話しかけにくさの影響
みなさんこんにちは、キャリアコンサルタントのみってるです。今日は、組織にとって非常に大切なテーマをお話しします。
内容は、話しかけにくい状態と、情報が特定のルートからしか入ってこなくなる状態、この2つが組織を静かに弱らせてしまうという話です。
私自身、管理職の時に経験がありました。忙しくしていると、どうしても目の前の仕事に集中してしまい、部下が話しかけるタイミングを失ってしまう。
その時に部下はこう考えています。今はやめておこう。こんな小さな話、迷惑かな。忙しそうだし、タイミングを見よう。
悪意ではなく、むしろ気遣いです。でも、この遠慮が積み重なると、上司のもとに届く情報が少しずつ細くなり始めます。
情報が細くなると、上司の判断は偏ります。話しやすい人の情報、上司との相性の良い人の情報、整理して伝えられる人の情報、こういう特定のルートを通った情報だけが集まるようになります。
反面、不器用だけど真面目に向き合っている人、気を使う人、経験の浅い若手の声は届きにくくなります。
そうなると、上司の頭の中には組織全体ではなくて、情報を持ってくる一部の人たちの情報で出来上がった世界になってしまいます。
これがズレの始まりです。
プロ野球の巨人軍がV9を達成した後期、川上哲晴監督の周囲では、こんな現象が起きていたと関係者が語っています。
監督は忙しいから細かいことは言いにくい。機嫌が悪そうだから今はやめておこう。
こんな小さな報告、必要ないよな。
こうした遠慮がチームに広がっていった。
その結果、監督の耳に届くのは耳障りの良い情報や大きな話題ばかりになっていき、現場の小さな変化や違和感が伝わらなかったと言われています。
先一種の体調が少し悪いとか、そういった情報ですね。
これはスポーツの世界だから特別なのではなくて、どんな組織でも起こる典型的な情報の偏りです。
もし、これが中小企業の社長だったら、影響はもっと大きくなります。
社長が話しかけにくい。
社長の忙しさや機嫌を社員が敏感に読み取る。
不都合な情報ほど伝えられなくなる。
本音が消え、課題が見えにくくなる。
才能のある人ほど、もういいかと離れていく。
表面的には問題がないように見える状態でも、静かに悪化していきます。
組織を強くするための対策
これは中小企業にとっては本当に危険な状態です。
こういう状態を防ぐためには、二つのことが考えられると思います。
まず一つ目、短い対話の質を上げる。
一分あれば向き合う姿勢は見せられます。
例えばですけども、会話の時には手を止める。
体を向ける。
一言目を大切にする。
いいところを一つだけ伝える。
そして考えを深める。
短い問いを投げかける。
そういった対応するだけで、この人には話していいんだという安心感が生まれます。
もう一つは情報ルートを伏線化する。
一部の人の声だけで判断しない。
情報の入り口を増やす。
日報や雑談、朝の一言。
ちょっとした質問、一分ミーティングなど、
小さな接点が多いほど情報は偏らなくなります。
あなたの周りで本音を言いにくくなっている人はいませんか?
そしてあなた自身が誰かの話しかけにくい存在になっていないでしょうか?
組織が弱る時、その兆しは静かにやってきます。
逆に短い対話を積み重ねれば、情報は流れ、組織は強くなります。
今日のこの話が何かしら参考になれば嬉しいです。
今日も最後までお聞きいただきありがとうございます。
それでは、さようなら。