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はるか
そうね。逆算できるよね。
ひとし
そうそう。
はるか
うん。
ひとし
今日は何のテーマで話しますか?
はるか
今日はね、ちょっと難しい問いで、皆さんといっしょに考えたいなと思っている。
ひとし
問い。
はるか
問いで、どうなんやろうね。Teacher Teacherとして考えたい問いですね。
ひとし
その問いを紹介してほしい。早く。
はるか
なんていうかね。
ひとし
言えるやろ、別に。なんていうか。
はるか
いや、こう、なんかバランスというか。
ひとし
はいはいはい。
はるか
このバランスをどう取るかっていう問いやなと思っています。
ひとし
あの、どのバランスをどう取る問いなんですか?
はるか
真剣に言うと、努力して頑張って自分の成長を追い求めていこうぜっていうのも大事だし。
ひとし
大事、大事。
はるか
かといって、努力が難しい。特性上。
同じように努力することが難しい人への理解とか配慮とかも最近、世の中で謳われている中で、
これをどう共存していくのかっていう話、相談でいただいたんよね。
ひとし
むず。
はるか
これ大事やない?この問いは。
教育現場とか子どもたちと関わっていく中で、周りへの理解とか配慮っていうのと、
同時に自分はどうあるのかっていうところは、かなり難しくなっているなってやっぱり感じた。
だからまずはお悩みを読んでいただけたらと思うんですけども。
ひとし
はい、じゃあいきましょう。
はるか
はい。
ひとし
こちらですね。『めんたいこ』さんからですね。
はるか
はい。
ひとし
以前のみんたいこさんと同一人物なのかな?違うかな?
「いつもためになる放送ありがとうございます。」
はるか
ありがとうございます。
ひとし
「最近、『努力できない人への配慮をしすぎると、
強制されればできる人の可能性を潰してしまう』というnoteの記事を読みました。
現在アメリカに駐在中のため、土曜日に補習校に通っています。
そこでの宿題が保護者アンケート等により年々減ってきています。
以前は音読の欄が毎日ありましたが、
現在は4回でよく、あとは『チャレンジ』となっています。」
はるか
4回もやってるんだ。
ひとし
「娘はチャレンジならやらない、とやらなくなってしまいました。
宿題をやるのが大変なお子さんがいるのは承知しています。
ただ、『宿題ならやるけど自主的にはあまりやらない』という子がどんどんやらなくなってしまうことを危惧しています。
合理的配慮が必要なことなども理解はしていますが、
それとの兼ね合いや共存はどのようにしていくのが良いでしょうか。
お考えあればお聞かせいただきたいです。」
はるか
難しくない?
ひとし
難しい。
努力できない人への配慮をしすぎると、
強制されればできる人の可能性を潰す。
はるか
これ、そもそも「強制されて頑張ることが良いことなのか」みたいなところはあるし、
「努力で成長し続けることが良いことなのか」みたいな議論もあると思うんだけど、
このお悩みをくれた方に関しては、
「頑張った方が良いよね、努力した方が良いよね」という価値観にみえたから、
その前提で話をしたいんだけど。
これね、教育現場ではよくされる議論なんよね。
ひとし
そうなんや。どういう議論?
はるか
例えばだけど、これはもう5年前の話だから今とはだいぶ現場も変わってるだろうけど、
例えば「教室に馴染みにくい」みたいな子がいた場合に、
保健室とか別室っていう選択肢を作りました。
そしたらこれまでは普通に教室に行っていた子も、
「保健室で勉強しなくていいんだからいいよね」っていうかたちで、
保健室にどんどんどんどん人が来るようになっていった。
で、保健室の先生がパンクしてしまって、
保健室をそういうふうに使うのやめようっていう議論になったりとかもする。
ひとし
なるほどね。それまさに確かにこの配慮をして、
保健室登校もありだよねってすると、
元々できてた人もそっちに行くようになっちゃうよねっていう。
はるか
そうよね。短期的には負荷の低い方に行きたいっていうのは、
やっぱりどうしても人間として自然な流れかなとも思うし、
逆に本当にこの不登校の子たちと関わっていく中で、
そういった配慮がないと困ってる子たちも出会ってきたわけやん。
俺たちはね。本当に難しい課題だし、
考えたい課題だなとは思うよね。
ひとし
難しい。これに何か教育現場とかだったら答えとかが出るもんなん?
