2020-06-29 12:42

第57回 【対談】「評価されるべき人=『空気読む』人vs『空気読まない』人」論について語る

評価制度は企業の人事システムとして必要かどうかの続編で、評価制度を入れることによる将来の企業の人材育成にどれだけ影響するか等組織マネジメント専門の社労士と熱く語りました。


【ハイライト】

・正しくない事をしてるのに昇進している会社について物申す

・人間としてしっかりとしている方が評価される社会にしたい

・社長の真の想いvs社会から求められている事vs従業員が出来る事

・評価制度を導入する事は「塞翁が馬」論

・色んな視点や角度からお客様を見れる社労士になりたい

・社労士の仕事の魅力は「モノを売らない」「フリートークでOK」である事


正しさだけでは人は動かない──“言うべき人が報われる”組織にできるか?


会社組織の中で、理不尽や非合理に対して声を上げる人が「浮く」ことがある。正しいことをはっきり言える人ほど、組織の中で評価されにくくなってしまう傾向は根深い。だが、本来そういう人こそが評価されるべきであり、「空気を読んで沈黙する」ことが評価される仕組みでは、健全な組織にはなり得ない。評価制度に人間性のすべてを落とし込むことは難しいが、“物申す人”を受け止める懐の深さは制度以上に重要である。


理想と現実の間で揺れる評価──それでも「基準」は必要だ理想を語るだけでは経営は成り立たない。社長の本音・事業の現実・従業員のスキル・地域社会のニーズ──これらが完全に重なることは稀であり、“矛盾”の中でバランスを取るのが組織運営のリアルだ。誰もが「会社はこうあるべき」と思いを抱く一方で、その声すべてを汲み取ることは不可能でもある。だからこそ、最低限の価値観を“共通言語”として示す評価制度は、混乱を防ぐ道具として機能する。


点数化では測れない“人間らしさ”もある──制度にこぼれ落ちる価値をすくうために「はっきり物を言えるか」「チームに良い影響を与えているか」といった人間的な側面は、評価項目に落とし込みづらい。だがそれでも、そうした人間性の“にじみ出る行動”を見過ごさずに認める文化は必要だ。点数や項目の外側にある「人としての姿勢」や「組織への貢献」をすくい上げるには、制度外のフィードバックや対話、日々の観察と信頼が大切になってくる。


評価制度は“切り取り”でしかない──長期的視点を忘れずに中国の古典「塞翁が馬」にあるように、何が幸運で何が不幸かは時間が経たなければ分からない。同様に、評価制度はどうしても短期的な行動や結果を切り取って点数化する仕組みであり、その評価が本当に正しかったかは、数年後になってみないと分からないことが多い。それでも制度が必要なのは、“誰にどう報いるか”の指針がなければ人は納得しづらいからだ。評価制度は正解ではないが、組織が混乱しないためのひとつの“仮の正解”である。


評価より「育成」──失敗を経験させる設計が組織を変える自己成長のために最も大切なのは「挫折」や「恥をかく体験」だという考え方が紹介された。年齢を重ねるごとに、人は失敗を避け、聞くべきことも聞かずに“知っているふり”をしてしまいがちだ。だからこそ、評価制度にはあえて恥ずかしさや悔しさを経験させる機会を設計に組み込む視点も必要である。ある研修では「自分の欠点を大声で叫ぶ」「マラソンで限界に挑む」などの方法が取られ、学生的なプライドを捨てて社会人に変わるきっかけとなった。本当の成長は、失敗や羞恥の先にしかない。


評価制度は“万能の解”ではない──だからこそ対話が必要になる評価制度はあくまで“ツール”であり、これを導入しただけで組織が変わるわけではない。制度は「人を見るための補助線」であり、本質的にはその人を“どのように理解し、信頼していくか”という関係構築の問題である。士業やコンサルの役割は、制度を売ることではなく、経営者の思想や文化を支えながら制度の意義をカスタマイズしていくことにある。評価制度というフレームを用いながら、従業員と経営者が“本音で語れる環境”をつくることが最終目的なのだ。


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サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。


