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  2. かけ算に順序はあるの?【第95..

小学校の算数教育で度々問題になる「かけ算の順序問題」数学的には「順序無し」で決着しています.でも教える側にはそれなりの言い分があるようです.またかけ算の順序問題に真剣に取り組んだ数学者達もいます.是非関心を持って頂ければと思います.

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市ですおはようございますこのポッドキャストは僕が毎週お送りしているニュースレター
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改めまして市ですこのエピソードは2022年9月16日に収録しています
このエピソードではスティームニュース第95号から掛け算に順序はあるのという話題をお届けします
6人にみかんを4個ずつ配るためにはみかんは全部で何個必要でしょうか 6かける4
イコール24なので24個ですよね ところが小学校ではこの回答にペケがつくことがあるそうなんですね
これがかの有名な掛け算の順序問題なんです 先ほどの回答6かける4イコール24にペケをつけたペケポン先生の言い分は
4かける6イコール24が正解なおかつ唯一の正解だというのです 4というのがまあ1人当たり4個という意味ですねで1人当たり4個かける6人だから
24 この順番で式を立てなさいということなんですね
もちろん6かける4、6人かける4個ずつで24というのも正解なんですが このペケポン先生は認めないということなんでしょうね
でまぁペケポン先生にはペケポン先生の言い分があるということです ところでこの掛け算記号かけるの左と右を入れ替えても良いことを
交換法則というふうに呼びます 数学的には a かける b イコール b かける a というふうな
関係が成り立つんですがこれを交換法則が成り立っているというふうに言います ここの数学までは全ての足し算全ての掛け算について交換法則が成り立ちます
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僕はこのこと自体が数学の美しさだと思ってはいるんですけれども まあ中にはペケポン先生のように
美しさよりも何か別な事情が優先するという人もいるようです この掛け算順序問題なんですが少なくとも50年前から繰り返し社会問題になっていました
書籍掛け算には順序があるのかを書かれた高橋誠によると 当時の算数の指導書に掛け算の順序を教えろと書いてあったそうです
当初にはこんな風なことが書かれています 指導書これは算数の指導書ですね指導書は式と計算を区別して交換法則は数の計算に
ついての法則であり式については順序に意味があるから交換法則を不要意に教える なとなっているわけですというふうにね書かれています
まあ式と計算を区別するっていうのがもうそもそも我々計算機科学者がも読んだら ですね発狂するような文章なんですが指導書その方が書いてあったということなんですけれども
まあそれは置いといて 式の
順序に意味があるそれはまあその通りなんですね例えばまあ
掛け算と足し算とかが混ざってた場合には掛け算を先にやりましょうとかいうふうにね 式に順序があるという一般論としては正しいんですけれども
だからその掛け算の交換法則ですね掛け算記号の右と左 左と右を入れ替えても良いという交換法則を無視して
あまつさえですねその交換法則を使うことを間違いとしてしまうことが僕はこれ第一の 問題だと思っています
第2の問題としてまあこの 小学校の先生ですね算数の先生
ばこの指導書の内容をまあ間に受けたとかあるいは5万に受けざるを得ない 先生たちがですね掛け算の順序を小学生に押し付けていることなんだと思いますこれ
第2の問題だと思います 先ほどの高橋誠によると
1972年1月26日に 掛け算の順序問題がマスコミ報道されています
大阪府の小学校で6人にみかんを4個ずつ配るという問題に 6かける4イコール24
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したがって答え24個と書いた答えが不正解とされたそうなんですね 答えはあってるんだけれども式が正しくないとされたとでこれはですねあの
まあ親御さんと学校の間で論争に発展したそうです
