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2023-02-05 45:29

第54回「2023年2月の選定図書会議」

毎月1冊の本をレビューするポッドキャスト番組「ツイてるブッククラブ」

2月になりましたので今月の課題図書を選んでいきます。

00:04
ついてるブッククラブです。ついてるブッククラブは、橋本大也、石谷雅樹、
セイコー、辰夫の4人がお送りする、月に1冊本を読んでいこうというポッドキャストです。
2月になりました。今月も課題図書を選んでいきます。
1人3冊ずつおすすめを紹介して、計12冊の中から投票で次の回に
批評し合う本を決める回です。それではですね、今日は最初、石谷さんからお願いします。
はい、僕はですね、今回の3冊を選びまして、まず1冊目なんですけども、
これも自分のブログでは紹介記事も書いたんですが、
情報セキュリティの敗北しということで、これ翻訳が小林さんで、
小林さんはいつも非常にタイムリーな翻訳される方で、今回もですね、
ありそうでなかったというかな、情報セキュリティの敗北しということで、
何が問題かというと、結局今みんなスマホなりPCなりとかで、
みんなウェブにつながっちゃってる、ネットにつながっちゃってるという状態ということは、
いわゆるセキュリティなものというのと、やっぱり無縁ではいられない。
大昔、ネットが今みたいになる前っていうのは、コンピューターっていうのは何だかと言って、
人間の生活から結構離れたところにあったので、セキュリティについては、
専門家がわかっていればいいよっていうレベルだったものは、みんながつながっちゃってる。
それからあと、具体的な国名はとりあえず言いませんけども、
国家レベルでのハッキングみたいなことも当然あるわけで、
戦争自体が情報戦の部分というのも出てくるっていうところがあるのと、
フェイクニュースであるとか諸々のことですよね。
そういうことも情報セキュリティの観点から見てもいいんじゃないですかということの本で、
目次を見るとわかりやすいんですけども、やっぱり情報セキュリティの次元が変わっちゃいましたよねっていうところからスタートしていて、
最初実はこの本、電子版がなくて、僕も紙で憲法をいただいてエントリーを書いたんですけども、
電子版が出てからランキングがバーンと上がって、まあまあそういう本だよねっていうところも含めてですね、
一読おすすめしたい本なので今回取り上げました。
1冊目はこれですね、情報セキュリティの敗北史。
2冊目がですね、ちょっと古い本ではあるんですけど、これいつだっけな、
2013年だかほぼほぼ10年前ぐらいの本になるんですけども、
アイドルのいる暮らしっていうので、もともとはサポティスタっていうところでサッカー系のメディアをやってた岡田さんっていう方が、
03:04
その後アイドル、今アイドルの運営とかにも関わっている方なんですけども、
いわゆるアイドル戦国史とか呼ばれてた時代にアイドルムーブメントってどういうことなのっていうことを解説した、
ルポタージュに近いかな。で、その中で非常に重要な指摘をしていて、
アイドルとオタクがいる暮らしっていうのは、特定のアイドルを好きになるってのは当然あるんだけども、
それ以上にアイドルと、ステージにいるアイドルと自分との距離感を楽しむゲームなんだよっていう指摘をしていて、
なので、押しているアイドルがどんどん移ろい行くのは、特に売れっ子になればなるほど、
どんどん遠いところに行くわけですね、ある意味ね、最初から応援した人からすると。
そうすると自分の好きな距離感からアイドルが変化していってしまうと、自分の好きな距離感に今いるアイドルを追いかけていく。
だからどんどん押しているグループなりアイドルが変化をしていくっていう話をしていて、
これは当時、アイドルとオタの関係っていうのを考える意味で非常に良かったんですけども、
最近のブランディングですとかマーケティングみたいなものを考えるときに、
コンテンツと自分の距離感っていうものを改めて考えてもいいんじゃないかなとは思っていて、
なぜかというと、今ってブログみたいな記事があって、SNSがあって、動画があって、さらにライブ配信ってあるわけですよね。
そうすると全部実はコンテンツの距離感が違うんですよね。
そのコンテンツの距離感みたいなものを考えるというところで、
実はアイドルの世界では10年前に1回学習が全部終わっているので、
それをまとめた本としてここで書かれていることを一般的なコンテンツのフィールドでも展開していくと、
改めて面白いんじゃないかなということを念しに思ったので、これを一応紹介したという感じですね。
