国際ロボット展の概要
こんにちは。ugo Robotics Radioは、UGOで働いている社員や各領域のプロフェッショナルをゲストに迎えながら、
ロボット開発のリアル、最新の技術動向、事業や組織の経営論など、幅広くお届けするチャンネルです。
こんにちは。UGO株式会社の遠藤です。本日はですね、国際ロボット展を受けてということで、お二人ゲストをお招きしております。
代表取締役CEOの松井さん。はい、よろしくお願いします。よろしくお願いいたします。
そして、取締役CSOの羽田さんにお越しいただきました。よろしくお願いいたします。よろしくお願いします。
では早速、国際ロボット展について色々と語っていきたいなと思っておるんですが、まずはざっくりなんですけども、感想を。
うん、そうですね。私、リアル会場初日に行ったんですけど、
もう率直な印象としては、すごい人の数でしたね。海外の方からもすごいたくさん来てらっしゃったんで、私2年前にも国際ロボット展に参加してましたけど、
なんかすごく熱気があったなぁって。
ブースもものすごい大きいブースが、2年前ももちろん大きかったんですけど、今回もやっぱり大きいブースが多くの企業で出されていたなぁって印象でした。
羽田さんいかがですか?
ああ、なんかやっぱりヒューマノイド多かったから楽しかったですよね。
多かったですね。
やっぱり一番多い展示が産業用アームロボットですけど、やっぱりね、この自動車産業の方とか、産業用アームロボット必要な産業の方としては面白いと思うんですけど、
やっぱり一般人的感覚、ロボット好き感覚でいうとヒューマノイドをサービスロボットの方が楽しいので、
そっち側の展示が多いのがやっぱり嬉しかったですよね。
セミナーもフィジカルAIっていうタイトルが多かった。
ああ、でも確かによく見た感じがします。いろんなところにそういう言葉も。
フィジカルAI、ヒューマノイドロボット、これがなんか結構あれなんですかね、今年のキーワードだと。
うん、うん、そうでしょうね。
なんか特に印象的だったブースとかってあります?
私はやっぱりブース全体の印象を言うとGMOさん。
我々も展示させていただいたし、優吾も展示させていただいたんですけど、
多分ですね、サービスロボットであのサイズの展示、過去最大だと思うんですよ。
産業用アームロボット大手並みのブースだったと思うんですけど、
国際ロボット展って結構もう場所取り大変なので、
あんだけの場所取れたっていうのはやっぱりすごいなっていうのと、
やっぱりサービスロボットの時代がようやく来たなっていうのを感じましたね。
松井さんは?
そうですね、やっぱりヒューマノイドって羽田さんさっき言ってましたけど、
中国のロボットの会社、AGIBOTとかGALBOTとかユニツリーとか、
そのあたりは勢いが感じましたね。
ユニツリーも結構いろんなところで扱われているようになっていたり、
GALBOTもロボットも置かれてたりしてましたね。
なるほど。
中華製ロボット、今まで結構雑な展示が多かったっていうのは過去の印象なんですけど、
今回すごいかっこいいブース、見せ方うまいところも多かったので、
これが産業としてだいぶ進化してきてるなって思いましたね。
今後の展望とトレンド
なるほど。
なんか、なんちゃってヒューマノイドロボットみたいなのもちょっとあったような気がしていて、
よくよく見たら産業用ロボットを人っぽく組み合わせてるみたいなところがあって、
サンロボやってる人たちもそういうところにヒューマノイドへの憧れみたいなのをすごく感じてたんです。
モバイルマニピュレーターと言うんですかね、それともヒューマノイドって言うんですかね。
なんかその違いってあるのかな。
モバイルマニピュレーターと車輪型ヒューマノイドロボットの境目って難しいですけど、
軸数。
あれですかね、いわゆる市販のアームくっつけてたらモバイルマニピュレーターかな。
そうです。
もうそれね、それどっかのアームつけただけじゃんみたいなのは、
なんかそっちでモバイルマニピュレーターとくくっちゃっていいかなと思いますね。
あとまああれですね、製品としてくっつけただけでやっぱり真の一体型じゃないっていうのもなんか一つのポイントかなと思います。
そうするとヒューマノイドロボットとはみたいなところがなってくるんですけど、
何をもってヒューマノイドロボットとして定義をするのが一番こう。
まあ一つはやっぱりサイズは重要かなと思いますよね。
2足歩行で腕ついてて顔ついてるけど、なんかあの卓上サイズ。
それはやっぱりホビーロボットかなと思うんですよね。
なので120センチ以上、小学生高学年ぐらいの身長感があって、
絶対重要なのは顔、そして腕があればヒューマノイドかなと。
