2020-06-28 15:11

第56回 【対談】評価されるべき人材は挫折を経験した者だ論

評価制度は必要か否か、の続編をお送りします。評価項目に入れ込む内容と入れ込みにくい内容のバランスを考えた評価制度を作るためには?というテーマで若手実務家社労士と語りました。


【ハイライト】

・なんでもかんでも企業は評価制度を作るべきではない論

・A41枚でも作れる目標管理制度について

・評価制度のよくある失敗例「中だるみ」を防ぐ方法

・評価制度の本来あるべき姿について語る

・自分で自分を奮い起こして働ける従業員を増やすために?

・学生時代に作り上げたプライドをぶっ壊す入社時研修を受けてみて


評価制度は“成長を促す地図”──一定基準がなければ迷子になる従業員が20〜30人規模になると、社長の“感覚”で評価やボーナスを決めることが難しくなる。「会社として、これくらいやっていれば評価に値する」という共通認識(一定の業務基準)がないと、評価の公平性に疑問が生じ、社員のやる気も削がれかねない。特に中間管理職が増えてくると、評価者ごとに判断がバラつくリスクも大きくなるため、評価制度による“基準の明文化”は、社員の質と納得度を保つために重要となる。


万能な評価制度は存在しない──“ガチガチ”すぎる制度の落とし穴評価制度の導入支援を行うコンサル会社は多いが、必ずしもすべての会社に「立派な評価制度」が必要なわけではない。例えば、大手のコンサルが提供するテンプレートは、通信簿のような詳細なフォーマットで、規模の小さな企業や日常業務が多忙な現場には“重すぎる”仕組みになることもある。むしろ、1枚のExcelに収まるシンプルな自己評価シートの方が、運用しやすく、従業員にも浸透しやすいケースがある。評価制度は「運用できるレベル感」こそが命なのだ。


評価制度の中だるみを防ぐ、“日々の小さな振り返り”の習慣化多くの企業で評価面談は半年に1回。しかし、実際には評価期間の終盤に“駆け込み自己評価”になることが多く、最初に立てた目標が形骸化しがちである。この“評価制度の中だるみ”を防ぐには、日々の簡単な自己点検や日誌の活用が効果的。「今日一日、この目標にどれだけ近づけたか?」を終業時に一瞬でも振り返る仕掛けがあると、社員の主体性や成長実感が生まれやすくなる。制度よりも“習慣”が人を動かす好例だ。


評価制度が要らない人たち──“自分に火をつけられる人”の存在一方で、「評価制度なんていらない」というタイプの人も存在する。彼らは自分で目標を立て、自分を律し、自己実現のために行動できる人だ。こうした人材にとっては、評価制度はむしろ“邪魔”になる可能性すらある。だが、現実にはそんな人ばかりではなく、「自分の行動に納得したい」人が圧倒的多数である。評価制度とは、自己実現レベルに届かない人が“自己納得”に近づくための補助線でもある。


人が本気になるのは、失敗したとき──評価制度に必要なのは“意図的な挫折”かもしれない「人は失敗によって成長する」。これは人材育成の鉄則である。しかし実際には、多くの人が恥をかきたくない、失敗したくないという“守りの姿勢”で日々の業務に取り組んでいる。この壁を越えるには、あえて「挫折体験」を促すような仕掛けが必要だ。例えば、研修で自己開示を促すワークをしたり、山籠もりで自分の弱みと向き合うなど、過去には「自分の殻を破る」ための仕掛けが企業内でも行われてきた。評価制度もまた、本質的には“自分の未熟さ”と向き合わせる装置であるべきだ。