3冊目は僕はいつも漫画にしているんですけども、今回どうしようかなと悩んだんですけど、
そろそろもうこれ紹介していいかなと思ったので、これ各賞を受賞している、すでに漫画でもあるんですけど、
女の園の星というタイトルで、タイトルの意味は女の園というのは要は女子校ですね。
女子校に勤めている星先生のことを描いた本で、女の園の星というんですけど、
基本的にはギャグ漫画かな。絵のタッチは割とリアルな感じのやつなんですけど、
とにかくテキストの切れ味がすごいです、この人は。今たぶん現役の中でも最高の切れ味というか、
06:05
いわゆる落とすみたいな場面に来た時のテキストの切れ味がものすごくて、
なんでこんなに何回読んでも面白いんだろうというぐらいに面白い。
それはもう本当に、絵の表現もさることながら、やっぱりこのテキストの切れ味がとにかくすごいので、
これが今現役最強の一冊だと思うんで、そういう切れ味で勝負するタイプの漫画って、
まあなんか当たり前なんですけど、あんまり長続きしないんですよね。
なかなかこの切れ味の、天才的な切れ味って長続きしないんですけど、
この方、3冊目になっても全然切れ味が衰えないので、ご紹介しているという次第です。
はい、以上3冊です。
はい、それでは次が、セイコーさん。
セイコーさんですね、はい。
僕の紹介する1冊目は、谷本真由美さん。
ネットだとメイロマさんという名前で活動されてたりもするんですけども、
海外の事情に詳しいような方、詳しいような方っていう言い方あるんですけど、
そういうふうな認識なんで、そう言わせてもらいますけど、海外の事情に詳しい方が書いている本ですね。
世界のニュースを日本人は何も知らないという本で、
これ今最近第4巻、ボリューム4まで出てるんで、それなりに人気作というか、
シリーズ化されている本なので、それなりに売れてるんだと思いますけども、
これ初めて読んだんですけども、今回3ということで、3が去年ほっとしちゃったり出たのかな、
オリンピックとか東京オリンピックは海外でどう評価されているかとか、
あとコロナのあれとか、あと他のことももろもろ海外、
日本の人が思っている海外はこんな違うんだよとか、
海外からは日本こういうふうに見られてるんだよっていうような本なんですけども、
一言で言えば、ファクトフルネスっていう本があったかと思うんですけど、
エビデンスがないファクトフルネスみたいな感じっていうか、
個人の身の回りで起きてこんな感じだよみたいに言ってるんで、
最後にちゃんとあれはあるんですけど、
例えばオリンピックは海外ではそんな注目されてないって書いてあって、
その理由はヨーロッパでは公立学校というもので体育っていうものがあんまりないそうで、
運動場とかもあったりなかったり、週1回体育があるぐらいで、
部活とかもないから、まず普通はスポーツとかに親しむ機会がなくて、
そういう習い事とかスポーツできるっていう人は富裕層とか、
そういういいとこの家の人しかなれないんで、あまり庶民は興味がないと。
その理由っていうかその証拠として、ヨーロッパの選手の名前を見るとですね、
09:00
かなり日本人だと分かりにくいんですけど、結構古典的な名前の、
聖書から取られたような名前の人が多いらしくて、
そういう人はいいとこの人っていうのが当然の認識だっていうふうに書かれてたり、
オリンピックの関連で言うと、日本人っていうのが意外に閉鎖的だったり、
単一民族であるとか、そういうような認識も使った多いんですけど、
意外にスポーツのあれとか見ると、意外にルーツを海外に持つ人も結構出てたりするので、
その辺は中国とか韓国とかに比べると、日本人は意外に寛容だっていう、
海に囲まれてるので、閉鎖的では思われがちだけど、
実は昔から意外に開けてるっていうことですね。
あと雑多なこともいろいろ書かれてまして、
例えば日本の文房具はクオリティが高いからしょっちゅう机から盗まれるとか、
海外の人は人のものを借りたり盗んだりしても平気な人が多いとか、
本当なのかなとか思うんですけど、その周りだけなのか、
でも日本人は綺麗好きと言われて、そうでない人もいるけど、
全般的に見れば綺麗好きな人多いんでしょうから、
そういう感じで、なんとなく当たらずとも当たらずなのかなとか思ったりしました。
あと日本のお菓子が、コンビニなんかすごい新商品、
毎シーズンね、いろんな定番商品でも新しい味とかコンビニのお菓子出ますけど、
ああいうのが海外はあまりないみたいで、
すごいキットカットなんか日本のやつがすごいいろんな味が出てるのを見て感動するそうで、
意外に地方人住んでてもコンビニ行くと別に毎回新しい味のお菓子食べれるから、
それは意外に幸せなことなんだなと実感しました。
