■内容
トークテーマ:おすすめの酒3選/岡住さんのこれからの酒の道
コーナー:さきの今日のひとこと
ゲスト:岡住修兵さん
1988年、福岡県北九州市のお生まれで、神戸大学経営学部をご卒業。この大学時代に秋田県の日本酒『新政』との出会いに感銘を受け、2014年に秋田県の新政酒造にご入社され4年半にわたり日本酒づくりを学ばれます。
その後浅草にある木花之醸造所の初代醸造長を。そして2021年に秋田県男鹿市にクラフトサケ醸造所「稲とアガベ」を創業されました。
醸造所だけでなく、レストランや宿泊施設など多角的な事業を展開され、「男鹿を酒の聖地」として地域活性化を目指していらっしゃいます。
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サマリー
このエピソードでは、稲とアガベ株式会社の岡住修兵さんがクラフト酒の新たな挑戦や理念について話しています。特に、日本酒と他のアルコールとの融合を目指す新しい醸造方法「MEGURU」や今後の展望について深く掘り下げています。岡住修兵さんは新たな醸造酒の創造に挑み、日本酒技術を基にした革新を追求しています。このエピソードでは、彼の酒造りの哲学や今後のビジョンについて詳しく語られています。
クラフト酒の定番
酒の道 日本酒の聖地から
こんにちは、パーソナリティーの平田勝です。この番組はお酒にまつわるゲストをお招きし、お酒の道を歩むストーリー
お酒のあれこれを深掘りしていく番組です。アシスタントの佐紀さんとともにお送りします。 よろしくお願いします、佐紀です。
今回のゲストは、稲とアガベ株式会社代表取締役岡住修兵さんです。 本日もどうぞよろしくお願いいたします。
お願いします。 前回は稲とアガベさんの取り組みなどをお伺いしてまいりました。お菓子の話もたくさんありがとうございます。
今回はもう稲とアガベさんのおすすめのお酒を3つ、岡住さんからお伺いしたいと思います。
まずはですね、我々の定番酒である花風という商品がございます。 先ほども飲んでいただいたんですけど、ホップを使ったお酒でしてですね。
お米と麹とホップを組み合わせた日本酒とクラフトビードを融合させたようなお酒です。 ホップを使ったお酒自体は創業当初から作っているんですけど、これはですね、2024年の2月から新定番として販売したお酒でして、
今までとはまた違った発想で、味わいの年頃も変えてですね、よりジューシーに、より味わいも軽やかに作ったお酒かなと思います。
クラフト酒ってボトルも小さくて、値段もですね、日本酒に比べるとかなり値段としては高いものが多いんですね。
皆さん本当にちっちゃい醸造所なんで、なかなか価格を下げるってことが難しいので、しょうがなくお酒は高いですし、かつ他の原料も使ってるんでね、それもお米に加えて原料費も乗ってるんで、どうしても高くならざるを得ない部分があるんです。
だけどやっぱり新興の酒蔵でまだまだ味が安定していない中で、日本酒よりも高いってなると、いやいや、こんなコスパが悪いよ、みたいなこともあって、どうしてもあるわけですよね。
だけど、だからこそですね、クラフト酒ブリアリー協会の会長としては、日本酒に並んでも違和感ないような味わい、あるいは価格みたいなところにやっぱりチャレンジしないとなという、まあそんな思いで作ったお酒が花風というお酒です。
なので、価格面でもですね、今までの価格よりはだいぶコストを抑えることに成功しまして、まだまだその他の日本酒の中では価格としては高い層には現れるんですけど、720mlで2100円ぐらいのお酒で今提案させていただいておりまして、まあこれがうまく今はちょっとハマっていて、まあいろんな飲食店さんにも置いていただいたりとか、
クラフト酒が少し一般に浸透するきっかけになったお酒かなというふうに思ってますね。
新しい醸造酒の提案
本当私も花風飲んだことあるんですけれども、グルーリコっていうちょっと薄ピンクのと赤いラベルのやつ、どっちも飲んだことがあるんですけど、なんかこれ本当クラフト酒って思って、なんだろうどちらかというとすごい日本酒っぽく感じたので、いや美味しいと。
美味しいしか言葉で言ってこなかったんですけど。
まあ例えばホップもですね、日本酒に深夜性のあるようなホップをしっかり選んで使っておりまして、日本酒には銀錠化っていうまあ言ったら華やかな香りの成分があるわけなんですけど、まあそれまで最近日本酒の一つのトレンドになりつつある第三の銀錠化みたいな感じで言われている4MMPっていう成分があるんですね。
