1. そろそろ美術の話を...
  2. #011 現代美術家の超絶技巧に..
2020-11-07 1:06:31

#011 現代美術家の超絶技巧にせまる(現代美術家 高橋賢悟)

現代美術作家の高橋賢悟さんをお迎えしてご自身の作品に込めた思いや制作技法についてお聞きしました。

https://sorosoro-art.vercel.app/ep/011 番組の感想は、#そろそろ美術の話を でお願いいたします。

Guest Profile

  • 髙橋賢悟(たかはし けんご)
  • 1982 鹿児島県に生まれる
  • 2010 東京藝術大学美術学部工芸科 卒業
  • 2012 東京藝術大学美術研究科 修士課程 鋳金研究室 卒業
  • 2012-2015 京藝術大学美術学部 工芸科鋳金研究室 教育研究助手
  • 2015-2018 東京藝術大学美術学部 工芸科鋳金研究室 非常勤講師
  • 収録時 東京藝術大学美術学部 工芸科鋳金研究室 博士課程

Show Notes

00:11
さあ始まりました、アートテラー・とにのそろそろ美術の話を。この番組は、アートテラー・とに、私がアートに関わる方をゲストにお迎えしてトークするポッドキャスト番組です。
本日は、現代工芸作家高橋健吾さんをお迎えして、ご自身の作品や製作技法、工芸について話していきたいとおもいます。
ということで、ゲスト出演いただきありがとうございます。
ありがとうございます。ついに実現しましたね。
一回やりたいですね、と言ってもらいました。
すごいですね、本当に。
なんと、今回初の作家のゲストです。
だから、今回もし作家のゲストがあまり跳ねなかったら、もうないかもしれない。
責任重大。
しかも、僕、声全然通らない方ですからね。こもってよく聞き取れないというか。
これね、すごい良い機材らしいから。
本当ですか?
めっちゃ通る。
すごい良かった。
高橋さん、高橋さんって4番だから、高橋くんでいいですか?
全然、もう同い年だから。
同い年だから、そうそう。
高橋くんの所属しているギャラリーのギャラリーストさんにも、俺だったらニルなり役なり好きにしてくれって言われたんで、今日はそういう感じで。
話し容赦ないですからね。
話し容赦ないですからね。
怒られちゃう。
いや、そうなんです。
付き合いは意外と長く、6年だよね。
そうですね、なんかホテルのイベント。
そう、毎年僕がやってるギャラリーの、銀座のギャラリーの皆さんが集まるパーティーの司会を僕がやってて、その時のゲストだもんね。
はい、それで初めてお会いして、いろいろと共通点があるねっていうのがちょっと盛り上がったんですよ。
そう、同い年だしみたいな。
それで、ちょうどたまたまですよね、この収録の大体1ヶ月前ぐらいに終わったのかな。パナソニックしおどめ美術館の和光絶佳展。
そういう高橋さんが出展されてて、なおかつトークショーがあったんですよね、僕が司会で。
ズームイベントで。
すごい面白かったんですよ、その時にね。
企画の中で工芸家あるあるを発表してもらったりとか、それからあと工芸家、僕らの会はだから4人いたんですよね、工芸家。
皆さんに質問とかあればみたいなコーナーだったら、高橋さんが、みんなちゃんとした質問をするわけですよ。
他の人にこういうこと聞きたいみたいな、どうなってるんですか?とかそういうのを聞くわけですよ、作品作るにはみたいな。
高橋さんから事前にいただいたアンケートに皆さんの質問。
好きな芸能人のタイプは?
趣味は?とか。
合コン、一人だけ合コンしてんのかな?みたいな質問を。
作品はもうめっちゃ皆さん知ってたので、僕も。あの時だけ参加できてすごく光栄だったんですけど。
お人柄って言うか、普通のところってあるのかな?って。
03:05
もちろん人間なので、だらしないところとか、普通に思うところってあるのに。
みんなどうしてるんだろう?って。
僕は知ってるからあれだけど、多分高橋さんの作品を見た人は、高橋くんも人間なんだろうかと思われてる。
そんなことないだろう。だから好きな芸能人のタイプは誰でしたっけ?
僕はふかつえいりさんなんですけど。
年上ですよね、僕らから。
結構前から高校生くらいの時から好きで。
アーモンドとかカバチタレとか、キラキラ光るとか見てましたね。
そういう普通のところもあるわけですね、工芸家の皆さんも。
今回はちゃんと工芸について、高橋くんの作品ってすごい複雑なので、
ちゃんとなるべくラジオというか音声だけで伝えたいんですが、
多分どこかで限界があるので。
写真いっぱい撮りましたので。
一番不向きなんじゃない?
一発目にね。
番組ホームページには作品の写真やリンクを掲載しますので、
それを見ながら楽しんでいただけるといいんじゃないかなというふうに思っております。
そして最初に高橋さんが肩書きについて、現代工芸作家と呼びましたけど、
どう呼ばれる方がいい?
