しぶさわくんFMの事前調査ログの音声概要
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サマリー
渋沢くんFMは地域の信用金庫が運営するインターネットラジオ局で、地域の発展に寄与することを目指しています。番組は情報を発信するだけでなく、リスナーが社会について考えるきっかけを提供し、創造的な関係性を育むことを意図しています。渋沢栄一の思想を基に運営される小北信用金庫と渋沢くんFMは、地域における公益や対話の重要性を共有し、それぞれ異なる役割を果たしています。また、地域コミュニティの声を育てる新しい企業の在り方についても深く考察されています。
渋沢くんFMの目的
- 地域の信用金庫がインターネットラジオ局を始めた。
この一文だけ聞くとどう思いますかね?
- まあ、普通は。
- 普通は、最近流行りのオウンドメディアで
ちょっとオシャレな広告でも始めたのかなって思いますよね?
- 思いますね。
- でも、もしその狙いが単なる宣伝とか
ブランディングを遥かに超えた、もっと壮大で哲学的なものだとしたら?
今回はですね、あなたが共有してくれた調査ログを元に
その謎を解き明かしていこうと思います。
- 非常に興味深いテーマですね。
- 舞台は東京都北区。
テーマはインターネットラジオ局、渋沢くんFMです。
手元にある資料には、このラジオ局のビジョンから
運営元である情報信用金庫との意外な関係、
そしてその根底に流れる思想まで
かなり詳細に分析されてるんですよね。
なぜ金融機関がわざわざこんな手間のかかるメディアを立ち上げたのか、
そして星の数ほどある地域メディアとかポッドキャストと
一体何が決定的に違うのか、
その確信にじっくりと迫っていきましょう。
- よろしくお願いします。
今回の分析で重要になるのは、
これを単なるユニークな企業の取り組み事例として
終わらせないことだと思うんです。
- と言いますと?
- この渋沢くんFMという一つの試みが
これからの地域と企業、そしてメディア、
この3者の関係性をどう変えていく可能性があるのか、
そのポテンシャルを探るっていう視点が
この資料を読み解く鍵になりますね。
- ポテンシャルですか?
なるほど。
では早速その正体から見ていきましょうか。
まずこの渋沢くんFMとは何なのか。
資料の冒頭に掲げられているビジョンがいきなりすごいんですよ。
- 壮大ですよね。
この町の新時代をアイドル、新たなカルチャーの発信局。
地域の関与を深める
かなり大きな風呂敷を広げてきたなと。
- へえ、ペコンこれって単なるキャッチコピーっていうわけでもないんです。
ミッションを見るとその意図がより具体的になってきます。
- ミッション?
- はい。地域を知る入口や深く関わるきっかけを作る。
つまり帰宅にある面白いお店とかイベント、
あとは素敵な活動をしている人を紹介することで
住民が町への愛着を深めてもっと関わりたいって思えるようにするということですね。
- なるほど。ここまでは比較的よくある地域メディアの目的とも言えますかね。
- そうですね。ここまではそうだと思います。
- ええ、僕もそう思いました。
でも資料を読み進めるともう一つもっと重要なテーマが隠されてるんですよね。
- その通りです。そこなんですよ。
それが自分の言葉で発信できる人を増やすというミッションです。
- 自分の言葉で発信できる人を増やす。
- はい。これ、つまり単に完成したコンテンツをリスナーに届けるだけじゃなくて、
地域の中でコンテンツを生み出すプレイヤーそのものを育てていこうという意思の表れなんです。
- ああ、なるほど。
- 例えばラジオに出演した店主さんが今度は自分でポッドキャストを始めてみるかもしれない。
イベントの主催者が発信することの面白さに目覚めて地域のライターになるかもしれないとか、
そういう作り手の土壌を輝やすことまで視野に入れている。
これは単なる情報発信メディアとはもう一戦を勝つ点ですよね。
- なるほどな。情報を消費させるだけじゃなくて、
創造のサイクルを生み出す装置になろうとしていると。
- まさに。
- それは確かにただの地域情報サイトとは目指す地平が違いますね。
- と、ここまではこのメディアの次第の話ですけど、
私が資料を読んでいて一番え?って声が出たのはその運営元なんです。
- はいはい。
てっきり地域の広告代理店とか、
しののあるNPO法人がやっているのかなと思いきや。
- 上北信用金庫。
- なんですよね。
- そうなんですよ。
- しかも、よくあるスポンサーですっていう形じゃなくて、
事業の運営主体としてですからね。
ここが最大の驚きであり、この取り組みの核心本念です。
- ですよね。
でも正直に言って、金融機関がメディアを運営するって、
少しキレイごとに聞こえなくもありません?
- ああ、まあそう見えますよね。
- 放った見方をすれば、結局は自分たちのブランドイメージ向上のための、
非常に手の込んだ広告戦略だっていう解釈もできそうですが、
そのあたり資料ではどう分析されてますか?
