今いる従業員がモチベーション高く働いてもらうために企業が人事制度として導入する『評価制度』について、あるべき評価制度や存在意義に関して組織マネジメントを専門とする社労士と語りました。
【ハイライト】
・中小企業の評価制度導入あるあるについて
・評価制度の項目設定のチェック方法を語る
・評価目標のルール設定の難しさ
・従業員の頑張りを適正に評価する為に企業がするべき事
・会社が評価制度を入れるべき3つの理由
感覚で分配から、仕組みで納得へ──評価制度導入の背景創業間もない企業では、業績が上がり始めた頃にボーナスを支給し始めるケースが多く、最初は「感覚」で従業員に金額を振り分けることが一般的だ。しかし、従業員が増え、「なんとなく」で配分するには限界が来る。特に人数が10人、30人と増えた時点では、経営者と従業員の関係性だけに頼った分配は、不満や誤解の温床になる可能性が高い。そこで注目されるのが、評価制度という「仕組み」による公正な運用である。
評価制度の目的は、報酬査定と人材育成の“二本柱”評価制度の導入には2つの明確な目的がある。一つは賞与や昇給を決定するための「査定機能」であり、もう一つは従業員が成長するための「目標設定機能」である。目標を立てて仕事に取り組むこと自体が、従業員の能力開発につながる。加えて、制度があることで「何を頑張れば評価されるか」が可視化され、組織として一定の質を保つ仕組みにもなる。この「人材の質を保つ道標」としての役割は、組織が大きくなるほど重要になる。
評価制度のリスク──“目標”が逆に足かせになる場面も一方で評価制度にはリスクもある。それは、「評価項目」に縛られて、本当の活躍や貢献が見えにくくなってしまうことだ。例えば、設定された目標とは別の重要業務で大きく貢献していた場合、その価値を評価に反映しにくくなる。また、目標を達成するために「評価される仕事ばかり選ぶ」といった歪みも起こりうる。つまり、制度が“成長”を目的とするあまり、実態に合わない型にはめてしまう恐れもある。
社長の“目”だけで見る評価の限界と、制度の必要性従業員数が5人ほどの小規模組織では、社長が直接すべてを見て評価できるため、評価制度は不要と感じることも多い。だが、人数が増えるにつれて、「社長の主観」だけでは組織としての公正性・透明性が担保できなくなる。そこで、制度によって「評価したことの根拠」「評価しなかった理由」を文書で明示できるようにすることは、退職トラブルや労使紛争のリスクを回避する重要な防波堤になる。「人を見て評価した」という“気持ち”ではなく、“記録”に残る形にすることが制度化の価値だといえる。
評価制度は企業理念の“伝達装置”でもある評価制度が目指すべきは、「点数付け」ではなく、「会社が目指す方向性を全社員に共有すること」でもある。会社として「こういう行動を評価します」「こういう成果を認めます」と明文化することで、社員の方向性が揃ってくる。その結果、組織全体のカルチャーが統一され、人材のバラツキも一定水準に保たれるようになる。つまり、評価制度は会社の価値観や文化を定着させる“インナーブランディング”の一環でもあるのだ。
今は制度化しないという選択肢もアリ──“温度”に合わせて導入を最後に、評価制度の導入は“絶対”ではない。従業員数や組織文化、経営者のマネジメントスタイルによって、あえて導入しないという選択肢も合理的である。たとえば少人数で、社長が日常的に従業員の仕事ぶりを把握できているなら、制度化よりも「日々の対話」のほうが効果的なこともある。重要なのは、評価制度を“目的化”しないこと。目的は常に「人を育てること」「納得感をつくること」であるべきだと、オオタワさんと田村は締めくくった。
~お知らせ~
サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
人生に前向きでポジティブな方をゲストとしてお呼びし、経営者や従業員として働くリスナーの皆様が明日から明るく過ごせて、心や気持ちがパッと晴れるそんな『働き方を考える』ラジオをお送りします。
話すテーマは社労士業、働き方改革、キャリア、海外駐在、外国人雇用、海外放浪等です。
パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
カバーアート制作:小野寺玲奈
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