でこの論争がですね府計小学校文科省書等教育課 当時は文部省ですねそれから教育関係者数学者を巻き込んだ議論に発展したようでした
署名数学者である矢野健太郎はこの問題に対して順序はどちらでもいいと答えています まあと署名じゃない学者としても森健一郎がですねあの
まあこれあの繰り返し掛け算の順序問題というのは社会問題になっていきますからもうね 風物詩みたいなもんなんでしょうけれども
これは奇襲である奇襲での微妙な習慣である 小学生に対する虐待である知的虐待であるというようなこともね以前ブログに書かれて
いましたまぁ現在ねそのブログ えっと僕がアクセスしたところ
サイト自体がね閉鎖されていて読めなくなっていたんですがそのようなことを言われて いました
一方ですねまぁ別の署名数学者である森強氏はですね 数学の世界には交換法則の成り立たない掛け算もあるので小学生に交換法則を
教えるのは早すぎるとしました ただし一人当たり4個ずつかける6人分というのと
1回当たり6人ずつかける4回分というのはまあ結果として同じことになるので順序を 入れ替えても良いというふうにしました
矢野健太郎がま後にラジオ番組向けに考えた説明も 森強氏の説明に近いものでした
どうもこの当時ですね表立って論争に関わった人々はですね この掛け算の順序についてなんとなくこう
暗黙の了解というかまあ合意があった節があるんですねそれ何かというと 1人当たりの必要量かける
人数あるいは1ユニットあたりの必要量かけるユニット数 もっと簡単に言うと単価かける個数イコール合計という順番
順序これを約束ごととして認めましょうとしたようなんですね これある意味文法と呼んでも差し支えないかもしれません今でもね
まあ商売されている方とか在庫管理関わっていらっしゃる方とか 単価かける個数
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イコール合計というね並びまあエクセルなんかで表を書かれる時もまあ 単価を先に書いて先というのは左側に書いて右側に個数書いてそのさらに右に
衝撃みたいなね 書き方をすることが多いと思うのですがこれが
なぜかということもこの高橋誠の書籍では まあなんて言うんでしょうね推測をされていますこの約束ごとが生まれた理由この文法が
生まれた理由として こちらの本では明治時代に西洋の3ポ
計算の方法が日本に入ってきた時に 4かける6イコール12を
4 for マルティプライド by 6
伊豆中に何か日本語と英語と混ぜて読んじゃってますね for マルティプライド by 6 イグズ
12 いうふうに
教科書に書いてあったそうなんですねつまり4を6回繰り返すと12である ということを意味ごと輸入したからであるというふうにまあ推測をしています
これが掛け算の順序問題に関する第3の問題と呼んでも差し支えないと思っているん ですね
この文法に関する反論例えば単価かける個数イコール合計じゃなくて個数かける 単価イコール合計でもいいじゃないかという議論なんですがこれはですねどうも
日本語に対するなじみの問題もあるのか 今のところをま現在に至るまでした日のような気はします
高橋誠の本からもう一度引用をします 算数の根拠を国語に求めることはおかしいのです
算数と国語は違います日本語と英語も違います しかし帰国子女とその親が
n 子が m 2 m 2っておかしな言い方なんですけれどもまあ n 子が
m あるという場合英語では m タイムズ n というから m かける n の順序だと反論すると日本には日本の順序があると教え
悟すようです 掛け算の順序はまさにローカルルールになっているわけですがこのローカルルールは小学校の
外の日本社会では通用しない特殊なルールでしかありませんと結論づけています つまり掛け算の順序がどちらでもいい理由として交換法則を持ち出すのは筋が悪い
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指導書にある掛け算の単価かける個数イコール合計という文法そのものへの批判はこれ までは表立って出ていない
ただし単価かける個数イコール合計という文法は日本の小学校のローカルルールであり 個数かける単価イコール合計という文法も教えるべきであるという風に高島ことは主張を
しています僕もだいたい同意見なんですけれどももう少し天の弱なことも考えて はいますちょっとねマニアックな内容になるのでこちらはのニュースレターではなくて
まあ僕が以前書いたブログの方にですね 残させていただいているんですけれども掛け算の順序は強制するべきかもしれない
