土田酒造の日本酒
酒の道 日本酒の聖地から
こんにちは、パーソナリティの平田勝です。この番組はお酒にまつわるゲストをお招きし、お酒の道を歩むストーリー、お酒のあれこれを深掘りしていく番組です。
喜酒師を目指す佐紀さんと共にお送りします。佐紀です。よろしくお願いします。
今回のゲストは前回に引き続きまして、土田酒造代表取締役土田祐士さんにお越しいただいております。
本日もどうぞよろしくお願いいたします。はい、よろしくお願いします。ラストよろしくお願いします。
前回は土田さんや土田祐さんについて、今までたくさんお話を伺ってまいりましたが、今回は土田さんのおすすめの日本酒だとか、これからの酒の道についてお話をどんどん聞いていきたいと思います。
ということでまずはおすすめのお酒から聞いていきたいんですけれども。はい、わかりました。おすすめはまずうちのフラグシップというか、これを飲むと土田がわかるという新土田というお酒でございます。
何かというと、今までもずっと言ってた、全部木本なんですけど、コウボも天然の蔵付きのコウボですし、食べるお米を磨かない、食卓に並ぶまんま、皆さんが食べるまんまで仕込んでいるので、
米の味をドンと出すというお酒にしてます。そういうお酒なんで、いわゆる和風の中でもすき焼きとか肉じゃがみたいなちょっと濃いめのとか、あと普通は日本酒に合わせないトマトソースのハンバーグとか、ピザとかミートパスタとか、
僕なんかマクドナルドにおじくじとかじゃがりこくんとか言うんですけど、コンビニなんか最近ね、欧米化が進んでるんで、しっかりと和食をいつ食べてるんだって話になるので、ではなくて現代食の人が合わせられるような日本酒ということで、新土田が一個はおすすめでございます。
もう一つが土田、麹99%といって、日本酒って普通20%が麹で80%が白米ぐらいの割合で作るんですけど、その99%ほぼ麹だらけで作ったっていうお酒です。100%にすると日本酒じゃなくてその他の醸造酒って免許になっちゃうんで、99%にしてるんですけど、これが麹が多い分かなり濃厚で濃いんですけど、
バニラアイスにかけるとめちゃくちゃうまかったり、デザート、チョコケーキとかと食べたり、あとは中華系の甘酢あんかけみたいな、中華の濃いものとか、あとスパイスが効いたものにも合うので、ちょっと日本酒ではなかなか絶対チャレンジしないでしょうっていう食事に合わせられて面白い、要はこれは麹を入れることでこんなに味が変わるんだっていう幅、普通の蔵ではなかなか麹の割合って増減させないんで、麹入れるだけで変わるんだと体験していただきたくて。
これをお勧めしています。
米の多様性と日本酒
いくつかある中の3つ目が、米がうちは特色なのが多いんで、そのうちの1つが、ちょっともう終売しちゃったんですけど、初絞り1というのがお勧めでした。
これ何かというと、前もちょっとお話に出させていただきましたが、特定米国、いわゆるクズ米っていう、精米して落ちちゃったお米があるんですね。
これ市場には流れなくて、肥料とか飼料とか加工品になっちゃうんですけど、近所の農家さんが結構出るんでお酒にできないっていうご相談をお互いにして、出せるようお預かりしてお酒にしました。
これをあえて今風のちょっと香りのある銀杏風のテイストにして、酒米じゃなくても銀杏って作れるんだよねっていうので出させていただいて、食事もカルパッチョとかナッツ系とか柿なんかにも合うので、非常にお米ってなんでもいいんじゃんみたいな。
その中の派生系としてお米なんでもいいシリーズで、うちはプリンセスサリーっていう群馬で作ってるいわゆるインリカ米系のお酒でお米作ったり、あとはタッピヒルっていうちょうど出したばっかなんですけど、田んぼじゃなくて畑で作ったお米。
畑?