現代美術家なのか、鋳金作家とか、鋳金作家、鋳造作家とかいろいろとあると思うんですが。
今は一応やっと現代アーティストとして肩書きを言うようにしてますね。
工芸家と言わないでってこと?
そうですね。
一応最初は工芸家。
工芸の精神で元々やってるんですけど、
工芸の中の鋳金家。
鋳金という言葉がやっぱり一般的でもないので、鋳工作家って呼んだりしてて。
でも僕も工芸って他ジャンルなので、いろんな方向に表現の幅が広がってきてるので、
僕は特に現代アートの方で作品を発表していきたいなという目標があって活動してたんですね。
それでやっと最近、皆様に作品を見ていただけたりとか、評価され始めてきて、
やっと、なかなか現代アーティストって自分で言うと自称的なとこが恐れ多いなというか、
本当にトップで活躍、村上隆さんとか芸大なのとか、悪様やゆうさんとか、いろんな方がいる中で自称で言うのもなと思って、
やっとちょっと周りも少し、そこら辺で認めてもらう兆しが出てきたので、ちょっと胸張っていっていこうかなと思って。
いいと。現代アーティストと工芸家って発表の場が違うってことですか?単純に。
なんとなく違う気がしますね。特に大学にいたので、ちょっと工芸って職人みたいな雰囲気で扱われる、
06:00
やっぱファイン系のアーティストからは特にそう思われてて。
寒い着てるイメージで、なんとなくね。
あとデパートとかの伝統とかみたいなところでやってるイメージは確かには。
すごい強いですね。特に芸大それでも強くない方なんですけど、でも芸大のアートっていうのをくれたと職人的っていう意識は、イメージはすごくありましたね。
歴史的な流れももちろんあると思うんですけど。
最初からでも、工芸のやつはまたじっくり後で話しますけども、工芸やるときに職人的な感じで行こうじゃなくて、最初からもやっぱり現代アートとして思ってはいたんですか?
いやそれがまた違うから。僕は結構噂をしながらやってきたと思うんですけど。
最初はもう全然もうあれですね、インダスタルデザインやったりとか。
あーそうなんだ。
そういう感じでデザイン系から入っていったんですけど、やっぱりいろんなことで仲良くなるじゃないですか。
顔をまたいで、油管の友達も先端の友達もいるし、いろんなやってるうちに自由にもっとやってみたいなぁみたいな感じになってきて、
それで結果、ずっと何かわけわかんなく必死で作ってたんですよ。
これを発表できればどこなんだ?みたいな時に、あれ?現代アートしかなくない?みたいな。
工芸展のとこじゃなくてみたいな。
工芸展じゃもう全然評価されなくて、でも自分は工芸だと思ってやってるんだけどなって思って。
自分がやりたいのをやってて、一番評価されるステージはどこだっていうか、領域はどこなんだって言ったら、結構現代アートになるのかなっていうところで、
じゃあもっと意識して作ってみようっていう感じ。
おーなるほど。
その現代アートを意識する時って、例えば具体的にはどうしたら自分の中で現代アートで、これは現代アートじゃないなっていう、自分の中の選挙ってどこかあります?
でも簡単に工芸の枠で言っちゃうと、使えるか使えないか、用途があるかないかっていうのは一つあるんじゃないのかなと思うんですけど。
高橋君の作品は別に使えるっていうわけではないってこと?
そうですね。
工芸として。
そこの線引きも結局曖昧なんですよ。何でかというと飾るっていう用途があるから。
確かにね。意味は何かしらあるわけだもんね。
確かに工芸で作ったお皿だって、別にそれを使わないで飾る用で買う人もいるわけだから、そう考えると確かに曖昧っちゃ曖昧か。
そこら辺が結構難しいんですよね。歴史的にもやっぱり工芸って純粋アートとされてなくてヒエラルキーっていうのが決められて、戦後。
結構下のランクで扱われたりとかした時代もあったので、ただ美術っていう現代アートっていうのが概念からどんどん幅が広がっていって、もうぶっちゃけ言うと何でもありになっちゃったんですよね。変な話。
09:13
でも何かしらは思いを込めるっていうのは大事だよね。
そうですね。
これは用途として使ってくださいっていうのが工芸のね、みんながみんなそうじゃないかもしれないけど、これはお皿だから別にそこに自分の主張はなくて、っていうのとは違ってやっぱり意味は込めてるもんね、作品に。
そうですね。やっぱり自分がコミュニケーションだと思うので、結局究極の話。文字とかそういうのを書く人がなれば小説家なればいいし、
たまたま僕とかは工芸が一番自分が言いたいことが伝わりやすかった。
表現のスタイルってことだね。
表現、伝える。
それに他者とどうやって繋がっていくかっていうのがアート、アーティストの基本、歌が上手いんだったら音楽家になる、歌手になる。
なんかそれだけ、画家だったら絵を描くのが一番伝わるんだったら、だから僕はもうぶっちゃけ喋ってますけど喋る、そんな自信ないから。
全然喋ってるんじゃないと思う。
だから自分、このニュアンスって言葉で言うと軽いけど、どんだけ重くこの大事なことが伝わるか。
でもさ、そう考えるとやっぱり画家の人が絵を描くのも、ただ絵が好きで自分で描いてるだけだったらもしかしたらアートじゃなくて、その描いたのを見る人がいるからってこと。
だから考えると、高橋くんの作品も別に自分が好きだから自分用に作ってるわけじゃなく、誰かに発信してる。
発信してるっていうのはあると思います。結局、他者と繋がりたいっていうのはあるんだと思うんですけどね。
そこ大事よね。だってさ、イメージってアーティストってホモンで、俺の分かることだけ分かってくれればいいみたいなタイプが芸術家と思われがちじゃない?