はるか
いや難しいよ。やけん本当にバランス。
バランスと、個人にとってスモールステップを設計して、
個人の目指すものを明らかにして、
個人に合った計画をしていくしかないっていうふうな結論にはなるんだけど、
この方のお悩みに大きく2つ問いがあるなと思っていて、
それが「宿題ならやるけど自主的にはあまりやらないという子が
どんどんやらなくなってしまうことを危惧しています。」
強制されなければやらなくなるんじゃないかなって思ってるけど、
どうですかっていう問いだと思うよね、これは。
2つ目が「合理的配慮が必要な子どもも理解していますが、
それとの兼ね合い・共存はどのようにしていくのか。」
どうやってうまくやっていくのかっていうところ。
本来頑張れる子がどう共存していくのかっていうところなんだけど、
1個目よね、まず。
ひとし
宿題ならやるけど自主的にはやらないって子が、やらなくなるんじゃないか。
はるか
そうそう。これどう思う?皆さんどう思いますか?
ひとし
いやもう俺の特性上は、自分がやりたいことじゃないと
力になってない感覚をすごい持っちゃってて、
あまり強制されてやらされて力がつくイメージが薄いから、
自主的にやるようにできたらいいよなと思っちゃう。
はるか
これはさ、俺ら以外に第三者が必要だなと思ったのが、
たぶん俺もひとしも強制的に何かをさせられるっていう経験がほぼないやん。
幼少期。子ども時代。
ひとし
幼少期ね。確かに。そっか。
はるか
そうそう。子ども時代に何か勉強させられたみたいな記憶がないから、
どんな気持ちなのかがちょっと見えにくい部分もあるんだけど。
ひとし
確かに。あーでもそうね。その感覚で1個だけあるのは、
学校の定期テストとか俺はそれやったんよね。
やらされてやっていたって感じで。
はるか
あー。そもそも必要ないと思ってたっていう感じか。
ひとし
そうね。何か本当に違和感を持ちながらやってて、
受験を頑張りたいとか、ここの大学行きたいはあったけん、
数学とか英語とかのモチベーションはすごいあったんやけど。
はるか
はいはいはいはい。
ひとし
そうじゃない教科で、成績のためだけに勉強させられること、めっちゃ苦痛で。
それこそね、地理は赤点くらい取ったことある。
はるか
あー、必要なかったから。
ひとし
ギリギリ。そう。でも頑張ろうとしたけど頑張れんで、
全然覚えれんし、テストも全然できんみたいな感じになってたことはある。
はるか
なるほどね。子どもの特性上ね、本当に意味を感じないとドーパミンが全然出なくて、
意味を感じるとかやりたいと思わないとドーパミン出なくて行動できないみたいな子はけっこういるもんね。
ちなみに「強制力が働いてたら、する」みたいな経験はある?
ひとし
定期テストは強制力が働いてたからしたんだけど、できないっていう感じやった。
はるか
あー効果がなかったっていうことか。
ひとし
そう。
はるか
そっかそっか。いや俺、本当にないかも。させられたみたいなことは。
ひとし
ハッピーやねと思ったけど、ハッピーなんかも分からんけど、そうなんやね。
はるか
いま言いながら思ったのが、ただね、俺は何でも頑張ってたんよ。
ひとし
はいはいはいはい。
はるか
なんか好きなことだけやるとかじゃなくて、なんか持久走とか全然きついやん。
だけどなんか常に全力でやってたタイプやったんよ。
定期テストも別に意味とか考えず、あるから全力でやるでしょみたいな感じやったんよね。
だからそもそも「何か目標を立てたら全力で頑張る」みたいな思考になっていたのかもしれなくて。
ひとし
なるほど。うわーそれでちょっと俺も今ので思ったのは。
俺もずっと定期テストとかも頑張るもんでしょで頑張りよったんやけど、受験とかって新しい目的ができたら、
じゃあこの地理とか別にやる意味ないやんみたいな、上位の目的ができてしまって力入らないみたいな、それ以外の。ってことにはなってた気がした。
はるか
なるほどね。
ていうことは、ひとしは割と「上位の目的みたいなものを自分で見つけて、それに合うものを選択して学習」していたよね。
ひとし
うん。
はるか
割とはるかは、「目の前の目標みたいなものが現れたときに、そこに向かって全力で頑張る」みたいな違いがありそうね。
ひとし
そうね。それが明らかになった。
はるか