はい。オカボとかリクトウって言われるんですけど、種をパーって巻いて畑で作るんです。
でもこれも好評で、お米をとにかくこれじゃなきゃダメだっていうんじゃなくて、どんなお米でもうまく酒にする。
なんでかって言うと、世界中でそろそろ日本酒が作られる時に、日本のお米を削って持ってくるっていうのはナンセンスだなと思って、実は世界の流通の8割ぐらいはインリカ米系らしいんです。
だったらジャポニカ米じゃなくて、細長いお米で地元の人たちが普段食べてるもので作れるっていうのが全然ポジティブであって、じゃあその技術は実はもうあるんだよ、大丈夫ですよ。
しかも天然の菌で作れますよってパッケージで渡せたら、世界中で銀杏を飲めるんじゃなくて、あ、現地でこの米でこう作るとこの日本酒になるんだっていうのが作られるといいなーっていう夢もあって、どんなお米でもいけますっていうことをいろいろ試しております。
今の日本のお米の問題も考えると。
そうなんですよ。
まさしくそうですよね。
畑のお米だったらどこでも取れますね。
2年ぐらい前はもう全然タイ米とかインリカ米とか、全然スーパーに並んでなかった。今カリフォルニア米だとか、タイ米がその約30年前の例会、ぶりに見てるような普通のスーパーでも思うので、それに対してもまたいいアタックにもなれますもんね。
この聞いてる国の方、この備蓄米で酒作れねえかなとは全然やりません。
受け負いますよ、全然。
あとカリフォルニア米。カリフォルニア米は噂によると、もともと酒米の品種だったらしいんですよ。
へー、そうなんですか。
向こうで酒用の米を作ってて、それが普通に食べるように移ったから、だからパサッとするんだって話らしいです。
新たな栽培方法と未来
あ、そうですよね。向こうのザポニカ米が?
そうそうそうそう。
カリフォルニア米って大手のサクラありますもんね。
それが発祥だって言わされたから、なんちゃら船だと思ったの。もうちょっと調べますけど。
っていうのが元らしくて。
渡り船?
なんかそれ系だった気がするんですけど、なんでらしいから全然大丈夫なんですよ。
いつも何かあれば。
今ね、うちね、群馬の農家さんからも依頼があるし、県外からも、自分たちで作ったお米を削らずそのままお酒にしてほしいって依頼が結構あるんですよ。
これを聞いた方もしご依頼があればあれですけど、地元持ってっても食べるお米がNO、食べるぐらい削ったのがNOって言われちゃうんで、だったら土田に頼むっていうのが結構あるんですよ。
へー。
なので、いろんなお米を、様々なお米をお酒にできる陣がございます。そこを目指したいなと思ってます。
可能性が広がりますね。
ありがとうございます。
すごい。私は土田指導さんの中で一番好きなのは、プリンセスサリーを使った新土田の。
ありがとうございます。
大好きで。
嬉しい。
もうなんか本当に日本酒なのかなって疑いながらいつも飲んでます。
ありがとうございます。すごい嬉しいです。
酒米じゃないじゃないですか。静岡的米じゃないのに、こんなにおいしいのって思ってすごい衝撃を受けて、なんだこりゃって思いながらいつも飲んでます。
ありがとうございます。
どんどん米価も上がっちゃうわけじゃないですか。
そうなんです。
例えば本当に徳永山田、兵庫のなんかもう、それも倍になってるわけですもんね。
上がってきますよね。絶対上がってきますよね。
もともと高かったのにもっと上がっちゃうと、そうすると結局、全体に届くときはもうそれなりの価格になっちゃうわけで。
おっしゃるとおりで。
だからその、くず米っていう聞こえはよくないんですけど、それおいしくね、技術があるんだよってことも今後、そうやって工夫していかないと、本当にお米が入らなくなる可能性も。
