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この時間は、日替わりコメンテーターによる解説で、日々のニュースを掘り下げるブラッシュアップ。 月曜日は、法学者の谷口真由美さんです。谷口さん、おはようございます。 おはようございます。
今日は、セクハラが絡んだニュースについてですよね。 はい、今回はですね、大阪地裁で12月15日に、
初めて3次会ですね。 飲み会、1次会、2次会、3次会。 3次会で上司から受けたセクハラが、労災認定を初めてされましたというニュースです。
会社の業務後の3次会で、上司からセクハラを受けて休業を余儀なくされた女性の方が、労災認定を受けましたというものなんですけれども、今回最大のポイントというのは、
2次会、3次会などの業務後の飲み会で、セクハラが労災認定されたのは日本で初めてですということなんですね。 労災認定が初めてというところが少しポイントではあるんですけれども、
民事訴訟といって、例えば私が会社の上司を訴えたとか、そういうものであれば会社の責任が認められた事例というのはあるんです。
あと懇親会とか一次会というののセクハラによる、例えば精神障害の労災認定例は存在していたんですけれども、
労災認定の場面で、2次会以降の3次会、今回3次会ですけど、3次会のセクハラが認められたケースはなかったんですね。
今回の事例は、30代の女性が、いわゆる有期雇用の6ヶ月の契約で勤務をしていたというところで、
西日本の会社にいてましたけれども、東京出張を命じられました。
業務後に開かれた会社主催の懇親会に出席して、その会社の司社長とかと2次会、3次会に参加したというものです。
3次会はガールズバーで開催されて、その司社長の指示で女性店員とのキスとか身体接触を強要されて、適応障害を発表したというものです。
出張の際に、業務終了後の予定を入れるなって言われてたんですね。つまり懇親会とかがあるので、有期雇用の方が予定を入れるなというふうに司社長から言われていたので、入れてなかったということもあります。
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なので、労働基準監督署は当初、3次会とかの参加は個人の意思ですということで、労災を認めなかったんですけれども、訴訟ではこの点が主に争われました。
判決も、女性の3次会の参加というのは業務そのものではなくて、プライベートな行為ですよ、私的な行為ですよというふうにしつつも、さっき申し上げたみたいに日程を明けておくように指示してたと業務後に。
だから3次会の出席は、出張の工程に組み込まれてましたというふうに認められたものなんですね。それからこの有期契約、有期雇用の方だったので、正社員の登用に関してその司社長が強い影響力を持ってたので、3次会を断ることは困難だったと。
なので、事業主の支配下にある状態にあったので、労働災害ですということを認定したケースなんですね。これまでは、さっき言った労災認定っていうのは、事業主の支配下にあったっていう業務遂行性って言うんですけど、これが必要なんですね。
だけど、その事業主の支配下に、2次会、3次会のプライベート、もはや完全に私的な飲み会ですよねっていうふうに判断されやすかったんですけれども、言ったらそれって個人の判断ですよねとか、そういうふうに切り捨てられてきましたし。
誘う方も、「いいえ、断っていいや。」みたいなふうに思ってたと思うんですけれども、実際のところ、労働基準監督署は不支給、労災認定しませんっていうことを認定してたんですね。
それは労働基準監督署は、ガールズバーンへ行くという行為は自由意思で、3次会は業務との関連性がありませんという判断だったんです。
ところが、今回画期的な論理構成というか、画期的なのは、3次会の参加は、形式的には業務そのものではなくて、私的な行為ですよと。
だけど、実質は事業主の支配下にある状態でしたっていうことになって、これまでは業務か私的な行為かっていう二者卓一しかなかったんですね。
だから、私的行為と判断されたら、事業主の支配下にないっていうふうに判断されたんですけれども、今回は形式的には、形とか外からの見え方はプライベートな行為、私的な行為であったとしても、中身、実質的な中身は事業主の支配下にあり得るという新しい枠組みを作ったことなんです。
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で、業務そのものでなくても、業務の延長線上として捉えるようになったっていうところが、今回の判決のすごく大きなポイントなんですね。
で、さっきも言ったみたいに、事前に出張スケジュールに組み込まれてる、あとは開けとけよっていうふうに言われたっていうのは、強制性があったとか、参加の任意性っていうのはちょっとやっぱりなかったんじゃないかとか、
あと、その場で断れるかどうかという、空気も含めてですね。行かないとまずいんじゃないかとか、そういうふうに思わせたんじゃないかっていうところが、非常にポイントになったというところなんですね。
なので、この断れない構造というのの中には、さっき言った有期雇用契約ですね、6ヶ月契約っていう不安定な立場に、この女性の方がおられたこと。
で、その支社長が正社員の登用には強い影響力を持ってたこと。ここから導き出される誘いを拒絶するっていうのは事実上困難であることっていうのが、段階的に認められましたっていうことですね。
従来は、嫌なら断れたでしょっていう、形式的に自由意志があったかどうかっていうのを問うてたんですけど、実質的に無理でしたよねっていうことを今回は問えることになったので、これは非常に大きな判決になると思います。
なので、このリスナーさんとかにも、ぜひとも気をつけていただきたいんですけども、従来、会社主催の1次会だけを気をつけとけばいいというふうに、この今、忘年会とかのシーズンでもあるので、そういうふうに思いがちかもしれません。
それから、2次会、3次会っていうのは、行きたい人行くみたいな自由意志だろうと。だから会社関係ないです。2次会、3次会に関しては会社は関係ないですって思ってたとか、そういうふうに思ってた人がいらっしゃったとしたら、今回はそれがハラスメントの認定を、しかもセクシュアルハラスメントの認定をされたというところであるので、
完全に指摘ということは、もはや通用しませんっていう判決なんですね。出張スケジュールへの組み込みですね。出張後も空けておくようにという指示が今回、やっぱりものすごく大きく問われたところであるので、出張っていうのはそのもの全体が業務の延長として評価される。そういうこともあります。
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あと雇用形態ですね。その有機雇用であったり派遣であったり、使用期間中の人っていうのの配慮っていうのはものすごく重要です。特に正社員登用権限を持つ上司の言動っていうのは特に慎重にやらなければなりませんよということと、3次会でこのガールズバーという選択ですね。これ自体が問題ですよね。
セクハラが起きやすい環境がありますよねっていうことで言うと、もうさすがに減ってきましたけれども、いわゆるお姉さんのいてるところでですね、飲み会をするみたいな2次会3次会だったらいいだろうみたいなことがあったとしても、これ男性女性問わずそういうことが苦手な人とか嫌な人もいてるというところが、理解されてない節がまだあるんじゃないかなっていうのがあるので、
こういったハラスメントが起きやすい環境に配慮しなきゃいけないということがあるよっていうことなので、だからやっぱりパワーバランスが欠いた中でのハラスメントっていうのは、今後労災として時間とか場所問わず認められるという新しい基準ができましたよという判決でしたというお話です。
そのね、単なると言うと言い方がちょっとよくないですけど、ハラスメント行為に対する損害賠償ではなくて、その後に適応障害などを発症して休業余儀なくされた、この休業が労災と認定されるかどうかっていう、そこに入り込んだ判定っていうのが本当に画期的な地方判断なんですね。
はい。
なるほど。谷口さんに解説していただきました。谷口さんありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間は報告者の谷口真由美さんでした。
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