1. tantotの時々読書日記
  2. #28 モアメド・ムブガル・サー..
2025-02-04 12:33

#28 モアメド・ムブガル・サール『人類の深奥に秘められた記憶』〜闇に消えた謎の作家の足跡を辿る旅

spotify

モアメド・ムブガル・サール『人類の深奥に秘められた記憶』を読んだ感想を話しています。

重層的な歴史の記憶が押し寄せてくる、大作です。

https://amzn.to/4hmvKe6

 

00:00
はい、tantotの時々読書日記、第28回です。今日はですね、モアメド・ムブガル・サール
人類の深奥に秘められた記憶、 こちらについて話したいと思います。
こちらはですね、周泳者から出ている参考本で、 本語版出ているのは2023年の10月30日なので、大体1年ぐらい前ですね。
翻訳しているのは野崎寛さんという、結構有名なフランス文学者・翻訳家の方で、 有名なところで言うとあれですね、
Jean-Philippe IIさんの浴室とかムッシュとか、その辺を訳していたりとか、 ミシェル・ウェルベックの翻訳をしていたりとか、
というような感じで、結構有名な翻訳家の方が訳されている本で、 とにかく分厚いんですよね。
何ページあるかというと、小説の本編の方だけで460ページあるという、 とにかく分厚い本です。
これ、確かちょっと記憶が曖昧なんですけど、 河野瀬由紀子さんの翻訳家の方ですね、
河野瀬さんのブログかなんかで、 今年注目のとても良かった翻訳、海外文学みたいなものを一冊として、
去年ですけど、何ヶ月か前に読んだのに出てきていた中の一つで、 タイトルがすごく聞かれますよね。
人類の信仰に秘められた記憶っていう、 タイトルの奥深さというか、もうそれだけで心をくすぐられる感じで、
ちょっと記憶に残っていて、 何でこれを読み始めたのかという話を少しだけすると、
三鷹にユニテという独立系の書店、すごく良い書店なんですけどがあって、 そのユニテをちょっとふらふらっと見ていたときに、
結構ユニテさん、海外文学含めて文学の選書がめちゃくちゃ良いんですけど、 その中に見つけて、
ちょっと申し訳ないですけど、そこでは買わずに、 そして他にもいっぱい色々買いたいものがあったので、
そこでは買わずに図書館で借りて読んだという感じになります。
もともとコーノスさんのブログで見て、 ふと立ち寄った本屋さんでたまたま見かけて、
そういえばちょっとこれ読みたかったんだなと思って、 図書館で読むと。
結構こういう感じで、2、3回ぐらい同じ本に別のところで触れると、
ちょっとやっぱりこれはもはや読めと言っている、 誰かに読めと言われているのかなというふうに思って、
03:04
買ってしまったり、借りてしまったりするみたいな、 結構そういうところがよくあるかなと思って、
そういう形で読んでみましたという感じです。
この本、めちゃくちゃ長いので、どんな本かって言って、 要約するのがすごい難しいんですけど、
簡単に言うと、フランスである歴史から抹消されてしまったような、 謎の作家について追いかける本、追いかける話です。
主人公というか、主な語り手はジェガーヌという、 アフリカのセネガル出身でフランスで活動している作家。
ただこの作家はすごい中途半端な作家というか、 本当にまだ若くて、
そんな本も大して売れてなくてっていう、 若気の至りみたいな作家なんですけど、
その作家が1940年代、30年代か、 第二次大戦ちょっと前ぐらいに、
突然フランス軍団に現れて、 突然と消えてしまったT.C.エリマンという作家の、
人出なしの迷宮という本にたまたまであって、 その本に傾倒してしまって、
その本の謎を追いかけるっていうのが、 一応メインのストーリーというか。
ただその本の謎を追いかける中で、 セネガルだとか、アフリカの歴史の闇というか深みみたいなところだとか、
そのT.C.エリマンという作家の心の闇というか、 深みの中にどんどん掘り下げられていくというような、そんなような話で。