4MMP。
これどんな香りかというとマスカットとかライチとか、そんな香りのする成分になります。
これは日本酒の場合は春夜っていう米由来で出てくるようなお酒の香りだっていうところで、それも面白いポイントなんですけど、とにかく今ちょっと注目されつつある香りの一つですと。
そういう香りって実はホップでもそういう成分を持っているホップがあるんですよ。
へーそうなんですか。
そういったホップを使うことによってマスカットとかライチとかそんな香りをホップ由来で持ってきているのがこの花風ですね。
なので日本酒でもちゃんと神話性のある香りっていうものをちゃんとホップ選びの中で生かして、日本酒としてそんなに違和感ないようなそんな香りの構成で作っているのが花風かなというふうに思いますね。
確かに飲んだ時にそのライチの爽やかな香りがすごい印象的だったなと思います。
ありがとうございます。
2つ目もお願いします。
はい、最近リリースしたお酒になるんですけど、めぐるというお酒をお勧めしたいですね。
このお酒はですね、お米のこと麹に加えて、今回のトークでも少しだけお話させていただいたんですけど、クラフトジーンとかを作る蒸留施設を今年の1月にオープンしたんですね。
ここでは何やっているかというとですね、酒かすってアルコール含まれてるんですね。
これを蒸留するとかす取り焼酎って焼酎が取れるんですよ。
このかす取り焼酎をまず取って、これをベースにクラフトジーンを作る蒸留施設を今年の1月にオープンしたんですね。
それは酒かすっていうのがなかなか廃棄リスクが高くて、これをしっかりとした価値にしようっていう、そんな取り組みの一環でクラフトジーンの蒸留施設を作りました。
クラフトジーン作るときにボタニカルというものをいろいろ使うわけですね。
メインになるボタニカルがいわゆるジュニパーベリーという植物なんですけど、
ジュニパーベリーっていうのがジンの香りの中核になるようなものですね。
このジュニパーベリーの他にもいろんなボタニカルを使うんですけど、一回蒸留しちゃえば、あとはもうほとんどゴミみたいなもんなんですね。
僕たちは今まで畑に戻したりはしてるんですけど、言ったらそんなに価値にはなってない。
だけどジンにはもう1回できないけど、まだ香り残ってるんですよ。
こいつを次はクラフト酒屋に持ってくるっていうことをやってます。
お米と麹に加えて、クラフトジンで1回蒸留した後の蒸留ガスをクラフト酒の方に持ってきて、漬け込んでお酒にする。
このジンの要素だけじゃなくて、実はブドウも使ってるしホップも使ってるんですよ。
なので、言ったら日本酒的な要素とジンみたいな要素とワインとビールみたいな、そんな要素が複雑に絡み合ったお酒としてリリースさせてもらいました。
まとまらないように感じるじゃないですか。
だけど不思議とまとまってるっていうところが面白いポイントで、個人的にもかなり自信のあるお酒かなと思ってます。
すごい不思議です。
もはや日本酒とか青酒系統の醸造方法はベースはそうだけれども、いろんなものがごちゃ松に入ってるけれども、そこをうまくまとめたと。
新しい醸造酒っていうかたちが。
そうおっしゃっていただくのが本当に、一つやっぱり目指す方向はそういったものなのかなというふうに思っていて。
多分日本酒の免許の問題だとか、いろいろとそれも取り組まれてると思うんですけれども、
もうクラフト酒っていう新しいジャンルを作るぐらいの機会を持ちなんだなと思って。
今までは日本酒の中のクラフト酒っていうような感じだったんですよ。
素材もシンプルに使いながら。
かつ日本酒っていう要素をいかにちゃんと軸足を置くかっていうことを大事にしてたんですね。
その方向はもちろんあると思います。
その代表的なところがホップを使ったお酒かなと思っていて。
ただやっぱりいろいろやってると複雑であればあるほど面白い。
かつ自分もこんなの飲んだことないっていうものができるんですよ。
新しい醸造酒ですもんね。
そうですね。
かつ上流の免許も取られたってことは、
上流酒にまたできた新しい香りのお酒がどんどん作れるっていう循環ですよね。
そうですそうです。
だからこのMEGURUのお酒の酒カスはまた次はクラフト酒になっていく。
そこで使ったボタニからまた戻ってくるっていうこういう循環のお酒で、
