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2025-06-23 09:27

#3 "はじめに"ご紹介 FeelWorks代表前川著書「部下を活かすマネジメント新作法」

「部下を活かすマネジメント”新作法”」

はじめに

第1部 ここまで変わった!マネジメント“新作法”20
 第1章 働き方の変化
 第2章 キャリアと育成
 第3章 上司力 ( 部下指導 )
 第4章 組織運営 ( チーム力 )
 第5章 多様性 ( ダイバーシティ&インクルージョン )
 第6章 人事・賃金制度
第2部 人を活かす5社の企業インタビュー
 ヤフー株式会社
 ニューホライズンコレクティブ合同会社
 株式会社ローランズ
 株式会社ノジマ
 サイボウズ株式会社

◇◆今回は、”はじめに”を抜粋してご紹介します!◆◇

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【著者】前川孝雄 【出版社】労務行政 【出版年月】2023/9

サマリー

FeelWorks前川孝雄著「部下を活かすマネジメント新作法」では、現代のマネジメントの変化や新たな手法が求められている中で、上司としての役割を再定義する必要があると説かれています。本書は、上司力を強化し、部下の働きがいや成長をサポートするための具体的なアプローチを提供しています。

マネジメントの変化
FeelWorks代表前川孝雄の著書、「部下を活かすマネジメント新作法」 。働き方や働く人たちの意識が変わり、深刻化する人材不足で人的資本経営も求められる中、マネジメント手法も変化の時に来ています。
この本は、これからの上司に求められる20の新作法と5つの先進企業事例を解説し、マネジメントの経験知が通用しないことに悩む上司を救う一冊です。
今日は、”はじめに”を抜粋してご紹介します。
働き方やマネジメントのありさまは目まぐるしく変化しています。
日々忙しく過ごす中では、わずかずつ移り変わる変化は自覚されにくいものです。
しかし、20~30年のレンジで見ると、当時の常識が今では全くの非常識に置き換わってしまったことに気づきます。
私の会社では、上司力研修の提供などを通じ、人材育成の支援を行っています。
そこで近年特に目立つのは、40~50代の部課長層が大いに悩み、疲弊している様子です。
具体的には、働き方改革で部下の労働時間短縮に取り組まざるを得ない一方、
これまで以上にチームの業績向上や変革が求められるジレンマ。
自らもプレイングマネージャーで多忙な中、
目前の仕事も部下のマネジメントも回りきらないとの悲痛な声も聞かれます。
また、いわゆるパワハラ防止法の施行で、部下への関わり方に悩む姿、
これまでは部下のために、時に厳しく叱咤したり、やや難易度の高い仕事を任せたりして育ててきました。
しかし、ハラスメントと指摘される恐れから、部下の育成やコミュニケーションをどう図ればよいか戸惑う上、
職場でのグローバル化やダイバーシティが進む中、部下を束ねて組織成果を上げる自信が持てないでいるのです。
人的資本経営の重要性
さらに上司のより根源的な苦悩は、自分たち中間管理職の存在意義自体が問われ始めていることです。
2000年代以降、組織運営の在り方としてティール組織やフラット組織などの有効性が唱えられ、
ミドルマネジメント機能を縮小ないし不要とする論すら登場しました。
そうした中で、2020年からのコロナ禍で一気に普及した在宅勤務などのリモートワークでは、
上司が日々部下の仕事ぶりを見ながらマネジメントすることが物理的に困難になりました。
社員には自律的な働き方が求められ、社内情報を共有するツールが整備され、
オンラインで社員間の相談や打ち合わせが可能になるなど、さまざまな工夫が進みました。
これによって、上司が常時関与しなくても仕事がスムーズに進む仕組みや環境が整った側面もあったのです。
コロナ禍は、マネジメントの在り方や上司の存在意義自体を根本から問い直す契機となりました。
これからの上司は、どのように自らの役割を見直していくべきでしょうか。