先ほどエビデンスがないみたいな話をしたんですけども、
後半にイギリスの小学生がニュースが真実かどうか見極めるのも、
小学校のときに習うそうなんですね。
ちゃんと証拠はあるかとか記名記事かとか、
信頼できるメディアかとかいろんなチェックする手法があるみたいなんですけども、
それについて習って、
あと谷本さんが厳選する文献とか論文とかのサイトが載ってますので、
ちゃんと詳しく知りたい方はこちらでちゃんと調べてくださいね、
みたいに書いてあるので意外に親切だなと思いました。
ただ全部英語なんで基本読めないのであまり確かめようもないんですけども、
ちょっとそこは自分が勉強しなきゃなと思いました。
意外に緩い感じながらもあまりメディアに出てこない、
逆に市民の感覚のあれが分かる本かなと思いました。
これが1冊目です。
2冊目が未来の年表、境界大変化、瀬戸宮の日本で起きることというかわいい先生が書いた本で、
12:05
この未来の年表っていうのもこれまで未来の地図とか未来の年表シリーズで、
高段社新書、高段社現代新書でこれまで5冊ぐらい出てますけれども、
そのシリーズですね。
未来の年表ってだんだん日本が縮小していくっていうような話を書いた本、
これまで出てるんですけども、
今回もすごい縮小していく日本の話で前半読むとすごい気がめいるというか、
日本は今後2つの現象に減っていくっていうことですね。
まず1つは人口の減少ですよね。
これが当然皆さんもご存じかと思うんですけど、
もう1つ大きいのは消費の減少っていうのがあって、
年寄りが増えて若い人が減るって、
年寄りはあんまり大きい買い物もしないから消費がだんだん冷え込んでいくみたいなことが書いてあって、
あと人手不足とかそういうのもあって、
人手不足がいろんな業界が深刻だっていうふうにこの本では書かれてて、
新聞なんかでもよく書かれてますけど物流のトラックドライバーがいない何年問題とか、
あと自動車整備士の専門学校の定員割れが続いてるとか、
建設業は人手不足だとか書かれてるんですけども、
すごいいろんな業界が人手不足になって大変だなとか思ったり、
でも人手不足っていうことは仕事が皆さんに行き渡ってるんだからいいんじゃないかなとも思うんですけども、
人口が減っていくんで、
非効率な部分がだんだん増えてて、
採算が合わなくなって、
人手不足なのに給料が安いとかそういう状況に陥っていくんじゃないかみたいなことが前半書いてあります。
後半のほうにはそれに対する対策というか、
戦略的に今後どうやっていけばいいという、
著者なりの対応策書かれてたんですけども、
負荷価値をもっとつけましょう仕事にということがあって、
日本人って昔からいいものを安くみたいなのが美徳というふうに言われてたんですけども、
その考えを捨てていいものを高く売るっていうふうな、
海外に向けてでも日本の中ででも、
そういうふうな方向に転換していけばいいんじゃないかなっていうふうに書かれてるんですけども、
言うは安いですけども、
実際どこまでできるかなとかいろいろ思うけども、
私、地方に住んでるんで、
人口減少とかの最前線に住んでるので、
かなり自分ももうだんだん高齢者に近づいていく一方なので、
ちょっと自分の身にも置き換えながら読んでみました。
3冊目がですね、チャッターっていう、
おしゃべりとかそういう意味のチャッターですね。
頭の中の一人ごとをコントロールし、
最良の行動を導くための26の方法ってあるんですけども、
皆さん生きてると頭の中でいろんなことを考えたり、
昨日こんなこと言ってしまったけど失敗したなとか、
15:02
いろんな作業をやりながらも心のどこかでは全然違うことを
考えてたりとかあると思うんですけども、
そういうことが非常に人生に悪い影響を与えたり、
いい影響を与えたりっていうことを書いた本で、
もうちょっと軽めのビジネス書かなと思って読んだら、
意外に真面目な心理学者の人が書いた本で、
ちょっとまだ全部読めてないんですけども、
頭の中の一人ごとをやると非常にいい面もあるんですけど、
自分を鼓舞したりするけど、この悪い考えがあると、
例えば悪い考えが起きて、
会計検査とかそういうなんかチェックするような仕事だと、
悪い考えが頭に浮かぶのはチェックが厳密になるからいいけど、
スポーツみたいに心と技と体が一体となって意識しないでやるような
仕事というかスポーツのあれだと、
ちょっとでも考え事があったりすると、
もう途端にメロメロになって、
よく突然ピッチャーが崩れたりとか、
PKなんかでも誰でも外さないだろうみたいな場面で突然外したりとか、
そういう状態に陥りやすくなるとか、そういうことが書かれてあります。
ちょっと全部は紹介しきれないんですけども、