可能性ある。本当に自分たちで作るか農家さんと契約するしかなくて。
なってきますよね。
なってくると思います。で、高けなければ作らないっていう時代が来ると思うんで。
そりゃそうですよね。今もう備蓄米がバーって、こんだけ放出されちゃうと、だって来年備蓄米ないわけじゃないですか。
そういうことですよね。
そう。だから、一気に今年作ろうって言ったって、できるものでもないじゃないですか。
ないないない。で、人はね、当然限られてますから。
すごい時代になっちゃうとき、逆にそういったことを、もうそれ従前からやってるからけど、すぐできたよ、うちはみたいなことできるわけですもんね。
あ、そうですね。お米は本当に気にせず何でもいける自信があるんで。
なんでうちは、いつでも平田さんおっしゃってたようにレディ状態なんで、どんなお米が来てもお酒にできます。
あとあれですよね、土田首相さん自社でもお持ちですよね。
まだちっちゃいんですけど、はい、少しずつやってます。
それはいっぱい作るというよりは、自然栽培米で農薬費を使ってない田んぼです。
これは決して環境にいいからとか、とか言うんじゃなくて、お酒が軽くおいしくなるんですよ。
これまだ科学的にはわかんないんですけど、なんとなく掴んでるのは、お米のタンパク質なんですね。
なんであんだけ削るのっていうのは、タンパク質が麹の菌に、酵素によってアミノ酸になるから、それが雑味って言われてるんですよ。
そもそもお米のタンパク質少なくすればいいんじゃないっていう時に、肥料をたくさん入れると、メタボンみたいな感じで、やっぱりタンパク質ってお米の中に入っちゃうんですよ。
だったらそもそもそれカットして栽培大変なんですけど、すればタンパク質少ないから現状っぽくなるんじゃね?っていうのが始まります。
確かに削んなくても、削ってないから味があるのに綺麗なんです。軽やかになるんです。
っていうことは、半分削れば当然倍必要だから原価倍になるわけですよ。
だったら削らないで、そのまんまにして、農家さんにたくさん払えば、その分を削って倍払うんだったら、削らなくても同じ分払って農家さんに払えば、農家さんがそれならできるっていうんで、
ずっと株になって、次の世代も、いやーいつ売れるかわかんねーし、安いし、そんなんやんねーよってなるよりは、酒蔵がちゃんと高い金額でしっかり作れば買ってくれるってすれば、
次の二大店も農家さんいるんじゃないかなと思うので、そういう意味で今やりだしてるんですね。
味も美味しくなるし循環型だし、最高ですね。
そうなんですよ。捨てるとこも少ないし、当然。
タンパク質を減らすお米を作ればいいと。
酒米は確かにタンパク質が少ないんですけど、栽培方法でどんどん変わるから、まず栽培からやってみればいいんじゃないと思ってます。
そのお米の品種は普通米ですか?
最初普通米でした。で、やって口に亀のほうが面白い。亀のほうは食べる米なんですけど、実際は。酒米じゃなくて。今亀のほうを結構多めにやってます。
それで作られたお酒って、もう出てますか?販売はされてますか?
お酒の合わないおつまみ
今、売り切れになっちゃった。錠っていうんで、そこはちょっと高くしてます。ちょっと価値を上げるために。
送り物とか用で使っていただいてます。
ちょっと探してみます。
ありがとうございます。
すごい良い話が聞けた。ありがとうございます。
あとなんですけど、私がすごい気になってたんですけど、土田指導さんのお酒って、先ほどもおっしゃっていただいたように、合わないおつまみとかお料理がないじゃないですか。
そうですよね。でもなさすぎて、逆に合わないおつまみ選手権みたいなのは。
やったね、僕が限定のときに。
それで、その中で土田さん的に一番合わなかったなっていうのはありましたか?
