1. 前川孝雄の上司が元気になるラジオ
  2. 「事なかれ上司」になるなかれ
2024-12-16 08:02

「事なかれ上司」になるなかれ

「事なかれ上司になるなかれ」

 

Summary

上司は多様な部下を効果的にマネジメントするために、優しさだけでなく、時には厳しさも必要であることが強調されています。「事なかれ上司」とは、部下に対して無関心になってしまう上司を指し、これに対抗するための社内環境の改善や意識改革について語られています。

叱られない世代の現状
はい、皆さんこんにちは。FeelWorks代表取締役の前川孝雄です。
今日のですね、上司が元気になるラジオは、「事なかれ上司になるなかれ」というふうなお話をしたいなというふうに思っています。
はい、日々ですね、皆さん、多様な部下のマネジメントにお苦労されていると思うんですけども、今ですね、こんな現象が起きていると思うんですね。
叱れない上司と、叱られたことがない若手と、こういう図式が日本中の職場に増えているんじゃないかなと思うんです。
リクルートワークス研究所がですね、1000人以上規模の大企業の大卒、大学院卒の新入社員ですね、対象にした調査で、
2019年から2021年卒の新入社員でですね、上司は先輩から一度も叱責されたことなかった割合というのを調べているんですけど、
これがですね、25.2%ということで、4人に1人にも上っているわけですね。
おそらくこのラジオを聞かれている方々は、上司の方々っていうことを考えると40代、50代の方が多いんじゃないかなと思うんですけど、
自分が新入社員、若手社員だった頃を思うと、信じられないんじゃないかなと思うんですよね。
叱られたことがなく、新入社員、若手社員時代を過ごして育ってきたっていうようなことって、ほぼないんじゃないかなと。
もちろん、その叱られ方のね、ひどさっていうのは、バブル時代とか、パワハラなんて言葉がなかった時代には結構ひどいものあったでしょうが、
そこまでなくても、でも多少なりとも注意・叱責っていうのを受けた経験があるっていうことはほとんどじゃないかと思うんですが、
今はなんと4人に1人が叱られたことがない。こういう時代になっているわけです。
1999年から2004年卒ですね、遡るとですね、叱られたことがない新入社員っていうのは9.6%ということで、10人1人も満たなかったわけです。
9割以上が先輩や上司に叱られるのは当たり前というふうな人たちが今、上司になっているはずなんですね。
ところが今、叱られたことがない新入社員は10年前と比べると2.6倍と、こういう時代に入ってきているわけです。
なぜこうなってきているのかっていうと、もう皆さんもご実感されているように、一つ大きいのがダイバーシティー&インクルージョン、こういう変化ですね。
多様な社員の人たちをちゃんと受け入れましょうと、しっかり受け入れて育てましょうと、こういうふうなことが言われるようになってきてですね、
ダイバーシティー・マネジメントを求められる。そういう意味でいくと、アンコンシャス・バイアスっていうのはご法度ですよと、上司の思い込みで決めつけてはいけないと、
こういうふうなことが強く言われるようになってきたわけで、そうなるとすごく気を使うようになってきますよね。
もう一つがパワハラ防止法というのができましてね、ハラスメントという言葉がなかった時代から比べると、
今はちょっとしたことでも相手、部下側がハラスメントだというふうに感じると、これはハラスメントリスクというものにつながっていくと。
会社経営サイドの人事からもハラスメントは絶対ダメですよというふうな通達が回るようになって、非常にやっぱりハラスメントに対しても気を使う。
もう一つがやっぱり、最近とみに深刻化してきている早期離職の問題ですよね。
ちょっと強く叱ってしまってメンタル不調になったりとか、辞められてしまったら困ってしまうと。
だから若手に辞められるのは怖いから叱られないと、こういうふうな声を上げる上司の人たちも増えてきているような気がするんですね。
こんなわけで冒頭にお話したような、叱られない上司と叱られたことがない若手と、こういう構図が一般化してきたということだと思います。
本当の優しさとは
この中でやっぱり思うのですが、僕よく言う話をするんですけど、本当の意味で優しい上司って何なんだろうとずっと考えるわけですね。
ここでいくと、ちょっと皆さん頭の中でイメージしていただきたいんですけど、縦軸に上に愛情を持って部下と接する。
下の方に無関心、部下の気持ちや成長活躍に無関心と置きますよね。
横軸に左側に冷たい、冷酷に相手を見たり、右側に優しいと、こういうふうに横軸を切ってですね。
4象限にして考えていくと、右上の象限から考えていくと、本当の上司は愛情を持って優しさを持っている。
この掛け算だと思うんですね。
これは別に表面的に優しいだけじゃないと思うんですね。
部下の成長や活躍を真に思えば、叱るべきときは叱るというふうなことになっていくんじゃないかなというふうに思うわけですね。
これが本物の上司だと思います。
ところが、今はどちらかというと、さっき言ったようなパワハラの話であったりとか、早期離職だったりとか、いろんな問題が気になってきているわけで。
そういう意味でいくと、表面的に優しい。
ところが、部下の本当の気持ちや成長に対しては無関心ということなかれ上司が、右下のゾーンなんですけど、増えてきているんじゃないかなというふうに思うんです。
もちろん、部下の成長にはあまり関心がない。
もしくは、部下に対しても冷たい冷酷な姿勢でいる。
こういうふうな左下のゾーンの冷酷な上司はほとんどいないと思うんですけど、意外と事なかれ上司、右下のゾーンが増えてきているかなと。
一方で、愛情たっぷりだというふうに、部下に対して思いっきり強い指導をしていく。
それは自分の時代の価値観、考え方だけでやっていくと、これはハラスメント上司。
これは左上のゾーンなんですけど、なっていくんじゃないかなというふうに思うわけですね。
そういう意味でいくと、ぜひ意識していただきたいのは、皆さんですね、本物の愛は厳しい愛だというふうに思ってですね、
上司としての成長
これは部下のために叱るときは叱らないといけないと思うと、愛情を持って一歩踏み込むというふうな本物の上司をぜひ目指していただきたいなというふうに思うわけです。
時にはですね、部下を指導育成しているシーンだと、叱っているその瞬間はなかなか理解してもらえないということが、もしかしたらあるかもしれません。
親になって初めてわかる親心じゃないですけど、部下も未成熟の発展途上の段階でいくと、上司に叱られている意味がなかなかわからないとか、
感情的に反発したりとかっていうことがあるかもしれない。
でもそれも部下の成長や活躍を信じて向き合ってですね、もちろん暴言は駄目ですよ。
ちゃんと客観的に部下のことを思いながら伝えていくということをやっていけば、部下がですね、成長して数年経ったあかつきには、
ああ、あの時は感情的に反発したけども、あの時の上司の指導があったから今の自分があるなというふうに思ってもらえる、その瞬間は必ず来ると。
僕は数々の人材育成の支援をしてきて思いますし、僕自身も上司として様々な部下を持ってきて、そういう瞬間に何度も味わってきているわけですけど、
そういう意味でいくとその瞬間は必ずあるというふうに信じて、本物の優しさは厳しい愛なんだということで、
本物の上司に向かって日々研鑽を進んでいただきたいなと。
まかり間違っても事なかれ上司にならないように、そんな意識を持ってですね、勇気を出して部下に向き合う。
こんな日々のマネジメントに向き合っていただきたいなというふうに思っております。
はい、ということで今日は事なかれ上司になるなかれというふうなお話をしてまいりました。
ぜひ皆さんの日々のマネジメントにお役に立ていただければと思います。
本日はどうもありがとうございました。
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