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いちです おはようございます この podcast は僕が毎週お送りしているニュースレター steam news の音声版です
steam news では科学技術工学アート数学に関する話題をお届けしています steam news は steam ボートの陸民のご協力でお送りしています
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改めましていちですこのエピソードは2022年の4月21日に収録しています この回ではサマータイムと万能の人ベンジャミン・フランクリンについてお届けしていきます
どうぞお楽しみください
多くの欧米諸国では3月末から4月初頭にかけて サマータイムに移行します
サマータイムはイギリス英語でアメリカ英語ではデイライトセービングタイム つまりは日光節約時間という風に呼びます
といっても日光は蛇口から出てくるわけではないので 意味合いとしては日照時間の無駄遣いをやめるという感じなんでしょうね
アメリカとカナダでは毎年3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までがサマータイム期間です
ヨーロッパでは3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までとしている国が多いです
両方とも春先に時計の針を1時間進めて秋口に時計の針を1時間戻します
英語圏では春に時計の針を進めることをスプリングフォワードと覚え 秋に時計の針を戻すことをフォールバックという風に覚えます
スプリングには春という意味と飛び跳ねるという意味の両方がありますから スプリングフォワードは
春に進めるという風に読むこともできますし 前へ飛び跳ねるという風に読むこともできるわけですね
一方フォールバックの方ですがこれまあ秋に戻すという風にも読めますし
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英語の熟語でフォールバックというと頼みの綱であるとか最後の寄り所っていう風な意味にもなりますので
これ一語として 覚えるということができるわけですね
サマータイムのために苦労して覚えなくてもと思ってしまいますが 特にヨーロッパのような高井戸地域では夏場に日中時間が長くなるため
朝の修行時刻を早めてその分就業時刻も早めることで 明るいうちに仕事を終えて
職場の照明を節約するとともに 余暇も充実させようという狙いがあります
一方でサマータイムの導入は健康への悪影響があるという報告があります 少なくともサマータイムへ切り替える日は
睡眠不足になり心臓発作が顕著に増加するという報告があります
また我々計算機科学者やプログラマーにとってもサマータイムは悩みの種なんですね
日本にはサマータイムがありませんから 時刻は日本標準時JSTと決めておけば
例えば9時 これはいついかなる時も9時ですし
朝の1時の7時間後はいつだって8時です しかしニューヨーク州では
9時が東部標準時ESTなのか 東部夏時間EDTなのかを区別しないといけませんし
3月の第2日曜日には朝の1時の7時間後が9時になってしまいます
11月の第1日曜日はもっと悲惨です フォールバックがあるために
朝の2時が1日2回あるんですね そのため例えば看護師はカルテに
2時(1回目)のような書き方をしなければならなくなります
欧米系のブログサービスやSNSでは投稿時刻の代わりに1時間前とか表示されるものが多いですが
これは夏時間への切り替えであったり 夏時間から標準時に戻るタイミングだったりを考慮するとこちらの方が合理的ということなんでしょうね
日本では戦後すぐの1948年、昭和23年から日本版サマータイムである夏時刻が一時的に導入されましたが
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1951年、昭和26年に打ち切られそれ以降は一度も採用されていません
日本は世界で唯一言語を使用する国です 言語は皇帝の時空統治権の象徴から始まった制度なのですが
日本は象徴立権君主制となった今でも引き続き使っています つまりは国による時刻の統治権を
文化的あるいは間接的に国民が認めているとも読めるのですが それでも実生活への影響の多いサマータイムはお断りしてるんですよね
日本人はひょっとしたら大変に合理的な思考の持ち主なのかもしれません
1995年、平成7年にはサマータイムの再導入議論が日本でもあり その後何度か繰り返されています
特に2020年開催予定だった東京オリンピックに向けて オリンピック期間中は時計の針を2時間進めようという
無謀な議論が政治家の間でなされたこともありました 時計の方をずらさずに
修行時刻を1時間ずらせばいいのにと一度は皆さんも思われたことと思います
日本の高井戸地域である北海道では北海道サマータイムという取り組みが行われたことがあります
