スタートアップ創業者の株式売却について、そのタイミングや方法、実態について解説しました。「あの会社は上場したから代表は、資産XX億円」という話の実態や、上場後の株式保有についても、実務経験を交えながら具体的にお話します。
▼トピック
・創業者が株式を売却する3つのタイミング:コアメンバーへの分配、セカンダリー売却、資産管理会社への移転
・上場前のセカンダリー売却:創業者のライフイベントや企業の資金調達の観点
・上場後の株式売却の実態:制約要因と売却タイミングの難しさ
・IPO社長の資金調達手段:役員報酬、配当、株式売却の使い分け
・資産管理会社の活用:現物出資vs買取方式の選択
▼番組概要
税理士・公認会計士であり、『NFTの会計税務』著者であるスタートアップ会計の畠山謙人が、起業家からの税務会計ファイナンスに関する素朴な疑問に答えることで、スタートアップ経営の土台づくりを支援する番組です。
▼番組へのお便り
ご感想やトークテーマのリクエストなどお待ちしております!https://forms.gle/tsJdnqJTcZcUYFUe8
▼パーソナリティ
・畠山謙人(税理士・公認会計士)
・稲荷田和也(StartPods)
サマリー
スタートアップの創業者は、株式を売却するタイミングとその方法について考察し、M&AやIPOを含むエグジット手法が多様化していることを議論します。また、株式を現金化する際の注意点や税務の扱いにも触れています。創業者が株式を売却するタイミングと手法について語り、上場後の現金化の難しさが明らかになります。特に、株式の売却は市場環境から影響を受けており、経営者の現金の持ち方にもさまざまな影響を与えることが指摘されます。
株式売却の背景
スタートアップ税務AtoZ。スタートアップフレンドリーな税理士・公認会計士の畠山さんへ、税務会計に関する素朴な疑問、企業家目線で今気になる話題を投げかけることで、企業前後のファイナンスの土台作りを支援する番組です。
MCは、スタートポッツプロデューサーの稲田が務めます。畠山さん、よろしくお願いします。 会計士・税理士の畠山です。よろしくお願いします。
前回のテーマは、コアメンバーに株式を渡す方法を、第1回、第2回と扱わせていただきました。
そこで出てきたのが、譲渡予約権という新たな手法であったり、実際に譲渡した後の税務の扱いについてもお話をさせていただいたんですけれども、
この辺り、畠山さんの方で何か反響だったり、ご感想とかって届いてますでしょうか。
そうですね。今日収録が10月18日段階なんですけれども、この1回目の方がリリースされたところで、リリースしましたと言った1時間後、2時間後にいくつか飛び込みでDMをいただいてたりとかしまして、
打ち合わせ自体は来週になるので、どんな相談かっていうのは聞いてみないといけないんですけれども、
やっぱり皆さん、COの方からご連絡いただいてまして、ちょうどコアメンバーに株式を渡すような設計をこれから考えていきたいって思ってらっしゃる方が、
やっぱり私が出会っている方以外にもたくさんいらっしゃるんだなと思ったので、このテーマはすごくニーズがあるんだなということが分かりました。
めちゃくちゃいいですね。
スナさんに反応いただけるっていうのはやっぱり嬉しいですし、それだけ価値ある内容を届けられているっていうのが我々としても嬉しいですね。
そうですね。なかなかなかったテーマかもしれないなと改めて思ってますね。
いいですね。ポッドキャストゆえにニッチを責められるっていうのはありますので、今後もそういったテーマを使っていけたらと思います。
お願いします。
売却タイミングの検討
今日は使いたいテーマはですね、創業者の株式の売却でございます。
近年ですねIPOに限らず、M&A含めてエグジットの手法がどんどん多様化しているなというのをお見受けしておりまして、
そうなるとですね、株式の売却っていうのも多様化していくんだろうなと思っております。
なのでそのいろんなパターンというのを知っていきたいなという気持ちがあります。
それに加えてですね、よくIPOをしましたとか何億円でちょうど売却しましたという情報とかをお伺いすると、
この人は何億円の資産を築いたんだなみたいな。
電卓通ですね。
電卓弾いてやっちゃいがちなんですけど、
1億とか。
そうそうそう。
思うんですけど、でもよくよく考えると別にそれで10億円ですとなったとって、
その10億円をすぐ現金化する話でもないのかなとか思ったりすると、
ちょっとそこに過度な期待値というかギャップがあるなってことも思ったので、
そういう話も含めて教えていただけたら嬉しいなと思っています。
分かりました。
そうしましたらどういうパターンがあるのかみたいなところから教えていただけますか。
いくつか3つぐらい考えたんですけれども、
創業者が株式を売却するタイミングっていうのは、
まず一つ目は前回のところと被るんですけれども、
コアメンバーができてチームがガバナンスのほうの、