方向の存在的な。そうではないってことだよね。
そうですね。でもアートって、それで他者と繋がらないとアートが生まれないかっていうとそうでもないと思ってて、難しいんですけど、
まあでも生きてるうちに評価されるか死んでから評価されるかをまず選ぶっていうのが基本かなと思って。
ゴッホタイプみたいな。
ゴッホタイプかピカソタイプになるかっていう話で、なんで僕はピカソ選ぶっていうか、生きてるうちにやっぱり認められたいし、生きていきたいなと。
褒められて伸びるタイプなんですか?
いや褒められると調子乗っちゃう。本当に褒められて、なんかやった時の結果っていいのないんで、あんまり自分が調子乗らないように必死にしてますね。
でもさ、びっくりしたのがさ、だって何年前、美の巨人たちってあの番組。
びっくりしました。
12:00
あれ何年前だった?
え?
3、4年前?
3、4年前ですね。
何気なく美の巨人たちを見せたらさ、赤足健吾ってなったから、死んじゃったのかなって。
あれなんかね、死んだ人が出るイメージだから、若くしてって思った。
びっくりしました。僕も話が来た時に、え?生きてるんですけど、まずって。あれって死んだ人出てなかったんだよ。
現役じゃないイメージだったから。
そのイメージがあって。
そのディレクターさんにもそれ話したら、意外と最近はって、草真由美さんも扱ったりしなくて。
でもそこと同列ってすごいよね。
いいのか分からないんですけど、死んだ人だとルーティンになりがちというのもあったみたいです。
でもその時に出たシリーズを今回代表作。
フラワーフューネラル。
英語苦手だから。日本語に訳すとどういう意味?
草木、お花の、造語になっちゃうんですけど、花の草木。
書いて花草。
そうですね。訳しちゃうと花草ってなっちゃいますね。
これはその時も紹介されましたもんね。
これが一体どういう作品なのかというのを、頑張って2人で説明していく作業が今から始まります。
まず頭蓋骨。動物の頭蓋骨が。
そうですね。頭蓋骨。
ざっくり言うと動物や人間の頭蓋骨が花で覆われているという作品。
これコンセプトはどういうところからこういうのにしようと思う?
コンセプトが結構重くはなってしまうんだけど、要は姿勢感をテーマに作品を作っているので、
姿勢感って結構王道的な美術。
いろんな歴史でいろんな作家が表現してきていることで。
僕はそれを意識するようになったのが、やっぱり3.11で。
それを見た時に結構ショックだったんですよね。
どこで見ました?3.11で。
僕はちょうどいたのに東京だったんですけど、何事だみたいな感じで。
父親から電話が来て、すごいことになっているぞって。
東京は津波が来るのかみたいな。
あとお父さんは鹿児島。
鹿児島なので。
お父さんはその間は揺れもないし。
揺れもないし、恐ろしいことになっていると思う。
もうなんか全部北は一緒だと思っているのが南でした。
これひどいかな。
でもすごい揺れて、結局若干帰宅難民というか帰れなくなって。
ただバイクだったので何とか帰れて。
僕は家に帰って、テレビがなかったので。
当時?