この子に関しては俺と似てるかもね。宿題という目標があったら、やるべきことがあったら普通にやるでしょって。
ひとし
うん。
はるか
だけどそれ以外の+αはしないでしょっていう感覚なのかもしれんね。
ひとし
かもしれない。確かに。だから宿題で課されるものが減ったら、その分やらなくなるよねっていうのは自然やね。
はるか
うんうんうんうん。いま2つの種類に分けられるとしたら、ひとしは目的、ワクワクのエンジンよね。これがしたい、やりたいっていうドーパミン性のもので動いてる。
ひとし
うんうん。
はるか
俺は、なければならない。
俺っていうかその、目標があったらする子、宿題があるならやるでしょって子は、やらなければ何か困るからやるわけよね。
ひとし
うんうんうんうん。
はるか
これってストレス性のモチベーションよね。
ひとし
なるほど。だからその、先生に怒られるだったり。
はるか
うんうん。やらないと困る。怒られるとか。
だから、いまその強制力がなくなってしまったわけよね。この「ストレス性のモチベーションがなくなってしまったっていう状況があるから、どうしたらいいのか」っていう話をすればいいわけだ。
ひとし
どうしたらいいんやろうね。でもそこが明らかになったね。ストレス性なのかドーパミン性なのかみたいな違いはありそうだし。
はるか
うんうんうんうん。
ひとし
だからその、「長い目線の目標をいっしょに作ろう」みたいな話になるのかな。
はるか
できるチャンスじゃないかなって、いま思った。
ひとし
なるほどね。
はるか
これまではこの子は外発的な強制みたいなもので、言ったらストレス性で動いていた。
だからやらないと怒られるっていうモチベーションでやっていたから、やるんだけどその学び自体が好きだったかって言われると好きじゃなかったと思うんだよね。
ひとし
うんうんうん。
はるか
だけどこれって逆に言うと、新しい目標とかに向かって勉強するようになったりとか、内発的に勉強を頑張りたいなって思えるようになったらむしろ学ぶのが好きになるとか、内発的動機が生まれていくチャンスになるんじゃないかなっていうふうに思った。
ひとし
うん。そうね。
はるか
だから内発的動機を育てるチャンスだと思っています。で、今後、世の中の潮流を見た時に学校が強制的に何かをさせるみたいなことはどんどん減っていくと思うんよね。
ひとし
やっぱそうなんやね。
はるか
うん。多様性の時代であったりとか、価値観が多様化するなかで、何か1つの軸で子どもたちに何かを学校が強制力を持ってやるみたいなことはどんどん減っていきそうじゃない?
ひとし
そうやね。宿題がない学校とかも出てるくらいだったりね。
はるか
言ったらね、今日明日、宿題を自分がしたくなるみたいなことはできるよね、いろいろ。
ひとし
声かけとかそういうトークンとかのね設計でできると。
はるか
トークンとかできるなって思っているし、『Duolingo』みたいなさ。
ひとし
あー、英語学習の。
はるか
ゲーミフィケーションの話もあって、どんどん子どもたちは宿題とか勉強を楽しくやれるようになっていくのかなって思っているんよね。
あのDuolingoの方の『TED Talks』見た?
ひとし
見てない。
はるか
あの人は勉強をゲームと同じくらいワクワクできるものにしようと一生懸命やってて。
そのために脳科学とか使って中毒性あるものにしているみたいなけど。
ひとし
うんこドリルとかもね。
はるか
うんこドリルとかもそうよね。
子どもたちのマイクラドリルとかもね。
マイクラが好きな子どもと、ポケモンが好きな子はポケモンドリルとかして。
好きなものと掛け合わせることによって楽しいって思えるみたいな。
そういったスキル的なものはいっぱいあるよね。
ひとし
確かに。もっと長期。
はるか
うん。長期で目標とか夢を持つみたいな状態を作れたら。
ひとし
むずいね。
はるか
いいよね。
ひとし
むずいね。
はるか
いいよね。
ひとし
うわー。
俺の、じゃあ持論、ひとつだけいいですか。
はるか
うんうん。
ひとし
持論というか体験としては、やっぱり九州大学のお兄さんお姉さんが高校に受験の話とか大学生活の話をしに来てくれて憧れる、みたいなのはあったね。
はるか
はいはいはい。憧れの存在みたいな。
ひとし
そうそうそう。そこはけっこう大きかったと思う。
はるか
うんうん。重要そう。それはひとしはそういう経験があるの?
