝えることとかが工夫としてできるかなと思います。
例えばそうですね、何か傷つくことを言われたら我慢するのではなくて、今のはちょっと私は傷つくわと冷静に脳を伝えるとかがいいかなと思います。
日頃ご自身が感じたことをつぶさに捉えて、私は何々と感じると伝えることで、自分が限界になる前に自分の不安を伝えられます。
そうすることでなるべくご友人を傷つけずに自分を守ることができます。 我慢し続けるとそれだけ冷静でいられなくなりますからね。
ただもちろんそう伝えてご友人が怒っちゃう可能性もあると思います。 でもそれこそそれは相手が選択すること、つまり相手は相手、自分は自分なんです。
相手も大事にしたいし自分も大事にしたいって思った上で、どれだけ工夫を凝らして自分の伝えたいことを相手に伝えても受け入れてくれないこともあります。
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ただそれはそれでいいんです。相手の選択したことであって、あなたのせいではありません。 あと、そもそもその、今のはちょっと私は傷つくわ、を言うこと自体結構ハードルが高い勇気がいることと思います。
まあそれを言うかどうかというのも、それは本当にその人との関係性とか、言う側の方の性格とか、そういうのでどう出るといいかは千差万別なので、
言うことが正義で言わないことが悪というわけでもありません。 ただ少なくとも相手に巻き込まれて自分もバウンダリーが薄くなると自分が我慢し続ける関係になってしまいます。
それは相手にも自分にも良くないと思います。 だから大事なことはどんな相手と関わる時も自分の思うこと、自分が感じることをまず大事にすることなんです。
その上で何を伝えるか、逆に伝えないか、どう相手と関わるかはその人次第ですが、自分の感じたことを自分の中で大事にすることはみんな共通して必要なことです。
つまり誰にも自分を大切にする権利がありますが、その上でどういう行動に出るかは自分次第で、それプラス自分を大切にしてもらう義務を誰かに課すことはできないということですね。
そういう点では富士林檎さんもご友人も本来は平等なわけです。 富士林檎さんだけが我慢をする必要はないんですね。
自分の感じたことは我慢せずにそのまま感じてあげましょう。 さて皆さん特に富士林檎さん今回はいかがでしたでしょうか。
今回の話をまとめると、自分は自分、他人は他人をしっかり守って自分を大切にしていきましょう、ということになります。
今回お話しした人物像もし全然違ってたらごめんなさいね。 あの良ければお便りフォームで富士林檎さんの境遇と合ってたか違ったかとか、もうちょい詳しく教えてほしいとか、違う仮説も話してほしいとか、フィードバックをくださると嬉しいです。
皆さんも何か日頃の対人関係のことで聞きたいことがありましたらお便りフォームまでどんどんメッセージをください。
ついでにできればですね、この番組のフォローもしていただいたりとか、星5の評価もくれると嬉しいなぁなんて思っています。
これはそれこそちょっと皆さんのバウンダリーに踏み込んじゃってるから、もしそうだったらごめんなさい。多めに見ていただきたいんですが、でも応援してくれると僕は本当に嬉しいので皆さんのリアクション待っていますね。
では今回はここまで。おやすみなさい。 ここまで聞いてくださってありがとうございました。また来週をお楽しみに。