シング・佐藤・薬師寺のつくらずにはいられないラジオ、始まりました。 THINGMEDIAの佐藤和貴と薬師寺多聞です。
この番組は渋谷の映像スタートアップ、THINGMEDIAがお届けするトークプラグラムになっております。毎回我々が主観で厳選した究極のつくらずにはいられない人、略して作り人をゲストにお呼びしてお話を伺っていきます。
さて、今回も前回に引き続き、ゲストはクリエイティブディレクター・コピーライターの井出康隆さんです。よろしくお願いします。
前回引き続きという話が盛り上がってきたんですけど、具体的に僕と井出さんがご一緒した件はいくつかあるんですけど、さっきも前回でお話しした未来への記憶とかあるんですけど、
もう一つは丸亀生命。結構がっつり3年ぐらいやりました。2015年から2017年ぐらい。徐々に人がいなくなっていったんで、いろいろありましたね。
あの案件は元々どういうふうにスタートしたんですか?
元ケトルの今神谷製作所の神谷純一君というPRプランナーがいて、彼がCDをやろうとしてたんですよね。
何かのきっかけで、当時丸亀生命をやっていたトリドールさんが、今は東京にあるんですけど神戸にあったんですよ。
神戸本社ですかね。
社長がちょっと悩んでるみたいだから、アイデアのお土産持って行こうぜぐらいのノリで、僕と神谷君、若き35歳ぐらいの同期2人でVコン作って、思いついたものをVコン作って直接持って行ったんですよ。
何かこういうのを作ったんですけどってパッと見せたら、当時の淡田さんという社長が、いいなこれって言い出して、
俺はいいかもしれないとかちょっと待っててって言われて、役員の方10人ぐらい連れてきて、今の見せてくださいって言われて、
Vコン見せて、これいいなってなって。
Vコンってちょっとわからない人に言うと、テレビCMのストーリーラインを絵だったりとかそういうもので、
簡単なアニメーションみたいなもので、まるでCMのリーダーさんのようにするストーリーボードですね。
当時丸亀生命ものすごい伸びてたんですけど、まだCMみたいなことやり始めたばっかりだったんですよ。
ブランディングというかプロモーショナルなCMという概念だったんで、
そこにブランドみたいな概念を入れた方がいいんじゃないかっていう提案をして、
企画書だけ見ててもCM慣れされてない方ってわかんないじゃないですか。
だからここで映像の力が入ってくるんですけど、世界観を映像で繋いできちんとメッセージも込みで、
こういうふうなことをやるとブランド力っていうのをつけますみたいな。
本当に考えてたんですけど、こうなるといいなっていうのを見せたんです。
そしたら刺さって、その場で役員を呼んで、じゃあこれでってなって。
詳しくはもうちょっと悪い場面があったとしても。
否定的な場面もあったという感じで。
年間5,6本シリーズで作ることになって、
ダン・レイさんがうどん屋のおかみを、
うどんの発祥の時代は元禄時代なんですけど、
そのおかみをやってたっていう設定で、
丸亀製麺のうどんって本当に素晴らしくて、
うどん頼んだ後にこの字型にトレモって並ぶじゃないですか。
真ん中でグラグラそこで茹でられてるのを見ながら、
お腹空かせながら回って天ぷらとって、
はいお待ちって出てくるっていうのが劇場型なんですよ。
それをそのままCMでやろうってなって、
チャキチャキのダン・レイさんがうどん茹でて、
お待ちっていうのをCMにしたっていう。
覚えてる。めっちゃ食いたくなる。今食いたい。
今も食べたい。
研修でこの話するとだいたい新人全員うどん食いに行く。
笑
実際そんなことあるんですか?