考え事をやるときにいいのが、
私はできるとか私はできないとか、
私はどうすればいいだろうかというふうに私を主語にしないで、
自分の名前とか苗字をやって考えると客観的に見れていいっていうのがあって、
例えば私だったら成功はこれからどうすればいいんだろうかとかっていうと、
第三者が見せる視点でやれるからいいっていうのがあって、
日記にも成功は今日こういうことをしたとかっていうと、
自分を後ろから見ているような視点でやれるからいいっていうのがあって、
僕はタツオのチェンジログっていうのが実はものすごいいい効果を、
自分を客観的に見て毎日書くっていうのがすごい効果があるんだろうなって、
かなり長らく続けてらっしゃるんで、
知らず知らずのうちにそういう効果があるのかと思いました。
この本の中で、病気で過去のことを思い出せなくなった人がいて、
映画にもあったんですけど、今の瞬間しか生きれないっていう人がいて、
偉く不便なんですね、当然ね。
でも、くよくよすることとか、思い悩むこととか、
いろんな心配事とかそういうことがなくなって、
逆にストレスは感じなくなったっていうのがあって、
人間、長らく現世時代危険なことが多かったから、
どうしても悪い考えっていうのが頭にすごい残りやすくて、
臆病者が、人たちが今生き残っているケースも多いので、
ついつい悪いことを考えてしまいがちなんですけども、
そういうのを逆に良い面を生かして、
悪い面を考えないようにしたりするっていうのが書かれてた本でした。
18:02
まだ途中までしか読んでないですけども、最後まで読み進めようと思いました。
今回これが私の3冊です。
以上です。
はい、ありがとうございました。
それでは次、橋本、私ですね。
1冊目は小説で、「惑う星」っていう小説です。
書いたのはリチャード・パワーズで、
前回もオーバーストーリーを私ここでお勧めしたんですけど、
あれちょっと大作すぎて、読むの大変なやつだったんで、
あんまり票を入れてもらえなかった感があるんですけど、
こちらのほうがもっと読みやすくてですね、これ最新作です。
2021年のブッカー賞候補作にもなったもので、
まあ泣けます。
リチャード・パワーズという、
今の現代のアメリカ文学を代表するような一人ですけども、
が書いた、他の作品と比べると読みやすい作品ですね。
どんな話かっていうと、
星の話なんですけどね。
主人公はある親子なんですけれども、父親と息子なんですね。
父親は科学者で、
宇宙には星が無限にあるのだから、
どこかに宇宙人いるだろうということで、
宇宙人探しをやっている科学者なんですね。
天文学者。
一方、息子のセオというのがいて、
9歳なんですけれども、
セオがお父さんですね。
9歳になる息子のロビンというのがいるんですけれども、
このロビンというのがちょっと情緒不安定な学校生活に馴染むことができてない、
そういう子供なんですね。
だからお父さんのセオは気分転換のために息子をキャンプに連れ出して、
夜には星を見上げながら、
架空の星の話を、
あの星にはこんな宇宙人がいてねとかそういう話をして過ごすっていう、
そういう親子の話なんですけど、
ここにニューロフィードバックという研究が出てくるんですね。
これ本当にある研究みたいで、
他人の感情をレコード録音しておいて、
ノウハウですね。
それを再現させることで、
同じ感情を体験させるっていうニューロフィードバック、
要は他人の感情の盛り上がりを、
他の人の頭で再現する技術、
これ本当に研究されてる研究で、
本当にあるみたいなんですけども、
その被験者に、
実は、
これなんで父親と息子しかいないかというと、
お母さん死んでるんですね。
ある事故で。
お母さんがかつてニューロフィードバックの被験者だったんですよ。
データが残ってるんですね。
死んじゃったお母さんが体験する喜怒哀楽の感情っていうのを。
21:03
それを息子がまたその実験に参加して、
死んだお母さんの喜怒哀楽っていうのを体験する。
そうするとどうなるかっていうのが、
この小説のSFの話なんですけれどもね。
これは子供いる人泣けます。確実に。
あとSF好きな人もとてもいい設定をしていて、
リチャード・バーズってどっちかというと純文学の人ですけど、
SFにとても造形が深いんですね。
かつては確かアーサー・シークラーク賞もノミネートされているはずで、
純文学なんだけれども文学の深さを保ちつつ、
SFもやるっていうもので、非常にSFが好きで子供が、
特に息子がいてっていう人は絶対泣けるので大変お勧めな作品です。
これが1冊目でした。
2冊目がですね、AI2041、人工知能が変える20年後の未来。
これはもうすごいです。
