1. TEPPEN.fm
  2. #36「デフォルト効果」
2025-12-08 05:08

#36「デフォルト効果」

TEPPEN FM2 Ep11

  • カブさんの一人回第二弾
  • デフォルト効果とは

----------------------------------------------

X、始めました。

https://x.com/Teppenfm

----------------------------------------------

サマリー

このエピソードでは、認知バイアスの一例としてデフォルト効果について詳しく説明しています。デフォルト効果がどのように意思決定に影響を与えるかを、様々な国の臓器提供の例を通じて理解しています。

デフォルト効果の基礎
こんばんは、はじまりまして、TEPPENFM。
今日もデザインやマネジメント、日常のあれこれをゆるっと語ります。
私、パーソナリティを伝えます、デザイナーのkabuです。
今日はですね、2回目の一人語り会です。
前回の一人語り会に引き続き、テーマは認知バイアスです。
認知バイアスとはですね、人が何かを見たり考えたり、判断したりするときに、
意識のうちに偏りが生まれてしまう傾向のことを指しています。
今日はその中でも、私たちの意思決定に、
そっと影響を与えているデフォルト効果についてお話をします。
まずデフォルト効果とは何かですけども、
パソコンやスマートフォンには最初から工場出荷時の設定が入っていますよね。
またオンラインの登録フォームでニュースレターの公読が最初からオンになっているということもあります。
こうした何もしていなくてもすでに選ばれている状態をデフォルトと呼びます。
そして多くの場合、人はこのデフォルトをわざわざ変更しません。
このような傾向をデフォルト効果と言います。
理由はいくつか考えられます。
初期設定が推奨されているように見えたり、
設定を変えるために少し考える必要があることが負担になったり、
変更によって損失が生じる可能性を避けようとしたりする。
そして小さな要因が重なって、このままでいいかと、
デフォルトのままが選ばれやすくなるのだと考えられています。
デフォルト効果が顕著に現れている例に、
各国が採用している臓器提供の意思表示方式があります。
日本、デンマーク、オランダ、イギリスなどの国では、
臓器提供をしても良い人が自ら意思を示すオプトイン方式を採用しており、
臓器提供の同意率は低い傾向にあります。
一方、オーストリアやベルギー、フランスなどの国では、
臓器提供をしたくない人が意思を示すオプトアウト方式を採用しており、
同意率は非常に高い傾向にあります。
つまり、オプトアウト方式の国では、デフォルトが臓器提供をするとなっており、
その初期設定をわざわざ変更する人がいないため、
同意率が高いのだと考えられています。
実際、アメリカのオンライン実験でも、
デフォルト効果の実例
オプトアウト方式に割り当てられた参加者は、
オプトイン方式よりも約2倍の割合で同意したという結果が出ています。
他のデフォルト効果の例で言うと、
中部と関東の警察局では、職員が宿直をした翌日に休暇を所得することをデフォルトとする
オプトアウト方式が採用されました。
休暇所得自体は強制されていません。
なので、取りたくない場合は取り消しを申し出ればいいだけです。
それでも、宿直明けの休暇所得人数は前年の約3倍に増えたと言われています。
休むことが自然な選択としてあらかじめ用意されているという状況が、
行動の取り消しさを大きく変えたのだと考えられます。
ここまでいくつかの例を挙げてきましたが、
デフォルト効果の本質はとてもシンプルです。
それは、人は意思よりも最初に置かれた前提の影響を強く受けるということです。
どんなに選択肢が自由に見えても、
どの状態から選び始めるのかが行動の向きをそっと変えてしまう。
デフォルトは強制するわけではありません。
ただ、始めの位置をどこに置くかによって自然と選びやすい方向が生まれます。
そして、その初期値にはその場を作る側の価値観や望ましいとされる方向が現れていることがあります。
デフォルト効果を理解するというのは、自分が何を選んだのかだけではなく、
どんな前提から選び始めていたのかに目を向けてみることなのかもしれません。
認知バイアスは不合理さを生むものとして語られがちですが、
その特性をうまく活用することで望ましい行動を自然に選びやすくすることもできます。
これがナッチと呼ばれる考え方です。
ナッチとは選択の自由は残しながら、より良い選択に向かいやすい環境をそっと整えること。
語源は肘で軽くつつくという意味で、行動経済学者のリチャード・セイラーらによって広まりました。
宿直明けの休暇所得の例も強制するのではなく、
休むという初期設定を置くことで自然に望ましい方向へ誘導したナッチの一つです。
まとめると、デフォルト効果を知っておくと私たちの意思決定が
意思だけで成り立っているわけではないということに気づくきっかけにもなります。
どんな前提の上で選んでいたのか、その問いをひとつ挟むだけで
判断が少しクリアになる場面があるかもしれません。
今日はデフォルト効果についてお話ししました。
それではまた次回お会いしましょう。
05:08

コメント

スクロール