サマリー
地域活動の最前線におけるDAOやトークンの活用について深い洞察が提供されます。特に、デジタル技術が地域経済やコミュニティづくりに果たす役割に関して、新しいアプローチや成功事例が紹介されます。デジタルとリアルの融合を通じて確立されている新しい地域活動の形が描かれています。特に、個人のオーナーシップと情熱が新しいコミュニティを支える重要な要素とされています。
デジタルツールと地域活動
こんにちは、The Deep Diveへようこそ。今回はですね、日本のコミュニティづくりの新しい形について、あなたが提供してくれた資料を一緒に深掘りしていきたいと思います。
手元にあるのが、地域の課題解決に取り組む人々の声を集めたすごく興味深いポッドキャストの記録なんです。
ここから、テクノロジーと人のつながりがどう融合して、地域活性化とか子育てとか、そういう分野で新しい動きを生んでいるのか、その核心を探っていきましょう。
よろしくお願いします。これらの資料全体を貫いている大きなテーマが実は2つあるんですよね。それが競争と主体性なんです。
面白いのが、皆さん最新のデジタルツールをすごくうまく使いこなしているんですけど、でも最終的にはやっぱり人と人とのリアルな関係性こそが価値を生んでいる。
この新しい潮流を、いくつかの具体的な事例から紐解いていければなぁと。
まず、僕が一番興味を惹かれたのがWEB3っていうテクノロジーです。
サイドビーチシティの山口さんの話だと、NPOとDAO、分散型自立組織でしたっけ?
はい、そうです。
それに共通点があると。メンバーが平等な議決権を持つっていう点で、これって株式会社みたいに株の量で発言権が変わるのと全く違いますよね。
まさに、組織のあり方が根本から変わる可能性を秘めてますよね。ただ、ここでやっぱり大きな壁があるじゃないですか。
壁ですか?
はい。DAOとかNFTなんて言葉を聞いた途端、多くの人が、ああなんか難しそうだなって心閉じてしまう。
山口さんたちがすごく賢いのは、そこでデジタルの簡易商とかデジタル商品っていう誰もがパッとイメージできる言葉に置き換えたことなんです。
ああ、なるほど。確かにNFTですって言われるより、特別な体験ができるデジタルチケットなんですよって言われる方がもう全然わかりやすい。
そうなんですよ。技術の名前じゃなくて、それがあなたに何をもたらすかで語ろうという、そういう姿勢の現れですよね。
なるほど。でもその考え方をどうやって地域経済に活かしていくんでしょうか。資料にあった福岡市の福岡ポイント、あれが結構ヒントになるのかなと感じたんですが。
ああ、良い点に気づきましたね。あれはただの決済手段じゃないんですよ。例えば、あなたが地域のボランティア活動に参加しますよね。
はい。
そうすると、それがポイントとして見える化されるんです。つまり、お金にならない善意の行動が地域の中でちゃんと価値として認められて循環していくっていう仕組みなんです。
地域コミュニティの主体性
それは画期的ですね。もう一つの、日田たかまのサルボボコイン、あれも成功の理由がすごく面白いなと。
ええ。
地域の信用金庫が主導したから、デジタルに不慣れな人でも安心して現金と交換できるっていう。
その通りです。やっぱり信頼できる地元の金融機関がハブになることで、一気に心理的なハードルが下がるわけですね。
技術への信頼というよりは人への信頼がベースにあるんですね。
ええ。それが単なる民間企業のポイントサービスで終わらない、ちゃんと地域に根差した仕組みになる秘訣です。
この特別な体験へのアクセスキーっていう考え方、ニセコのパウダートークンなんかにも通じますよね。
ああ、ありましたね。最高の雪質で滑る権利をNFTで売るっていう。
そうです。酒バールドもそう。希少な日本酒を買う権利、技術がすごいっていう話じゃなくて、それがもたらす体験こそが価値なんだということですね。
そして、こうしたデジタルツールがもたらす最大の革命って、やっぱり物理的な距離を無意味にすることですよね。