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パーソナリティー:田村陽太

産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。


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普段さ、普通に毎日のように生活の一部として行ってる会社で、
突然さ、自分のコアとなる自分の本当の弱みと正面から向き合うって普通の人はできない、やっぱり。
でもね、必要だとは思う、やっぱり。
そうだね。
なんか、評価されるべき人っていうのが、正しくないことをしてるのに、なんかそれでのさままになってるみたいな。
誰も悪いって言わない人っていう人がどんどん評価されるシステムって僕はすごいダメだなと思う。
で、社員の中には少なからずおかしいと思った方、おかしいって言う人、はっきり言う人っていうのは評価されるべきだと思う。
本当はこの雰囲気だと、その人に対して間違ってるからダメですって先輩社員とか上司でも言いにくいけれども、
それははっきり言ってくれる人とか、そういう人が僕は評価されるべきだと思ってて。
日本の社会ってはっきり言ってしまうとか、先輩とか上司に言ってしまうと、評価される人ってやっぱ上司だから、
なんだこいつ気に食わねえなって評価されないとか、僕そういうのあると思うし、空気読めない人が評価されるべきだなと思ってて。
僕結構はっきり言うタイプだったんで、本当に気に食わない上司とか、全然意味わかんない労働局の職員とかだったら、はっきりどんな人でも言うみたいなタイプだったんで、
理にかなってない人だというタイプなんで、そういうはっきり言うような人っていうのがこの日本社会でもっと増えてきてほしいし、
そういうのを評価してくれるような人。評価項目とか、いちいち研修会社とかコンサルが作るようなんじゃなくて、人間としてちゃんとしてる人が評価されてほしい。
これが僕の願いです。
そうか。
どう思います?どう思います?
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非常に心を揺さぶられるお言いかけです。
人間が年上だからって舐めてんじゃねえよと言える人が僕は評価されるべきだと思うんですよ。
それは別にプライベートと仕事も関係なく。
それはそうなんだけどね。
それもそうなんだけど、正しいと思ったことを正しいって言うのが全てじゃないなとも思うんですよ。
結局人と人の関わりだからさ、業務効率を理論上こうあるべきっていうのに持ってくるってさ、できないんだよ。
理想は理想で確かにあるんだけどさ、理想って結構人によって違うしさ、社長さんが思ってる理想と社長さんが部下に対して発表してるオフィシャルの理想っていうのもやっぱ違ったりするしさ。
社長の本当の思いとしてはこういうことをやりたいんだ、でも事業だからさ、やってるのは事業だからさ、俺が本当にやりたいことはこういうことなんだけれども、
世の中から求められてる仕事っていうのはこうだからこういうことをしなきゃいけないっていう事情もあるし、今の従業員ができることはこのレベルだからこういうことをやってるっていうのもあるし、
それと自分たちの組織としての業務のレベルと自分たちがやりたいことと地域から求められてることってこの3つが重なってればすごい幸せなことだなって思うけれど、
大々にしてもらってないと思うんだよね。理想と現実の問題として。
そういう中で一人一人理想を持ってるわけじゃん。これが正しいと思うっていうふうに一人一人思ってると思うんですよ。
自分の会社もっとこういうふうにあるべきだっていうふうに。やる気がないわけじゃない人っていうのはみんなそういう思いがあると思うんだけど、
それをさ、みんな好き放題主張をすることが必ずしも良いとも思わない。
でも逆に空気ばっか読んでそれを一切何も言わなかったら新しいイノベーションが出てこないから黙ってるのを読みないと。
そうだね。難しいね。
難しいけどね。
最低限会社が思う仕事は評価項目とか入れて評価して、そのさらにマネジメント層とか得がある人間とかっていうので別の評価として評価項目にするんじゃなくて、
日頃の行いというか、どれだけはっきり物を言ってるのかとか、それはちゃんと周りにとって良い影響を及ぼしているのかとか、
06:00
そういうところの別の観点というか、それは別に評価項目で落とさなくていいんだけども、
そういうところがもうちょっと評価されてもいいのかな、評価項目にはできないような人間性が分かるようなこととか、
ところが加わっていければいいのかなって思ったりするんですよね。
そうですね。
結論としては、
わかんないけどね。
大田尾が言ってた感じで、評価制度っていうのは20〜30人ぐらいで、社長が目に手に収まりきれないような感じでマネジメントしていくときには必要を欠かせないものだと思うし、
それは会社の規模によって業態によって色々とどういうふうに使っていくかっていうのは、
