1. 経営者の志
  2. 929.星野幸子さん(研修講師)
2025-06-30 13:01

929.星野幸子さん(研修講師)

【感情を扱う、第三の労働】

患者様や利用者様に“優しくすること”は、簡単なようで、実は最も高度な技術を必要とします。
研修講師として医療・介護現場に寄り添ってきた星野幸子さんは、“感情労働”という、頭脳労働・肉体労働に次ぐ「第三の労働」に注目し、その複雑さ、尊さ、そして組織に与える影響を、研修という形で伝え続けています。
企業の論理と、顧客の期待の間で、自分の感情をコントロールしながら働く医療従事者たちに、星野さんは「ケアこそが理念の核であり、パフォーマンスの源泉」だと語りかけます。
非言語表現が与える影響。
クレームの裏に潜むコミュニケーションの溝。
そして、重荷を軽くする“コミットメント”という考え方。
「進んで持てば、重荷も軽くなる」
この言葉を胸に、星野さんは、現場で働く一人ひとりに光を当て続けています。
経営者、リーダー、教育担当者の方にこそ聴いてほしいエピソードです。
どうぞ、番組をお楽しみください。

【今回のゲスト】
研修講師 星野幸子(ほしの・さちこ)さん
Web: https://sparkle.hp.peraichi.com/hospital

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サマリー

星野幸子さんは、医療や介護業界における感情労働の重要性について研修を行っています。彼女は、クレーム対応や患者様とのコミュニケーションの改善に取り組み、良質なサービスの提供を目指しています。また、抗耳の機能障害や認知症に対する介護や看護の重要性を語り、コミュニケーションにおける視覚情報の影響についても触れています。さらに、経営者としての考え方や、仕事へのコミットメントがパフォーマンスに与える影響についても話されています。