ひとし
俺は大学を目指したいと思ったのはそれだった。
はるか
へー。どの辺に感じたの?それって。
ひとし
たぶんね、かっこいいっていう感じやったんと思うね。漠然と。
はるか
はいはいはい。お兄さんお姉さんかっこいいな、勉強できるっていう。
ひとし
うん。
はるか
なるほどね。それまではそんななかったんだ。じゃあ逆に。
ひとし
それまでは別に九州大学とか思ってなかったけど、運動できるお兄さんかっこいいとかっていうのはもちろんあったけどね。小学校の時も。
はるか
うんうんうん。
ひとし
でも初めてその「九州大学、行きたい」みたいなのは、たぶん先生たちもその大学に行ったことがすごいことなんだよ、みたいな紹介をしてくれたと思うけ、なんかそこにすごい憧れを抱いたりしたのかな、みたいな。
はるか
なるほどね。なんか将来的に憧れとかやってみたいことがある状態っていいね。それのために頑張れるみたいな。
ひとし
ちょうどいいよね。しかもそれが高1の時にその話を確かたぶん聞いたんやけど、ちょうど3年後やん。
はるか
うんうんうんうん。
ひとし
3年間頑張ってこうなるみたいなのは、なんかけっこうちょうどよかったのかなと。
はるか
なるほどね。
ひとし
20年とかじゃないもんね。
はるか
長期視点の憧れとか、やってみたいをもつために。
ひとし
うん。
はるか
俺とかはさ、とにかく目の前のことだけずっとやってって、で気づいたら進路が選べる状態になってたからどうするみたいな感じで選ぶみたいな。
ひとし
それもいいね。
はるか
しかも偏差値で選んでたから、なんかそんなにそれこそ主体的に生きてなかったのかなって思ったりもした。
だって俺、教師になりたいとは言ってたんだけど、「教育、変えてやるぜ」とか言ってたくせに、俺、教員になれん大学に入ってたからね。
そうそうそう。
ひとし
でもそうか。逆算思考はちょっと苦手だったのかもしれん。
はるか
そうそう。教育学部に入ったら教員になれるでしょって思ってたら、「え、なれませんよ」みたいな。免許、取れませんよとか言われて。
ひとし
いや、確かに。でもそれは、それはちょっと大学の学部の名前も良くないかもしれんね。
はるか
そうね。
ひとし
教師になれると思うやん。
はるか
教育行政とか、なんかそういった心理学とかって。
ひとし
そっちやったんよね。
はるか
「教員免許、小学校の取れませんよ」って言われた時に、ほんと「えええ~~‼」ってなって。
ひとし
まあ一応、説明しとくとね。そこから一発試験で教員になれるテストがあって、それをはるかは合格したということみたいな。
はるか
そうそうそうそう。あ、ありがとありがと。試験頑張りましたみたいな話なんやけど。
でもさ、今まではもしかしたらその目の前のこと頑張っとけば、将来ね、何かしら選択肢があるみたいな状態だったかもしれないけど、
いまそのルートがさ、多様化しすぎてて、けっこう学生時代とかに既に「こんなふうに生きたい」みたいな自己理解であったりとか、
なんか自分軸みたいなものを獲得していた方が生きやすいのかなって思ったりしてるよね、最近。
ひとし
確かにね、それはまあそうやろうねとは思うね。
はるか
最近『子どもと平和を考える「ピースピース」』で世界平和についてスピーチした子どもたちと関わってたりとかさ、海外でいっぱい活躍してる子どもたちとかと話をしてるとさ、
なんか「自分でこんなこと実現してみたいです」とかいう思い持ってさ、そのためにどういう進路を選ぶんだろうみたいなことをやってるやん。
ひとし
そう。「もう逆算して選ぶん?」みたいな感覚になるもんね、俺らからしたら。
小学校、中学校で、もうそんな逆算で目的指向で選ぶんだみたいな。びっくりよね。
はるか
やってるよね。だからそうとう変わってて、その状態にどうできるのかっていう感じよね。この間の高校生も。
「僕は教師になるんですけど、なんかもっといろんな経験を踏まえて子どもたちと向き合いたいから、
まずは教育学部じゃなくて、違う道に行って、そこで経験積んでから教員になります」とか、そういう話とかもしよったやん。
そんなふうに「自分はこういうデザインでこう生きていくんです」みたいな、主体的に生きる姿を目指したいなと思っていて、
どうしたらいいんだろうって思ってたけど、その時たまたま見てたさ、『成田修造』さんと『安野貴博』さんって方のYouTube動画をたまたま見ててさ、
この方もそういう議論をしてて、「どうやったら子どもが夢を持つのか」みたいな話をしよったんよ。
ひとし
見てなかった。
なんて言った?