群馬の地域活性化プラットフォームガリエーの創設者ゴージーさんの話はまさにそれを象徴しているなと感じました。
東京にいながら故郷の群馬に関わりたいと、その思いからディスコードとかメタバースを使ってコミュニティを作った。
ここで先ほど話した2つ目のキーワード、主体性がもう出てくるわけです。
誰かに頼まれたわけでも行政が主導したわけでもない、1個人のこうしたいっていうその強い思いが場所を超えたコミュニティを生み出したんですよ。
ただやっぱり課題もありますよね。誰もがディスコードを使いこなせるわけじゃないから、LINEも併用して丁寧に橋渡しをする必要があると。
ええ、そしてここで重要なのは、単にツールを使い分ける柔軟性だけじゃないんです。
それはディスコードが分からなくても大丈夫だよっていう文化、つまり心理的な安全性を作ることなんですよ。
ツールそのものよりも誰もが安心して参加できる雰囲気の方が、コミュニティの生命線になるということです。
子育て支援とオンラインの役割
なるほど、デジタルで距離が縮まるっていうのはよくわかります。
でもそうなると、1つの疑問が湧いてきませんか?どこにいても繋がれるなら、わざわざ人がリアルに集まる場ってもういらないんじゃないかって。
ああ、思いますよね。
ええ、ところがあなたがくれた資料は全く逆のことを示唆している。むしろ価値は高まってるんだと。
まさにその通りです。ファブカフェ名古屋の矢橋さんの話が、その答えをすごくわかりやすく教えてくれます。
安定・安心を重んじる名古屋っていう土地柄で、あえて異質のものが混ざり合うクリエイティブな場を作ったんですね。
普段は大企業で働いている人たちが、そこにフラッと立ち寄ることで、会社の肩書きを外して、全く新しいアイディアを語り始めるそうなんです。
それは面白い変化ですね。矢橋さんは、現代社会が経済合理性、つまりコスパとかタイパーを求めすぎてるって指摘してましたよね。
ええ、合理性を突き詰めると無駄が削り落とされて、社会のアイドリーみたいなものが失われると。
ファブカフェはその無駄とか余白をあえて作ってる場所なんですね。
そうなんです。そして、この一見非合理的に見えるアプローチが、実はすごく合理的な目的を達成する鍵になる。
この逆説的な面白さが、開校5年の会議で語られた防災対策の話に繋がってくるんですよ。
防災ですか。
ええ。防災情報っていう命に関わる超合理的なメッセージを伝えたい。でも真面目に備えましょうって呼びかけるだけでは、誰も聞いてくれないじゃないですか。
まあそうですよね。ついつい後回しにしてしまう。
そこで野球観戦とか、脱出ゲームみたいな楽しいことにそっと混ぜ込むんです。
なるほど。これはあなたが何か重要なことを伝えたいときにすごく応用できる教訓ですよね。
正論が通じないなら思いっきり不合理な楽しさを注入してみると。
まさに。その場の力がより深刻な社会課題である子育ての分野でも鍵を握ってるんです。
ティーチャーティーチャーの遥香さんは、不登校の背景に親が誰にも相談できずに孤立する子育てがあると。
その問題を解決するために生まれたのが、無料のオンラインフリースクールコンコン。
僕がこれ感銘を受けたのはその運営モデルなんですよ。
どういう点ですか。
運営費は支援者の寄付で、しかもその支援者自身がボランティアとして子どもたちのメンターになる。
みんなで子育てっていう理想を見事に形にしてるなと。
ここで面白いのは、プログラマーとかカメラマンといった多様な大人が関わる点ですよね。
学校の先生だけではカバーしきれない、子どもたちの専門的な興味にちゃんとお答えられる。
そしてこのコミュニティ全体の土台になっているのが、実はポッドキャストというこの声の場なんです。
ああ、なるほど。
まず音声を通して遥香さんたちの人柄とか考えに触れるから、信頼感とか心理的な安全性が生まれるわけだ。
その通りです。
だから初めてオンラインで子どもを預ける親御さんも、ボランティアとして参加する大人も安心してその輪に入っていけるわけですね。
地域活動の変化
デジタルとリアルが実に見事に補完し合っている良い例だと思います。