感情労働の重要性
声を思いを世界中に届けるこえラボ
経営者の志
こんにちは、こえラボの岡田です。今回は、研修講師の星野幸子さんにお話を伺いたいと思います。星野さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
まずは、研修講師としてどんなことを研修で教えられているのか、まずはそのあたりから教えていただけるでしょうか。
はい、いろいろな業種をやってるんですけれども、一番特徴的なものは、医療や介護関係の研修が多いということですね。
その中でも、俗に言う接遇研修的なものと、プラスクレーム対応ですとか、患者様やそのご家族とのコミュニケーションの取り方っていうところを中心に研修を行っております。
やっぱりそういって、いろんな方と特に接客したりとか、コミュニケーションが必要な現場だと、そのあたりで大変だなと思われる方も多いんでしょうかね。
なんとしてもね、よく病院の中でCS活動だなんだっていうのを、ここ20年ぐらい騒がれておりましたよね。
そうした中で、患者様満足っていうところが叫ばれるようになっていって、必ずいろいろな病院様でもね、そうした研修を行うっていうのが常になってきたっていうところですね。
そこに私入っていったっていう感じです。
特に保証さんが力を入れてたりとか、特徴として強みとしている部分って、どんな検証の中ではどういったところがあるんでしょうかね。
私はパフォーマンス学というのをもう26年学んでおりまして、パフォーマンス学って実は心理学が元になってるんですけれども、そこの部分が一つ。
それから、あとはいろいろな私自身学んできた哲学的なものも含めて、そしてもう一つは、実は大学院で感情労働の尺度開発など、感情労働というものに着目して研究をしてきたものですから、第三の労働と言われている感情労働、これを中心に据えて研修を行っております。
ちょっとこの感情労働というところを少し詳しくお伺いしたいなと思う。これ3つ、第3というのでどんな労働があったりするんでしょうかね。
普通に頭脳労働、それから肉体労働、そして感情労働ですね。エモーショナルレイバーって言われるんですけれども。
はい、この感情労働で例えばどんな職業の方でよく使われてるっていうところってあるんでしょうかね。
感情を使うということは特にサービス業においてということで、大臣サービス業、この病院ですとか介護職っていうのは、普通のホスピタリティ産業の中でも一番自分の感情をコントロールして
さらに対価を得ているっていう業種になるものですから、そこの部分の感情労働です。
やっぱり感情的にやっぱり大変だったりとか、そこをしっかりとコントロールしなきゃいけないという意味では、やっぱりそういったところが大変だったりするんですかね。
研修の内容
それよりもどこに管理されてるかってことを考えることが大切なんですね。
まずは一つは企業側の論理っていうのがありますよね。だから病院だったら病院経営をしていく中で、患者様に対して看護師はこういうふうに接しなければならないですとかね。
医師はこう接しなければならないですとか、企業側の論理が一つあるわけですよ。
なおかつ患者様は患者様で、病院で看護師さんはこういうふうに私に優しく接してくれるのが当たり前だろう。
今、インフォームドコンセントが大切な時代ですから、医師であってもちゃんとコミュニケーションが取れて、しっかりと治療の計画についてもお話ができるのは当たり前だろうというような、そういう思いがありますよね。
そうした二重のこうあるべきだっていうところの部分、それが一つのマネージメント管理部分、管理っていうところの部分に入ってくるんですね。
それに応えるために自分の感情をある意味押し殺してるっていう場合もありますし、また感情が乗り過ぎてしまって、相手に寄り添いすぎて自分自身の感情が崩壊してしまうっていうようなこともあるという、そういう触手がこの医療や介護関係の触手の中に含まれてるんですよ。
なるほど、なんか肉体労働とか頭脳労働とまた違った苦労がその現場にもあるのかなって感じしますね。
これはアメリカの社会学者のホックシールドさんが一番最初に提唱したもので、これってキャビンアテンダントの方々を対象にして、まず感情労働の研究をしたんですね。
そこから始まって、こういったサービス業においては、組織側と顧客側から管理されている中で、労働者というのはどういうふうに自分の感情をコントロールしながら働いているんだろうか。
うまく使えば、より良い接客だったり、より良い患者様やそうしたお客様に、顧客に満足を与えることができるけれども、それが失敗してしまうと、労働者自身がバンアウトしてしまうっていうようなこともあるし、その使い方っていうのが難しいとされているところなんですね。
研修の中ではどんな感じで、どんなことをお伝えされていらっしゃるんでしょうかね。
まず、一番求められるのは、クレーム対応研修的なものになってしまうんですが、患者様からのいろいろな事例を先に出していただくんですね。
ケーススタディの形でやっていくんですけれども、どうしても時間がなかったり、その人そのものの感情の浮き沈みがありますよね。そういう部分を思わず患者様に出してしまったり、ぶつけてしまったりしたことによって、大きなクレームにつながってしまうということがあるので、