社長に会いに行くとかって、
ケトル以前以後というか。
それはまた当時の白鳳堂の担当局の営業だった方が、
トリドールの宣伝部長さんですね。
トリドールさんの前職時代にすごく一緒にお仕事されたという経緯があって、
彼が直接話を相談を受けてきて、
こういう悩みがあるらしいんだけどっていうのを神谷さんに相談した。
どういう経緯だったのかね。
神谷さんと仲良かったんですかね。
実際大学でそんなところにプレゼンさせてもらう機会とかって、
なかなかないですよね。
そうなんですよ。
さっきちょっと偶然みたいに言いましたけども、かなり緊張して、
社長の時間を無駄にできないので、
コンパクトに良いものが伝わる準備を入念にやって、
神谷に行ってプレゼンしたっていう。
それも一つの成功体験というか、
かなり経営者の方の一番近くで直接。
そういうのは過去初めてだったんですか?経営者直接。
そうですね。
僕がCDとして、当時誰かの社員に就くのが多かったので、
CDとして対峙して、その人のやりたいことをまさにペンみたいなことで、
企画書でまとめて映像で実現して、
監督に怒られながら社長のやりたいことを実現するっていうのをやったのは初めてでした。
監督が怒ったタイミングで僕が入ったんですよ。
そうなんですよ。
ひけしみたいな。ひけしじゃないんだけど。
とんでもない状態になったんで、
ちょっと多門さんお願いします。
多門さんそういうのあります。
問題解決というか、解決マン。
困ったな多門さん。
そうなんですよ。
それはボタンの掛け違いみたいな話だったんですよね、最初怒ったのは。
伝達の順序が違うみたいな。
そんなことで怒っちゃった監督と、
たまたま僕が関係深くて、
昔一緒にいろいろやらせていただいたっていうのがあって、
コミュニケーション取れるだろうからひけしで入ってくるようになって、
そこからゴリッとご一緒して。
30半ばぐらいで結構大きな、年間5,6本ぐらいでしたっけ?
だいぶでかいですよね。
5回も6回も撮影できない。
結構しっかりスタジオにセット組んで、
時代劇ってそれなりに作る美術費とかかかるから、
年間2回か3回の撮影で2本ずつ撮るとか。
でもどの商品のプロモーションやるまで決まらないから、
やっぱり2本ずつしか撮れないかなとかやりながら、
予算はどうするとか。
作り側からしたらまとめて撮りたいわけですもんね、いいセット組んだら。
作り手側から、プロダクション側からもう一つ困難だったのは、
グラフィックっていわゆるポスターね。
ポスターをやるカメラマンと映像をやるカメラマンが違うっていう。
その違うカメラマンが同じセットで違う要望を言うもんだから、
美術もどっちの言うこと聞いていいかわからないし、
みたいなコンフリクトが起きて、
そこの解決するのもすごい大変だったんですよね。
当時竹内専君もプロデューサーでいて。
竹内専というプロデューサーね。
今はプロデューサー、当時は制作だったね。
ヤクシーさんと、どっちも正義じゃないですか。
CMの最適な撮り方とグラフィックの最適な撮り方があって、
どっちも素晴らしいので、どっちも変えなきゃと思ってやると、
どっかで噛み合わないところが裏で出てくるので、そういうのを。
CDなんですけど、得意先と対峙しながら現場のそういうところも全部見て、
もうめちゃくちゃ成長しましたね。
その1、2、3年で。
よくある構図として、クリエイティブが言ってることと、
クライアントが言ってることが違うっていう間に立って通訳をしていくみたいな。
落とし所を探っていくみたいなのがあるじゃないですか。
先のクリエイティブにも相反する意見があって、
ここがまずまとまらないっていう。
そうですね。いやー大変で、もうだから、
あの時にあらゆる失敗をしたので、
全失敗を経験した仕事。
最後入りは良かったし、そこからよしやっていくぞっていうので、
比較的大きい、任せられる規模としては大きいもの。
ただ実際の良いものを作っていくっていう、
この映像とかCMとグラフィックの制作を作る時に、
1つこう罠というかトラップがあったというか。
もう1つじゃないですね。
やっぱりいろんな問題が。
すごいトップオブトップのカメラマンだったんですよね。
多分日本で言ったら三本指に入るとか、
一本指みたいなカメラマン。
その三本指のうちの2人がそこにいるみたいな状態で。
だからお互いにプライドもめちゃくちゃ高いわけですよ。
だからそれを何とか聞いてもらって。
予算もあるから。予算もあるんで、
何とか足元を映すと今度土行かなきゃいけないとか、
また予算の問題もあるんで、
ちょっとアングル運行してくれませんかみたいな相談をして、
じゃあそこまで言うんだったらいいよ、
アングル探ってやるよってブービーのカメラマンが言ってくれたのに、
スチールの方が俯瞰で撮りたいとか言って、
じゃあ床必要じゃんみたいになって。
じゃあ床作りますかみたいになると、
作るんだったら俺たちだってもっとアングル撮りたいのあるよねみたいな話になって、
余計炎上するみたいな。
めっちゃ大変だった。
あとはAIに思いつけない目的自体を思いつくことだと思っていて。
それがまだ人間がクリエイティブにやる醍醐味というか意義。
まだAIにはされないんだろうなと思っているところではあるんですけど。
AIで生み出されたこれというコピーを結構巷で見るじゃないですか。
これAIが作っただろうなって。
やっぱり言葉の仕事をしていると余計わかるんじゃないかなと思うんですけど。
だってもともとAIが書いたようなコピーもたくさんあるじゃないですか。
もともとで?