まあ下半身の形状は何でもいいんじゃないかなとは思いますね。
国際ロボット展の今後のトレンド進化ってヒューマノイドなんですかね。
どうなんでしょうね。
なんか今回の展示もほぼ中国のヒューマノイドじゃなくて、
一方でヨーロッパとかアメリカでもヒューマノイドを作ってる会社いっぱいあるのに出してないんですよね。
出してないですね。
まあやっぱり日本のマーケット向けって考えると中国ぐらいしか見てないのかもしれない。
韓国は出てましたね。
ヒュンダイがいろいろ出してたので。
なので産業用アームロボットでいきなり大手が出てくることはないんで、
今ぐらいの展示が続くと思うんですけど、
2年後考えるとまだしばらくは車輪型、あと二足、多脚のヒューマノイドが
どんどん増えてくるのかなと思いますよね。
今回ね、初出しの日本のヒューマノイドもいくつかあったので、
別に中華だけじゃなくて、日本もいろいろやり始めてるので、
きっと日本でまだ仕込んでる人たちいると思うので、
そういう人たちが2年後出てくるだろうなとは思いますよね。
展示も結構フィジカルAI、VLAとかそのあたり出していた、
意識して展示していた会社さん多かったですね。
多かったですね。
あといろんなところでNVIDIAという単語を多く見ましたよね。
ヤスカさんとかもそうだったし、花子さんもそうだったし。
やっぱりAIとの産業が本当に親密になってるっていうのを分けて考えられない。
産業になってきてるっていうのを改めて感じましたよね。
前々回くらいの国際ロボット展とかをイメージすると、
AI的要素がほんと少なかったんですよね。
そうなんですか。その頃はどういうロボットが出てたんですか。
まだあれですよね、共同ロボットにカメラつけて、
ビジョンで物体認識して恥じしますみたいのがあったぐらいですよね。
そうですね。
19年。
うん、19年は。
そうだ。
松井さんに出会った前回。
そうです。
ミラロボの時でまだ融合は洗濯物を畳んでた時ですね。
前回の2年前はあれですよね、融合ミニを出して
いた時期で、2023年でした。
今回って融合なんか出さなかった理由とかあるんですか。
大体的に。
これははっきりして前回が表体効果が良くなかった。
そうなんですか。
しっかりしたブース出して、サービスロボットに興味あるお客さん、
融合のお客さんがそれなりに来るかなと思ったんですけど、
あんまり来ていただけなくて、少なかったわけじゃないんですけど、
かけた費用に対しては、他の展示会の方が表体効果が良かったので、
今回見送りましたね。
前回ってそれでいくとどういう方々が来られてたんですかね。
ロボット展だからもちろんロボットに興味がある人だとは思うんですけど、
我々のリードにならないってなると、
セグメント業界が違うのか、単純に興味で来られてるのか。
いや数が少なかったですね。
全精に数ですね。
ちょっと流れが悪かったんですね。
それでいくと工場とか生産とかそういう文脈での展示会とかにミニとかを出した方が、
うちとしてはお客さんとしてはダイレクトに届くということなんですね。
だいぶフィジカルAI文脈盛り上がってきてるので、
もうしばらく続くと思うんですよね。
2年後は確実に続いてるので、
2年後は出展を考えた方がいいなとは思っていますね。
そうです。
2年後に出すとなったら、
今の製品よりもさらにバージョン上がった状態じゃないですか。
どういうレベルで出したいなと。
全く違うものかもしれない。
やっぱりちょっと斬新なものを出したいですよね。
今やっぱり振り返ると、
融合を発表した時期にこのクローラー、リフター、ソーワン、顔付きっていう、
ここ同じプロットのロボットがだいぶ増えてきてるんですけど、
これ結構いち早くやったっていうのは、
かなり世界でも早い部類だと思うので、
っていうか早い部類だから早いですよね。
トップランナーだったんで。
やっぱり同じフォーマットのロボットが増えてきてるので、
またちょっと別のフォーマットを開発したいですよね。
あとはもうちょっとヒューマノイドのユースケースが、
今回の国際ロボット展でも見えてくるかなと思ったけど、
あんまりなかったですね。
製造業向けか小売の棚卸しみたいなものしかなかったので、
この辺りがこの2年でもうちょっとバリエーションが増えてくるっていうのは、
出てくるでしょうね。
そうですね。そこら辺僕も楽しみにしてて、
どんなシーンで使うことを想定されて、
他のメーカーが開発してるのかなって思ったんですけど、
あんまりこの発想はなかったなみたいなのは。
なかったですね。
なかったですよね。
あとは総案のロボットでもう老舗といったらやっぱり川田ロボティクスさんですよね。
そうですね。
川田さんも今回出されていて、