ケージのほうもチームができてきたときに分けてあげたいっていうところが、
一番初期段階で創業者の株を渡すタイミング、
初めの1回目が来るかなと思います。
これもある意味無償で渡すんじゃなくて買い取ってもらう場合とかであれば、
多分あんまり大きな確認はならないですけれども、
少しばかりかは現金化されるっていうことですね。
そうですね。前回いろんなスキームを言ったんですけれども、
基本的には上都前提でご相談いただいていることが多いですね。
なので、現金での売却ですね。
2個目は、売却先の相手の方がお金があんまりないっていうことなので、
贈与税がかからない範囲であれば、無償であげようと考えてますっていうことも、
おっしゃるときがありますね、2番手として。
特に創業時から一緒にやってきたメンバーとか、
最低限はありつつ、何か別に高く買い取ってほしい欲求が必ずしもないっていうのはありそうですよね。
大体ないですね、お話聞いていると。
僕は相当で渡したいんだけれどもっていうところで、
あとはお金が生じるか、彼に余裕がなければ無償でいいと思っているとおっしゃるようなこともありますね。
というのがコアメンバー、COOとか幹部の方に株式を上等するというパターンですね。
他にはどんな方法がありますでしょうか。
2個目が3個目とどっちが先に出てくるかっていうのはケースバイケースだと思うので、
両方言うんですけど、1つはコアメンバーたち以外への上等ですね。
これは既存の他の外部の株主さんのケースもあれば、
これから新たに株主として参画してくる新規の株主さんに上等するっていうケース。
これをコアメンバーに渡す場合も該当はすると思うものの、
外部に渡す人たちのことを主にセカンダリって言ってるような気もしますね。ニュアンスとしては。
なのでセカンダリの上等をするタイミングが出てくるケースがあるっていうのと、
あともう一つが資産管理会社を作るという場合で、
利用者方が持っている株式の一部を資産管理会社に渡すっていうのが3つ目であるかなと思いますね。
2つ目にいただいたセカンダリについては、
これは一般的なエクイティのファイナンスって新規の株式を発行して、
その分を新しい株主さんに持っていただくっていうのがよくあるパターンかなと思うんですけれども、
既に持っている株主さんから渡していく、特に経営者さんの株式を渡していくってパターンもあり得るんですね。
あり得ると思いますね。
創業者の方がセカンダリをしないといけなくなる理由が様々だと思うんですけれども、
例えば他の事情があって現金化しないといけない事情が出た時には、
その買い手さんは条件面が適した方であれば誰でもいいわけですよね。
それが既に参画されていれば既存の株主さんになりますし、
それか今ちょうどエクイティファイナンスの活動を動いていらっしゃって、
一部新株発行を一部創業者さんの株式を譲渡するみたいなミックスするようなことも起こり得ると思うんですよね。
なので私先は関係性とかタイミングで既存株主、これから入ってくる新規株主、色々あるかなと思いますし、
譲渡を考えられる背景とか理由っていうのも、創業者さん本人からの問題理由っていうこともあれば、
あとはスタートアップ自身での事情で渡さないといけないみたいなこともあるかなと思いますね。
株主構成的なこととか株価の事情で渡すみたいな例もちらほら見たりしてますね。
よく聞くのは、たくさん聞くわけでもないですが、聞いたことあるのは、やっぱり役員報酬を下げすぎているがライフイベントなどが発生して、
創業者さんがちょっとまとまったお金が欲しいみたいなタイミングでっていうのも聞いたことあるなと思います。
確かにそうですね、Nストックの宮田さんがYouTubeとかかな、コーラルさんとかのYouTube見てて、
確かに結構役員報酬で頑張って耐えていたんだけれどもみたいなそういう話があった気はするので、
どっかのタイミングで少し現金化したいみたいな話ありましたね。
娘の保育園のお金がどうみたいないろいろライフイベント系であったみたいな話もありますね。
私が見た事例でスタートアップ側の事情という点でいきますと、
資金はすぐ必要ということ、ニーズはあるという状況なんですけれども、
すぐエクイティファイナンスをしてしまうと新しい開発とかプロダクトがまだリリースできる前で、
今ファイナンスしちゃうとダウンランドになってしまうので、
一旦そのつなぎ資金みたいな感じで入れてもらおうと思うと、
創業者さん自身が一旦譲渡をして、資金はご本人に入るんだけれども、
それをスタートアップに貸すとか、例えば。
すごい気合ですね。
そうですね。
税務と現金化の考察
いろいろ資金ぶりの制作の都合で出てくるというケースを見ることもありますね。
ありがとうございます。
今セカンダリは多分セカンダリで扱った方がいいかなっていうぐらい、
いろんな話の膨らみがある気がしたので、ちょっとまたここではおかぶりせずというところではなりますけれども、
ちょっとここまた扱いになって、今話していながらお決まりましたと。