日本では、2020年9月に経済産業省が通称「人材版伊藤レポート」を公表し、人的資本経営が叫ばれる時代に突入しました。
企業経営において、人材は使い尽くす資源や損益計算書上で人件費計上するコストではなく、
貸借対照表における資産であり、投資すべき資本と捉え直すべきであるとされています。
社員自らも常にスキルアップを目指し、リスキリングや自己啓発に励む一方、
企業経営も社員一人ひとりの成長や活躍を支援すべしという考え方です。
働き手一人ひとりが常に時代の要請に応じたパフォーマンスを発揮できる人材にステップアップ可能な体制を、会社全体で整備することが重視されるようになったのです。
政府や経営者団体も人的資本経営の実現を目指し、アクセルを踏み始めました。
背景にあるのは人材不足です。
実は、女性の活躍推進や高齢者の就業促進により少子高齢化の中、労働力人口は増えています。
しかし、DX推進やAIの進化などにより、求められる人材像が激変しており、人はいても人材がいない状況が深刻化し続けているのです。
2023年3月期から、上場企業の有価証券報告書に、人的資本経営の取り組みに関する情報記載と開示が求められるようになりました。
その例示項目には、社員の育成とワークエンゲージメント向上への取り組みが含まれています。
ワークエンゲージメントとは、社員が組織と仕事に抱く愛着やモチベーション、つまりは「働きがい」と言ってよいでしょう。
社員がこれを高く保ち、自らの仕事に満足を覚えながら携わることのできる企業環境が求められているのです。
人的資本経営を実際の現場で促進するのは、現場の管理職、マネジメント層にほかなりません。
よってすべての上司は、人的資本経営への流れを部下マネジメントの前提に置くことが必須となります。
マネジメントの本質
自らの存在意義も、この理解と率先にあると言えるでしょう。
これからの上司の存在意義は、一人ひとりの部下の働きがいを育み、部下が成長や活躍の実感を持てるような支援ができる上司力を学び、発揮することだと言えるでしょう。
とはいえ、上司が部下の働きがいを高めることは容易ではありません。
ミドル層である上司が培ってきた働き方やマネジメントの常識と非常識が逆転するような大きな変化の時代。
育った時代の異なる若手はもちろん、多様化する部下一人ひとりへの適切かつ効果的なマネジメントには絶対的な正解がないからです。
自身の常識に従えばハラスメントになりかねず、かといって部下の常識に寄り添いすぎると育成はままならず、チームワークが成り立たなくなる懸念すらあります。
そこで本書の第1部では、変化の波に翻弄されないために、マネジメント上の判断に迷いがちなグレーゾーンであるテーマを全6章20項目で取り上げました。
そして現代では、一見常識に見える非常識となったマネジメントの理由と背景を指摘しつつ、新作法のマネジメントの考え方と方法を具体的に解説しました。
これらをヒントに、自身のマネジメントにおけるケースバイケースの要素も加えて実践に役立ててください。
そして第2部では、まさに人を活かすマネジメントに取り組む5社の先進事例を紹介します。
第1部で論じた新作法の多くの要素について、全社を挙げて具現化したロールモデルです。
インタビュー形式で、実践の経緯や内容を詳しく深掘りしました。
ぜひ先端を行くマネジメントノウハウに学び、可能な部分を取り入れてください。
マネジメントについても不易流行があります。
表面的に移り変わる流行がある中でも、変わらないもの、変えてはならない普遍的な在り方が一貫して存在します。
上司のマネジメントの本質は、
ヒューマンスキル(人間関係能力)とコンセプチュアルスキル(言語化能力)によって部下の心を動かすことです。
人の心を動かす観点から、変わらない普遍の要素は一体何か。
上司の皆さんが本書と対話をしながら、本質的かつ自分らしい上司力を身につけ、
自信を持って部下の育成と活躍支援に当たられることを願っています。
09:27

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