だから名前もMEGURUっていう名前にさせてもらってます。
日本草木研究所とのコラボ
永遠にどんどん味変わりますよね。
永遠にどんどん変わります。
それが一つこの酒のコンセプトかなという感じですね。
常に変わっていく。
僕も今おっしゃっていただいた通り、やればやるだけですね。
言ったら日本酒、ワイン、ビール、これはほとんどたぶん根っこは紀元前ぐらいにあるわけですよ。
言ったら新しい醸造酒ってたぶんこの何千年生まれてないわけですね。
この新しい醸造酒に何か成り得る芽が少しクラフト酒の中から出てきてるような気がしていて、
僕は2000年分に生まれた新たな醸造酒みたいなものを世界に発信していきたいなって今強く思っている。
そのきっかけになるようなお酒がこのMEGURUですね。
そっちの方が逆に世界の方も飛びつきやすいんじゃないか。
ジャパニーズ酒ってなっちゃうと味よくわかんないし、
海外の方は白ワインのパンチがないから味わいがないからっていうのを、
新たな提案ができるようなお話を聞いているかすごい思いましたね。
名前もそうなると変わってくるのかなとかも思っていたりして、
だから酒っていうところから少しまた離れたような、そんなネーミングも実は裏では考えてたりしますね。
3つ目はそろそろ出るお酒でして、これは火におるって書いて、火っていうのは炎の火ですね。
火におるって書いてホーリーっていうお酒です。
どういうお酒かっていうとですね、日本の山々に自生している草花。
これって西洋のハーブとかスパイスに全然負けないぐらい香りのいいものとか、味わいのいいものっていっぱいあるんですよ。
だけどこれ今何の価値にもなってないんですね。
でも何の価値もなってないものに対して価値に変える取り組みをやっている日本草木研究所っていう会社をやっている友人がいるんですよ。
その彼女と一緒に作ったお酒がこのホーリーというお酒でして、本当に彼女はですね、活動面白くて、東大の若い植物学者と一緒に日本の山中入ってですね、植物、これ食べれるみたい言われたら全部食べてみて、
煎じてみたり、なんかもろもろ蒸留してみたりとかしながら、これ使えるみたいな素材を全部の全国の山下さんと提携して山下さんに集めてもらって。
一応毒大丈夫かって確認しながらですよね。
東大の植物学者入ってるんで、僕も一緒に入ったことあるんですけど、世の中に見えてる植物全部生ゆえるみたいな人なんですよ。
すごい。
で、なんかそのこと入るからその辺の安全面はあるんですけど、それで全国の山下さんにこういう植物集めてほしいっていうので集めてもらったものを全部パッケージ化して、日本中、世界中の、今世界でも知られてるんですけど、世界中のワインダイニングに下ろしていくっていうことをやってるのが日本草木研究所なんですよ。
だけど、レストランに下ろすだけじゃ量を吐けないんですよ。
新たな醸造酒への挑戦
だから、量吐くんだったら発酵じゃね?っていう話して、僕いっぱい使うから酒にしようよっていうことで、あの女からその植物を買って、で、メインで使ってるのが、例えば宮崎で自生してるアオモジっていう植物なんですけど、アオモジっていうのは台湾で言うところのマーガオっていう植物ですね。
これレモングラスみたいな香りするんですよ。
他にも福島産のカヤっていう、まあなんかちょっと難しい字格、カヤっていう植物があって、これはですね、グレープフルーツみたいな香りするんですよ。枝葉が全部。
で、あとはハナイオモギっていう植物を使ってたり、この時期はですね、ちょうどこれ仕込んだ時期はアカエムゾマツっていうものの新芽が出てたんで、それもいい香りするんで、それも使ってですね、一回ハーブティー作るんですよ。
大量にハーブティー作るんですよ。だから僕ら物見のサイズが1200リッターぐらいなんで、言ったら700リッターぐらいハーブティー作るんですよ。で、このハーブティーを仕込み水代わりにして仕込むみたいな。
発想が。ハーブティーで酒作るみたいな。それが3つ目。今後どんなお酒が出てくるかが、もう想像を絶する世界観が見えてて、中でそんな岡住さんのこれからの酒の道をぜひお伺いしたいんですけれども。
ありがとうございます。そうですね、もう本当に今安さんがこういうとこ目指せばいいんじゃないかっていうところをまさに目指していて、本当に日本酒ビールワインに次ぐような何か新たな醸造酒の分野みたいなものを切り開いていきたいなっていうのが醸造家としての思いですね。