はるか
どうやったら子どもが夢を持ったり頑張ったりできるのか、みたいな話を議論してて、
で、その時に成田修造さんが言ってたのが、「越境体験が大事だ」みたいな話をしてて。
ひとし
ああ、越境。
はるか
つまりインプット不足、「子どもがやりたいことを見つけられないのは、インプットが不足してるんじゃないの?」っていう話をしてて、
ひとし
はいはいはい。
はるか
で、やっぱ子どもがいろんな経験をすることが大事。
ひとし
それは知識的なインプットってよりは、か。体験して。
はるか
そうそう、体験をすることが重要で、それが越境してることが重要。
ひとし
なんだ、越境ってなんだ?
はるか
越境ってのはつまりその、自分の安心安全の場所とか既存の価値観から飛び越えてるみたいな経験が重要って話をしてて。
で、逆にそのSNSとかっていうのをずっと使ってるとさ、アルゴリズムで自分の興味範囲からやっぱ抜け出せんかったりとかするわけやん、考え方とか。
ひとし
確かに。
ノット越境やね、あの環境は。
はるか
そうそうそうそう。
で、さらに言ってたのは、「その越境体験を通して感動の蓄積を増やしていくことがすごく重要」で。
実際にリクルート研究所っていうところがその、キャリアの研究をしてるみたいなんだけど、
その中では「学生時代とかに自分のコンフォートゾーンを超える越境体験を多くした人ほど将来のキャリア満足度が高い」っていう話をしていて。
ひとし
なるほど。
はるか
いかにそのコンフォートゾーンを超える、価値観を壊すような経験をしてるかが大事なんだなっていうふうに思ったんよね。
ひとし
じゃあ俺があの九州大学のお兄さんお姉さんと話したのは、越境体験だった気がするな。
はるか
越境体験だったんだろうし、俺も中学校の時とかに本を読んだりとかして、今でもさ、本読んでなんか全然違う価値観に出会って、
「うわー」って。「この生き方すげー」みたいになったりするやん。
ひとし
うんうんうん。
そうね。そういう発見は意外とね、SNSで最適化された動画より、本とかコミュニティに所属して、そのコミュニティで知った情報とかの方がいろんな意見を知れて越境する感じあるね。
はるか
越境する感じするよね。
その動画で言ってたのは、全然違う体験をすることで自己理解が深まるよね。
自分はこんなことが好きで、自分はこんなことが嫌いなんだ、みたいなことがどんどんどんどん経験として蓄積されていく。
だからこそ、こんなことやってみたいっていうことが起きやすい、夢を持ちやすいっていう話があって、確かになぁと思ったよね。
ひとし
大事やね。ちょっと息子にもミルクの味、変えてみるとかね。
はるか
越境するかもね。このミルクの味は好きで、このミルクの味は嫌いみたいな。
自己理解が深まるかも。
ひとし
おむつに書いてるキャラクターとか変えてみようか。
はるか
変えてみるのいいかもしれないね。なにで喜んでなにが不快なのかっていうのをね、どんどんどんどん蓄積していくのはいいかもしれないね。
ひとし
蓄積。
はるか
それってやっぱ大事やね。要は自己理解なんかもしれんね。自分はこれで萌えて、これで萌えないみたいなことを。
ひとし
まあそうだよね。
はるか
蓄積していった時に初めて「何がしたいの」って言われて、「これがしたいです」って言えていくのかもしれない。
ひとし
なるほどね。
じゃあでも、こちら側ができるコミュニケーションは人とつなぐとか、そういう体験に連れていくとかってことか。
はるか
そうよね。だからデジタルも大事だけど、デジタルを使わずに図書館に行くとか、博物館に行くとか、そういうところからスタートできるし、
地域にイベントとかさ、社会活動のイベントとかってやっぱり世の中にいっぱいあるわけやん。
その中に飛び込んでみるっていうのは、ひとつできるのかもしれんよね。
ひとし
確かに。
はるか
だから本当、こういったね、力を育てるためには体験が重要って言われていて、この体験格差をどんどん埋めようっていうような活動もたくさん今、世の中にあるもんね。
ひとし
そうやね。
はるか
『熱中教室』さんとかもそうだしね、『cotoco』ていうね、『まりこ』さんの家族でいろんな体験をしようっていうところもそうだし。
ひとし
そうやね。
はるか
そんな体験をしていくのが重要なのかなとは思っている。
ひとし
確かに。
そうね。というのが1個目の論点やったよね。
はるか
1個目の論点だし、その次の論点、「合理的な配慮が必要なことも理解していますが、それとの兼ね合い・共存はどのようにしていくのか」っていうような問いだけど、これもさっきの話につながるけど、越境体験って大事そうだね。
ひとし
合理的配慮に?
