社会保険労務士の田村が様々な業種で活躍する人の働き方や信条・哲学をインタビューし、新しい働き方を学ぶラジオ番組『教えて、あなたの働き方!』本日のゲストも前回の続きで、web制作・ウェブ解析士の志鎌真奈美さんをお呼びし対談します。
メール・声・空気感で見極める「相性のセンサー」
今回の対談は、ウェブ制作・講師・執筆などを手掛けるフリーランス歴20年以上の志鎌真奈美さん。話題は「仕事を選ぶ時、どんな基準で判断していますか?」という質問からスタート。志鎌さんが大切にしているのは、「お互いがハッピーになれるかどうか」の直感的な判断。その見極めは第一の接点であるメールの文章から始まるといいます。ITリテラシーの差が大きすぎる相手とは、そもそもスムーズなやりとりが難しく、どれだけ予算があっても「これはお互いにとって良くないかもしれない」と判断することも。また、実際に声を聞いて感じる雰囲気や反応からも、「この人はこういう世界観を求めているな」とデザインイメージが湧いてくるとのこと。長年の経験が直感という形になって蓄積され、「この声、この雰囲気は危ないな」「これは合いそうだな」と自然に分類されていくという、まさに職人技のような感覚を語ってくれました。
業種ごとの“苦手な相性”を認識するという戦略
実は志鎌さん、あまり公にしていないけれど紹介がなければ請けない業種があるとのこと。それは「怪しい業界だから」というより、「過去に仕事がうまくいかなかった傾向があるから」。何度か苦い思いをした業種があるなら、今後は紹介がない限り断る――それは自衛であり、継続のための戦略。これは“苦手なパターンを言語化し、仕事の選別軸にする”という極めてプロフェッショナルなスタンスです。相手を否定するわけではなく、「自分には向いていない」「お互い不幸になる可能性がある」と判断して距離を置く。だからこそ、長く続けられる。フリーランスとしての信頼関係を築きやすくなるのです。
声を聞けば、デザインが浮かぶ。直感は“経験”で育つ
興味深かったのは、「声からデザインが見える」という志鎌さんの感覚。「ラジオを聴いていても、人柄や温度感が伝わってくるのが面白い」と語る田村に対し、志鎌さんは「声を聞いた瞬間、この人はAじゃなくてBのデザインだな」とイメージが切り替わるといいます。これは霊感などではなく、何百人・何千人と対話してきた経験から自然と構築された“声のデータベース”のようなもの。聞こえ方、間合い、語調からその人の想いや雰囲気を感じ取り、そこからアウトプットの方向性を瞬時に判断できるという感覚は、対人対応の多い職業にも活かせるヒントが詰まっています。
フリーランスは「自分で舵を取る船」──例えるなら人生の操縦者
会社員とフリーランスの違いをどう例えるか?という問いに、志鎌さんは「船の操縦」に例えて説明。会社員は大きな船の乗組員であり、自分の役割に集中すれば目的地には着く。一方、フリーランスは自分が船長。進む方向、寄港地、航海のリズムすべてを自分で決める。時に嵐に見舞われ、時に港でのんびりする。時には酔って甲板で寝ていることもある。「そんな波も含めて楽しめる人にとって、フリーランスはとても面白い働き方」だと語ります。この例えに田村も深く共感。「船でたどり着いた場所が自分の選択の結果」という感覚こそ、フリーランスの醍醐味だと頷いていました。
母の背中と教員時代──独立の原点にあったもの
最後に「今の働き方に影響を与えた人物はいますか?」という問いに、志鎌さんが挙げたのは意外にも「母親」。教員として長年勤めた後、50代で突然起業し、化粧品事業をゼロからスタートした母親の背中を見て育ったことが大きいと語ります。住み込みの家政婦がいるほど多忙な生活。家庭を回しながらも、テレビ局の取材を受けるような活躍ぶりだった母の姿は、志鎌さんにとって「女性もバリバリ働くのが当たり前」と自然に植えつけた存在だったそうです。「母がいたから、私も早めに独立しようと思えた」と振り返る志鎌さんの言葉には、自分の道を切り拓いていく力と、その背景にある記憶が確かに刻まれていました。
「仕事は選んでもいい。むしろ選んだ方が、長く、心地よく続く」そんなメッセージを柔らかく、しかし力強く伝えてくれた今回のインタビュー。志鎌真奈美さんの言葉からは、見えない“感覚”を信じる勇気と、その裏にある数え切れない実践と検証の積み重ねが滲み出ていました。「声を聞いてイメージが湧く」ようになるには、数をこなし、目の前の人を大切にし続けること。そして自分で選び、舵を取りながら進む道のりこそが、自分らしい働き方を育てるのだと、静かに、そして確かな説得力を持って教えてくれた時間でした。
~お知らせ~
サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
人生に前向きでポジティブな方をゲストとしてお呼びし、経営者や従業員として働くリスナーの皆様が明日から明るく過ごせて、心や気持ちがパッと晴れるそんな『働き方を考える』ラジオをお送りします。
話すテーマは社労士業、働き方改革、キャリア、海外駐在、外国人雇用、海外放浪等です。
パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
カバーアート制作:小野寺玲奈
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