北海道は夏場の日中時間が長いため修行時刻を1時間繰り上げて その代わり就業時刻も1時間繰り上げれば
まだ明るいうちに仕事が終わるという計算でした 報道で見る限り北海道サマータイムには賛成派も反対派もそれぞれいたようなのですが
当初見込んだほどには省エネ効果がなかったようで現在は実施されていません ひょっとしたら修行時刻はきっちり守るのに就業時刻は全然守らない職場環境が多いことも
影響していたかもしれません
サマータイムを最初に発案したのはアメリカ合衆国建国の父の一人であり 万能の人とも呼ばれたベンジャミン・フランクリンでした
1784年のことで 彼は当時証明に使われていた
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ろうそくを節約するためにサマータイムを考え出したそうです 18世紀にはすでに懐中時計が使われていましたから
火が昇ったからとか鶏が鳴いたから会議を始めようという時代はすでに過ぎ去っていたんですね
実際ベンジャミン・フランクリンはフランクリン自伝という本の中で自分のスケジュールを詳細に記録しています
こんな感じです 朝の5時から8時
今日どんな良い行いをすべきかを自分に問いかける 洗顔
1日の予定を立てる 朝食
8時から12時 失眠
昼の12時から午後2時まで 昼食をとりながら報告書を読む
午後2時から6時まで 失眠
午後6時から10時まで 片付け
夕食 音楽や娯楽 会話
今日はどんな良いことをしたかを反省する 夜10時
睡眠 なかなかストイックですね彼はこんな言葉も残しています
規則正しい生活は人に健康と富そして懸命さを与えてくれる もちろんみんながみんなフランクリンのように規則正しく動けないことも彼は知っていたのでしょう
ろうそくを節約するために夏場は1時間早く起きましょうと言っても 普通そうはなりませんそこで彼は時計の方を1時間早めちゃおうと思ったんではないでしょうか
ただ時代が早すぎたのかフランクリンの案がアメリカで採用されるのは 第二次世界大戦中からです
ベンジャミン・フランクリンは万能の人でした 彼は政治家
外交官として最も有名ですが 物理学者であり発明家でもありました
物理学者としての最も有名なエピソードは 雷が電気によって引き起こされていることを証明しようとしたことでしょう
伝説によると フランクリンは1752年に
電気を検出する雷電瓶に接続されたタコ糸を使って 雷を伴う嵐の中でタコ揚げをしたそうです
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フランクリンの雷電瓶は雷雲が帯電していることを証明しました これは大変危険な実験だったので現在は全く推奨されていません
また教科書なんかでもあえて伏せていることが多いようです
フランクリンの少し変わった発明には アルモニカという楽器があります
たくさんのガラス製のお腕を鉄製の棒に突き刺したもので 水で濡らした指先で擦ることで音を出すんですね
youtube でアルモニカ演奏というふうに検索していただくと 実際ね演奏のシーンであるとかどんな音がするのかとかも
見ることができますのでよかったら youtube で検索してみてください このアルモニカですが当時としてはあまりにも異世界な音がしたためなのが
死者の魂を呼び覚ますとまで言われ 一時期はすっかり姿を消してしまいました
実際禁止した国もあったようです アルモニカの音色を聞いて体調不良になる人まで出たそうなんですねただ発明した
フランクリン自身は長生きしているので まあおそらくは思い込みであったりとか
周りの人がアルモニカは何か悪魔の音だみたいなことを吹き込んだんでしょうねそれを聞いて体調悪くなった
ような人もずいぶんいたんじゃないでしょうか 今聞いてみるとアルモニカはあのいい音がしています
フランクリンは他に遠近療養メガネも発明しています こちらそろそろ僕もお世話にならないといけないかもしれません
彼は自身の発明について特許申請を生涯拒否し続けました 自分自身の富よりも社会貢献を望んだんです
彼は今アメリカの100ドル札の顔になっていますが まあ納得の理由ですね
日本ではあまり知られていないフランクリンの業績に フランクリンストーブという暖房の発明があります
現在のロケットマスヒーターという暖房の原型で 燃焼したガスを直接煙突から捨ててしまうのではなく
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一旦ヒートチャンバーに導いて部屋を温めようというものです これはあの煙突をまっすぐ上に伸ばすんじゃなくて
一旦このクニャーと曲げた煙突を使って部屋の空気を温めようというもので 燃費が良くなるそうなんですね
時代は少し下るのですが明治維新に貢献した日本の政治家 由利君正
あるいは由利孝正もなんとストーブを発明しているんですね 彼の旧姓である三丘から
三丘ヘッツイと呼ばれている料理用のかまどで 幕末彼が一前半より実況を命じられている間に発明したそうです