はるか
だからいろんな人を知るってことは、人がそもそも違うってことを理解することにつながるなって思って。
ひとし
なるほどね。
はるか
どうしても「自分と人は似てる部分が多いんじゃないか」って思いがちだけど、ぜんぜん違う人と出会っていく中でさ、「ぜんぜん人、違うやん‼」ってなるよね。
ひとし
そうやね。
はるか
同調みたいなのをしようとしなくなるんじゃないかな。人は人だし、自分は自分ってなりそう。
ひとし
確かに。ま、そうか。合理的配慮と共存も、越境体験で自分を知ることでできるんじゃないかって。
はるか
自分とか多様な他者を知るっていうこと。
ひとし
なるほどね。
はるか
俺は完全に、海外に行ったときにいっぱい起きたんだけど。
ひとし
もう国も越境してるしな。土地自体、越境してるもんね。
はるか
そうそう場所自体、越境。やっぱ文化も人も違うと、しやすいよね。
ひとし
しやすいわ。海外行くとかはあるわ。確かに。
はるか
価値観、壊れやすいと思った。ぜんぜん違う。そもそも違うっていう前提があって。
インドネシアのバリ島に行ったときに、海の横やったんよね。海と川の横で、滞在場所が。で、そのときに川でみんな泳ぎよったんよね。
はるか
川でよく泳ぎよって、めっちゃ綺麗な場所だから。川で泳ぎよって、そしたらたまにワニ出てくるらしいの。
ひとし
はいはいはい。
はるか
「えー‼」みたいな。「みんな泳いでるけどワニ出てくるらしいよ」って。「危ないよ、みんな出ようぜ」とか言ったんよね、俺が。
ひとし
うん。
はるか
そしたらみんなが「まあまあワニにね、噛まれるぐらいだからね」って言って遊び続けたんよ。
ひとし
それ、ガチワニ?
はるか
ガチワニ。
ひとし
小っちゃいとかじゃなくて。
はるか
サメもそう。
ひとし
サメも?
はるか
そう。サメもそうで、海に行ったらサメがいるって分かってんのにサーフィンし続けるん。
「サメに噛まれるときもあるよね!」みたいな感じで。
ひとし
「死ぬときあるよね!」ぐらいな感じやん。そんな感じなん?
はるか
なんかね、そのリスクに対する考え方みたいなのが、ぜんぜん違うなと思って。
だからその生き延びることがすべてとかっていう、なんか安全第一みたいなところから、「ぜんぜん違う考え方の人もおるんや」みたいな感じで。
ひとし
確かに。
はるか
やっぱリスク、ハザードに関する考え方、死生観みたいなのをそうとう考えた、あのときは。
ひとし
なるほどね。
はるか
そうそうそう。めちゃくちゃ面白かったね。
ひとし
そうとうあるわ確かに。海外行くと。
まずお金の払い方とかから全部違うやん、普通に。
はるか
まあそうね。そうね。
ひとし
自分の常識がぜんぶ常識じゃなくなるやん、急に。
「えー…」みたいに戸惑うとかも、越境やね。
はるか
越境やね。
そう考えると確かにコツコツその、宿題やっていくっていうのもすごく重要っていうのは前提としても、
越境体験ってたまにさ、とんでもない爆発的なエネルギーを生むやん。
ひとし
うん。
はるか
ひとしが九大生に出会ったとか、
俺がバリでその、人の言葉に出会ったみたいな感じで、
体験すればこう育ちますっていうよりは、
体験の数を増やせば増やすほど、現体験みたいな。爆発的なエネルギーが生まれる確率が増えるんだなって思ったね。
ひとし
なるほどね。
うわー。だいぶ面白いメガネなんやない?それは。
はるか
うんうんうん。
ひとし
現体験を生む意味は、
長期的な目で見たときに爆発する可能性を増やしているっていう感覚やね。
はるか
そう。もうほんと内発的に頑張りたいと思える可能性を持っているし、
さらには多様性を受け入れられる器とか理解もできるようになるし、
そのさっきの回数の話だけどさ、
『菊池雄星』選手って分かるかな?メジャーリーグの。
ひとし
はいはい。
はるか
野球はコツコツコツコツ上手くなっていくっていうより、
これ正しい言葉ではないかもしれないんだけど、
急に爆発的に伸びるときがあるらしいんよね。
ひとし
うん。
はるか
だから、練習の回数を増やせば増やすほど、
急に爆発的に伸びる可能性が上がるんだと。
ひとし
なるほど。
はるか
そうそうそうそう。
ひとし
なるほどね。
コツコツ練習したら徐々に伸びるんじゃないんだね。
はるか
じゃなくて、
ひとし
確率上げてるだけなんやね、あれは。
はるか
ある日急に爆伸びする日を、確率を増やしてるんだって話を聞いたときに、
もうまさにそうやんと思って。
ひとし
たしかに。
はるか
だから越境体験みたいなのもそうで、
「この越境体験をすればこう育ちます」じゃなくて、