やっぱりもうずっとヒューマノイドのフォルムをやっていらっしゃった中で、
敢えて今回VLAも含めた、フィジカルAIも含めた展示もされてたと思うので、
その辺りは意志がすごい伝わってきたなって思いました。
オリジナルのユニラテコントローラーがされてましたね。
洗濯物、洋服畳んでましたね。
この辺は面白かったなと。
あとは何でしょう。
私は結構部品屋さんが頑張っているような印象があって、
一番印象的だったのはモーターなんかを、
QDDだとかっていう話もある中で、
サーボモーターの減速器付きをいかに小さく作れるかみたいなことに、
こだわって作られているメーカーさんとかが結構いて、
ヒューマノイドロボットっていうのが盛り上がってくると、
それを構成していく周辺の道具屋さんというか、
ゴードラッシュの時に設けたのは実は道具を作っている人たちみたいな、
そういうのが一種の生態系として起こってきているのかなっていうのはちょっと思っていて、
モーターでいうとQDDなのか減速器付きがいいのかみたいなところも、
QDDにいくべきとかっていう選択肢じゃなくても、
もう一回戻って立ち戻って考えてもいいかもしれないなって。
そうでしょうね。
なんか出尽くして一周回って、
実は最適なのはこれみたいなのがそろそろ出てくるかもしれない。
かもしれないですね。
その辺は印象的ですね。
国際ロボット展っていつも土曜日までやるんですよね。
そうですね。
土曜日はファミリーイベント化するんですよ。
お子さんがいっぱいいて。
見てて楽しいのは多いですもんね。
単純に見てて楽しかったのは人機一体のブースですね。
あんだけ縦方向まで展示しているのがあそこだけです。
毎回インパクトありますよね。
どんなブースでした?僕そこちょっと見れてなくて。
大きな重機の先にちゃんと人機一体のロボットがついていて、
それを操縦しているみたいな。
それが上の方でロボット二体が物を受け渡ししているみたいな。
ガンダム操縦しているみたいな。
国際ロボット展の展示内容
あとあれですね、国際ロボット展の名物なんですけど、
ハナックの大ロボットという完成者を持ち上げれるロボットなんですけど、
今年も安定の展示ですよね。
車を持ち上げていますね。
オーガンデックっていう。
私も最仙幕を置いてほしいなと思っています。
そこを回らないと帰れない。
あとあれですよね、カークスもいましたね。
4メーターの登場型ロボット。
ツバメ工業さんが作ったやつです。
それこそガンダムみたいな。
そうですね。
これもある種のヒューマノイド型。
型って言っちゃだめだ。ヒューマノイドロボット?
サイズが異常値なんで、ヒューマノイドにならないかなと思うんですね。
人間がやっている作業をそのまま代替していけるぐらいのサイズ感で、
人間と同じような動き方ができるみたいなところ。
モビルスーツですか?
そうですね、あれはモビルスーツかモビルアーマーか。
モビルスーツって考えたらモバイルスーツってことですよね。
そうですね。
逆にヒューマノイドロボットがすごく多かったけど、
去年との違いって他に何かありますか?
前回との違いですよね。
前回との違い。
やっぱり国際ロボット展を卒業していくロボット多いですよね。
例えばハイゼンロボット製装ロボットとか国際ロボット展全く展示ないし。
ほとんど見なかったですね。
前回すごいたくさんあった印象だったんですけど、
特に中華のロボットが。
展示会で認知されて、実際に社会実装されていくと、
トレンドの変化
もう展示会に出さなくてもよくない。
一つのトレンドが終わりかけてるって捉えてもいいかもしれないですね。
私も今海外、シンガポールとかマレーシアの市場の話聞くと、
もう配送ロボット、ハイゼンロボットが普及し尽くしちゃって、
みんな買わないって。
あれやっぱりコロナで流行ったんですよ。
コロナの補助金で、日本も含め海外のも補助金が出てみんなロボット買ったけど、
3年経ってもう契約更新しないとか、
追加で買わないっていうユーザーがすごい増えてる。
ということで、一つのトレンドが終わったから、
今の国際ロボット展もみんなやってない。
国際ロボット展って製造業の人を中心としたジェネラルなロボットイベントなので、
我々が出なくなったのは同じだと思うんですけど、
特化したロボットに行けば別のイベントがあるんですよね。
例えば物流展行ったら倉庫向けロボットいっぱい出てるし、
それら国際ロボットに出てないのも多いですよね。
ビル面系のイベント行ったら製造ロボットいっぱいいるし。
飲食系だったらハイゼンロボットもいるでしょうし。
ロボットっていう括りというよりも産業ごとに
自分たちが出しているロボットがフィットするっていう展示会とかに行ってる感じですか?