三丘ヘッツイもフランクリンストーブと同じように同時代のストーブに比べて燃料が節約できたことから 重宝されたようです
柴両太郎両馬が行くの中で 従来のヘッツイよりも遥かに燃料が節約できしかも価格が強いというふうに書かれ
なおかつですね昭和10年まで三丘ヘッツイと呼ばれて福井県下で用いられていたとも書かれていまして
僕もこの両馬が行くを読んだ時にどんなかまどだったのだろうと 邦楽的な興味というのを持っていたんです
三丘ヘッツイはフランクリンストーブと同様 歴史の中で途絶えてしまっていますが
ゆり君正の出身地福井で再現しようという運動がありました メールでお送りしているニュースレターの方にはこの再現された三丘ヘッツイの
写真をご紹介しています 三丘ヘッツイなんですが燃焼後のガスに
再び空気を吹きつけることで燃焼効率を高めています 再現された三丘ヘッツイを用いると
薪700g これ薪ストーブ用の薪1本なんだそうですこの薪1本で
3小のお米が35分で炊き上がるそうですから これキャンプとかでねご飯炊いたことのある方
お気づきだと思いますけれどもこれかなり効率な ヘッツイかまどということになります
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人々の暮らしを支えてこそ有能な政治家ということなんでしょうかね ぜひ現代の政治家にも見習っていただきたいなぁと思います
というわけで サマータイムにまつわるお話をお届けいたしました
1日の長さを感じられる日々が やってきていますね
僕の住む長崎は統計129度にあるのですが 東京は統計139度ですからその差が10度あることになります
程度が一度ずれることに日の出日の入りが4分ずつずれます というわけで東京と長崎には40分の時差があることになります
長崎では太陽が海に沈みますから東京と比べると日没は1時間ほど遅いんですね
このエピソードを収録している4月の終わり頃だと東京ではだいたい18時頃に日が沈むのですが 長崎だと19時頃に日が沈みます
というわけで長崎は天然のサマータイムなんですよね そんなことも思い出しながらこのエピソードを収録させていただきました
メールでお送りしているニュースレターではおすすめ書籍おすすめテッドトークも掲載しています おすすめ書籍は
夏つながりということで ロバート・A・ハインラインの夏への扉をご紹介させていただいています
これ 名作なんですよね 僕が初めてこの本を読んだのは高校生の時だったんですが
いまだにストーリーからディテールに至るまで鮮明に覚えています 2021年には日本で映画化もされていますから映画の方はねご覧になった方いらっしゃるかもしれません
タイム・トラベル小説の 名作です
物語にね猫ちゃんも出てくるのでそれもまあ僕がこの小説を好きな理由になっています
おすすめテッドトークの方はですね 一旦サマータイムから離れて
ちょうどこのタイミングで日本語字幕がついたのでご紹介させていただいたんです ガルリ・カスパロフ
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ウクライナとともに悪との戦いに立ち上がれ というねトークなんですけれども
このガルリ・カスパロフ 過去のエピソードでお名前だけは確かご紹介したことがあると思います
チェスの世界王者グランドマスターです
チェスというのはねヨーロッパでは頭脳ゲームの最高峰とされていますから まあそのグランドマスターということでヨーロッパでは大変に尊敬を集めている
カスパロフですがチェスを引退後は ロシアで民主運動活動家になっています
反独裁主義反プーチン主義ということでね ロシア国内で活動されている方です
とても力強いトークなのでニュースレターの方からリンクを踏んでいただいても結構ですし まあ ted.com でね
カスパロフという風にカタカナで売っていただいても 見つけられます ぜひご覧になってみてください
最後にね少し余談なのですがこのエピソードの中で雷電瓶という瓶が出てきましたこれ電気がね
あるかどうかを調べるための 古典的な道具なんですが
雷電瓶雷電っていうから雷電気かなと思ったら僕も昔はそう思ってたんですが オランダの雷電大学で発明されたから雷電瓶なんです
雷電大学はオランダ最古の大学で日本にやってきたシーボルト 彼もですね雷電大学で研究をしていて日本の植物なんかが
雷電大学に寄贈されていて それがですねまたもう一度日本の長崎大学に送り返されていたりもしています
長崎大学にはシーボルト記念植物園なんかもね あったりして
オランダと日本の深い関わりを知ることもできます 雷電瓶もね幕末日本にやってきていて
平賀県内も雷電瓶を使っていたようです 今回も最後まで聞いてくださってありがとうございました
ニュースレター steam news では月額480円のご寄付を受け付けておりますよかったらご検討ください では1でした
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(♪~ED)
ご視聴ありがとうございました