2020-06-27 15:01

第55回 【対談】「会社にとって評価制度は必要なのか否か?」を語る

今いる従業員がモチベーション高く働いてもらうために企業が人事制度として導入する『評価制度』について、あるべき評価制度や存在意義に関して組織マネジメントを専門とする社労士と語りました。


【ハイライト】

・中小企業の評価制度導入あるあるについて

・評価制度の項目設定のチェック方法を語る

・評価目標のルール設定の難しさ

・従業員の頑張りを適正に評価する為に企業がするべき事

・会社が評価制度を入れるべき3つの理由


感覚で分配から、仕組みで納得へ──評価制度導入の背景創業間もない企業では、業績が上がり始めた頃にボーナスを支給し始めるケースが多く、最初は「感覚」で従業員に金額を振り分けることが一般的だ。しかし、従業員が増え、「なんとなく」で配分するには限界が来る。特に人数が10人、30人と増えた時点では、経営者と従業員の関係性だけに頼った分配は、不満や誤解の温床になる可能性が高い。そこで注目されるのが、評価制度という「仕組み」による公正な運用である。


評価制度の目的は、報酬査定と人材育成の“二本柱”評価制度の導入には2つの明確な目的がある。一つは賞与や昇給を決定するための「査定機能」であり、もう一つは従業員が成長するための「目標設定機能」である。目標を立てて仕事に取り組むこと自体が、従業員の能力開発につながる。加えて、制度があることで「何を頑張れば評価されるか」が可視化され、組織として一定の質を保つ仕組みにもなる。この「人材の質を保つ道標」としての役割は、組織が大きくなるほど重要になる。


評価制度のリスク──“目標”が逆に足かせになる場面も一方で評価制度にはリスクもある。それは、「評価項目」に縛られて、本当の活躍や貢献が見えにくくなってしまうことだ。例えば、設定された目標とは別の重要業務で大きく貢献していた場合、その価値を評価に反映しにくくなる。また、目標を達成するために「評価される仕事ばかり選ぶ」といった歪みも起こりうる。つまり、制度が“成長”を目的とするあまり、実態に合わない型にはめてしまう恐れもある。


社長の“目”だけで見る評価の限界と、制度の必要性従業員数が5人ほどの小規模組織では、社長が直接すべてを見て評価できるため、評価制度は不要と感じることも多い。だが、人数が増えるにつれて、「社長の主観」だけでは組織としての公正性・透明性が担保できなくなる。そこで、制度によって「評価したことの根拠」「評価しなかった理由」を文書で明示できるようにすることは、退職トラブルや労使紛争のリスクを回避する重要な防波堤になる。「人を見て評価した」という“気持ち”ではなく、“記録”に残る形にすることが制度化の価値だといえる。


評価制度は企業理念の“伝達装置”でもある評価制度が目指すべきは、「点数付け」ではなく、「会社が目指す方向性を全社員に共有すること」でもある。会社として「こういう行動を評価します」「こういう成果を認めます」と明文化することで、社員の方向性が揃ってくる。その結果、組織全体のカルチャーが統一され、人材のバラツキも一定水準に保たれるようになる。つまり、評価制度は会社の価値観や文化を定着させる“インナーブランディング”の一環でもあるのだ。


今は制度化しないという選択肢もアリ──“温度”に合わせて導入を最後に、評価制度の導入は“絶対”ではない。従業員数や組織文化、経営者のマネジメントスタイルによって、あえて導入しないという選択肢も合理的である。たとえば少人数で、社長が日常的に従業員の仕事ぶりを把握できているなら、制度化よりも「日々の対話」のほうが効果的なこともある。重要なのは、評価制度を“目的化”しないこと。目的は常に「人を育てること」「納得感をつくること」であるべきだと、オオタワさんと田村は締めくくった。


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サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。