AIが20年後の世界をどう変えるかっていうことを、
世界最高レベルの専門家が書いてます。
しかも小説なんですね。
2人作者がいてですね、1人がカイフー・リーで、
これはAI系の人知らない人はいないと思いますけれども、
もともとGoogle中国の社長で、人工知能のトップ研究者でもあるんですね。
そのカイフー・リーが未来予測をまずするんですね。
それを中国のウィリアム・ギブスンと呼ばれる、
有名なSF作家のチェン・チューファンというのがいるんですけれども、
彼がそれを小説化するというもので、
カイフー・リーは10個、2041年はこんな世界になっているという予測を立ててます。
それをもとに小説が、だいたい1個数十ページのショートストーリーなんですけれども、
数十ページの小説の後にですね、ちゃんとカイフー・リーが解説も書いてるんですね。
この小説に登場させたテクノロジーにはこういう根拠があって、
現状ではここまでできているから、2041年にはこうなるのだということを。
だからそういうSF的創造力なんだけれども、
根拠に世界最高レベルのAIの専門家がいるという、
フィクションでありノンフィクションでありという、
そういう超度級の作品です。
なので10編があって、世界中が舞台になっていて、
非常にいろんなITの側面を見せてくれるので、
面白いなと思いますね、未来予測小説として。
最後が3冊目なんですけれども、「言語はこうして生まれる」という本です。
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これはコーネル大学の心理学教授のモーテン・H・クリスチャンセンというのと、
ワイビッグ大学の行動学教授のニック・チェイターという2人が書いている、
言語学に関する本なんですけれども、
これは最初逸話から入るんですけれども、
言語って何かっていうのを考えるときに、
1769年にクック探検隊が食料と水を補給するために、
南アメリカ大陸の末端に上陸したらしいんですね。
そこで西洋人と未接触の部族、当時は未開の部族と呼んでいたわけですが、
遭遇したんですね。
西洋人と未開の部族は言語が全く違う、文化も全く違う、あったことないわけですね。
どうやってコミュニケーションしたらいいんだろうってことになったわけです。
なんだけれども、結構簡単に行ったと。
コミュニケーションは。
というのは最初原住民が持っていた短い木の棒っていうのを横へ投げ捨てたんですね。
これは戦う意志がないっていうことを示すジェッシャーで、
すぐ通じたと。
逆に西洋人はどうしたかというと、
とっさに贈り物を差し出したんですね。
私たちは平和で仲良くしたいんだっていうジェッシャーになったと。
最初はその簡単なジェッシャーだったんですけども、
何時間も何日かもやっていくと、
次第にジェッシャーがお互い共有する言語が増えていって、
複雑なメッセージもやり取りできるようになっていたと。
結局水と食料を調達して、
どっちへ行ったら岬をうまく回れる航路があるのかっていうのも教えてもらったりして、
西洋人はうまく探検を続けることができたんですけれども、
この逸話からこの2人の学者が何を言いたいかっていうと、
言語っていうのは全部即興だって言ってるんですね。
日本語版だとジェッシャーっていう言葉を使ってるんですけれども、
原書だとシャレード。
ジェッシャーをして何をしているか当てるゲームだって言っていて、
これは言語学の古典であるチョムスキーの理論を完全否定する本なんですね。
お互いチョムスキーはもともと脳に正徳的に言語を処理する回路があって、
だから人類は普遍的に言語を扱えるんだって言ってるわけですよね。
あと他にもITの情報理論だと通信理論っていうのがあって、
コミュニケーションっていうのは共有している暗号表に基づいてメッセージをお互いが解読する行為だって言っている。
そういう有名な理論を全否定するのがこの本で、
いやそうじゃないんだと。
全く文化とか言語とかを共有していない2人が出会った時には、
27:02
咄嗟の身振り手振りとか、あと音声でもいいらしいんですけども、
例えば、ああ、ババババババとか、ハヘポハヘポとかやってるとそのうちに通じるって言うんですよ、この学者2人は。
そのうち即興の言語が出来上がっていって、
やがて複雑な文法と大規模な語彙を持つものに発展していって、言語になるんだっていう理論なんですね。
っていうもので、従来の言語学の古典を突き崩す。
あと似てるものとしてはジャズですね。
ジャズのインプロモーションでミュージシャンの掛け合いなんだと。
それで曲が出来上がっていくというもので。
ただお互いそのジャズとか音楽とか聞いたことない人たちがジャズやって本当にインプロできるのか、
