さあ、大葉さんが社会人経験の中で現在のお仕事につながるエピソードなどが3つほどあるということで、ぜひ教えてください。
はい。まず一つ目なんですけれども、私は広告制作業が本業ですので、仕事からロケで全国つつ裏裏に出かけるんですね。
仕事の後先に地元の食材だとか料理だとか酒を味わうんです。これが嫌というほど飲むんですけれども。
例えば南国土佐に行ってその丹麗辛口の酒がうまいって言われても、南国土佐に行かないとわからないのは、あそこの鰹のたたきを食べないからわからないんです。
やっぱりあの鰹のたたきを食べると、こういう丹麗で辛口の酒がやっぱりうまいよねって思い至ることになります。
僕もお酒扱いを始めて、スイゲイさんが飲んだ時に鰹を出して、ちょっと残ったからつまみでスイゲイが飲もうと思って、
ポン酢と鰹とお酒、これがマリアージュだと、やっぱりそこに合うお酒なんだと、あれはやっぱりそういった感動をもっとね、
日本の方も知ってると、より日本酒を好きになるんじゃないかなって。
そうですよね。
日本中そういった体験なかったわけですもんね。
そう、例えばその東北に行ってジビーを食べる機会があると。
じゃあジビーを食べるんだったらこういう濃純なお酒がいいんじゃないのとか。
例えば名古屋に行ったら八丁味噌があると。
八丁味噌にはクボタが合うんじゃないのとか。
いろんなことをそこで考えるわけですね。
クボタは名古屋のお酒ではありませんけども、やっぱりその蕎麦には蕎麦の、唐揚げには唐揚げの、
やっぱり合うお酒というのが地のものとしてあると思うんですね。
それが地酒という意味ですけども。
そういったフードとしてその土地にある日本酒っていうものをもし仮にその蔵がやらなくなるとするとどうなるかというと、
地元の人がお酒を買わなくなりますね。
自分のところの食材に合わないから。
それ必要ないわけですよね。
だからやっぱりお酒というのはその土地に根差したもので、
その土地の食材と合わせて飲むことで地元の人が喜んで、それを美味しいということで全国が知るっていう。
そこをやっぱり嫌というほど知りました。
そうですね。
もう一つ言うと、お酒って70%から80%が水ですので、米の旨味を水につけたっていう飲み物だと思うんですね。
だからそれもその土地の水の香り。
例えば南国土佐の新淀川で作ったつかさぼたんのお酒が美味しいのは、その土地の水だからなんですよね。
で、その土地の葛を食べるっていうのが僕は最高のマリアジアだなというふうに思っています。
思います。
ありがとうございます。
本当に思います。
ぜひ合わせてみていただけると、その美味しさがわかると思うんですね。
2つ目は、以前僕もお手伝いした仕事なんですけども、愛媛県の特農家、お薬生さんですけども、お米作ってらっしゃる方が完全無農薬、完全無肥料でコシヒカリを作っていたんですが、
人生の最晩年になって、その作ったお米で日本酒を作りたい、それを売りたいということになって、私のところにお話が来てお手伝いしたんですが、
その特農家曰く、酒作りは米作りであると。
で、日本の水道栽培、この先、もう次の100年につなげようとしたらば、やっぱり米作りをしっかりしなければいけない。
そのためには土が大事だということになって、肥料を大量にまく水田には土の力がなくなってしまう。
土の中には、皆さんご存知かどうかわかりませんが、1gの中に大体100億ぐらいの微生物がいるんですね。1gですよ。
じゃあ、1握りになると、それはもしかしたら、一国の人口なんかよりも全然多い微生物がいて、その微生物の働きで土が良くなって、丈夫な稲ができて、美味しいお米ができる。
なので、その人の畑には、その人曰くですけども、私の田んぼには無数の微生物がうごめいて、お祭り騒ぎのように頑張っているんだって言うんですけども、それは確かだなと思って。
ということで、彼は完全無農薬無肥料でお米を作ったんですね。そのお酒がまた美味いんです。
ふくよかな米の香りがするし、大地の味がするって言ったら大げさかもしれませんけども、そういうふうに思えるようなお酒でした。
これが、僕が酒作りには米作りだと思ったきっかけで、これことを忘れちゃいけないなというふうに思いました。
そうしたことによって逆に虫がつかないよう。
水がきれいになり、虫さえ来なくなる。
害虫と言われるね。
そうですね。お米には害虫が多いですから。
手を掛ければ逆に来なくなる。いい話ですね。
3つ目は、僕はもともとコピーライターが本業で、プランナーという仕事もやるんですけども、
例えばそれをクライアントに置き換える。それは蔵元だったりするし、自治体だったりもするわけですけども、
そういったクライアントの課題だとか問題点を絞り込んだ上で言語化するというのが仕事なんですね。
言葉に置き換える。何が課題で何が問題なのか。
難しい言葉で言うとそれをコミュニケーションデザインとか言ったりしますけども、
例えば今プロジェクトが進んでいく首都宣言も、そういうことの言語化が身を結んだ言葉なんですけども、
実はこれがブランド作りの原点です。
原点。
そこからポスターを作るとか、ロゴマークを作りますとか、いろんなクリエイティブワークがスタートします。
結果として消費者の方が目に留まるような、あるいは共感するようなブランドが立ち上がっていくんですけども、
僕の仕事はその最後までを見届けるということになります。
なのでおいしい日本酒をどう作るかというのは決してその酒の質の設計だけではなくて、
非常に良い習得に言語化したそこの設計が必要になってきます。
なので広告の政策教で培ったこれまでの経験だとかスキルを、
この日本酒文化普及アドバイジングという仕事にしていく上での僕の武器なんじゃないのかなというふうに考えています。
すごくおいしいお酒があっても、やっぱりそれを広める人がいないと、
そのお酒のおいしさとかも全然伝わらないと思うので、
本当におばさんのお仕事ってすごく素敵だなと思いながらお話を伺してました。
いい資格情報があればいい口コミが広がるんですね。
口コミだけでは広がらないんですね。
やっぱり人が見て何を考えたかって人は語りたいので、
そのスピーカーのモチベーションをどうやって触発させるかっていうのが、
ブランド作りの肝になるかなというふうに思いますよね。
スピーカーの方が発する言葉の共感力ですよね。
そういうことですね。
ありがとうございます。
では次に、おばさんがお酒関係のお仕事でやっていてよかったと感じた出来事ややりがいなどあれば教えてください。
一昨年、2023年のクリスマスの時期に、
新国立劇場、これはオペラを開催する劇場ですけども、
ここでコウモリというオペレッタを上演したんですが、
その際にオペラを見る時には幕が上がる前と幕の真ん中と最後と、
その3回ぐらいの時間に、皆さん基本的にはシャンパーニュワインを飲むんですね。
気分を盛り上げて上演を見るという。
我々の場合はその時に、日本の酒に乾杯というタイトルで、
最近、泡酒というジャンルのお酒が世の中に出つつある。
ある部分ではブームになっているところもあるんですけども、
じゃあ泡酒でコウモリを見るような企画にしようよということで、
イベントを実施しました。
ストーリーに合わせたんですけども、
世界の顔が輝く泡酒と日本酒のカクテルということで、
最初にスパークリング日本酒を飲んでいただき、
途中で日本酒カクテルを飲んでいただき、最後にスイーツを食べていただくという。
そういうことでやったらば非常にいい評判だった。
これはやっていてよかったなというふうに思ったんですね。
まずあるセミナーでお伺いしたんですけれども、