ええ、こうした新しいコミュニティの動きっていうのは、人々の働き方そのものの変化と、もうコインの裏表の関係にあるなと感じますね。
まさに。
NTO法人エティットのドライブキャリアの話はその変化を象徴していました。
利益通給型の企業から社会課題の解決を目指すソーシャルセクターへ転職したい人を支援するサービス。
そして資料にあったタクワさんの体験談には正直ちょっと衝撃を受けました。
従来の転職エージェントに相談したら、その仕事はどこで利益を出せるんですか?と真顔で聞かれたという話ですね。
はい。
彼女が感じたっていうその価値観の断絶。
ビジョンとか社会貢献を軸に仕事を探そうとすると、給与とかスキルみたいな既存の物差しではもう測れない。
だから従来の仕組みの中では構造的に出会えないという問題が起きている。
これはかなり根深い問題ですよね。
しかしタクワさんは同時に希望も語っていましたよね。
特に若い世代では企業の社会的意義を重視する価値観が確実に広がっていると。
新卒採用の現場で私たちの会社はどう社会の役に立っていますか?って学生から問われるのがもう当たり前になったと。
働き方の常識は静かにでも確実に変わってきてるんですよ。
そしてこの新しい働き方とかコミュニティを支える個人のマインドセットこそが、さっきから話に出ている主体性なんですよね。
ファブカフェの矢橋さんはこれをオーナーシップと。
ええ、言ってましたね。自分の人生のオーナーは自分だと。
言われたからやるんじゃなくて、自分がやりたいからやる。
プログラミング言語HSPを開発した鬼玉さんの、好きなものをなるべく続けるっていう言葉もまさにそれだなぁと。
そうですね。経済合理性じゃなくて、内側から湧き出る情熱を原動力にする。
こうした個人のマインドが新しいコミュニティのエンジンになってるわけです。
そのオーナーシップが爆発してるのが横浜の若者たちの活動ですよ。
コロナ禍で途絶えたお祭りをたった2人の大学生が復活させたと聞いて本当に驚きました。
高校生が駅前の活性化に取り組むなんて僕らの時代にはちょっと考えられなかった。
ええ。そして横浜アクションアワードみたいな場が非常に重要な役割を果たしていますよね。
あれは単なる表彰式じゃないんです。
世代とか立場が全く違う人たちが交わる斜めのつながりを創出するなんていうか職場居のような場所なんです。
斜めのつながりですか?
はい。高校生が小学生と大学生が地域の経営者と出会う、そういう予期せぬ出会いが新しい化学反応を生むわけですね。
なるほどなあ。
そうなんです。主体的な個人が点として存在していても大きな力にはなかなかならない。
でもこうした場でつながることで点が線になり、やがて面となって社会を動かす大きなムーブメントが生まれていく。
そのダイナミズムが資料の至るところから伝わってきますよね。
さて、ここまで様々なコミュニティの形をあなたがくれた資料から読み解いてきました。
デジタルツールで距離を越えて、リアルな場で深い関係を築く。
そしてその原動力は個人のオーナーシップと好きっていう純粋な情熱。
競争から競争へ、孤立から連携へ、日本のコミュニティは今まさに新しい姿へと進化しているんですね。
ない。今回は新しいコミュニティを外側から作る人々の視点で多くの話を見てきました。
新たなコラボレーションの可能性
そこで最後に、あなた自身に考えてみてほしい問いを一つ投げかけたいと思うんです。
なるほど、何でしょう。
こうした柔軟で目的主導のコラボレーションのあり方を、市役所とか大企業、公立学校といったより伝統的な、いわば既存の組織はどうすれば取り入れることができるのでしょうか。
今回話を聞いた外側の人々のエネルギーが社会の内側をどう変えていくのか。
あるいはあなたがもしその内側にいるとしたら、何から始めることができるのか。
それがこれからの日本にとって非常に大きなテーマになるのかもしれないですね。
12:07
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