若干不思議に思うんですが、この2人は出来ると言っているわけなんですね。
それがこの本。言語って何だろうっていうのを考えた時にですね、
すごく根本的なところから、すごい理論を打ち立てて、新しい理論を打ち立てている2人なので、
面白い本だなと思いました。以上です。
じゃあ最後が辰夫さんですかね。
じゃあ私から1冊目はですね、不思議の国のグプタという本です。
これはですね、何かっていうとトイック。
トイックってあるじゃないですか、英語の試験。
皆さん受けたことある方もいらっしゃると思うんですけども、
そのトイックのあるあるネタ小説になります。
著者はヒロ前田さんと清涼院隆水さんで、これ2人なんですけれども、
ヒロ前田さんはトイック対策本をいろいろ書かれている方で、結構多数出版されています。
僕もトイック受ける時とかにはすごくお世話になっていて、
通勤途中とかよく読んでたりしました。
もう1人の清涼院隆水さんというのはミステリー作家としても有名なんですけれども、
90年代とかコズミックとか浄化とかやたら分厚いミステリー本とかあったんですけれども、
そういう方で、これだからトイックとか英語の解説のところをヒロ前田さんが書いて、
あるあるネタで小説に清涼院さんが作り上げたという形の文章になっています。
清涼院隆水さん自体も結構トイック好きっていうのかな、
トイック攻略みたいなことをネタとしていろいろやっていて、
ご自身も最高得点の990点を取ってたりっていう結構すごい方です。
30:03
ヒロ前田さんも990点もちろん取ってるんですけど、20点も取ったことある。
いかにしてわざと間違えれば最低得点になるかみたいなのをいろいろ研究されてるらしくて、
20点から990点、結構すごい人なんですけどね。
この本何かっていうと、主人公グプタさんなんですけど、
グプタさんっていうのはトイックでよく出てくるインド人の名前の一つで、
グプタさんとシンさんっていうのがインド系として出てくる。
その人がある日気づいて、この世界が何かおかしいと、
トイックあるあるネタが散りばめられたバーチャル世界だと気づくみたいな、
要するにだからマトリックスですよね。
マトリックスみたいに世界のおかしさが気づく。
そのおかしさっていうのがトイックの室内とかに出てくるような世界観。
飛行機が必ず遅れるとか、コピー機がすぐ壊れちゃうとか、
留守番電話に配車の予約が変更されましたっていうのが一方的に入るとか、
書館は必ず閉まってますとか、そういう不条理な、
でも毎回何回かトイック受けてる方だったら、またこれかよみたいなのがあるんですが、
そういう話が出てくると。
それを不条理な世界の中で真実を求めてグプタさんが頑張るっていうようなストーリー。
結末はしょうもないっちゃしょうもないんですけれども、しょうもないオチが待ってるんですけど、
これは解説が充実していて、全体の3分の1くらいあって、
例えばコピー機が頻繁に故障するっていうのがオフィスでそういう事態があって、
グプタさん困るんですけれども、解説があるところに関しては、
コピー機に関するリスニングの問題が出た時に、
コピーがどうこうとかコーヒーがどうこうとかいくつかの選択肢があって、
コピー機の話でコーヒーがあるのかというと、韓国系でトーイックを受ける人が多いから、
その人のための引っ掛け問題として、コピーに対してコーヒーがあると。
彼らの発音と、ピとヒっていうのが結構聞き分けにくいっていうのが、
韓国系の人たちがあるので、
そういうトーイックでコピー機のところにコーヒーが出てくるのはそういう理由である。
異文化交流的なそういう話も含めたネタが結構、
全体の3分の1詰まってて、かなり面白いです。
もちろん、ためになる単語の使い方とか、そういうのも脚注みたいな感じで、
解説コーナーにいっぱい書いてあるんですけれども、
もともと、広前田さんのトーイック勉強本とかにも、
時々こういうあるあるネタが10ページに1個くらいバーっと含まれてて、
ニヤニヤしながら勉強してたんですけど、
それが集大成としてまとまって、解説だけだったらあれだからということで、
33:04
ざっくりとした小説になって、それもなかなか楽しめて読めるということで、
トーイックを受けたくなってくる一冊です。
私も今年、英語を勉強するというのを一つ目標にしようかなと思っているので、
ちょっと景気づけにこういう軽いやつから始めようかなということで、読んでいます。
ということで、一冊目はこれですね。
不思議の国のグプタです。
二冊目がですね、原因と結果の経済学、データから真実を見抜く思考法という、
2017年にダイヤモンド社から出ている本です。