それをどのように抑えつつ、一番最善の方法で、相手にこちらからアプローチしていく方法はどういったことがあるんだろうかということをケーススタディということで、研修の中で取り入れてやっております。
これって個人として対応する人にとっては、感情をコントロールするっていうような感じなんですかね。どういう感じでしょうかね。
感情をコントロールするという意味もあるんですけれども、それよりは自分自身のコミュニケーション能力を磨いていくことによって、コミュニケーションギャップを減らしていくっていうところの方が先ですね。
感情互動のところで必要なのは、まずはこういった本当に病院などのホスピダリティ産業であれば、患者様に対する思いというところがベースにあるわけですから、それが各病院の企業理念だったりもしますよね。
なので、そのケアとキュアがあるとすると、キュアという治療の部分ではなくて、ケアの部分を私は教えしていくっていうようなところになっておりますので。
病院とかそういったところでは、こういった理念でやってるから、そこに合うように皆さんも働いている方もやっていきましょうということで、一体となって、研修で学んでいきながら対応を進めていくということですね。
本当に私、先ほどパフォーマンス学とお話をしたと思うんですけれども、これって非言語表現の方が人に与える影響というのは大きいわけですよね。言葉、言語表現よりも。
ですから、何を伝えたかよりもどう伝えたかの方が影響力が大きいという部分ですよね。
視覚情報の影響
一般的に言われてるのは、メラビアンの行為の想定っていうのがあって、メラビアンの法則なんて言われてますけれども、あれだと言葉7%しかなくって視覚情報55%、聴覚情報38%って言われてますけど、あれは言葉って3つしか喋ってないんですね。
フェンキューとメイビーとチェレボーってこの3つの言葉なので、言葉が少なくなってますが、結果的にあそこで伝えているのは、やっぱり何を伝えるかよりもどう伝えるかの目から入ってくる視覚情報の方が患者様に与える影響は大きいですよね。
特に今、抗耳の機能障害だったり認知症だったりすると、相手の表情やそうしたところを見て、患者様って反応する方がすごく多いわけですね。認知能力が下がっていれば、言葉の意味そのものを捉えられない方々もいらっしゃるわけですよね。
そうすると、どのように今介護する人や看護師さんが患者様に接して、利用者様に接してお話をしているのかっていう、その人の表情や身体表現から読み取っていくわけですよね。そこの部分がとても大きいので、そういう部分も含めての表現力っていうのが必要となってくるんですね。
だからそこも含めて感情労働と言いましたけど、そこ競争演技っていうものも必要なので、そこも含めて私は研修しております。
なるほど。この番組は経営者の志という番組ですので、星野さんの経営者としての思い、志についてもぜひ教えていただきたいなと思います。
私、実は祖父の代から広池智郎博士のモラノジーというもの、道徳経済一体思想というのがあるんですけれども、それを学ばせていただいておりまして、やはり経営者として大切なのは、三方良しの考え方。
三井孝俊のあの絵が元になっているんですね。ですから、もちろんお客様にとって良しだけれども、でもそれは従業員にとっても経営者にとっても良しでなければならないという考え方がベースにあるんですね。
それも一つですし、そこに天風哲学という中村天風先生の哲学も入ってくるんですけれども、私、研修で一番よく使っているのが、この言葉があるんですよ。進んでもてば重荷も軽く、いやいやもてば半紙一枚でも重いって言葉があるんですね。
何が大切かって、コミットメントなんですよ。その仕事にいかに自分が関わっているかっていう思い。これがないと、いやいややらされている仕事は、全部パフォーマンスが下がるわけですね。ですから、自ら好きでこの仕事に携わっているんだ。自ら好きで、この看護師の仕事を選んだんだ。介護職を選んだんだっていう思いがない限り、いいパフォーマンスはありえないと思っているので、そこのところの部分も教えてください。
私自身もそれを思って、どんな仕事であろうと、これは私が選んだものだと思って、コミットして仕事をしていこうということを常にやっております。
そうですね。その思いがないと、仕事自身も自分のパフォーマンスで上がっていかないので、その部分から研修でもお伝えされていらっしゃるっていうことなんですね。
今、ティーカーって言ったら言葉悪いんですけれども、本当に欲しいものっていうのは、与える側に回らなければ手に入らないって私は思いが強いんですね。なので、ティーカーじゃなくて、ギバーでいかないと、本当にいい仕事にも巡り合えないし、いい成果、結果、パフォーマンスも得られないって思っています。
ぜひ、今日のお話を聞いて、自分自身も学びをしていきたいなとか、自社の会社にも取り入れていきたいなという方がいらっしゃると思いますので、そういった方がいらっしゃいましたら、このPodcastの説明欄にLPも掲載させていただいておりますので、ぜひそこからチェックして、お申し込み、問い合わせもしていただきたいなというふうに思います。
はい。今回は研修講師の星野幸子さんにお話を伺いました。星野さんどうもありがとうございました。
はい、こちらこそありがとうございました。
声を思いを世界中に届ける。
フォエラボン。
13:01

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