それよりもどこに管理されてるかってことを考えることが大切なんですね。
まずは一つは企業側の論理っていうのがありますよね。だから病院だったら病院経営をしていく中で、患者様に対して看護師はこういうふうに接しなければならないですとかね。
医師はこう接しなければならないですとか、企業側の論理が一つあるわけですよ。
なおかつ患者様は患者様で、病院で看護師さんはこういうふうに私に優しく接してくれるのが当たり前だろう。
今、インフォームドコンセントが大切な時代ですから、医師であってもちゃんとコミュニケーションが取れて、しっかりと治療の計画についてもお話ができるのは当たり前だろうというような、そういう思いがありますよね。
そうした二重のこうあるべきだっていうところの部分、それが一つのマネージメント管理部分、管理っていうところの部分に入ってくるんですね。
それに応えるために自分の感情をある意味押し殺してるっていう場合もありますし、また感情が乗り過ぎてしまって、相手に寄り添いすぎて自分自身の感情が崩壊してしまうっていうようなこともあるという、そういう触手がこの医療や介護関係の触手の中に含まれてるんですよ。
なるほど、なんか肉体労働とか頭脳労働とまた違った苦労がその現場にもあるのかなって感じしますね。
これはアメリカの社会学者のホックシールドさんが一番最初に提唱したもので、これってキャビンアテンダントの方々を対象にして、まず感情労働の研究をしたんですね。
そこから始まって、こういったサービス業においては、組織側と顧客側から管理されている中で、労働者というのはどういうふうに自分の感情をコントロールしながら働いているんだろうか。
うまく使えば、より良い接客だったり、より良い患者様やそうしたお客様に、顧客に満足を与えることができるけれども、それが失敗してしまうと、労働者自身がバンアウトしてしまうっていうようなこともあるし、その使い方っていうのが難しいとされているところなんですね。
研修の中ではどんな感じで、どんなことをお伝えされていらっしゃるんでしょうかね。
まず、一番求められるのは、クレーム対応研修的なものになってしまうんですが、患者様からのいろいろな事例を先に出していただくんですね。
ケーススタディの形でやっていくんですけれども、どうしても時間がなかったり、その人そのものの感情の浮き沈みがありますよね。そういう部分を思わず患者様に出してしまったり、ぶつけてしまったりしたことによって、大きなクレームにつながってしまうということがあるので、
それをどのように抑えつつ、一番最善の方法で、相手にこちらからアプローチしていく方法はどういったことがあるんだろうかということをケーススタディということで、研修の中で取り入れてやっております。
これって個人として対応する人にとっては、感情をコントロールするっていうような感じなんですかね。どういう感じでしょうかね。
感情をコントロールするという意味もあるんですけれども、それよりは自分自身のコミュニケーション能力を磨いていくことによって、コミュニケーションギャップを減らしていくっていうところの方が先ですね。
感情互動のところで必要なのは、まずはこういった本当に病院などのホスピダリティ産業であれば、患者様に対する思いというところがベースにあるわけですから、それが各病院の企業理念だったりもしますよね。
なので、そのケアとキュアがあるとすると、キュアという治療の部分ではなくて、ケアの部分を私は教えしていくっていうようなところになっておりますので。
病院とかそういったところでは、こういった理念でやってるから、そこに合うように皆さんも働いている方もやっていきましょうということで、一体となって、研修で学んでいきながら対応を進めていくということですね。
本当に私、先ほどパフォーマンス学とお話をしたと思うんですけれども、これって非言語表現の方が人に与える影響というのは大きいわけですよね。言葉、言語表現よりも。
ですから、何を伝えたかよりもどう伝えたかの方が影響力が大きいという部分ですよね。