今もないんですけど、インターネットで見ていたら結構垂れ流しだったから、その状況が。
ただもうバンバン、もろだったんですよ。津波に乗り込まれていく映像が。
もろ出てて、えーみたいになって、嘘でしょみたいな。
15:03
結構ショックで、これ本当なのかなみたいな。
もう現実感ないくらい。
現実感がなさすぎて。
うわーと思って、その時、何千人って亡くなられたんじゃないですか。
これでたぶんこの後初めての体験というか、僕らが生きていて、普通に平和に濃々と生きていたというか、その前は本当に意識もせず。
今年一緒だから、だからやっぱり阪神大震災以来だもんね。
もう以来ですね。
でもやっぱり申し訳ないけど、阪神大震災から離れているもんね。
これは千葉だったし、鹿児島だから、やっぱりどこか対岸の火事のようにちょっと埋めっちゃっている部分があったのが、今回はそういうわけにいかなかった。
いかなかったですね。
それでもう、いろんなことが連発で、原発も起きたし、本当にずっとライブで見てましたから、2個2個動画だった気もするんですけど、
ヘリコプターで本当海水バーって落として、冷やさんと行けみたいなこと言って、マジでみたいな感じで、その後爆発したじゃないですか、また水蒸気爆発だったんですけど。
それも、はぁ?みたいな、その時文字がバーって流れて。
2個2個動画だから。
もう日本終わったみたいな感じで。
軽いの。
リメンバー福島みたいな、バーってそういう言葉がズワーって流れて、やばいやばいやばい、逃げろ逃げろみたいな。
しかも放射能が感染するとか言い出したりとか、もうすごくダイレクトにビビっちゃって。
価値観がガラッと変わった。
価値観がガラッと変わって、本当に何でしょうね、生きる死ぬっていうのが、もろ、感じた出来事だったんですよね。
今までそうやって、なんとなくこのまま生きていけるんだろうなって思ってたので、それがまるっきり変わってしまったっていうか、そういう目線で自分の姿勢感っていうのが一気に変わる瞬間で、
その出来事を上手く作品に落とし込んできて、記録していきたいなっていうか。
しっかり自分が思った感情とか、その目で見たときに、いっぱい生き死にが世界、いろいろある。
っていうので、この作品を作っていきたいなって、初めて。
で、なんとか形にしたり、生き死の重さとか、伝えなきゃいけない、忘れちゃいけない。
どうしても忘れてたんですよ、結局、その出来事が起きる場合は。
だから本当にこの生と死っていうのの大事さっていうのを忘れないように、重さも伝わるような作品って何か作れないのかなって。
どうしたら伝わるんだろうっていうので、だんだん今のモチーフを頭蓋骨にして。
18:01
で、なんかコンセプトはあったんですけど、まずこういうものは作ってみたいなっていうのが、最初ネアンデルタルジーのオリジナルヒューマンっていう、人間の原点っていう。
ネアンデルタルジーを選んだのも、ちょっと諸説も今あるんですけど、学会の方でもそういう。
考古学の学会でも諸説あるんですけど、初めてヒット族で花を手向けた。
死に対してってことね。
死者に。洞窟、シャニダールというか洞窟があって、そこに横から花粉が出てきたんですよ。骨と一緒に、ネアンデルタル。
その花粉っていうのは絶対そこで咲かない花なんですよ、洞窟の中の。
じゃあ持ってくるしかないんだったら。
持ってくるしかないということで、そこでどう始めて、じゃあその世界でどういう感じで悲しいんで。
人の起源っていまいと曖昧だったりもするので、人ってなんだろう、その死を悼んで思いやるってとこが一番人間臭いんじゃないかなって、
僕ちょっと思っちゃった。
それにすごい感動したっていうのが、その話聞いたとき。
それ聞いたのは結構小さい頃だったんですけど、NHKがやってて、それをたまたま見て、すごいみたいな感動したようなのを覚えてて、
もっと調べてて、それを頭蓋骨を、本当に悲しいってことは好きだったってことじゃないですか。
そういう人のことを思ってた。
愛着がある。
愛っていうのを軸にしながら生と死っていうのを上手く表現できないのかなって。
それで花で覆うっていう。
それで忘れな草っていう花で覆うことにしたのも、花言葉が真実の愛っていう起源。
言葉で言うとやばくさいので。
これを作品で見せるのはいいんだね。
思いっきり言ってみようと思って。
言葉で言うともうどうしようもないのも。
でもなんかあるじゃないですか、好きだって言いながら。
照れくさいって言わないっていうか、ありきたりだし。
それはミュージシャンだったら歌にしてるのかもしれない。小説家だったら小説にしてるのと一緒に。
かっこいいと思ってるけど。
ただしくは工芸っていうスタイル。
工芸で、生と死、そして愛っていうのをテーマに何かできないのかなっていうので。
だんだんこういうものが作れたらいいなっていうのが、なんとなくイメージが湧くじゃないですか。
じゃあそれをやってみようって思ったら、死ぬほどきつかった。
そうだよね。
コンセプトまではいけないけど。
それを形にするってやっぱり大変なことなんで。
もうそこからが長い長い。
まず最初どこから手をつけたんですか。
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左。忘れな草を作るところ。
忘れな草を作るところなんですけど。
作り方を。
まずそもそもざっくりした中筋って何ですかってことだよね。
先端の下、中筋。
中筋っていうのはもう要は型を作って、その型に金属を流して造形していくっていう。
一回金属を溶解するっていうのが中筋。
溶かす。とろとろの液体状。
液体ですね。もう液体。
その型に入れて冷やしてから取ると。
そうですね。型に流して。空間が空いてるんですよ。
例えばお花だったらお花の空間が空いてる型があって、その中に溶けた金属を流していったら冷えて固まりますよね。
つまりタイ焼きと同じ。
でも若干近いですね。
パカッとやったらタイの形ができる。
理屈は金属版ということ。
割って出すので割り型って言うんですよ。
タイ焼きの場合は?
