上司の言葉の意味
みなさんこんにちは、キャリアコンサルタントのみってるです。
今日は、私が若手の頃に上司から言われて、自分がマネージャーになった時に意味が理解できた言葉について話をしたいと思います。
営業のお仕事をしていた頃、上司と同行している車の中で、突然こんな話を切り出されました。
おい、最近お前らに謝罪に来てくださいって依頼が全く来ないな。大丈夫か?
私はその時意味が分かりませんでした。
自分たちは会議で決めたことをちゃんとやっている。みんなも頑張っている。ミスをしないように仕事をしている。
そう思っていた私は、いや、しっかり活動していますからと少し得意げに答えたことがありました。
上司はそうかと特に深掘りもせずに会話は終わりました。
その時は全く理解できなかったんですけれども、マネージャーになって、上司と同じ立場になった時に、あれはミスがないことを心配していたんじゃない。
ミスや困りごとが共有されていないことを心配していたんだなというのに気がつきました。
マネージャーになってから振り返った時に、上司の心配はとてもシンプルだったんだな。
人が動けば必ず小さなミスや行き違いは起こる。これはもう仕事の構造上避けられないことです。
なのに全く報告がない。相談もない。謝罪に来てくださいという依頼もない。
これは報告しづらい空気になっているかもしれない。何かあっても言い出せない文化になっているかもしれない。
情報が止まっているかもしれない。上司はそこを危険信号として見ていたんだなと考えました。
若手の頃の私はミスイコール悪いこと、ミスがないイコール良い状態と単純に考えていました。
でも上司は情報が流れているか、困りごとが隠れずに表に出てきているか、職場に安心して話せる空気があるか、そこを見ていたと思います。
皆さんの職場ではありませんか。話しかけづらい上司。忙しそうで声をかけるタイミングがない。
指摘されるのが怖くて報告しづらい。こんなこと言っていいのかなと迷う。
こういう状態になると報告相談が少しずつ減ります。
そして気づかないうちに職場の文化が静かに弱っていきます。
あの時の上司の心配はここだったんだな。ミスがないことよりミスを言い出せなくなる空気がなくなることの方がよっぽど危険。
キャリアの成長
そういう気持ちだったんだろうなと後で気づきました。
キャリアが上がるというのは仕事量が増えるということではなく、見える範囲が広がることです。
若手は目の前の結果を見ます。上司は結果の裏で起こっている流れを見ている。
報告は来ているか。情報は流れているか。困り事は共有されているか。空気は閉じていないか。
こうした見えない部分を感じ取ることがキャリアの成長そのものです。
私はあの時の上司の言葉からミスがないイコール安心とは限らないということを学びました。
そして後で気づいた時にすごく恥ずかしかったなということを思い出します。
あなたの職場では困り事や小さなミスが普通に言える空気がありますか。
もし言いづらさを感じるならそれはサインかもしれません。
そしてその空気を作るのは誰か。
立場に関係なく一人一人の態度や声かけが文化になっていきます。
この話が何かしら参考になれば嬉しいです。
最後までお聞きいただきありがとうございます。それではさようなら。