- 非常に重量な指摘ですね。
もちろん結果としてブランディングにつながる側面は否定できないと思います。
- ええ。
- でも資料が指摘しているのは、
その動機がもっと根源的なところにあるという点なんです。
- 城北信用金庫は、自らの存在意義を、
単にお金を貸したり預かったりする金融サービスの提供に限定していないんですね。
- ほう。
- 彼らのミッションには、金融等サービスを通じて、
お客様の暮らしと事業の未来を競争し、
地域社会の持続的な発展に貢献する、とはっきり書かれているんです。
- 地域の持続的な発展に貢献する、ですか?
- ええ。
つまり、エリアの価値向上そのものが、自分たちのビジネスの根幹だと考えている。
- なるほど。
- 地域がさびれれば、東西信用金庫の経営も立ち行かなくなるわけですから。
そう考えると、渋沢くんFMは、単なる広告等じゃなくて、
地域の事業者や住民との関係性を深めて、
地域に活気をもたらす情報を循環させるための、
情報インフラとして位置づけられている、と分析できるんです。
社会を考えさせる番組構成
- インフラ、ですか?
面白い表現ですね。
- これは、金融機関が取り組む非金融分野での価値提供の、
非常に先進的な形と言えますね。
- なるほど。
道路とか水道と同じように、
地域に情報っていう血液を流すための仕組みを作っている、と。
- そういうことです。
- ラジオ局の名前になっているキャラクターの渋沢くんも、
帰宅にゆかりのある渋沢栄一がモチーフで、
この城北信用金庫の活動理念とも深くつながっている。
すべてが一貫した戦略の上にあるんですね。
- まさに。
そして、その渋沢栄一というキーワードこそが、
このメディアが他の地域ポッドキャストと決定的に違う点を解き明かす鍵になります。
- と言いますと、多くの地域メディアって、
場所とか人が主役じゃないですか?
- そうですね。
- 帰宅っていう場所とか、
面白い人〜さんが軸になっている。
でも渋沢くんFMは違うと。
- そうなんです。
ここが最もファシネーティングなというか、興味深い点です。
このラジオ局の本当の軸、つまり背ぼれになっているのは、
場所や人ではなくて、渋沢栄一の思想。
具体的には、公益とか、ご本主義といった価値観なんです。
- 思想が軸。
- ええ。だから番組の作りが根本的に違うんです。
- 番組の作りが違う?
- ええ。例えば、普通の地域メディアなら、
最近オープンしたこだわりのパン屋さんです。
おすすめはクロワッサンです。
っていう紹介で終わりますよね。
- はい、終わりますね。
- でも渋沢空FMは、そこから一歩踏み込む。
資料の分析によれば、
彼らは問いを投げかける構成になっているんです。
- 問いを投げかける。
- まさに、例えば単に新しくできたパン屋さんですと紹介するんじゃなくて、
このパン屋さんは、なぜ利益の一部を
地域の子供食堂に寄付しているんだろうとか。
- ほうほう。
- 店主の○○さんは、それを当たり前のことだと言うけれど、
それって渋沢栄一が唱えた公益とどう繋がるんだろう。
- うんうんうん。
- そもそも、現代社会における企業の利益って誰のものなんだろう。
というふうに、一つの具体的な事象から、
リスナーが社会とか自分自身のあり方を考えるきっかけを作るんです。
- うわ、それ面白い。
地域を伝えるっていうより、
地域を題材にして、
社会を考えるための思考の装置になってるわけですね。
- その通りです。
- だから、扱ってるテーマは、帰宅のパン屋さんでも、
その根底にある仕事とは何か、お金とは何か、
社会貢献とは何か、みたいな問いは、
どこに住んでる人が聞いても、
自分ごととして考えられる内容になっている。
- お見事です。
資料でも、市民向けリベラルアーツに近いと表現されていますね。
- ああ、なるほど。
- 情報をただ消費して、
へえ、そうなんだ、で終わるようじゃなくて、
聞き終わった後に、
自分の中に問いとか考えが残るように設計されている。
これが他の多くの地域メディアとの最大の違いであり、
この取り組みの価値の源泉なんだと思います。
- なるほど。
だんだんこのラジオ局のすごさがわかってきました。
渋沢思想の役割
- でも、そうなると一つ疑問が湧いてきます。
- はい。
- その渋沢栄一の思想という軸は、
運営主体である小北信用金庫にとっても、
もちろん重要なものですよね。
- ええ、もちろんです。
- 同じ思想を共有しているわけですけど、
この両者の関係性ってどうなっているんでしょうか。
信用金庫が親会社で、
ラジオ局が子会社みたいな単純な上下関係なんですかね。
- そこがこの構造のさらに面白いところなんです。
資料を深く読むと、
同じ渋沢栄一思想というものが、
運営主体である小北信用金庫と、
メディアである渋沢君FMとで、
全く異なる役割を担っていることが見えてくるんです。
- ほう。
- 今は思想の二つの顔とでも言うべきでしょうか。
- 思想の二つの顔ですか。
どういうことでしょう。
- まず、小北信用金庫にとって、
渋沢思想は判断のための思想です。
- 判断のため。
- ええ、彼らが日々の業務、
例えばどの事業に融資するか、
どのスタートアップを支援するかを決めるときに、
短期的に儲かるかという視点だけで判断しないための基準になっているんです。
- なるほど。
- つまり、この事業は地域の未来にとって、
本当に公益にするものなのかという問いを立てるための、
いわば組織の行動指針、
実務的な羅針盤の役割を果たしているんですね。
- なるほど。
組織の意思決定を導く内向きの哲学というか、
コンパスのようなものだと。
- そうですそうです。
一方、渋沢君FMにとって、
同じ渋沢思想は全く違う使われ方をします。
- というと?
