起業のデットファイナンス、今回は前回に引き続き、既存産業領域のDXを推進するベンチャーキャピタル、
ガゼルキャピタルが運営していますYouTubeチャンネル、スタートアップ都市TV融資相談室の公表会をポッドキャストでもお届けいたします。
Finatext Holdings CFOの伊藤さんをゲストにお迎えしまして、ガゼルキャピタル近藤さんと共にお話ししました。
エクイティ冬の時代をどう乗り越えるかをテーマにした2回目の今回は、オルタナティブレンディングサービス、ビズグロースの仕組みやビズグロースの活用事例についてお話をしております。
資金繰り改善の具体策の一つとしてぜひお聞きください。
そもそも、なぜこの後払いサービスビズグロースを始めておられるんでしたっけ?
Finatextは今、B2Bのフィンティック企業という形で、メインのビジネスは金融機関向けに機関システムの提供というのをやっています。
ただ大元は全然違うビジネスからスタートしていまして、一番最初は金融の勉強ができるアプリを作ったりとか、金融機関の方々向けにアプリを開発するようなビジネスっていうのをやっていました。
なぜこのビジネスをやっていたかというと、創業者の林がもともと新卒がドイツ銀行のロンドン支店から新卒をスタートしていて、海外で働いているんですよね。
当時2010年の頃ってリーマンショックがあって、ロンドンはちょうど金融機関が総崩れになり、すごくいろんな金融系のスタートアップが出てきていた時期でした。
その時のテーマって本当にシンプルでモバイルシフトだったんですよね。
昔はPCでやっていたり対面でやっていたものを、サービスをしっかり絞ってモバイルの中でめちゃくちゃ使いやすく提供しましょうというのがテーマになっていて、すごい使いやすい斬新なサービスがたくさん出ていたのが当時のロンドンだった。
そういうのに親しんでいた林が日本に帰ってきて、いざ日本で金融サービス見たら、そもそもまだモバイルアプリもないじゃんみたいなところに気づいて、これは日本を良くするチャンスあるなってことに気づいて、
一番最初に創業した時は本当に金融のサービスっていうもの自体を、体験をいかに良いものにしていくかということをやりましょうということで、そういうのをミッションにして創業しました。
なので最初は本当にストレートに金融系のモバイルのアプリを作ったりとか、そういうものがちょっと簡単に学べるような教育アプリを作ったりとかってことからスタートしていたっていう感じですね。
実際に取り組まれてみてどうだったんですか。
やっぱり最初にスタートしたのは教育系のアプリ、なんかデモトレができたりとか勉強できたりするアプリっていうのをやっていたんですけど、実は結構ユーザーさんが集まって、当時でいうと株って検索すると我々のアプリ、一番最初に出したアプリってアス株ってアプリなんですけど、すぐに何十万、百万とかってユーザーさんが集まるようなサービスになったので、
それは最初はすごく成功して、まさに金融機関の方々がこういうアプリ作りたかったんだよねって言われて、代わりに企画開発してくれないかって言われて、そこから三菱さんとかのアプリを代わりに開発させていただくみたいなことがスタートして、ビジネスとしてより大きくなってきたんですけれども、
いざアプリとか本格的に金融機関の方々向けの本当に本物のアプリを作りにいこうとすると、めちゃくちゃ難しくて、全然思い通りのいいサービスが正直作れなかったんですよ。
なんでなんですか?
これなんでかっていうと、結局金融サービスって皆さんが例えば株のサービスだと、何の株持ってるかとか、今いくらかとか、いくら儲かってるかとかって全部見えるじゃないですか。
ああいうデータって、やっぱりアプリの裏側にある機関システムと言われるものから全部データが発信されてるんですけど、機関システムがめちゃくちゃレガシーで古いので、
やっぱり何か新しいことやりたいとか、こういうデータをこういうふうに見せたいとか、こういうふうなスピーディーにやりたいとかっていうのをやろうとすると、今のシステムではできませんというのがものすごいあって、
結局アプリを作ること自体は半年とかでできるんですけど、裏側にあるAPIを作るのに1年、2年待ってくださいみたいなことってざらにあって、
一般的に金融アプリって使いづらくて、それって銀行員の人たちがお金持ちで、上から目線で、あまりお客さんのこと考えてなくないってかってちょっと言われがちなんですけど、
全然そうじゃなくて、皆さんめっちゃ考えてるんですけど、裏側にあるシステムがかなり古くて硬直化してるので、できることがかなり限られて、その中で無理矢理できるようにするんで、何かちょっと変なサービスになるみたいなことがあって、
やっぱりそういう苦労っていうのがすごく中に入って見えて、これいいサービス作るっていいアプリ作るじゃなくて、いい基盤を作ることなんだってことに気づいて、そこから一気にビジネスを機関システムを作ると。
そもそもの機関システムを作り始められたんですか?
そうですね。
スタートアップとして基盤の方に取り組むって、それはそれでめちゃめちゃ大変じゃないですか?
そうですね、無理ですね。やってる会社って基本的に親友系のエサ屋さんなんですよ。
今僕らってやっと売り上げがちょうど今年100億くらい乗っかってくるんですけど、これでだいたい競合の売り上げ規模の100分の1くらいですね。
100分の1ですか?