なのである意味このジェガーヌは狂言回しみたいな立ち位置でしかなくて、
そのジェガーヌの目を通して様々な服装的な語り、 声、語りの中でそのT.C.エリマンという作家は何だったのかということとか、
そのT.C.エリマンが生まれた背景にある、 セネガルとかアフリカの文化、
ある意味植民地化された、ヨーロッパによって植民地化された彼らの、 ある意味で呪われた文化とは何だったのかとか、
そういう歴史を問い直すというか、そんな感じのお話ですね。
06:10
ちょっと正直最初の方を読むのつらかったんですけど、
何ですかね、やっぱり話の、こういう大部の書籍で入り込むまでに、 なかなか時間がかかるというか、そんな感じで入り込むのは大変だったんですけど、
途中の、第1の書、第2の書、第3の書というような感じで大きく3つに分かれていて、
第2の書の最初の方から始まる、 ウセイヌ・クマーフという人の独り語りみたいな話から始まる、
このセネガルの歴史の闇みたいなところから一気に、 ぐっと捕まえてきたという感じかなと思います。
何ですかね、この難しいな、この本。
でもすごく、 解説にも書いてるんですけど、すごくフランス文学だとか、
あとは結構そのラテンアメリカ文学とかにも造形が深い、このモアメドム・ブガルサールさんは、
セネガル生まれの、でフランスで今活躍されている作家の方。
まだ30代の若い方なんですけど、そういう文学的なところにも造形が深いし、
アフリカの出身であるセネガルとか、アフリカの植民地を経たアフリカのアイデンティティみたいなものを、
結構批判的に問い直すみたいな、そういう側面もあるし、
怖さというか、人、人間というものの怖さ、恐ろしさみたいなものを、
心の闇に降りていくというか、掘り下げていくっていうものでもあるし、
というところで結構いろんな読み方ができる本なのかなというふうに思いました。
あと結構、失われた、突然分断に現れて、突然消えてしまって、その作家を追いかける、
09:00
ある意味のミステリーみたいな側面もあって、
そういうところ、人間の心の闇とか、植民地主義の闇みたいな、時代の闇みたいな、そういうところだけだとやっぱり話としては面白くないというか、
ただやっぱりそこに対して、突然現れた作家の足跡を追っていくっていうミステリー要素があるから、
結構楽しく読めるというか、どんどんページをめくる手が止まらなくなってしまうみたいな、そういう側面もあるかなというふうに思いました。
そうですね、そんな感じかな。
ちょっとすごく分厚い本なので、万年に進められるものではないとは思うんですが、
結構骨太な本を読みたいとか、最近短編だけだとなぁとか、軽いものだけだとつまらないなぁ、
もっとこう、ぐいぐい心に迫ってくるようなもの、作品に触れたいなという場合には、
すごいおすすめというか、良いのではないかなというふうに思いました。
確実にこの本は、僕ももう1回、2回ぐらいはちゃんと読み直したいなって思うぐらい、
やっぱり読んでいて深さのあるというか、読む価値のある小説、作品だし、
結構この、長く読み継がれるというか、残る重みのある本なんじゃないかなというふうに思います。
はい、そんな感じですかね。
というところで、
そんな感じかな。最初だけちょっと読んでみましょうか。
最初の第一部、第一の書の第一部、母雲の巣。
2018年8月27日。
一人の作家とその作品について、少なくともこれだけはわかっている。
作家と作品は想像し得る限り、最も完璧な迷宮の中を共に歩んでいるということ。
その長い道は円環を描き、目的地は出発点と一致する。
その地点とは、つまり孤独だ。
12:00
はい、というところで、今日はモアメド・ムブガルサールの
人類の信仰に秘められた記憶、現代はラプリオ・セクレット・メモワーフ・デゾーン
野崎勘さんの翻訳の所有者から出ている本、こちらについてお話しさせていただきました。
もし今日面白いなと思った方は、フォローなどしていただけると嬉しいなと思います。ありがとうございました。
12:33

コメント

スクロール