ただし今までとは逆の順序でというねタイトルで書かせていただいています えっとまぁご興味のある方は
とですね掛け算の順序で検索するともうすごいたくさんページでてきちゃうので掛け算の 順序
パイナップルブログで検索していただければね出てくると思いますパイナップルブログ は英語で検索しないと出てこないかもしれないですあの書いてあるのは日本語
です
さて冒頭のみーかーんの問題に立ち返ります 掛け算の順序は普通はどちらでもいいんですが
ただし高度な数学では a かける b のっとイコール b かける a とする場合もあります つまり交換法則が成り立たないというケースを考えることもあります
例えば量子力学というま物理学の一分野では a かける b は- b かける a と等しいとする数学もよく用いられます
このように交換法則がどうしても成り立たない場合もあるんですね というよりはこの宇宙のほとんどの現象例えばみっかんを配るとかについて交換法則が
成り立っているということが奇跡の美しさ奇跡の日なんだと僕は思っています こんな奇跡の日について調べた数学者の一人に
ノルウェーのニールスヘンリックアーベルがいます 彼はですね26歳という若さで亡くなってしまうんですまあ病死だったんですが
ただ彼は数学に永遠の業績を残しました 交換法則が成り立つ数と計算の組み合わせのことを
アーベル軍というふうに呼びますこれ英語ではアーベリアンというふうに呼び ます
アーベル軍はあまりにも普遍的なために 英語でアーベリアンと書いたときに最初の a の文字を小文字にするんです
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つまり一般名詞なんですね例えば日本語意味する japan って j は大文字で書くじゃないですか
まあごくごく稀に小文字で japan と書いたときにはまあ漆あるいはまあ漆を塗った 食器なんかをね指すこともありますが非常に例外的な
で数学者の名前がついている数学用語ってもうものすごいたくさんあるんですが 例えばユークリット気科学なんて言葉もありますよねユークリットはこの
まあギリシャというかアレクサンドリアなのでジップとの a フレイですの英語読みなんですが ゆーくりっと気科学
これまゆーくりとの気科学という意味で英語ではユークリリアンというふうに書くんです けれどもまあ最初の文字いいは大文字いいです
数学用語で まあ普通人物名使っている場合はあのどんなに大な数学者でも大文字から
始めるんですが このアーベル
だけは小文字なんですね あの僕だいぶ調べたんですけれども小文字でね人物名を使っているのはアーベルだけじゃないかな
と思います まあある意味
このアーベルというのはユークリット以上の数学者と言えるのかもしれません まあこの小文字にされているという意味では
2001年ノルウェー政府は翌年のアーベル生誕200年を記念して アーベル賞という数学賞を設立しました
アーベル賞は賞金額が1億円とノーベル賞に匹敵することから 数学のノーベル賞とも呼ばれています数学賞ですとね
フィールズ賞というの有名なんですがまあアーベル賞 2001年始まったところなので比較的若い賞なんですがまあ賞金額が大きいこと
そして ノルウェーということでこれはの
ノーベル賞を出しているスウェーデンの隣国で まあもともとはねあの同君連合でしたのでそういう意味もあってノーベル賞に匹敵する数学の賞ということで
近年注目を集めているアーベル賞というのがね 設立をされています
メールで送りしているニュースレッダースティムニュースの第12号でアンドリューワイルズというね 数学者をご紹介しているんですが彼も2016年にアーベル賞を受賞
しています 彼はフェルマーの最終定理あるいはフェルマーの大定理と呼ばれる
定理をね証明した人物ですまあ詳しくは本市第12号でね 読んでいただければと思うのですがフェルマーの定理
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こちら正しくはねフェルマーワイルズの定理という風にね 呼ぶべきというぐらいまあ影響を残した人物です
さて足し算についてはいつでも交換法則が成り立ちます足し算記号プラスの左と 右をいつでも入れ替えてもいいんですね
掛け算もここまではそうですまあ大学に入るとこの交換法則が成り立たない掛け算という のを習いますが
まあここまででしたら掛け算というのは入れ替え ok です 一方ですね割り算これは入れ替えちゃダメです