「たまに爆発する瞬間の確率を上げる」という意味で、
やっていくのが面白いなって。
ひとし
面白い。
はるか
思ったね。
ひとし
それは面白いわ。
あくまで越境体験は確率が上がるための技であると。
はるか
そうね、爆発的なモチベーションを持つ確率が上がるということで。
でもさ、それを持ったら自走してくれるって考えたら、
コスパいいんかもね。
ひとし
いや。
はるか
毎日毎日コツコツ習慣的にするっていうのが、
そっちを取るのか、
でかい体験をいっぱいしに行くっていうのも、
同時並行が一番いいけど。
ひとし
そうやね。
やっぱ越境体験、マジ大事だ。
年に1回子どもだけでキャンプに参加させる機会とかあったりするやん。
はるか
うんうんうん。
はるか
このスタンスの方が無理ないかなって思ったりした。
ひとし
なるほどね、確かに。
だから「このキャンプに参加しなさい」っていうスタンスになっちゃうと、
それは子どもにとって越境体験になるのかっていう。
はるか
そうね。
ひとし
のがあるよね。
はるか
同じようになると思った。受験勉強とそれが。
ひとし
うんうんうん、確かに。
うわーむずい。
そうね。そういうの、キャンプ行きたいって言ったら行かせてあげる、ぐらいのスタンスかもしれんね。
はるか
かもしれないし。
そう、だから「将来のために」を強くしすぎないことが大事だと思った。
ひとし
なるほど、逆にね。
はるか
将来のために越境体験をしましょうって。
だから子どもが嫌なのにさせますとかっていう話じゃなくて、
将来のためにもつながってるだろうし、
今も実際に楽しいと思えることをした方がいいなって思った。
ひとし
うんうん。
はるか
だから子どもの興味関心からスタートするのは大事だし、
親御さん自身も楽しいと思えることが大事。
「今、楽しい」と、「将来のために」っていうのがバランスよく両立するようなメガネがあるといいのかなと思った。
ひとし
なるほど。
はるか
受験戦争では将来のために、「今」を犠牲にしすぎた部分があると思うんよね。
だから今も楽しめるし将来にもつながるというポイントが大事なのかなとは思ったね。
ひとし
うん、というところですか。
はるか
はい。
ひとし
じゃあまとめると。一応、今日2つあったよね。
「自主的にはやらない子がやらなくなっていくことをどうしたらいいんだ」っていうのと、
「合理的配慮の共存」みたいな。2つあったけど、
これどっちも越境体験が大事だよねっていう話だったのか。
はるか
そうね、これ長期的な視点で話をしたんですけど、
実際に明日から何ができるのっていう話とかでは、
勉強を習慣化するための方法とかで『中室牧子』さんの本を紹介しながらね、
紹介したりもしています。
どうやったら勉強習慣がつくのかとかっていう話もしているので、
具体的な方法が知りたい場合はそちらを聞いていただいたりとかして、
今回はちょっと抽象度が高かったんですけど、
長期で子どもたちが爆発的なエネルギーを持って自分で動き出すみたいなことをする場合は、
この越境体験、現体験が重要だなというふうな話でした。
ひとし
そうやね。合理的配慮が共存するっていうことにつながるのも面白いわ。
配慮とか関係なく爆発的な内発的動機でできるよねっていう話もね。
はるか
合理的な配慮が必要な子たちとの兼ね合い・共存についても、
自分で目指したいものを見つけたりとか、
自分の特性を理解するっていうこと、これ越境体験を通してね。
他者に影響されずに、自分自身で頑張るっていうことにもつながるし、
そもそもしなければならないっていう動機で動いてないから、
自分のために頑張ってる状態だから、自分は自分で頑張るし、
他者は他者で精一杯やったらいいとかっていうマインドにつながりやすいかなとは思っているという。
ひとし
ありがとうございます。
じゃあ最後に感想を読ませていただきます。
『すぎすぎ』さんからですね。
はるか
はい。
ひとし
「いつも楽しみにしています。」
はるか
すぎすぎさん。
ひとし
「3月4日配信の回を聞いて、『おお!』と声を出してしまったところがありました。」
はるか
嬉しい。
おお。
ひとし
「これはぜひ感想を寄せなければと思い、筆を取っています。
(古い言い回し)」
筆を取るね。
メタ認知。
はるか
素敵な方だ。
ひとし
さっとメタ認知が始まっている。
「またこの回が、わたしとっての神回になったので、そのことも伝えたいという衝動に駆られました。」
はるか
嬉しいな。
ひとし
何の回だったかというと、3月4日。
はるか
一応3月4日。
ひとし
はいはいはい。
はるか
宿題は親の仕事?