何千年ぶりに出てきた新しい醸造酒が世界中の人たちに親しまれる。で、その技術の根っこは2000年ぐらい培ってきた日本酒の技術なわけですよね。そういうことを日本人としてやりたい。世界中の人たちに驚きを与えるようなこんなものがあるんだ。こんなものを作れるんだ。日本酒技術だからできるんだみたいなものを醸造家としては作っていきたいなって思ってますね。
一般的な日本人だと海外の方の味覚としてアミノ酸を探しづらいというか感じづらいというか部分があるけど、これぐらい味しっかりしたものだと逆に受け入れていただきやすかったりするんだろうなっていうのも思っております。すごいロマンが詰まってました。
それでは次のコーナー。ここだけの話ですかに行きましょう。
このコーナーは自分しか知らないかもなお酒のうんちくや裏話を少しだけ教えてもらうコーナーです。お酒のうんちくや裏話を聞いてより一層お酒を美味しく楽しく飲みましょう。ここだけの話ですが…という台詞から裏話やうんちくを語っていただきます。
どんなお話が聞けるか楽しみです。こーっそり教えてください。
それでは裏話まで。3、2、1、どうぞ。
ここだけの話ですが…ができます。
え、それどういうことか教えてください。どういうことですか本当に。
はい、今まで定番酒として最も親しみやすい価格で提供させていただいてきた花風なんですけど、それはもちろんそのままに花風の高級酒みたいなものを来月リリースしたいなというふうに思っております。
いいですね。
そういったところで会社さんも大きくしていただかないと。逆にその価格帯の方が使いやすいっていうレストランだとか飲食店多いですから、そういったところ向けで僕はすごいいいと思うんですよね。
ありがとうございます。
実は使っている素材がホップとはまた若干違っていてですね、ホップを使ってきた花風なんですけど、じゃあ何でそもそもホップを使うかというとですね、実はホップの近縁酒のカラハナソウというのが日本の山には自生しておりましてですね、
このカラハナソウを使ったドブロクを実は文化的に日本人がずっと作ってきたんですね。
カラハナソウの煮汁を使ってそれを仕込みする代わりにして花本っていうドブロク製法があってですね、これ民間伝承で今でも東北のおじいちゃんとか作ってたりするんですよ。
この花本っていうホップみたいなものを使ったドブロク製法がもともと文化としてあったんだったら、僕もそれを現代ナイズしてホップ使ってもいいやんっていうのが最初のきっかけでホップを使ったものを作ってきたんですね。
実はこの花風の上位五感のものはこのカラハナソウを使ったお酒になります。
カラハナソウでさっきのほうりみたいにハーブティーとるんですよ。
これを仕込み水にふんだんに使って仕込んでいきました。
最初はホップをそこに入れようと思ってたんですよ。
花風に使ってるような。
だけどですね、カラハナソウ単体でむちゃくちゃいい香りになってきてですね、
先日絞ったんですけど、ワインで言うところのソービンヨンブランみたいな。
そんな感じのすごい特徴的な。
でもマスカットとか、そういったブドウ的な香りがわっとするような。
そんなお酒に仕上がってまして、今それ単体でもむちゃ液体として美味しいんですけど、
それを今ちょっとだけ樽に一部寝かしてます。
これはもうブルゴーニュのシンダルを買ってですね、そこに一部入れてるんですけど、
そこにちょっとユッティーなオークラル由来のバニリンみたいなものを加えて、
よりちょっと説得力のある液体にしたいなって思ってますね。
何年か経ったら何万円で買えるんでしょうね。
そんな感じですごい楽しみですね。
本当に1年半近くこの酒の道やってるんですけれども、
またまた深い話が、そして日本酒の未来、酒の未来、
クラフト酒じゃない名前がつくかもしれない、
新アルコール飲料のお話を4回にわたってたくさん聞かせていただきました。
本当にありがとうございます。
ありがとうございました。
今月は、稲田赤部株式会社代表取締役、岡住修平さんにお話をお伺いしました。
本当にありがとうございました。
ありがとうございました。
さよなら。
さよなら。
さて、縁も竹縄ではございますが、今日もこの辺りでお開きといたしましょう。
番組の感想はXでハッシュタグ酒の道で検索してください。
それではまた次回。さよなら。
19:05
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