“正善説”と“評価制度”は両立するのか?──人事制度が信じるべき人間像とは理想を言えば、社員一人ひとりが“正しく”“誠実に”働いてくれると信じられる組織が望ましい。しかし現実は、人は弱さもあるし、妥協もする。だからこそ、評価制度は人の性善性を信じつつも、人の弱さに構造的に寄り添うものでなければならない。“正善説”を掲げるだけでは足りず、仕組みとして「人が頑張り続けられる設計」が必要なのだ。評価制度とは、人間への信頼と現実のギャップを埋める、一つの“人間理解”でもある。


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サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。


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パーソナリティー:田村陽太

産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。


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普段の業務やってることが、もしかしたら会社の経営者にとっては 全然重要じゃないことっていうのを防ぐために、
一定のライン、会社としてはこれぐらいやってれば、 従業員さんとしてはちゃんと働いてるレベルだよねっていうのを、
従業員さんに意識してもらうという意味でも、 とても重要っていう。
あとは30人もいたら、 当然中間管理職っていう人が出てくると思う。
中間管理職の人も、人によって価値観がバラバラだったら、 その先の評価もバラバラになってしまう。
その評価基準を一定の質を保つためにも、 やっぱり会社で統一の評価制度っていうのがあると、
一定以上の業務レベルが確保できるのかなと思う。
人数がある程度いれば、絶対会った方がいいかなと思う。
20人とか30人ぐらいいる会社は、 会った方がいいかなとは思います。
社長のなんとなくでやるのが、 実質的に難しくなってくると思うんですよ。
20人、30人と。
ずっとは見てられないもんね、従業員さんをね。
2、3人で評価制度入れますとか言って、 社長が張り切ってもさ、
普段俺のこと見てくれてるだろうっていう風に、
のになんでこの評価制度って評価するんだろうみたいな。
いやでもね、やるんだったらやればいいと思う。
全然2、3人の会社でも評価制度入れてる会社もあると思うし、
社長もこういう風に評価するんだって、 うちの目標はこうなんだっていうのがあって、
頑張るのが全然いいことだと思うわけよ。
僕が最近思ってたのが、
某コンサル会社がね、あるわけですよ。
その目標設定をさ。
目標設定のコンサルをするコンサル会社があるわけよ。
結構大きいところが。
Pのチーム。
そうですね。
まあ、どことは言わないからね。
どことは言わないけど、あるわけ。
どこも端っこも評価制度があればいいっていうわけじゃねえぜっていう風には思いました。
03:07
実はさ、うちの会社がね、うちの社長事務所がね、
Pにさ、Pとくん、Pの会員なわけですよ。
うちはさ、それ頑張んなきゃいけないわけですよ。
お客さんに提案を。
頑張んなきゃいけないんだけどさ、
何でもかんでもさ、どの会社にも評価制度があるべきかっていうと、
こんなことないよなって思いました。
そうだよね。
評価制度ってさ、そういうコンサル会社が作るやつって結構立派というか、
ボリュームが結構あるわけですよ。
結構ガチガチだよね。
本当にそれこそ小学校の通信部みたいなやつをさ、やるわけなんですよ。
そうじゃなくてさ、Excel一枚で完結するぐらいのものがさ、
そういうものの提案を求めてる会社も結構いるんじゃないかなと思ってて、
そういうのをやりたいなってちょっと思いました。
四角で一枚でもうパッと見でわかるみたいなぐらいの、
簡単なエビデンスが詰まった評価制度ってこと?
そういうよね。
しかも評価制度ってさ、半期に1回とかさ、
1年に1回、2回ちゃんと面接して、面談して、