都度考えながらというか、しなきゃいけないっていうのはありますよね。
すごいもともともないことを言っちゃうと、
例えばこういうことが起きた、それが良かったのか悪かったのかってさ、
後になってないと分かんないわけじゃん。
すげーもともともないことを言うよ。
中国の孤児制度でさ、
西洋が埋まっている。
西洋の王って大きな手字を書くんだけど、
西洋の西が、洋裁の西って手字を書くんだけど、
洋裁がある町のおじいさんの話なんだけど、
ある若者がおじいさんに話をするんですよ。
馬が逃げちゃった。
おじいさん、おじいさん、馬が逃げちゃったよ。大変だって言ったら、
おじいさんは、そうか、それは良かったことかもしれないし、悪かったことかもしれない。
それは分かんないねっておじいさんは。
そしたら、次の日に馬が、別の馬を1匹連れて村に戻ってきたんだって。
おじいさん、おじいさん、馬が2匹になって帰ってきたよ。やった。
おじいさんは、そうか、それは良かったことかもしれないけど、悪かったかもしれないし、
それは分かんないよっていう風に言ったんだって。
そしたら、おじいさん、おじいさんって言った若者が馬に乗って、馬からワクワクして足を折っちゃったんだって。
そしたらまたおじいさんが、それは良かったことかもしれないし、悪かったことかもしれないよという風に言ったんだって。
そうこうしているうちに、戦争が始まって、若い男は戦争に行けって徴兵されるわけだよ。
で、徴兵されたんだけど、その若い人は足骨折してたから、徴兵を免れたわけよ。
いろんな人が死んじゃったけれど、その人は戦争に行かずに済んだっていう。
何か作業が回ってどういう意味かっていうと、物事は後になってみないと良かったのか分かったのか分からないよねっていう話だよ。
教科制度ってさ、良かったことか悪かったことか分かんないけれども、どっかで起源を区切って、これは良かったです。
なんてですって点数つける話だからさ、良かったのか悪かったのか分かんないんだよ。
09:03
良かったのか悪かったのか現実問題は分かんないんだけど、どっかで区切りをつけて評価をしていくわけじゃん、無理矢理。
だから評価制度だけで理想の会社を組織を作れるものかっていうと、そんなこともないと思うし、評価制度が必ずその正しいものとして機能するかっていうと、大まかにして分かんなくなるよね。
すごい今分かりやすい。長期的に見て、今評価したことが10年後20年後に良い結果に繋がったっていう可能性もあるけれども、評価制度を入れたってことは本当に一部を切り取っただけで、それは結局は本人さんのモチベーションにアップする可能性もあるし、アップしない可能性もあったりとかして、そこら辺は難しいよね。
難しいです。
これを入れないとどうやって給料が上がっていくのかっていう指標を客観的に見せることができないっていう点で、やっぱりそういう評価制度を入れることっていうのがとても大事なことっていうのがあるけれども、そういう視点もすごい大事だよね、今お互い言った感じの。万能ではないですね。
万能ではないかなと。
ちょっと僕も新しい視点ができましたね、確かに。どうしても僕も評価制度を勉強しようとか、給料制度どういうふうな給料の消費の仕組みとか作っていこうかなとか考えたりするんですけど、今のお話を聞いてちょっと本当に一部でしかないなっていうのがあるので、それはもうちょっと会社をよく見て、事業員さんをよく見て。
社同士として、第三者として頑張れないかとか、それともちょっと考えさせてもらいましたね。
いろんな視点からお客さんを見れるようになりたいなと思う。評価制度を売り込むんじゃなくて、某チームの評価制度を売り込むんじゃなくて、いろんな視点からお客さんのことを一緒に考えてあげて、いろんな視点から話をしていきたいよね。
だから社同士っていう仕事がいいのって、物を売らなくていいところだなと思ってて、フリートークでオッケーっていう、いろんな視点から物を見るっていうフリートークのコースでオッケーっていうのが
いろんなツールで評価制度もツールだし、例えばいろんなロームトラブルがあるよっていうのも一つのツールだしね。それを聞いて経営者の人が今までの思想がちょっと固まってたなっていうので、ちょっと発想を転換してもらったりとか、それって別に形があるものでもなくて、本当にカッテンシャーのコンサルティングの担当の方が持ってる知識っていうのを出し、それでちょっと人が変わっていって影響しますしね。
わかりました。話し足りないことありますか?
そうだね、今話が面白かったです。
12:01
また話したいね。
ちょっと脱線しすぎましたけどね、採用がオフバーの話とかも。評価制度って本当にツールだなっていうのは僕も今思ったので。
はい。それでは、社同士ラジオの太田さんがゲストでした。ありがとうございました。
社同士ラジオサニーレイフライデー、DJの田村洋太でした。それでは次回もリスナーの皆様のお耳にかかれることを楽しみにしております。いってらっしゃい!
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