著者は二人いて、一人は中室牧子さんといって、学力の経済学という本の著者です。
もう一人は津川雄介さんという方で、医学系なところ、医学経済学ということに関わっている方なんですけれども、
この本は、原因と結果の経済学という名前なんですけど、
要するに、物事が起こったときにその原因は何かというのをデータ分析に関する本で、
よく聞く話だと思うんですけど、データ分析すると相関関係は見えてくるんだけど、
それが即座に因果関係を意味しませんみたいな話が出てきて、
コンビニで同時に売れたものみたいなのをデータで集計すると、
アイスクリームとビールがよく同時に売れているなというのが分かったとしても、
アイスクリームが売れたという原因によってビールが売れたとは言えないじゃないですか。
そこは原因じゃなくてたまたま相関している。
ただ、気温が高い日にビールが売れたみたいなことであれば、気温という原因でビールが売れたという。
そこは因果関係。ビールが売れたから気温が上がったということにはならない。
その辺の方向性もあるわけですよね。
そういう因果関係を捉えるためにそのデータをどう分析するかみたいなところの解説と、
それに沿った事例が載っていれば、教科書的な入門の入門書みたいな感じになります。
ただ、ちゃんと分野内のキーワードを抑えてあって、
例えばランダム化比較試験とか、要するにABテストですよね。
ウェブサイトとかでどういうデザインがいいかなというのを、
ユーザーごとにこっちのデザインを出してクリック率を見て、
こっちのユーザーには別のデザインを出してそれがクリックされるか見て、
どっちがクリックされたかみたいなものがあるんですけど、
ランダム化比較試験なんです。
そういうやつとか、他にも自然実験でどういうふうにやるのかとか、
回帰分析でとか、そういう基本的なものを全部抑えている本です。
ただ、なんでこの本を紹介しているのかというと、
基本的にこの系での入門書というのはいっぱい出ているんですけれども、
36:01
私最近、統計的因果推論とか因果分析とか、さっき言ったABテストとかを
仕事でやることが多くて、それ系の専門書から入門書からいろいろと
結構読んでいるんですけれども、その中でこの本が一番分かりやすかったというか、
一番初心者におすすめというか、これ系で一冊進めてと言われたら、
まずこれ読んでみたらどうですかという、そういう分かりやすい内容作りになっていて、
ポピュラーサイエンス本としてよくできているということで、
ちょっとおすすめとして一冊あげさせてもらいました。
ということで、これが二冊目ですね。
三冊目がですね、私も石谷さんを真似て三冊目漫画にしているんですけれども、
プリンタニア日本という本で、これはツイッター発で漫画になっているんだと思うんですけど、
僕はキンドルモンがセールになってたからたまたま買ってみたんですけど、結構面白かったと思うんです。
イーストプレスから出ています。
これ何かと言いますとですね、一言で言うと明るいディストピアものなんです。
プリンタニア日本というのは生体プリンターというのがSF世界であって、
そこからラクダを作ったりとか犬を作ったりとかするらしいんですけれども、その時点でなんとなく不穏なんですけど、
それが生体プリンターがある時期、一斉に同時不具合かなんかで、それで犬を作りたいとか馬を作りたいとかいろいろ入れたんだけど、
みんな同じものが出てきちゃって、出てきたのがプリンタニアという生き物。
これもちもちしていてですね、白くてふわりとしてね、ちょっと結構ね、かわいいんですよ。
つきたてのお餅がペローンとなったのがもにゃもにゃ動くようなやつで、
人間の感情に寄り添ってくれるようなペットみたいな側面もあるし、
地面に置いておくと根が生えて木になるみたいなんですけど、そういうよくわからないやつなんですね。
社会全体がさっきディストピアって言ったんですけど、そういうかわいい人たちがプリンタニアと一緒に日常をわきあいあいと過ごすんですけれども、
これ結構なディストピアで、管理社会なんですけど、精神状態も一人一人AIみたいなね、コンサルって呼ばれるAIみたいなのが一人一人について、
精神状態も管理されるし、友達登録みたいなのも許可制で管理されるし、みたいな世界なんですけど、
ただみんな人間同士は仲良く楽しくやっているという感じです。
なぜかその人間、本当に人間なのかどうかは多分わかんないから後から明かされると思うんですけど、
なぜか男しかいない。でもBL展開ではない。でもなんかむさ苦しくなくて楽しい感じ。
39:00
街は壁で追われてるんだけど、外にはなんか凶暴なロボットがいて、人を襲うんですね。
壁で囲まれてるから大丈夫なんですけど、なんか壁の中にじわじわ侵入してくるみたいな、