2割る3と3割るには違う意味ですだから分数を使うわけですよね3分の2と2分の3 たっと見明らかに違う意味に見えます
どういうわけかこの左右の入れ替えに関しては寛容であっても上下の入れ替えに関して は多いよそれは違うよというふうにね
思いがちなんですよねこれ多分人間の習性なのかまあ教育の結果なのかよくわかんない ですが
でこうなると統一感欲しくないですか左右の入れ替えは ok で上下の入れ替えは ng
これね割り算をすべて分数にするとだいぶ統一感出るんですけれども 問題がですね引き算なんですね
a 引く b と b 引く a は違う意味になってしまう で
ここで僕ねあの提案したいことがあるんです 詳しくはですねニュースレター第95号を読んでいただきたいんですがもうね
大きな文字で書かせていただいていますが引き算は縦に書くべきなんですね a 引く b は
上に a 縦棒を書いて下に b って書くべき だと思ってるんですもうこれ
ニュースレターで見てくださいもう引き算高を書くべきっていうねもう強くね主張したい 画像を貼っていますのでぜひね
ご覧になっていただければなと思いますあのもちろん無料で見ていただけますので あのメールアドレスをね登録していただく必要あるんですけれども無料で見れ
ますのでぜひねー なこれが採用されるのもう何年何十年何百年先かわからないけれどもまあ今から
僕は訴えていきたいと思っています
さて今週は掛け算の順序問題そして ノルウェーのアーベルという数学者についてね
お話をさせていただきましたメールでお送りしているニュースレターの方ではこの高橋 誠掛け算には順序があるのかという書籍も紹介を詳しくさせていただいています
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リンクも貼らせていただいています 非常にねわかりやすく興味深い本ですので
まあ手に取っていただければなというふうに思いますま手に取るという音表現も古いん でしょうかね
あのリンクもね電子書籍へのリンクを貼らせていただいています まあマゾンへのリンクなのでね
ワンクリックで紙の書籍の方に切り替えもできるんですが まあ
サンプルがね電子書籍版だとダウンロードできますので 手に取ってまあ手に取ってていいもうクセですね
あのサンプルをダウンロードされてみてはいかがでしょうか 今週のテデックストークマテッドトークではなくて今週はテデックストーク
なんですけれどもロジャーアントン線というねこれはオスロテデックスオスロからの 動画になります世界を理解する奥義としての数学という日本語字幕のついた
英語のトークなんですが とてもね面白いトークでしたこちらもニュースレターの方からリンクを貼らせていただいて
いますので 見ていただければなぁと思います楽しめると思います
でですね昨日タイから長崎に帰ってきたところなんですね 通常ポッドキャストはまあニュースレター配信が金曜日なので木曜の晩の時には
収録するんですがまあそんなこんなでですね 8金曜日の朝に収録をさせていただいているんですが先週はタイのホテルで収録をさせて
いただきましたいつもと機材が違って マイクもねあの
ちょっといつも使っているものが使えなくて あのなんかねあの部屋の反響音とか拾っちゃってて少しねお聞き苦しいところが
あったかもしれませんあの申し訳ないです これね撮り直した方がいいんですかねー
まああのなんかちょっと聞き取りづらかったとかいうご意見いただければ あの
差し替えというかねいつものフォーマットで撮り直してみようかなとも思っていますので ご意見頂戴できればと思います
タイの様子に関してはこちらはですね youtube チャンネルの コンセントカフェ
という方で世界遺産の旅というね番組を持たせていただいているのでそちらでね ご報告
それからまあ僕の youtube チャンネルかなやふりかの方でも ご紹介したいなというふうに思っていますまたね
ご期待いただければと思います というわけで今回も最後まで聞いてくださってありがとうございました
皆様もねどうぞ健康に気をつけて素敵な週末をお過ごしください steam.fm の市でした
24:03
me me
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~♪
(音声なし)
24:58

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