3つ目にいただいたのがIPを目指す資産管理会社の話もいただきましたけど、
これは資産管理会社側で資金を用意あるいは融資なので借りて、
それをある意味創業者の株主を現金化するというか、資産管理会社に買ってもらうみたいな意味になるので、
創業者さんからするとキャッシュポイント、現金化するチャンスってことなんですかね。
そうですね。これは資産管理会社の回の再来になってるなと思って、
お稲荷さんの記憶力を今眺めてたんですけれども。
説明はできないです。資産管理会社扱ったなぐらいの記憶しかない。
その時の説明は今おっしゃっていただいた通りに、
スタートアップが銀行などの借り入れをして、
手創業者から買い取るというケースを確か紹介したので、
まさにその通りだと思いますし、
あとはもう一つの方法としては、
現物出資という形でもできるかなと思っていて、
株式をそのまま、会社を作る時は資本金を入れないといけないんですけれども、
お金で入れるのが基本的ではあるんですけれども、
他にお金以外の資産を会社に入れることでの現物出資という方法もあるので、
創業者さんが持っているスタートアップ株式を現物出資して、
資産管理会社に作るという線もあるかなというふうには思いましたね。
買い取りじゃなくてもらうみたいな感じですね。
なので今回のテーマにあるような、
創業者さんが現金化ができるわけではないが、
移動させるってことですね。
そうですね。なのでそれのどっちを選ぶかということは、
やっぱりポイントは現金化っていうところがあると思うので、
その辺りも睨みながら決めていくと思うんですよね。
創業者さんが売却上等が実現してしまうと、
個人の株式上等所得が生じて課税が発生してしまうので、
住民税込みで20%の取得税がかかるので、
これをどう捉えるかっていうところもあると思いますね。
今現金が欲しいのであれば、
資産管理会社に買ってもらうっていうやり方はあるものの、
とはいえ税金化もかかったりしますし、
そもそも資産管理会社の目的というかあるべき姿とかを考えると、
必ずしも現金化するのではなくて、
譲るというか、
現物出資みたいな形で渡した方がいいかもしれないっていうのもあるってことですね。
ちょっと論点が変わってくる。
やり方が2通りあるかなと思いますね。
分かりました。
あと冒頭の背景のところで個人的に質問というか、
させていただいた観点が上場の時の話なんですけど、
もし高瀬山さんご存知だったらここも聞きたいところであるんですけど、
上場した時ってやっぱりおめでとうございますってなるじゃないですか。
そうですね。
なるけれども、でもさっき僕が言った通り、
その場で理覚ではないというか、
ただ一部は上場のタイミングで売ったりもするもんなんですかね、
創業者の方とかって。
そうですね。
その点ではあんまり上場銘柄の分析はできてないんですけれども、
あんまり売らない気がしますね。
ということからしたら上場前にセカンダリーっていうのはありですよね。
そうですね。
株式売却のタイミングと影響
そういうことかもしれないですね。
このセカンダリー背景、
このレーターフェーズでのセカンダリーが起きるっていうのは、
そこら辺にあるのかもしれないですね。
意外と上場しても現金化できないのであれば、
かえって苦しいってことはないですけど、
しかって言うと役員報酬をそのタイミングで上げてとか、
ないしは自分が知りづくタイミングでとか、
あとはそのセカンダリーをライブのVCにするんじゃなくて、
上場後に入ってきてくださった主要メンバーの方に、
これは明確に買い取ってもらえるっていうのはありそうですよね。
スタートアップで冒頭あったような創業者感というか、
アーリーステージの共同創業者級の方には、
あんまり買い取ってほしい欲求ってないと思うんですけど、
上場とかになってきて、
そういう経験も豊富である意味資産も持ってるような方だったら、
普通に買ってもらうっていう選択肢はあるんじゃないかなっていうのもちょっと思いました。
そうですね、プロ経営者みたいな人が社外取りとかで新しく入ってきたときに、
もう株価も市場で形成されている、もう算定とかいらないじゃないですか。
価値で悩む必要もなくなるので、
そうですね、譲渡っていうことはあり得ると思うんですけど、
私はあんまり譲渡したなっていうのは気づいてきてないですね。
あんまりないのかな。
よっぽどコミットしてほしければ、
生株なストックオプション発行に行っちゃうかもしれないですね。
確かに。
社外取りの方が入ってくるようなケースでは、
生株も渡すようなケースもあるかもしれないんですけれども、
大体はストックオプションの発行が多いかなというふうに思いますね。
そこは生株じゃなくてストックオプションなので、
経営者さんから直接買い取ってもらうケースっていうのはあんまりない。
そうですね。だからあんまり事例として見てきてないのかなというふうに思いますね。