はい、なので基本的にむっちゃくちゃ大きい会社さんがやるビジネスなんですよ。
なんで大きい会社さんしかできないかっていうと、理由はたった一つで、金融サービスってやっぱり金融庁の管轄で既成業種なので、絶対にミスれない、絶対に落とせないサービスなんですよね。
つまりシステムは確実に動くものを使わなきゃいけないんです。なので基本的に新規参入はないんですよ。
めっちゃインフラですね。
インフラビジネスなんですよね。それはそうですよね、金融サービスで落ちちゃって動かなくなりましたら大問題なので、基本的には動くサービスでやってくださいってことになるので、システムっていうのはどの金融のビジネスにおいても基本的に機関システムになるとほとんど独占か過占のビジネスになるというところなので、
これをどうやって切り崩して参入していくかっていうことを考えるときに思いついたのが、自社で証券会社作って、証券ビジネス作って、自分たちが作った機関システムのファーストユーザーに自分たちがなっちゃえば実績作れるじゃんってことを思って、
はじめに自社サービスとして証券会社のライセンスも取ってシステムを作ってスタートしたのが2018年頃で、そこから一気に金融業みたいなところもやるようになり始めたっていう感じです。
理由が安っしですけど。
さらっと教えましたけど、実際どう?
そうですね、もう何が何だか全く分からないので、当時は全然人がいなかったので、今だから言いますけど、私とインターンの子2人で金融庁行って、カントリー・タイム協会行ってライセンス取りたいんですけどどうすればいいんですかって聞きに行ってスタートしたっていう感じですね。
そもそもスタートアップ業界でそういう戦い方をされてる方っておられないじゃないですか、なかなか。
ってなった時にVCの方々への接触というかコミュニケーションもめちゃめちゃ大変だったんだろうなと思うんですけど、調達ってでもVCから集めておられましたよね。
そうですね、調達自体は2回していて、1回目が14億円かな、2回目が60億円くらいしてるんですけども、やっぱり元々はかなりアセットライトな、本当にアプリ作ってるだけの開発だったので、
実はもう創業当初からかなり利益が出ていたんですよ。そこから一気にとてつもなく掘りますということになるので、急にお金すごい必要になったので、めちゃくちゃ大型の調達をしなきゃいけないということが出てきました。
それが2017年ぐらいで、10億以上の調達しようとするとほとんど出し手が当時だといなかったので、1社ずつ死ぬ気でアプローチして、なんとか1社から調達するみたいな感じだったので。
そこの中でJACCOさんが元々ずっとお話もしてたのもあって、資金提供をしてもらえて、なんとか証券会社自体は立ち上げることができたという、そんな感じでしたね。
個人的に立ち上げる難易度は非常に高そうなイメージなんですけど、調達ができた後は軌道に乗り始めたんですかね。
結構後払いだけに限らず幅広く展開を今しているところですし、ここはどんどん伸ばしていきたいなと思っています。
イナテキストグループ全体としての今後の展開、展望みたいなものを教えてください。
そうですね、ベースとしてはお金を貸すじゃないんですけれども、
ファイナンスサービス自体を提供して付加価値を作っていくというところも大事なんですけれども、
僕らはベースとしてあくまでもテクノロジーの会社だと思っているので、
そのサービスを支える基盤システムがいかに柔軟で低コストに運営できるかというところが本当に大事だなというふうに思っています。
それをシステム自体を直接パートナーさんに提供するということでビジネスを作っていくというのも一つですし、
このVizGrossみたいに我々がそのシステムを使ってニッチなユニークな商品をどんどん作っていくというところもやりたいなと思っていて、
この後者のところでいうとやっぱり自分たちだけでユニークな商品を作っていくというのはなかなか難しいので、
パートナーシップを組みながらサービス提供していくというのが次、会社としては取り組んでいきたいなと思っているところですね。
例えば足元ですとスーパースタジオさんというECのカートを提供している会社さんがありますけれども、
スーパースタジオさんと提携していて、スーパースタジオさんのお客様向けにこのVizGrossをご利用いただけるような仕組みをやっていたりですとか、
あとは場合によってはスタートアップの会社さんが次に移転するときの移転費用の分割払いができる。
例えば内装費とかって結構コストがかかるじゃないですか。
今日このスタジオすごく豪華だったので、内装費高そうだなと思って見てるんですけど。
そういう内装費とかっていうのもまさにお金かかるので、そこを分割払いできるようなサービスとかっていうのを、
そういうことを提供している会社さんとかと提携をして、それ用にサービスを設計していく。
そのときに必要なのが後払いなのか、貸し金なのか、ファクタリングなのかっていうのはちょっと状況によるので、
合わせてそこに尖らせて商品を作っていくということを引き続きやっていきたいなというふうに考えています。
ありがとうございます。
ぜひ最後にこの動画の最後に視聴者の皆さんに一言メッセージをいただけると嬉しいのですが、お願いしてもよろしいでしょうか。
ディズグロースはそういう意味では分割後払いっていうシンプルなサービスではあるんですけれども、
業界ごとにユーザーさんのニーズを捉えて、いわゆる一般的なファイナンスサービスじゃなくて、
攻めのツールとして使っていただけるような形にしているので、
ぜひここから成長していきたいと思っている会社さんは、そこの一つのサポートするツールとして使っていただけたら嬉しいなというふうに思っています。
企業のデッドファイナンス、最後までお聞きいただきましてありがとうございました。
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