今回の項目に関してはこれこれできてないよねとかっていうのを上司と確認して、
それが商業に反映されたり商業に反映されたりとかさ、あると思うんだけど、
結局なんかその半期は半期で決めててもさ、
結局その半期のちょっと手前ぐらいにさ、
急いで自分がどうだったか評価できたかとかさ、振り返りをして、
結局その最初の段階とかその途中の段階っていうのが、
ちょっとおろさかになってしまうところもやっぱあったりするよね。
あるよね、めっちゃあるんだよ。
そういうところってなんか僕、
毎日そんなさ、しっかりガチガチに仕事できる人って多分いないと思うんだよ、
個人的に従業員って。
今日はすごい早く仕事が終わった暇だなって時もあったりとか、
今日はすごい忙しかったからそんな評価制度とかそういうなんかMBOとかさ、
書く時間ないよとか。
多分あると思うからさ、
なんかもう評価されてるっていう意識じゃなくて、
自分はその項目に対して毎日達成できてたのかっていう振り返りの時間を、
なんか就業の時にさ、
就業って何?会社の仕事終わるときの?
そうそう、仕事終わるときの就業ね、ごめん。
その仕事終わるときの就業の時に、
デスクトップを閉じる時に、
あなたは今日一日仕事お疲れ様でしたと。
この今あなたが目指している評価項目に対して、
できましたかっていう評価シートを見る機会みたいな、
そういう機会を何か作ってあげるだけでも、
自分自身は今日それに対してできてたのかな、
ちょっとでも成長したのかなみたいな、
なんかそういう機会をもってやらされてるんじゃなくて、
自分はこうできてたのかなみたいな、
06:00
なんか機会を持ってあげた方が、
その半期の評価の間の中だるみを僕は防げるんじゃないかなとか思ったりもするんですよね。
それね、重要だよね。
僕はね、個人的には日記?
日記を書くとかが、日記とか日誌とかを書く、
それは会社に言われてやることじゃなくてさ、
個人的にそういう日誌とか日記を書いて、
一日を振り返るっていうのは結構重要かなと思って、
そういう面では僕はやってます。
でもちょっと人生でね、
10回は挫折したかな?
でもすごいじゃない?
10回挫折して10回またやろうと思ったんだ。
テイク10くらいはやったんだよ、日記は。
小学1年生くらいから何度もやったけどさ、
そんな昔やってんだ。
時々やろうと思うじゃん、日記って。
まあ1年続いたことはない。
なるほどね。
テイク10かテイク20かわからんけど。
俺もちょっと話脱線するんだけどさ、
俺も手帳とか日記をバックパッカーしたときに書いてたんだけど、
英語うまくなりたいなと思って、
そのバックパッカー中に今日一日あったことを英語で書こうって言って、
英語で書いたんだけど、一日目ね。
2日目から挫折したもんね。
そんなに余裕ねえよみたいな。
無理無理無理。
日記は結構ハードなのじゃないか。
メイクスミーハッピーみたいな、何々がそうさせるみたいな。
これ英語っぽくないよなみたいな。
それ頭使ってる時点でもう無理だと思ってやめちゃった。
続かないな、俺も手帳は日記は続かないなと。
まあ脱線ですけどね、すみません。
一番はね、自分が立てた目標ができているかどうかを振り返りる人はすごいと思う。
すごいと思うけど、それって結構多分人類のスーパーセンターじゃないと思う。
でもさ、そういう人増やしてきたよね。俺もできてないんだけど。
自分で自分のエンジンに火をつけて頑張れるような人。
例えば大田さんみたいに手帳つけてさ、テイク10まで行ったかもしれないけどもう一回やるみたいな。
そういう自分で自分を奮い起こして頑張れるような人がいれば評価制度っていらないよね。
はっきり言って。
自分で自分を奮い起こして別に会社の売り上げとかじゃなくて、自分のために頑張っているのは自己実現欲求ですよ。
その次に他個実現欲求ですよ。レベル6の。
そっかいや。
いや、正前説、基本は僕正悪説。人事は正悪説が大事だと思ってるんですけど。
09:03
正前説で言ったら一番楽じゃないですか。
まあね。
それはどうしたらできるのかなってこれは全然関係ない話かもしれないけど。