じゃあそういうふうに思うと、意外と上場の経営者さんって現金自体はそんなには持っていないというか。
いつ売却していくんだろうっていうような、結構難しいかもしれないということですよね。
上場を達成されたとしてもですね。
上場時にほんの一部の現金化っていうのはあるかもしれないんですけれども、
これからの成長可能性の資料などもお示しした上で上がるわけじゃないですか、市場に。
そうですね。
そうすると本人も価値が上がってくるってことをもちろん信じてるっていうような中で、
やっぱり上等っていうのはほんのちょっとしか、
本当に生活でこれだけ必要だからみたいな部分の処分ぐらいじゃないと整合性取れないじゃないですかね。
その後株価がどんどん上がっていけば、もっと株価が上がると信じてされるっていうこともあるので、
やっぱり少しずつの処分になるだろうし、株価が上場後下がってしまうようなケースでは、
より売却しづらくなるというか、もう投資家たちが株価上げろ上げろってどんどん言ってる中で、
売ったらもう本当にさらに株価が下がっちゃうみたいになりますよね、投資家たちが。
だから難しいですよね。
なので上場が見えてくるようなタイミングで大きいシリーズDとかEのタイミングでのセカンダリっていうのがあるのかもしれないですね。
経営者の現金持ち方
なるほど。
じゃあなんかスタートアップとか関わる前とか、
内社は今も上場企業の社長ってお金持ちなんだろうなとか勝手に想像してましたけど、
そうですよね。
意外と現金はない可能性もある。
まあ役員報酬を上げるっていうのはあるかもしれないですけれども、
持ってた株全部売ってるわけじゃないから決して何億円何十億円キャッシュとして持ってるわけじゃない。
なんとなくなんかこれまでの経験がそういうことかってなってきた気がしました。
なんか意外と上場企業の社長でも何かのタイミングで融資を実行したり、
お金個人で借金をするみたいな話って聞いたことがあって、
それこそさっき出ましたけどNストックの宮田さんがみたいな話とか、
他のメンバーがジョインするタイミングでMBA費用を肩代わりするために個人で融資を引いてみたいな話があるんですけど、
ああいうのもだって宮田さん絶対お金持ってるじゃん。
なんで融資なんだろうって思ったりもしたんですけど、
意外とそういうのがあるんだなって思いました。
だから不思議ですね。
それこそ僕がもともと言ったサンサンの社長なんかは寺田さんですけど、
神山丸ごと交戦を作るってタイミングとかでも結構お金入れてたりとか、
いろんなところでお金バンバン使ってる印象があって、
だからやっぱり上場するとすごいんだなと思ってたんですけど、
意外と別にキャッシュがたくさんあるわけじゃないのかもなっていうのはちょっと今話してて気づいたところでした。
とはそうですね、その方のお金のリテラシーの違いでも、
どうやったら現金化できるかみたいな作でも、
上がる頃に持っているキャッシュの違いって出てくるかもしれないですね。
たぶんサンサンの寺田さんでしたっけとかは偏差値高い感じですよね。
間違いなく高いと思いますね。
企業家の中ではたぶん高い方なので、
いろいろ施策をされた上での現金化もあるかもしれないですし、
だいたい上場してるような、
社長のキャッシュインチの役員報酬と、
役員報酬も1億円とか超えてくると有価証券報告書に書かないといけなくて、
で、払いすぎだみたいなのが叩かれたりするんで、
1億円以内に収めてたりすることも多いと思いますし、
あとは配当ですね、自社からの。
あとは役員たちに平等に配ったりしてる中でのストックオプションを発行して、
さらに株式を蓄えていくみたいな感じの資産形成ですかね。
なるほど。
その株率売却するんだって話は結局、振り出しに戻るみたいな議論が戻っちゃうんですけど。
けどサイバーの藤田さんは絶対お金持ってますね。馬主もされてるんで。
そう。
豪邸を建てたりやられたりだから、
配当でかなりもらえるのかもしれないです。
大きい会社を作っていけば毎年の。
でもサイバーだからですもんね。それは桁が違うんで。
意外と30億円未満と10何億円とかで上場すると、そんなにキャッシュは生まれないのかもみたいな。
結構リアリティーな。
この辺りは聞かなきゃわからないですね。
実際に上場経験された方にどうやって現金貸してきたんですかみたいな話は聞いてみたいですね。
そうですね。
この番組はスタートアップ会計の畑山さんとスタートポッドの稲利太がお送りしました。
トークテーマのリクエストやご相談、お便りフォームだったり、畑山さんのXメッセンジャーまで気軽にお寄せください。
そして番組のフォローだったり、拡散のご協力、ご感想もいただけますと幸いでございます。
それではまた次の配信でお会いしましょう。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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