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パーソナリティー:田村陽太

産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。


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会社内の組織マネジメントをご専門とし、 多くの企業の経営の参謀として、
日々コンサルティング業務でご活躍の 社会保険労務士の太田さんです。
太田さん、よろしくお願いします。
太田さん、よろしくお願いします。
お願いいたします。
はい。
さあ、今日は太田さんのトピックということで、 とても楽しみにしております。
はい。
いつもありがとうございますと準備していただきまして。
いやいや、どうぞ。
シャロシーラジオサニーレフライデーのために。
いやいやいやいや、いつもいつも丸投げしてすみません。
いやいやいや、いつも本当にゲストとして来ていただいて、 僕は本当に感謝しきれないです。
ああ、そうですか。
よろしいですか?もう準備簡単ですか?
はい。
はい、どうぞ。よろしくお願いいたします。
はい。
えっとですね。
はい。
あの、今日は会社の評価制度はやるべきかどうか、 話を聞きたいなと思って。
うん。
評価制度って何かっていうと、主にボーナスの 査定とかで使われることがまずは多いかなと思うのですが、
よく会社始めたばっかりの例明期の会社だと、 ボーナスっていうのはそもそもない時期があって、
その後、ボーナスを儲かってきたから ボーナスで還元しようっていう社長さん結構多いかなと思うんですけど、
その時に一番最初の段階って、 ボーナスで100万ぐらい還元できるかなと。
03:00
100万ぐらいあって、従業員が3人いて、 AさんBさんCさんこれくらい頑張ってくれてるから、
何万と何万と何万ぐらいにしようかなっていう。
はいはい。
そんな感じで決める社長さんって結構多いのかな っていうふうに思うんですが、
はいはい。
評価制度っていうのは、その次の段階で明確に、 ボーナスの前から目標を明確に作っておいて、
目標の達成度合いによって、 ボーナスとか昇給が決まってくるっていう仕組みね。
はいはいはい。
よくあるのが、結構大きい会社とかだとよくあるんですけど、 学校の通信簿みたいな国語5とか算数5とかあったじゃん。
ありましたね。
僕らの時代、小学校途中までは相対評価でしたね。 5から1とかどれかしらつくみたいな。
今絶対評価らしいですけど。
ああいうのを会社でも、 例えばいくつか評価する項目を決めておいて、
この分野の達成度はこう、この分野の達成度はこう、 だから点数化して最終的にあなたはこうっていう、
ルールをちゃんと作るべきかどうかっていう話だよね。
どう思います?そういうの。あった方がいいと思う?
やっぱあった方がいいと思うよ、個人的には。
だってやっぱり締まりがないというかさ、まず目標を立てないとさ、
まず普通のこう、OJTでオペレーションしている中で、
日々いろんな案件が降ってきて、やる内容っていうのがコロコロ変わるだろうから、
ある程度ここら辺を評価しますよっていうところを事前に言っておかないと、
普段の業務をしている中で、この業務っていうのも会社の経営方針としては大事だと。
お客さんの仕事をこなすのも大事だけど、売上とか経費を削減するためには、
こういうことを大事にしなきゃいけないっていうのが経営層からメッセージだから、
これをちゃんとやらなきゃいけないっていうのはちょっと、
作るべきだとは思うんですけども、
ですけども。
ですけども、そもそもその経営層が決める評価の項目っていうのは、
どういう視点で作ってるのかなっていうのはとても大事かなと。
仕事の流れというか、この部署ではこういう仕事がいろいろあって、
このレベル1の人はこの仕事ができる、レベル2の人はこれができるって、
いろいろ多分難易度が上がっていくと思うんだけど、
それ以外にもっと経営者として、今後レベルが上がってきたらやっぱり経営者とか管理職の方になっていくから、
それに向けてのレベルアップとしての項目が入れられるのかとか、
06:00
それは厚労省の職務評価制度が入れるのかわかんないけど、
そういうのやるべきなのかっていうのは、できてる会社さんはあるのかなとは僕は思います。
何だろうな。
はい。
もともとの100万っていう原資があります。
社長の方で、あなたは頑張ってくれたから100万のうち50万をあげよう。
あなたは20万。
っていう考えが明確な根拠がないとか、あんまりやる気がないとかだったら、
っていうふうに思うわけよ。ちゃんと制度としてあった方がいいかなって思うんですが、
社長さんに対して評価制度の導入の話をするときに、
目標制度を作って、その達成度合いに応じて商用を決めるっていうことをやるわけなんだけどさ、
目標の決め方って結構難しくてさ、
目標の決め方って結局評価のルールを決めるっていうことじゃん。
評価のルールの決め方によっては、その人の頑張りがきちんと評価されるケースとされないケースがあったりするじゃん。
