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ノオト・ブク太郎
あ、移住。
ノオト・ブク子
ええ。資料によると40名以上がセットをきっかけに移住して地域に新しい風を吹き込んでいると。
ノオト・ブク太郎
42以上も。
ノオト・ブク子
はい。で、2022年度には約1億円の売上を達成して、ふるさとづくり大賞の総務大臣賞も受賞されている。
ノオト・ブク太郎
賞も取ってるんですね。
ノオト・ブク子
ええ。彼らが言う若者の挑戦力×ローカルの暮らし力。これが単なるスローガンじゃなくて、ちゃんと現実の成果を生んでるっていうことですね。
ノオト・ブク太郎
うーん、なるほど。
ノオト・ブク子
この交流こそが人と人とのつながりとか、信頼関係、いわゆるソーシャルキャピタルってやつですかね。それを育んでるんじゃないでしょうか。
ノオト・ブク太郎
では、そのなぜ今SETみたいな活動がこれほど重要視されるんでしょうか。背景というか。
ノオト・ブク子
ああ、それはやっぱり日本の地方が置かれているちょっと厳しい現状をまず見る必要があるかなと。
うーん。
資料にもありますけど、2040年までに全国の自治体の半数以上が消滅可能性を指摘されている。
半数以上?
ええ。岩手県面持ちろん例外じゃない。この人口減少という大きな流れは普通は危機として語られますよね。
ノオト・ブク太郎
どうしても暗い気持ちになる数字ですもんね。
ノオト・ブク子
そうですね。でもここからがSETのユニークなところなんです。彼らはこの状況をただ批判するんじゃなくて、豊かさの厳選だって捉え直してる。
ノオト・ブク太郎
豊かさの厳選ですか。
ノオト・ブク子
ええ。人が減るからこそ生まれる関係性の深まりとか、新しい価値創造の可能性とか、そっちに目を向いてる。この視点の転換はすごくしさに富んでるなと。
ノオト・ブク太郎
豊かさの厳選。魅力的な言葉ですけど、その新しい豊かさをどうやって形にして持続可能なものにしていくのか。そこは資料からまだ模索している段階のようにも見えますけどね。
ノオト・ブク子
おっしゃる通りですね。それはこれからの大きな課題でしょうね。ただ、その影響っていうのは参加した若者だけじゃなくて、受け入れる地域住民の方々。
ひろた町だけで300件以上いるっていうホストファミリーにも及んでるみたいです。
ノオト・ブク太郎
300件も?
ノオト・ブク子
ええ。彼らにとっても地域の魅力の再発見とか、文化を次の世代につなぎたいっていう意欲とか、そういう内面的な豊かさにつながってる可能性は高いんじゃないかなと。これもまたソーシャルキャピタルの共生と言えるかもしれませんね。
ノオト・ブク太郎
なるほど。成果は確かにある一方で、資料からはやっぱり乗り越えるべき壁っていうのも具体的に見えてきますよね。特にお金の面は。
ノオト・ブク子
ええ。NPOにとって資金調達は常に課題ですけど、セットも例外じゃないですよね。助成金とか寄付への依存度をどう下げていくか、特に日本の寄付文化の状況なんかを考えると、安定的な基盤を作るのはまあ容易じゃないでしょうね。
ノオト・ブク太郎
コロナ禍では交流事業が全部止まってしまって、一時最大で2800万円超の損失危機に瀕した後。
ノオト・ブク子
うわ、それは大変でしたね。
ノオト・ブク太郎
でも、それを緊急のクラウドファンディングで約740万円を集めて乗り越えたっていうエピソードもあって、これは彼らの底力も示してますよね。
ノオト・ブク子
そうですね。それに加えて、地方でのDX推進、つまりデジタル技術をもっと活用していくっていうことの難しさとか。
ああ、DX。
あとは専門性を持つ人材の確保とか育成、さらには長期滞在者の移動手段、まあ足の問題ですよね。そういうかなり血に足のついた課題も抱えているっていうのが読み取れますね。
ノオト・ブク太郎
そういう現実的な課題と向き合いながらも、セットが発するメッセージっていうのは一貫して力強いですよね。
ノオト・ブク子
まさに。理事長の方の、できるかできないかではなく、やるかやらないかっていう言葉。
ノオト・ブク太郎
ありましたね。
ノオト・ブク子
これが彼らの行動哲学の確信なんだろうなと。やりたいっていう純粋な思いを起点にしてまず一歩踏み出すこと。その重要性をまさに体現している。
ノオト・ブク太郎
そしてそれを自分たちだけでやろうとしない競争をキーワードにしてますよね。
ええ、競争。
地域住民の方とか若者、企業、行政、教育機関、研究者、支援者、本当いろんなプレイヤーを巻き込もうとしている。その姿勢も資料から強く感じられます。
ノオト・ブク子
ええ、単なるNPO法人っていう枠を超えて、何ていうか、様々な主体が出会って一緒に何かをやって社会課題に取り組むための開かれたプラットフォームみたいな役割を目指しているのかもしれないですね。
ノオト・ブク太郎
NPO法人セットの取り組み、今回深く掘り下げてみて、人口減少っていう避けられない大きな課題に対して交流と行動、そして競争を軸にして新しい価値とか希望を生み出そうとしている。その強い意志がすごく見えてきました。
ノオト・ブク子
本当にそうですね。彼らの実践っていうのは、これからの社会における豊かさって一体何なんだろうかとか、地域社会の未来をどう描いていけるのかとか、そういうことを私たち一人一人に深く問いかけているように感じますね。
さて、あなたはこのセットのモデルからどんな未来の可能性を感じ取りましたか?