そうですね、そういうイメージですね。
デビューしたての時は、
ジェネラルに当たれる国際ロボット展って人もいっぱい来るので、
イベントとして大きいので意味があると思うんですけど、
個別化、最適化していくときには産業特化の展示会に出たほうが。
そうするとヒューマノイドロボットも今ちょうどロボット展のフェーズにあるけれども、
この先は実はもうちょっと別の産業特化型のところに収まっていくと思いますね。
国際ロボット展の主たるスポンサーというか出してる企業さんは、
やっぱり日本を代表するファナック、ヤスカワ、カワジュウといった企業さんたちですもんね。
イメージとしてはトヨタとかニッサンがやってたモーターショーが、
今、ジャパンモビリティショーでしたっけ。
今やもう車の時代ではなく、ライフスタイルの時代だみたいなコンセプトで、
ショー自体がね、位置づけが変わってきてますけど、
国際ロボット展ももしかしたら産業ロボットっていう切り口から、
徐々に変わっていくのかもしれない。
変わらないかな。
いや、変わっていくかもしれないですね。
何に変わっていくんだろうなって今ちょっと想像してたんですけど。
じゃあ最後に、ここ一つ面白かったロボットっていうのをちょっと挙げていただければと思うんですが、
一番面白かったの。
3つ言っていいですか。
どうぞ。一つとりあえず。
一つはやっぱりAGIボット。
よくできてるし、展示も上手かったなと思いますよね。
2足でじっと立ってましたもんね、バランス。
で、あと日本代表のヒューマノイドで川崎重工のカレード。
これも最新機種でよくできてたなと思いますよね。
で、あともうエンターテインメントだなと思ったのはやっぱり人気一体ですね。
もう見てて単純に楽しいですよね。
男の子心をくすぐり倒す展示。この3つです。
エンターテインメントで言うとGMOさんがボクシングをやらせてたっていうのもちょっと面白くはありましたね。
ウェーターとして2足歩行でGMOさんのところで歩いてたじゃないですか。
あれもともすればハイゼンロボットでいいじゃんって思っちゃうんですけど、
そこをあえてヒューマノイド型ロボットでやるっていう、
実際その実装するかどうかは別として活躍できるフィールドをちゃんと指し示すみたいなことをされてるのかなと思ったので、
そういう意味では実物見てこれだったらヒューマノイドってどんどん普及していくんだろうなっていうのがちょっとイメージがついたっていうのが。
僕の感想としてはありますが、松井さんは?
そうですね、私はロボットではないんですがロボットに関連するもので展示で面白かったなと思ったものが、
川崎重工業さんが出していたサンロボのアームのティーチングをするグローブみたいなものを出されていて、
そのグローブにはマーカーがついていて、そのマーカーを認識して向きとか位置がデータを取れるようになっているツールだったんですね。
それがロボットの扱いやすさとかちょっと変わってくるんじゃないかなっていう印象を持ちましたね。
今年はヒューマノイドでした。じゃあ2年後は何だろう?
そうです。2年後、どんなロボットが出てくる?
私は新しいものは出てなくて、一部にヒューマノイド分野の進化が一気に加速してるんじゃないかなと思うんですよね。
なのでちゃんと値段がついてたりとか、何々専用ヒューマノイドロボットみたいなのが出始めてるのが2年後だと思います。
働くべき場所を見つけたっていうような、そんな状況に。
もしかしたら家庭向けかもしれないし、コンビニ向けかもしれないし、工場向けかもしれないし。
何かに用途を絞ったヒューマノイド、その絞ったからこその工夫があって、作り込みがあってっていうのが2年であるかなと思いますね。
フィジカルAIの未来
この2年間は就職活動をするみたいな。
そうですね。松井さんは?
そうですね。僕はヒューマノイドよりもどちらかというとフィジカルAIの方の認知と行動を体現した、
逆に言うとAMRとかAGVとかモバイルマニプレーターがフィジカルAIにインストールされて、
何か今までと想定しないような使われ方とか技術的な進化がしてるのかなって思いましたね。
その何か兆候みたいなのもあったんですか?
今はフィジカルAIどうしてもヒューマノイドのアプリケーションが多いんですけど、
別にフィジカルAIってヒューマノイドだけじゃなく、今のARMとかAGVとか、
ARMの動き、あとはナビゲーションにも応用できると思うので、
その辺りを混合させたような技術が進化していくと、
既存のロボットがちょっと違う形でアップデートされていくと、
その時にビジョンが重要になるので、
ビジョンのセンサーがいろいろな付け方されていくんじゃないかなと思います。
なるほど、そういう未来を見据えながら、
融合もそこの進化に歩みを進めていきたい、
そんな風に伺いながら私も思ってたんですが。
そうですね。
じゃあ2年後に国際ロボット展でまた会いましょう。
答え合わせをしましょう。
答え合わせをしましょう。
そうですね、答え合わせしたいですね。
2年後にみんなの予想が外れてるか当たってるか。
楽しみですね。
ということで今日は二人ありがとうございました。
ありがとうございました。