場合は割り型って言うんですけど。
金型っていうのが金属でできるような型が。
あれの特徴が抜け勾配といって、ポンと型が全部引っかからない。
中のものが型に対して引っかかりがないように作らなきゃいけない。原型っていう。
それが抜け勾配で、横で割ったらポンと出てくる。
それが野坂に言う一般的な鋳造のイメージってそっちの方が強いのかなって思うんですけど。
だから工業品物とかはものすごく計算されて抜けるようにちゃんと作れてるんですね。
エンジンとかも。
エンジンも鋳造なの?
エンジンも鋳造なので、また電気のアイテムは細かいこと抜いてる。
でも基本的に鋳造って中均って遠い世界のように思ってるけど、実は身近なものは鋳造?
むちゃくちゃ身近です。
で、だんだん技法が世の中一般的になってきたら、それがプラスチックになった。極端に。
プラスチックも鋳造で作る?
鋳造というか、どろどろに溶けたプラスチックをブッて流して、パッと金型で抜く。
なるほどなるほど。でもこの金型のパターンは2つあって、それをパカンとやるシステムと、そうじゃないのもあるってこと?
そうじゃないっていうのがあるんですけど、僕の場合見たところ、見てもらえばわかると思うんですけど、引っかかりますよね。
作品が花だったりするわけだからね。どっちがA面B面なのかがよくわかんない。
わかんないですし、むしろもうA面B面もないんですよね。
なので、どうするかって言ったら、型を壊すしかないんですよ。
石膏とかそういうこと?
そうですね。石膏で壊していく。石膏で型を作って。
まず最初に型を作って。
24:00
難しいんですけど、だから量産型の鋳造とそうじゃない鋳造がそこで分かれていて、
その時、壊れないといけないという型が、自由造形を求めていくと究極の。
型が壊れるのが前提で作っていくので、それが一点物になっていく。
それさ、型に、要するにどこかから穴から入れるわけですよね。
一箇所多分穴が開いてて、そこにどろどろ溶かしていくと、丸になる丸とか四角になる四角が、石膏の中に内側にそういう形があるわけですよね。
で、溶かしていく。固まった石膏を壊すと中にその形ができている。
理屈は分かるわけですが、それは開けてみるまでも分からないってことね。
分かんないですし、すごいマニアックな話しちゃうと、さっきポンって出すと原型がポンって取り出せるじゃないですか。
たい焼きパターンであれば。
原型が取り出せたから中に何か注入しても同じように取り出せるってことですよね。
原型は取り出せなくていいので、取り出せなくするんですよ。わざと。複雑に。
原型を入れて、僕の場合は石膏なんですけど、石膏はシャバシャバ水で反応して固まるので、シャバシャバの状態をザーッと入れて埋めちゃうんですよね。
型の割り目なんてないんですよ。
一個になるからってことですね。
これがあったら。
今栗があります。
これをただこういう枠の中に入れちゃって、ジャーってやったら、そのまま沈んじゃいますよね。
まず栗が、じゃあ今目の前に栗があります。栗を持ってきました。
鼻にしようか。いつも使ってるやつにしよう。
鼻ですよね。
鼻があります。これはだから買ってくるんだよね、鼻を。
そうです。鼻を買ってきて、このまま包んじゃいます。
何か石膏をかけても流れないような筒にまず入れます。
そのまま入れたら鼻が埋まっちゃいますよね。
筒でもいいけど箱でもいいけど、何かしらにまず鼻を入れると。
容器のようなものに。
そこにまず柔らかい石膏を入れるわけですね。
そうですね。水というか柔らかい石膏。
だからセメントがドロドロの状態みたいなもんですよね。
それでドボドボといって鼻が完全に埋まりましたと。
そしたら固まるまで待つわけですね。
そうですね。
そうすると今固まった石膏の中に鼻が入っている状態。
でもこの場合は今穴が開いていないですよね。
それでもう鼻を取り出せないですね。
取り出せないですね。
埋めただけ。
埋めただけ。
そこで一つ大事な条件が焼くということなんです。
石膏ごと。
石膏ごと焼いて中を無くさないといけないですね。
鼻が灰になるんだ。
灰になります。
で、一番本当は僕のこの鼻を焼くっていうのが全然主流じゃないですね。
27:03
このやり方は特殊なやり方。
本当は本来何でやるかって言ったらローでやるんですね。
ワックス。
ワックスをそのまま埋めちゃって木にかけたワックス溶けて出てきてくれますよね。
空間が綺麗に出てゴミもないっていうか綺麗に焼き切れちゃうんですよ。
じゃあまず何か金属で形作りたいと思ったらワックスでその同じ形のものをまず一回作る。
それを石膏で固める。
焼くとワックスがどろどろ溶けていくから穴が開く。
そこに金属を入れて固めるという作業でようやくできるんだ。
それがロストワックス法って言われるジェリーとか複雑な細かいものとかでもいいですし。
あとヨーロッパである石膏、ブロンズのヨーロッパのイタリア鋳造の石膏の鋳造とかもそれでできてるんですよね。
今お見舞いにある花は花でも忘れなく小さいパターンはそういうふうにワックスで小さいのを作ってこれで大量に作っていくわけですね。
作ってますね。
もう一つの考え方をもっと楽にしていくと、燃えてなくなれば何でも鋳造できちゃうということもいる。
でもワックスの場合は液体にまた戻るから取りやすそうな気がするんだけど、花は灰になるからゼロにはならないよね。
ゼロにはならないので、それで必ず鋳造欠陥が出るので、だからプロの人とか絶対やりたがらないですよ。
生まれ屋さんにこれちょっとやってって言っても、出てきたら失敗してるじゃんって言われるのは目に見えてるので、絶対やりたくない。
でも高橋くんはどうやって灰を取り出してるの?