ひとし
宿題は親の仕事?子どもの他責思考との向き合い方か。
はるかが「子育てって難しい!」っていうのを言ってた回やね。
はるか
そうだね。
言ってた回ですね。
嬉しい。神回って。
ひとし
「わたしは公立学校で校長をしています。」
はるか
うん。
ひとし
校長先生。
ありがとうございます。
はるか
校長先生。
ひとし
「このポッドキャストを聞き始めたのは、3月4日回の最後に感想が紹介された先生がきっかけです。」
はるか
光栄です。
ひとし
校長先生に伝えますっていう。
はるか
そうだよ。だから繋がってるんだよ。
うんうんうん。
校長先生も学校に紹介してくれてます、みたいな話をしてくれた。
あの校長先生が来てくれたんやね。
ひとし
ありがとうございます。
はるか
ありがとうございます。
嬉しいな。
ひとし
「昨年わたしにそっと教えてくれて、そこから聞き始めて超ドハマりしました。」
はるか
ありがとうございます。
嬉しい。
ひとし
「そしていいのか悪いのか、この立場を利用して、まずは学校の職員に。次に来年進学してくる1年生の保護者会で。
そして来月のPTA会の役員の集まりでTeacher Teacherを紹介しました。」
はるか
えー。
ひとし
ありがとうございます。
はるか
ありがとうございます。たくさんの方々に紹介してくださって。
ひとし
「それでもとどまらず、同期の校長先生に、そしていっしょに働いた教員にも紹介しました。」
はるか
えー。
ひとし
すごい。
はるか
すごいな。
ひとし
「いいものは紹介したい、そして知ってほしいという思いが強くこのような行動に走っています。」
はるか
ありがたい。
ひとし
「わたしは学年主任をしていたときに、学年懇談会で保護者の方に本を紹介するというのをしていました。」
はるか
おー。
ひとし
「その第1弾が『学力の経済学』。『中室牧子』さんでした。」
はるか
おー。
ひとし
「紹介したあとに、『本を買いました』という保護者のかたがいて、うれしくなったのを覚えています。
そして学年懇談会が行われるたびに本を紹介するようになりました。」
はるか
うん。
ひとし
「そのようなことと、お二人のTeacher Teacherが重なって、忘れていた学び直しを、今しているところです。」
はるか
へー。素敵。
ひとし
そっか。学び直しとして。
「そして、この立場になって自分の根拠に基づいた引き出しの無さに気づき、
はるか先生の話が本の購入を増大させています。」
はるか
すごい。
ひとし
「教員人生で経験はあるのですが、その経験と知識は融合されずに困り感を抱えている
目の前にいる子どもや、教員、保護者に的確にアドバイスができない自分がいました。
そして学びを止めてはいけないと反省しているところ。
『おお!』と声を出したところは、もうひとつありました。」
はるか
もうひとつ。
ひとし
「それは『工藤勇一』先生の話題です。」
はいはいはい。
あの、『御上先生』の話が出たときにね、あったね。
はるか
はいはいはい。
ひとし
「わたしも『学校の「当たり前」をやめた。』を読んでいました。
そして昨年の11月も講演を聞きに行きました。
わたしは、今の学校が新任校長1年目です。」
はるか
へー。
ひとし
「つまりもうすぐ校長として1年が経とうとしております。
幸いにこの学校は文科省が勧める『誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)』に記載されている、校内教育支援センター設置モデル校として県から指定を受けて、学校内に居場所づくりをしてきました。
はるか
えー‼
すごくない?
校内に居場所づくりしてきたりとかして、先進的な取り組みされている方だ。
ひとし
「お二人が進めるフリースクールについても心底、共感いたします。」
はるか
ありがとうございます。
ひとし
ありがとうございます。