今でも覚えてます。これ、さっき解説した2つ目のお酒の土田康二99%なんですけど、かなり濃厚で複雑な味なんですね。
ハンバーグとかいろんなものにあるんですけど、本当にダメだったのが当たり目です。
当たり目。
これがね、やっぱり当たり目はいわゆるすっきり辛口系の方があって、この99%であった瞬間に当たり目の臭さがグワーってきちゃって、これダメだってなるんですよ。
うちの中でも地元用のホマレコッコとかそういうのは全然合うんですけど、この99%でやると、星野君もこれはダメだって。合わない選手権で優勝してました。
普通に生臭いもの、赤ワインとカズノコが最悪だったかな。
あー、多分ちょっと近いかもしれないですね。
実は先月の放送で、コンビニにあるお酒とコンビニのおつまみ選手権みたいなことをちょっとここでやりながら喋りながらやって、スパークリングの実を。
で、ウニイカはやっぱり鬼殺しとかの方がうまいわけですよね。生臭いものにはやっぱりキレがあって。
なんかそう言われたら逆にやってみたくなっちゃいますね。
あ、そうそう。それは狙いです。
当たり目と。
ぜひ合わないやつを試してみてください。
酒の道の理想
はい。ありがとうございます。
さて、それでは土田さんのこれからの酒の道についてお伺いしたいんですけれども。
はい。酒の道。僕は柔道とか華道とかと一緒で日本酒道だと思ってるんですけど、ここの理想形があるけど極まらない。やり続けてもきっとゴールはない。
けどこの理想形に向かっていくっていうのが多分酒の道で。
とにかく今思ってるのは、星野君がすごいこと言ったのが、なんか米加工業者になりたくないなーってポツッと言ったんですよ。
だからどういう栽培をして、どんな成分で、どんな米だからこんなお酒にしましたっていうのが多分理想だと。
だから僕って田んぼ知りたいし、お米作りがどうやっているのか知りたいんですよねーって言うんで、自社伝が始まっていってるんですけど。
だからこんな風な味になるだろうから、こんな発酵させて、そのためにはこういう工場を作んなきゃいけなくて。
で、お米のこういう成分だからこういうお酒になったんですって言えるような酒を作ってみたいっていうのが結構理想なんですね。
まだまだお米のことも分かんなきゃいけないし、酒のこともまだまだ正直全然分からないんで、
死ぬ頃になんとなくこういうことだったのかなーって分かれば嬉しいかなーぐらいで、まだまだ全然お米のことも酒のことも分からないっていうことが分かってきました。
やればやるほど発酵は奥深すぎて、だからこそ楽しいなーと思っております。
で、その中で一個僕が感じている日本の未来観としてはドブロックを解禁した方がいいんじゃないかなーと思ってます。
各家庭で要は地域地域でお酒が作れたら簡単に作れたらいいなーと思ってて、
というのは20歳になっていきなり日本酒飲めって無理だと思ってるんですよ。
でも昔は多分地域地域のお酒作ってて、見てるから多分入れると思うんですよね。
お米とか麹でなんかおっちゃんが作ってたけどなんか変な酸っぱい味がしたなーとか、
あのお母さんが作るのうまいよねーみたいなのがあれば多分20歳になっても入りやすいと思うんです。
けど今どうやって作るかも分からないから価値が分かんないと思うんですよ。
僕らが料理人の平田さんが飲食やってるから行くのってやっぱりこの料理人ってこういう味すごいよねーとか、
僕だったら出せないって分かるじゃないですか、なんとなく料理できるから。
けどお酒作りってそこが分かんないからコスパコスパって言われると思うんですよ。
じゃなくて自分で作ればうわっプロすげーなんでこの味なのってなると思うんですよね。
だからもっともっと民主化されてプロとアマチュアの差ができるぐらい分かんないと
本当に日本酒の価値分かんないんじゃないかなーって。
お酒の民主化
フランスだと今は分かんないらしいですよ。昔は小学校でワインのちゃんと学科があって、
っていうぐらいやっぱり価値をちっちゃい家から伝えていかないと多分
二十歳になってはいどうぞとは難しいなーと思うので、
なんかお酒が民主化されることで酒の道がどんどん広がるんじゃないかなーなんて思ってます。
普通の方ってアルコールどうやってできるか分からない。
酵母が糖分を食べて価格変化を起こしてっていうことをまず知らない人の方が圧倒的だし、
日本酒は国税、薬商は国税で、だけど農産物じゃないですか。