もう必死で吸い出すしかない。そこが原始的ですよ。見たら驚かれると思うんですけど、吸い出すしかなくて。
吸い出す工夫もそこそこやるんですけど、毎回同じ形じゃないので。
花によって違うわけだから。
違いますから。
しかも花が何ミリになるんですか?花びらって。
一番そういうところで0.1ですね。
0.1ミリなの?
アルミホイルと同じ寸さっていうか。
これを花入れます、焼きます、灰取って吸い出しました。
今外側からは見えないけども、中には花の空洞ができてますってなるじゃないですか。
そこに金属入れますよね。
これは金属がちゃんと先っぽまで行ってくれるとは限らない。
もう行かないです。
どうやって先っぽまで行き渡らせるんですか?
行き渡らせるのはあれですね。
最新技法というか、真空化圧中像法というのがあって。
真空化圧中像法。
言えなかった。
中像法。
30:00
どういうものですか?
胃がたの中の空気を限りなく真空の状態に近くするんですね。
そうすると奥まで行き渡るようになる?
そうですね。
入るときに空気が邪魔するんですね。
実際普通にやっちゃうと真空状態でないと。
普通の中像だと重力だけの力でバーって流すので、その時も空気邪魔するので、空気の逃げ道が上に来るように金属が流れる道を設計するんですね。
めんどく、大変。
全部それで昔からそうやっていて、それが湯道法案。
金属の道?
金属が液体みたい。
お湯みたいって昔は言った。
湯っていうのが溶けた。
湯道って金属が流れる道。
湯道の法案っていうのがすごく重要なんです。
それは工業移物でも美術移物でも湯道法案という基礎中の規模で、それができないときれいな中像がまずできないんですね。
そこにはまずガス抜け。
要は空気の抜け方。
それまでやっても開けてみて、できてないってこともあり得る?
あり得る。
それはもう金属自体も溶けてるので、ガスが出てるんですね。
金属から?
金属からガスも出るので、そのガス抜けとかの法案も考えながら湯道の法案も考えないといけないですし。
じゃあ設計図作るの?
いやもう、
感覚?何度もやって。
工芸も設計図は作るんですけど、美術移物の場合は毎回造形が違うので、その法案に関しては職人の経験値ですよね。
そこも高橋君的にこれはいけるなとか、この形だったらいけるなっていうのはなんとなくあるんだ。
みんなもう失敗はしてると。
誰か最初に失敗して今の湯道法案が、あと教えてもらいながら普通の中像ができてくるんですけど、
僕みたいなイレギュラーなものはもう最初から失敗ありきを覚悟して挑まないと、まあ意味の形にならない。
前例がないからね。トライアンドエラーしていくしかないんで。
これ花はさ、でも何の花でもいいわけではないってことですか?
そうですね。そこは難しいんですけど、理論的には何の花でもいけると思うんですけど、
真空にする容器があるので、その中に異型がまず入らないといけない。
その機械はもう上限があるわけですか?
上限があるので。
ひまわりみたいなでかい花とかじゃ無理?
もうちょっと厳しいですね。なのでその機械にまず入るっていうか、その機械があれですよね。
なんでその機械があるのっていうのが、結局ジュエリーの世界の発達した技法なんですね。
美術用じゃなくて、工芸じゃなくて、ジュエリーを作るためのもの?