なかなか人間って計画通りにいかないよなっていう。
特に事業をやっていかなかった。あなたはこういう目標で頑張りましょうってやったけど、
その1年間終わってみたら、一番頑張ったことってそれじゃなかったみたいな。
ああ、はいはいはいはい。
ということで結構起こると思うので、振り返ってさ、過去1年間のあなたを振り返って評価しますってときに、
それが評価制度っていう枠があることによって逆に思考が制限されちゃうなっていう気も最近するの。
評価制度を作ることによって評価制度の目標関連に縛られちゃうところがあって、
逆に縛るためにあるわけでもあるんですが、評価制度って絶対ある程度の規模の会社になったら入れるべきかなとは思うんですけれども、
考えさせられたなっていう。
今日ちょっと従業員5人ぐらいの会社に訪問して、5人だからさ、全然評価制度なんてものはありやしないわけですよ。
でも社長さんは結構従業員の成長のことをちゃんと考えてくるので、社長さんだからそれなりに人生経験もあるわけで、
09:04
いろんなところでいろんな仕事をしてきて、その結果、今こういう価値観で自分の部下たちを育ててるっていうのがあるわけで、
その人に対して評価制度みたいなものを提案する気にあんまりなかなれなかったって個人的な感想なんですが
評価制度ってやっぱり難しいところがあると思いますし、
お給料を会社として割り振りする時に、実際にこの人が頑張ったっていうのを8時間ずっとその従業員さんを見てるわけではないと思うから、
そういうところをずっと社長が見れてたらいいと思うんですけど、
そういうのは制度的にちょっと難しいと思うので、絶対に従業員さんから不満っていうのは出てくると思うんですよ
でも会社としては一応従業員さんを評価しましたと、一応会社なりの資料で評価しましたっていうエビデンスを作るためにも
評価制度ってすごい大事なのかなとは僕個人的には思ったりしますね
従業員さんが退職とか他の会社行きたいっていうところの一つのマイナス要因にはならないんじゃないかなと思うんですよね
それを整理することによって
僕は評価制度って2つ要素が入れる理由があるかなと思っていて
一つはそのボーナスとか早急の査定の目的でやるっていうことが一つと
もう一つが人が成長するためにあるっていう風に思う
従業員が目標に向かって頑張るから
人が成長するっていうことを期待して評価制度を入れるっていうのは意味があるかなとは思います
なんでこういう人が成長する仕組みとか
ボーナスの査定をするために評価制度がいるかっていうと
今の社長と今の従業員の現在の関係性が
仮にうまくいっていたとしたら
例えば結構簡単に100万っていう原資を
あなたは50万ね あなたは30万ね あなたは20万ねっていうのをパッパッパッと決めていけるかなと思うんだけど
例えば3人っていう従業員が10人と30人と増えていくときに
人間が増えれば増えるほどその分いろんな人が入ってくるわけで
組織の統率も取るのが難しくなっていくのかなと思うんですよ
12:02
社長さんの思いを分かってくれる人もいれば分かってくれない人もだんだん出てくるわけだし
人数が増えれば業務への貢献度が高い人もいれば高くない人も出てくる
その中でそういった状態で
3人の会社が30人になりました
人数が10倍になってボーナスも100万の予算から1000万まで予算が増えました
1000万の予算を30人に何となく振り分けてるっていうことをやるって言ったら
なかなかまずそれ難しいかなと思うけど何となくじゃん30人振り分けて
平均取ると1000万を30人で分けたら平均いくらぐらいで
何となくこの辺の人たちは平均額でこの人は平均より上とか
っていう風にやっていけばすぐ振り分けられるんだけどさ
そうじゃなくて評価制度を入れる理由っていうのは
30人人がわちゃわちゃいますと仕事する人もいればしない人もいますと
頭いい人もいればそうじゃない人もいますと
会社のこと分かってくれる人もいればいない人もいますっていう状態で
一定以上の従業員の質を確保するためにあるかなと
評価制度が会社としてこういう理念を掲げていますと
皆さんこれに向かって頑張ってくださいねっていうオフィシャルなメッセージでもあると
自分はどういうことを頑張ればこの会社に評価されるんだっていう
明確な制度を作っておけばそれができてなければ評価化されないし
それができれば評価化されるっていうことをやっていけば
一定以上の人材の質は確保されるのかなっていうためにあるのかな
はい今太田さんとの収録が終わりました
次回も太田さんとの評価制度の収録の続きをお送りいたします
評価制度のあるべき評価項目
こんなのを入れたらもっとしっかりとした評価ができるんじゃないだろうかとか
私個人の考えであったりとか太田さんの個人のね
いろいろ考え方をすり合わせていろいろ厚く語り取っていきたいと思っております
次回もお楽しみください
シャローシラキオサニーレイフライデー DJの田村洋太でした
それでは次回もリスナーの皆様のお耳にかかれることを楽しみにしております
いってらっしゃい
15:01

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