一つソリューションがあって、自分で自分を奮い起こさせるために何が必要かってやっぱり挫折だと思うんですよ。
挫折させる経験って僕すごい大事だと思ってて。
なんかその仕事の中でも、なんかちょっと恥ずかしい経験とか失敗をしないようにしないようにみたいな
人ってやっぱり年を重ねるの多いと思うんですよ。
聞きたいこともなんか聞いたらなんかダサいなとかさ。
本当はわかってないのにわかってるふりするとかさ。
そういう人って多いじゃないですか、仕事してても。
俺は僕それ見にくいと思ってるんですけど。
そういう人たちに、もう性格的にそういう失敗を恐れてる恥ずかしいと思ってる人たちに恥ずかしい思いをさせるっていう1回。
意図的に。
そういう仕組みをちょっとして、そこで恥ずかしくないように頑張らせるっていう風にして
自分をちょっと奮い立たせてるようなところっていうところまで踏み込むべきだと思うんですよ。
僕は今の人事制度って。
それはその人の成長を願ってるってことだよね。
もうそれで失敗を恥ずかしいとかなんでそんな会社させられたとか思ってるやつはダメですよ。
会ってないとかどこの会社行っても全然僕はダメだと思ってて。
年齢関係なく僕は。
いるじゃん、40代50代でもそういう人間的になってないような社員さんとか。
僕は会社が評価制度とか作って頑張ったとしても、それは根本的に変わんないと思ってて。
変わんない変わんない。
そういう人は変わんない。
そういう人はなかなか難しいよ。
でもタムラみたいなことを言ってくる研修会社があって。
俺が大学卒業して初めて入社した会社があって。
その会社が入社研修でそういう研修会社を取り入れたの。
学生のプライドみたいなものを叩き下りたかったんだと思うわけですよ。
入社してくる新入社員の学生時代に作り上げたプライドをとりあえずぶっ壊すための洗礼みたいなすごい研修があったのよ。
自分の欠点をその場で大声で発動しないといけないみたいな。
12:05
私はこうなりますって突き刺されるみたいな。
っていうやつがあったなと。
その前に大声で。
それを研修でやったら気持ち悪いよね。
でもね、研修でやらないとやらないよさすがに。
田村が言ってるような自分の恥ずかしい思いを意図的にさせるっていうのは普通嫌だよ。
それをやれって言われたら普段とは全然違う環境に身を置いてそういう研修をやらないとなかなか人間のマインドセットされないと思う。
よくわかんないんだけど、山梨県のどっかの山の中に合宿所に連れて行かれて2泊3日の合宿。
自分の欠点とかを叩き直すというよりか真正面から捉えると。
みんなボロボロになっていろいろ感動して。
凄まじい研修だったな。
最終日の前日か中日かに42.195キロ歩くっていうね。
凄まじいカリキュラムが入ってて。
思い出としてはすごい。
新しい自分が見える感じ?
新しい自分に出会えたし、強烈な思い出としては残ってるし、学生時代のプライドを叩き壊すっていう意味では効果的だったし、
社会人になった時の一つ気持ちの切り替えっていうのにはなったけど、
ちょっと特殊な環境すぎて、その緊張感がその後ずっと続くかっていうと、なかなか続かないよねっていう研修あるあるなんだけど。
自分をさらけ出すみたいなのは、やっぱり研修っていう同じ時間を過ごして、
意図的に作らないとやっぱり仕事が難しいってことね。
はい、いかがでしたでしょうか。
次回も評価制度は必要か否かの続編をお送りいたしたいと思います。
将来の人材育成のために評価制度はどのようにあるべきか。
そういう客観的な視点であったりとか、今いる人材がどのようにすべきかっていうところに、
どういう風にエッセンスを盛り込んでいくかっていうところについて、
太田さんとお話ししていきたいと思いますので、ぜひお楽しみにしてください。
シャローシラジオサニーレイフライデー、DJの田村洋太でした。
15:00
それでは次回も、リスナーの皆様のお耳にかかれることを楽しみにしております。
いってらっしゃい。
15:11

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