33:00
もっと言えば、歯医者、歯科の銀歯とか、ああいうのをまず鋳造したりとか。
あれも鋳造なんだ。
確かにみんな噛みますよね。
噛む噛む、おいしくないやつ。
おいしくないのに噛んで凹むじゃないですか。凹んだとこにワックス入れて、歯の形ができるので。
ワックス作ってるんですか?
ワックスになるので。
それをまた石膏に入れて、やって銀をピュって流すんですよ。
なるほど、知らんとこでお世話になってるんだ。
めちゃめちゃお世話になって、それでもっと複雑な装飾的なものになっていったのが、ジュエリー業界ですね。
この真空化発、鋳造法っていうのが発達。
それをじゃあ、もしかしたら初めて美術に取り入れた人物なのかもしれない。
そこまで本格的に入れたのは、そうかもしれませんね。
でもやっぱり形に、小さいものを抽象とする技法なので、みんなの欲求を満たせなかったんですよね。
大きいものを作りたいって。
そこに関しては、なかなか研究はすごい進んだっていうか、進んじゃなかったと思います。
でも前聞いたことがあったけど、この花は買いに行ってたんだよね?
今も買いに行くんですけど、やっぱり生き物ですから鮮度が重要になったりとか、
あと針ですね、ずっと触ってたら明らかに怪しい人じゃないですか。
だから見た目とか、透け感とか。
結構行きつけの花屋さんがあるってこと?
それで唯一見つかったところが一軒あって、そこは抽象率、成功率が高いんですよ。
そこの花屋の花は?
最初はどこで買ってたんですか?
普通の花屋さんなんですけど。
毎日行ってたんですか?
僕は寝ずに住んでるんですけど、柳の近くで花屋が多かったんですよ。
物価ね。
物価が多かったので。
でも物価のところで何を基準で話し入れてるか、見た目だったりとか、
長持ちするために買ってたりとかするので。
物価よりも違うんですか?
そういうのが分かるようになってきたんだ。
マニフックですよ、そんな話。
物価こんなに吟味して。
だってでも家スタジアムで物価買いに毎日来るから、店の人に怪しまれて。
めちゃめちゃ怪しまれて。
最初、今説明しててもなかなか伝わりづらいじゃないですか。
そして、話すのめんどくさいし分かんないだろうなと思って。
何してる人なんですか?って聞かれた時に。
最初、芸大なの?って言われた。芸大近いので。
芸大なんですって言って。
花、ちょっと興味あって。作品に使いたくてって言って。
最初、絵描いてるって言って。
嘘ついて。めんどくさいからこういうふうに説明するって。
36:02
画家が絵買いに行くって普通じゃないですか。
絵描いてますよって。
だったら駐属失敗しますよね。
また買いに行くんですよ。
花、昨日買ったのにみたいな。
2、3日後になるんですか。
あれ?うちの花は息が長いので自慢ができない。
え?枯れちゃったの?心配枯れちゃって。
いや、すごい良い花でって言って。
だからまた買いに来たんですけど。
焼いたとは言えないよね。
焼いたとは言えないので。
工芸やってるって。工芸で花ってピンと来ないと。
実は彫刻やってて。
なんの嘘だよ。
もう一回嘘ついたのか。
彫刻だしみたいな感じで。
はいって言って。
3度目で実は駐属しててって言って。
でもゆっくり言ったところできんぷんかんぷんでした。
だから花よく買いに来てくれるから。
決して燃えてるとは言えなかったんですよ。
息が良いで同じ意味なのにね。
すごいおばちゃんが朝起きて一生懸命見て
仕入れたものをひとすら燃やしてるやつって言われたの。
やばいなと思って。
でも逆に永遠の命が与えられたわけだもんね。
これによってっていう。
それでやっと展示が。
超絶技巧展って分かりますかね。
三井記念美術館で数年前にやりました。
その時にやっとカミングアウトして
見に来てくださいって。
これを作ってたんですよね。
なんて言われたんですか。
すごいって言われて。
見てあれは何なの。
うちの花があれになってるのって言われて。
そうなんですよ。
全部あれになってますって。
だからめちゃめちゃ燃やしてましたって。
いいのよって。すごいわって。
言ってくださって。
やっと正直に言えた。
本当だよね。
今もそこで買ってますか。
今もそこで。
そこがやっぱり一番良いんだ。
座りの良さとか。
あといろいろ相談もできるようになってきて。
こういう花をリクエストしたりとか。
できるようになってきて。
結構ありがたく。
ごよたしの店があるんですね。
ごよたしになりましたね。
最初はどうなるかと思ったんですけど。
これさでもさ、花今目の前にあって。
これは成功したやつと失敗したものも
あえて持ってきていただいたんですか。
これなんですけど。
開いちゃうんだ。
開いちゃうというか、
取り出した段階で開いちゃってる。
はい。取り出して。
その時出す時も壊れちゃうんで。