だから差はなくなってきたけどビールメーカーさんも第三のビールだ。
いろいろ工夫して日本酒じゃなくなっちゃうから1%だけ入れたって。
99%にしたって。本当は100%にしたかった。
そういったところが法律に縛られてるのが難しいですよね。
壁になってるし分かりづらいし。
税金が酒蔵屋さんが減ってるんだから他の人が作ればもっと減るでしょうって言うんですけど、
そうじゃなくて僕は他の人が飲む機会があるから増えると思ってるんで。
どんどんどんどんいろいろ作って、プロとの差。
それで素人がうまいようなら酒蔵屋いらないってことですから。逆に言えば。
いつか規制がもうちょっとね。
と思います。平田さんがお店で作ってちょっとなんかいっぱい飲むけど、
そういう時にやっぱりプロとの差を感じたりとか。
そういう風になるからプロの意義があるんじゃないかなとは思ってます。
ありがとうございます。
それでは次のコーナー。ここだけの話ですかに行きましょう。
このコーナーは自分しか知らないかもなお酒のうんちくや裏話を少しだけ教えてもらうコーナーです。
お酒のうんちくや裏話を聞いてより一層おいしく楽しく飲みましょう。
ここだけの話ですがというシリーフから裏話やうんちくを語っていただきます。
どんなお話が来るか楽しみです。かっさり教えてください。
それでは裏話まで3、2、1、どうぞ。
ここだけの話なんですが、今期工房無添加で実験的に作ったお酒が香りがするんです。
それどういうことですか。教えてください。
はい。あの平田さんもご存知だと思いますが、工房入れない倉月工房っていわゆる独特な香りがして、
今の銀杏っぽい香りってあんまりしないわけですよね。
普通一般的に言われているのは変な香りをするというか独特なんですけど、
ちょっとある実験を繰り返していったら、変な香りじゃなくて整ったような、
詳しくはまだリリース前には言えないんですけど、整ったような香りがしたし、
今では出ないような、あれっていう不思議な香りが出るようになったんですね。
これ何がわかったかというと、今ある境界工房、6とか7とかは発祥があるわけです。
で、6、7、9とかもいい香りじゃないですか。
18とかみたいなドッカンっていうカボラサイチュウってリンゴみたいな香りがするっていう前は、
18、19はもうここで作ってますからね。
そうですね。滝のがる。ドーンと出てくるんです。
そういう手前は穏やかながらに果実のいい香りがするわけじゃないですか。
14ぐらいまでも倉月を持ってきてですもんね。
はい。そうですそうです。
ということは、それまでは倉月っていうのは、いわゆる独特な香りだったはずが、
あるとき変わったわけですよ。
そのあるとき変わったタイミングが分かっちゃったってことなんです。
あ、こうやってたからそういう工房が生まれたんだっていうのが紐解けたんです。
それって分析までしてます?工房。
してます。
突然変異しちゃったとかそういうわけではなく。
近いんですけど、ありがとうございます。素晴らしい。
うちって倉月工房って境界工房は調べると赤色系なんですね。染色すると赤。
うちは桃色なんです。桃色って何かというと、いわゆる境界系じゃない昔の工房の色を出すんですよ。
で、それなのになんです。
だけどちょびっと赤色の遺伝子も少し入り込んでいるような、少し変異がかかっているんですけど、
それを科学的にしないで蔵の中で、昔はできた、起きたから境界系になったわけじゃないですか。
これがいいから、環評会ではここおいしいからちょっと工房ちょうだいって言って、
こっちでより洗練させてるわけですよね。
はい。それを蔵の中で洗滅してたわけじゃないですか。
それが偶然的にできたのを、きっとこうやったらできるんだろうな、意図的にできるんだと。
すごいな、この話。
そうか、できる。
はい。だから昔何十年かけたことをギュッと凝縮して、
こういうことが起きたからきっと境界が生まれたんだな、というのがちょっと紐解けました。
でもそれは当時の人たちが大変態です。すごいです。
絶対やらない手法を取ったんで、当時の人たちがすごいです。
もう捨てていい気持ちでやったんだろうな。
ある時、こういう作りじゃなくて、こんなことやってみたらいいんじゃない、
って言ったらラマスさんの先代とか、天才だ、変態だとか、絶対思いつかないようなことをやってた。
へー、すごい。でもそれを土田志造さんが発見しちゃったんですよね。