- こちらは対話のための思想なんです。
- 対話のため。
- 先ほどのパン屋さんの例のように、
リスナーに公益とはこういうものですって答えを教えるのではありません。
- うんうん。
- 渋沢栄一の考え方を、
現代の暮らしとかビジネスに引き寄せて、
これについてあなたはどう思いますか?
と、一緒に考えるための道具として提供している。
- ああ。
- つまり、社会との対話を始めるための兼ね根なんです。
- うわあ、それは深いですね。
一方は組織の行動を決めるための決断の羅針盤。
- はい。
- もう一方は社会との対話を生み出すための対話の兼ね根。
- そうなんです。
- 同じ思想を共有しながら役割が全く違う。
- ええ。
- だから信用均衡は一方的に支持を出すような上下関係とか、
単なる広報媒体っていう関係じゃなくて、
思想を軸にしたある種、対等なパートナーシップが生まれているわけですね。
地域コミュニティの育成
- まさに。
そこがこのモデルの最も洗練されている点だと思います。
銀行の羅針盤がラジオで扱うテーマの方向性を一方的に縛ってしまうということも
起こりにくい構造になっているんです。
- ああ、なるほど。
- なぜなら、ラジオの役割は答えを出すことじゃなくて、
あくまで兼ね根として多様な対話を生み出すことだからです。
- うんうんうん。
- むしろ、ラジオで生まれた多様な対話とか、市民の声がめぐりめぐって、
銀行の羅針盤の精度をされに高めていくっていう好循環すら期待できるかもしれない。
- 下手をすると矛盾しかねない2つの役割がお互いをほぐないあい、
高め合う関係になっている。
すごい!
これは単なるメディア運営の話じゃないですね。
企業と社会との新しい関係性のデザインの話だ。
- ええ、企業が社会貢献を語るときって、
多くはお金を出す、つまり寄付するとか、
人手を出す、ボランティアをするという形になりがちですよね。
- そうですね、はい。
- それ面持ちろん尊いことなんですけど、
この事例が示しているのは第三の道、つまり対話の場を作るという貢献の形なんです。
- さて、信用金庫が運営する思想を軸にしたラジオ局、
渋沢くんFM。
この一連の資料から見えてきたのは、
単なるユニークな企業の社会貢献活動という言葉では、
到底収まらないものでしたね。
- ええ、本当に。
- これは地域の金融機関が従来のお金を融通するという役割を超えて、
コミュニティの声とか思考が生まれる土壌そのものを輝そうとしている
壮大な試みなんですね。
- そうですね。
地域密着メディアとか、企業の社会的責任といった
少し使い古された言葉のイメージが、
この事例を知ることで大きく変わってみえますよね。
- 確かに。
- お金や物の支援だけじゃなくて、
人々が考え、対話するための知的なインフラを提供する。
これは、これからの地域における企業の在り方を考える上で、
非常に大きなヒントを与えてくれるように思います。
- 本当にそうですね。
単ににぎわいを作るだけじゃなくて、
その地域の、なんていうか、文化的な成熟にまで
コミットしようとしているわけですから。
- ええ。
- これは他のどんな企業とか組織にも
応用できる考え方かもしれないですね。
- ええ。
そこで最後に、こんな問いをあなたに投げかけて、
今回の話を終えたいと思います。
- お願いします。
- もし、あなたの街にある身近な企業や組織、
それが銀行でも地元のスーパーでも、
あるいは図書館とか市役所のような公的な組織でもいいんですけど、
が、たった一つだけメディアを立ち上げるとしたら、
あなたはどんな思想や価値観を
その中心に据えてほしいですか?
そして、そのメディアにどんな対話のカジノを
社会に投じてほしいと願うでしょうか?
14:05
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