可愛いペットとわきあいあいシーンがありつつ、なんとなくそういうじわじわという不安もあるみたいな、そんな形になっています。
公式の紹介文とか見ると、少し不思議かっこSFな生物と暮らすショートコミックとか書いてあるので、
少し不思議というか結構ね、不思議というか怖い感じになります。
だから本当になんか明るくて楽しくて、深読みしなかったらすごく楽しい感じなんですけれども、
深読みしだすと結構怖いんだけど、それがなかなか面白くて、ちょっとどういう展開に進むのかなっていうので、
ちょっと今興味があるところです。ということで、3冊目がプリンタニア日本です。
私からは3冊以上です。
ありがとうございました。それでは皆さん投票しましょう。
しゃべった順でいきます。それでは石谷さんからどうぞ。
すげえ悩みました。
ですが、ちょっとこれは読んどかなきゃいけないなというところを優先度に上げて、
1冊目がAI2041、人工知能が変える20年後の未来。
2冊目もダイヤさんなんですけど、パワーズは読みたいなとずっとこの20年ほど思っておりますので、
パワーズの中では読みやすいと言われてしまってはいたしかたあるまいという感じで、2冊目が惑う星。
僕もパワーズは何度か挫折をしているので、パワーズは読んでみたいな。
でも優先度で言えばAIのほうかなみたいなところで、両方ともダイヤさんになってしまったんですが、1位、2位はそういう感じです。
それでは次はセイコーさんはどれでしょう。
1つ目は不思議の国のグプッタ、ヒロ、前田さん、清漁員、リュウスさんですけど、
僕前、この本何かでチラッと見たんですけども、その後タイトルが思い出せなくて、何の手がかりもなくてすごい困ったら、
今日たまたま田中さんが紹介してくださって、これだと思って、
まだ今年に入って月日も浅いので、英語のモチベーションにもちょうどいいのかなと思って読んでみたいと思いました。
2つ目がAI2041、人工知能が変える20年後の未来で、すごそうな人2人が書いてて、もしかしたら難しいのかもなと思いつも小説だということで、
42:06
多少読みやすいというか、分かりやすく工夫されているのかなと思って、このAI2041にしました。
これが2冊です。
次は橋本、私ですが、1位はチャッター。
何か考えることで行動とか変わるかもなとはずっと思っていたので、これはぜひとも読んでみたいというふうに思いました。
2位が不思議の国のグプタで、昔トイックはよく分けていたんですけど、
トイックって話が偏っているのかなとすごい思うので、これはそれがまとまっているんだとすると、かなり面白そうかもというふうに思いました。
じゃあ達夫さんどうでしょう。
僕はですね、1位が情報セキュリティの敗北誌で、これKindle化されたら読もう読もうと思ってたんだけど、なかなかならないなと思ってたら、
今日、もう電子化されている話を聞いたので、これちょっと読みたいなということで、それですね。
2冊目はですね、AI2041ですね。これはちょっと面白そうかなと思って、小説だけだったらちょっとあれだけど、解説もついていて、しかもテーマも多いし、
しかも中国系ということもあるので、なんかいろいろと違う視点で面白いかなと思って、以上です。
はい、ありがとうございました。それでは選ばれたのがAI2041ということになりました。
はいはい。これはあれですかね、電子出跡がない?
あ、そう。
文芸春秋が書かれる?
ありますあります。
あ、あったあった。
私は英語版しか読んでないんですけれども、すごい面白かったっていう思い出があって、
これもちゃんとかなり文芸春秋が作っているので、ちゃんと訳されていると思うんで、
フィクションとしての面白さとノンフィクション部分の面白さは両方あるので、楽しめるんじゃないかなと思っています。
あとAmazonによると年刊ベストブック3巻達成とかね、いろいろ書いてありますね。
それ何の3巻なの?
フィナンシャルタイムズというアメリカの新聞3つから年刊ベストブックに選ばれているとかですかね。
そういう感じなので、結構期待できるかなと思っています。
これ現状は英語なんですか?中国語なんですか?
私が知る限りですが、英語で出されました。ただ翻訳なんだそうです。特に小説の部分。
45:03
だから中国から英語に訳した。小説家自体は中国語で書いたっぽいですね。
なるほど。
って聞いてます。
面白いです。
そんな感じです。
じゃあ次回はこれを読んで、いろいろディスカッションしたいと思います。
それではどうもお疲れ様でした。
お疲れ様でした。
45:29

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