結構ABテストで選ばれたんだろうなみたいなやつとか。
効率的に言ったら確かにそれは正解だよなって思いながら見てはいるんですけど。
そういう中でAIとどう付き合っていくのかというか。
AIを別に排除する世の中の流れでは全くないし、
人間の仕事を奪っていくんじゃないかという話もあって。
ちょっと最近使い方だよねみたいな話になってきていると思うんですけど。
どう向き合っている?
僕はAIに仕事を取って変わられるとか、
AI的だって発想は結構ナンセンスというか、
むしろAIとバディになって、
自分の発想をより高めてくれる相方みたいな感じで使うと一番いいんだろうなと思うんですね。
さっきも言ったように、AIって優秀な手段なので、
素晴らしい目的を思いつけるような人間だと思うんですよ。
普通のマーケティング、物を売るっていうのがお題の時に、
物を売る以上のことを思いつけるの。
それがクリエイティブだと思っていて、
例えばお茶を売りますと、
お茶を売るためにお茶の美味しさとか美味しそうな映像とかって絵は考えるんですけど、
このお茶がもし社会貢献になるとか、
全然違う発想でアートになるとか、
別の目的をくっつけられるのって人間じゃないですか。
そういうものをある程度人間が思いついてピンときてグッときて、
それがいけるって確信を持った上で、
そのAIにどうやったらやったらいいと思うっていうふうに相談をするとか。
あるいは、AIにまだ全然どう売ったらいいかヒントがないから、
インスピレーションをくれと。
発想の外にあるものを何でもいいからくれと100個くれっていうふうに依頼して、
100個発想の種をもらってそこから人間が拾い上げて育てていくみたいなやり方をすると。
コピーは結構そういうやり方がいいのかなと思ってやってます。
昔は若手のコピーライターになったばっかりの人が、
明日までに100個考えてこいって言われて、
あれがそうだったんですよ。
明日までに100万考えてこいって。
それを5カ所ぐらいで言われるわけですよね。
1個1個大したことじゃないんだけど、
言葉の単語としてこの単語は思いつかなかったっていうのを拾い上げて、
上のコピーライターの人がいいコピーに仕上げていくみたいな文化があったんですけど。
文化ですよね。
文化というか、
メソッド的な、いいものにするための活動というか。
組織としての一番効率的なやり方だったんでしょうね。
定着した形。
今考えても、
非効率的かもしれないけど、
あれをやってきた人とやってない人で、
いわゆるクリエイティブ筋力みたいなものが全然違うなって思うんですよ。
クリエイティブ筋力。
クリエイティブ筋力。
全然違う。マッチョ具合が。
伊勢さんとか超マッチョだもんね。
めっちゃマッチョですよ。
めちゃめちゃウサギ飛びしてましたから。
クリエイティブウサギ飛びしてましたから。
わかりやすく僕がそれを直面したのは、
すごいぺいぺいの時でも、
壁に貼っていくA4の出力を束んで、
まずはこう、皆さん。
これA方向だねとかB方向だねとか便宜に分けて。
一旦机がいっぱいになると、
ちょっと貼っといて。
それAじゃねえかって言われてみたいな。
ああいう日常を。
やってましたね。
みんなで俯瞰を見て。
この中で残さないのどれとか言って、
ポストイットつけて、
それを束にして残りは廃棄色になって。
懐かしい。
それでコピー機でPDFしてみたいなのが、
会いましたよね。
すごいさっきまで忘れてたけど思い出してきて。
めっちゃそれやってましたよね。
一応そのコピーも捨てんなよみたいな感じで。
それやってると朝5時ぐらいになっちゃって、
そろそろ切るとか言って。
偉い人が切って再集合するか。
夕方の6時だとか言って。
みんなそれぞれ宿題やってきてねとか言われて。
朝の5時に解散して、
6時までに宿題やって。
筋力つくよ。
でもその間で他の仕事もやってる。
別件もあって。
むちゃくちゃですよね。
なんで回ってたんでしょうね。
生活が。
生活をしてなかったんじゃないですか。
生活っていうかプライベートなかったんじゃない。
プライベートというか。
流線だ。
ネットフリックスもインスタもなかったですからね。
全然なかったですよね。
辛うじだったらTSUTAYAですよ。
TSUTAYAにね。
DVD書いてるのもね。
書いて見てましたね。
すごい。
井上さんはAIに対しては
基本一緒にやっていこうというか。
もちろんです。
自分が取り入れて
自分がより良いアイデアを提供できるものを
作るためにというか
生み出すための。