はい。ある時、こしろが何か言ったきっかけで、え、じゃあこれなら作れるんじゃない?って時に、
あ、じゃあこんな方法でやってみます、って本当言えないことだけど、すいませんが。
へー。
やってみたら何回も失敗したんですけど、あ、これならできるかもってやってて積み重ねたら、ある時日本行きました。
あー、そうなんですか。
こうやると、だから来年またやった時にできたらいいなーっていう感じですけど、なんとなく分かりました。
工房の突然変異を起こさせたとかっていう方向ですよね。
そうです。
あー。
酒作りのロマン
倉月工房を作業を作っている段階で変異が起こるようには環境を変えていくわけですね。
彼らはストレスがあると変異がかかってくるんで、そのストレスをどう与えるか。
都道会中の寺澤統治とお話しすると、逆に変異がかからないように、元株を大事にしてその冷凍庫でやるのを。
あー、そうそうそうそう。
普通は。実験室でやるわけですよ。
で、それかつマイナス何度のところで保存しておくのがベースなんだけど。
そうそうそうそう。普通に作っている段階でやるんです。
あー。
主母を立てながら、その主母に変異がかかるようにやっていくの。
へー。
はー。これ、論文にしたら色々ひっくり返っちゃいますよね。
で、言えばそれはその通りだよね。
まあ、業界的なんですけど。
そうそう。
そう、だけどやれないんです。そこで多分誰もやらないと思います。
それはやっぱ大変だからですか?誰もやらないっていうのは。
大変だし、やって価値があるから別なわけですけど。
僕らはそのロマンですよね。そこに価値があるかというよりはやってみたいんだっていうだけ。
それは誰かが届くとかじゃなくて、なんか昔の人たちがどうして境界コンボができたかを知りたい。
実験室じゃないレベルで起きたことを知りたいんで。
それがちょっとわかったかもしれない。ひもがちょっと扉が少し開いた気がします。
いや、いいですね。酒作りってもうロマンの塊ですね。
はい。そこに価値があるかなんか知らなくて。
誰かがやるから開くから意味があると思う。
めっちゃ楽しみにしてください。
楽しみにしてます。その工房が作られた日本酒はいつ販売とかってもう決まってるんですか?
ちょっとね、どうしようかって結構うまくいっちゃったんで。
どうやって話す?発表する?みたいな。
ブランディングもですもんね。
はい。どうする?みたいな。
一応ヒーレーはするんですよね?
ヒーレーします。それは流石に冷蔵庫かなと思うけど、
次のミッションは冷蔵庫じゃなくても残る香りにしたいなと思ってるんですけど。
ある我々の大親友の蔵でイノベイティブなことをされる方が来たときに、
星野くんがこんなの作ってる、こんな目標で作ってるんですって言って香りを嗅いでもらったら、
すげえ、こんなことが本当に起きるんだってびっくりされてました。
だからめっちゃこれは面白いなと思ってます。
温度台とかもいじっくってるわけですよね?
もちろん。もちろん。
あと、なんで米削れて大事だなってことも分かってきましたし、
削る意味が、意図が分かってきました。
きれいにするとかじゃなくて、こうやってどういうことが起きてるのかが分かってきました。
削ることによって。
多分聞いてる人たちはすげえワクワクすると思うんですよね。
ちゃんとここまで聞いてもらうようにSNS発信しないとね。
何ヶ月後にうちが出した時に、
ああ、このことかっていうのが紐解けたら、皆さん聞いていただけたら嬉しいと思います。
未来への挑戦
楽しみですね、販売が。ありがとうございます。
本当にここだけの話を4回にわたり、
土田修造代表取締役の土田祐治さんにお話をたっぷり聞いてきました。
本当に日本人の今だけじゃなくて、
だからこの土田さんのチャレンジングなことが、
10年後、30年後、50年後、僕らがこの世にいなくなってもそれが逆に
22世紀、23世紀につながるような発狂をなさったんじゃないかって思うような話も聞けて、
ありがとうございます。
本当にぜひ皆さんも今日の話をおつまみにしながら、
土田さんのお酒を楽しんでいただければと思います。
本当に土田さんどうもありがとうございました。
ありがとうございました。楽しかったです。またよろしくお願いします。
ありがとうございます。
それでは縁も竹ならですが、このあたりでお開きをいたしましょう。さようなら。