評価制度は必要か否か、の続編をお送りします。評価項目に入れ込む内容と入れ込みにくい内容のバランスを考えた評価制度を作るためには?というテーマで若手実務家社労士と語りました。
【ハイライト】
・なんでもかんでも企業は評価制度を作るべきではない論
・A41枚でも作れる目標管理制度について
・評価制度のよくある失敗例「中だるみ」を防ぐ方法
・評価制度の本来あるべき姿について語る
・自分で自分を奮い起こして働ける従業員を増やすために?
・学生時代に作り上げたプライドをぶっ壊す入社時研修を受けてみて
評価制度は“成長を促す地図”──一定基準がなければ迷子になる従業員が20〜30人規模になると、社長の“感覚”で評価やボーナスを決めることが難しくなる。「会社として、これくらいやっていれば評価に値する」という共通認識(一定の業務基準)がないと、評価の公平性に疑問が生じ、社員のやる気も削がれかねない。特に中間管理職が増えてくると、評価者ごとに判断がバラつくリスクも大きくなるため、評価制度による“基準の明文化”は、社員の質と納得度を保つために重要となる。
万能な評価制度は存在しない──“ガチガチ”すぎる制度の落とし穴評価制度の導入支援を行うコンサル会社は多いが、必ずしもすべての会社に「立派な評価制度」が必要なわけではない。例えば、大手のコンサルが提供するテンプレートは、通信簿のような詳細なフォーマットで、規模の小さな企業や日常業務が多忙な現場には“重すぎる”仕組みになることもある。むしろ、1枚のExcelに収まるシンプルな自己評価シートの方が、運用しやすく、従業員にも浸透しやすいケースがある。評価制度は「運用できるレベル感」こそが命なのだ。
評価制度の中だるみを防ぐ、“日々の小さな振り返り”の習慣化多くの企業で評価面談は半年に1回。しかし、実際には評価期間の終盤に“駆け込み自己評価”になることが多く、最初に立てた目標が形骸化しがちである。この“評価制度の中だるみ”を防ぐには、日々の簡単な自己点検や日誌の活用が効果的。「今日一日、この目標にどれだけ近づけたか?」を終業時に一瞬でも振り返る仕掛けがあると、社員の主体性や成長実感が生まれやすくなる。制度よりも“習慣”が人を動かす好例だ。
評価制度が要らない人たち──“自分に火をつけられる人”の存在一方で、「評価制度なんていらない」というタイプの人も存在する。彼らは自分で目標を立て、自分を律し、自己実現のために行動できる人だ。こうした人材にとっては、評価制度はむしろ“邪魔”になる可能性すらある。だが、現実にはそんな人ばかりではなく、「自分の行動に納得したい」人が圧倒的多数である。評価制度とは、自己実現レベルに届かない人が“自己納得”に近づくための補助線でもある。
人が本気になるのは、失敗したとき──評価制度に必要なのは“意図的な挫折”かもしれない「人は失敗によって成長する」。これは人材育成の鉄則である。しかし実際には、多くの人が恥をかきたくない、失敗したくないという“守りの姿勢”で日々の業務に取り組んでいる。この壁を越えるには、あえて「挫折体験」を促すような仕掛けが必要だ。例えば、研修で自己開示を促すワークをしたり、山籠もりで自分の弱みと向き合うなど、過去には「自分の殻を破る」ための仕掛けが企業内でも行われてきた。評価制度もまた、本質的には“自分の未熟さ”と向き合わせる装置であるべきだ。
“正善説”と“評価制度”は両立するのか?──人事制度が信じるべき人間像とは理想を言えば、社員一人ひとりが“正しく”“誠実に”働いてくれると信じられる組織が望ましい。しかし現実は、人は弱さもあるし、妥協もする。だからこそ、評価制度は人の性善性を信じつつも、人の弱さに構造的に寄り添うものでなければならない。“正善説”を掲げるだけでは足りず、仕組みとして「人が頑張り続けられる設計」が必要なのだ。評価制度とは、人間への信頼と現実のギャップを埋める、一つの“人間理解”でもある。
~お知らせ~
サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
人生に前向きでポジティブな方をゲストとしてお呼びし、経営者や従業員として働くリスナーの皆様が明日から明るく過ごせて、心や気持ちがパッと晴れるそんな『働き方を考える』ラジオをお送りします。
話すテーマは社労士業、働き方改革、キャリア、海外駐在、外国人雇用、海外放浪等です。
パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
カバーアート制作:小野寺玲奈
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