発掘みたいな感じで。
石膏を丁寧に丁寧に水で溶かしながら。
花びらだけじゃなくて中の
芽しべとかそういう部分も
ちゃんとあるわけだもんね。
難しいんですよね。
極限の薄さなので
さっきガス抜けの件もあったんですけど
単純なところで途中で冷えて固まっちゃうんですよ。
39:00
薄すぎるから。
薄すぎると。
なるほど。
では金属を濃度高くして入れればいいじゃん
みたいな話になるんですけど
そうするとアルミって結構ガスガスになって
スポンジになって荒れてくるんですよ。
あ、そうか。
金とかアルミなんだね。
大切な温度で固まらないと
非常に煮物として汚く出てきてしまったりとか
さっきも言ったように
高温で溶ければ溶けるほどガスが出やすくなる。
なるほど。
水と一緒ですね。
温度が高い水の方が水蒸気化しやすいです。
では今度は温度はある程度
ここぐらいまでしかならないと。
これが限界だというのが何か見えてくると
今度は胃がたの方を温かくして待っておけばいいじゃん
みたいな考えが出てくるんですけど
それはそれでまた成功率もあるんですけど
またガスが出やすかったりとか
薄いところと真ん中の部分が
無垢って言ったら塊なんですよ。
はぁはぁはぁ固まってる。
その時に温度差があって固まる速度が変わってくるので
荒れ方が変わっちゃうんですよね。
なるほどね。
その時に何が起きるかというと
色が汚くなってくるんですよ。
これ今目の前にある色は元の金属の色?
元の金属の白い色。
もちろん後でちょっとした処理はしてるんですけど
処理してもやっぱり荒れて出てくると
結局テクスチャーの話になってきちゃうので
仕上がりが汚くなってくるんですよ。
そこがすごい悩ましい。
せめぎ合いというか絶妙なラインが色とあるんだ。
あっちを立てればこっちが立たずみたいな。
だいたいの教養範囲内が見えてきて
花の形にも変わってくるので
そこはもう教養範囲内を自分で探るしかないんですけど
この花とこの花は違うんですよ。
別の花によってやり方も違うんだ。
この栗みたいな形とかだと
花と全く違う方向で温度を決めていったりとか。
結局この花を最初に買いに行ってから
どれくらいでここまでたどり着くかという。
買ったらなるべくその日にうちに
形を作らないといけないので
形を作ったらその日に釜に入れないといけないんですよ。
あんまり日にせよがあったら
形の強度が落ちちゃうんですよ。
これで高橋君的に
いけるってなった瞬間
トライアングラーを何回も繰り返したと思うんですけど
始めた日からどれくらい?
そういうことですか。
やり始めて着手して
着手して
もうやばいんじゃないですかね。
もう考えたくないんです。
1年はかかった?
1年以上かかった。
今も継続して研究してますから
最初は10分の1以下でしたから
成功率が。
42:00
成功率が。
それが今何年目になるんですか?
5年。
5年で成功率どれくらいまで上がってる?
これでやっと3割になってきました。
これはかなり5割超えになってくると思うんですけど
花によっても
しかもさっき言ってたけどさ
だって前例がないわけだから
やってれば成功するだろうなっていう
確証はないわけだもんね。
できない可能性もあるのに
チャレンジし続けてるってことでしょ。
でも確証みたいなのは
やっぱりインの研究で
あったんですよ。
これの真空加圧鋳造機の
介護官ではないですけど
ただ吸引するだけの機械で
基本芋の厚さが3ミリないと
重力の力できれいに鋳造ができないんですね。
それを1ミリまで成功してたんですよ。
その鋳物のやつで。
で、アルミで鋳造してて
で、真空でしかも圧力までかけて鋳造したら
もっといくんじゃない?みたいな
勝手なんか自分の手応えみたいな
その1ミリでインスタレーションみたいな作品を作ってたので
それも花を使ってやってたので
なんかもっといけるんじゃないかなっていうのを
睨んでて
たまたま運よく学校に予算がついて
真空加圧鋳造機が入って
じゃあ僕がこの機械の管理の担当しますと
めっちゃ勉強して
作った会社の使い方とか全部マスターして
いろいろやってて
なんとか研究してた
普通の人だったら
この花ができただけでもすごいから
これで作品ですって言いたいじゃん
最初のコンセプトはそれだったんですよ
これをさらに動物のね
いっぱいやるわけでしょ
3点もかかってるよね
3.11が起こる前は
新しい美の価値観が生まれるんじゃないかっていうか
そういうテーマでやってて
これだけでやった時に
なんかしっくりこなかったんですよね
これができたからと言って
花が綺麗にキノコになった時に
そこで作家性ってどうあるのかな
工芸っぽいこれこそ
技術の強さが目立ってきちゃって
もっと自分が伝えたいことを
なんかパッと見
全面的に出せないかなって
思ってた時に3.11が来ちゃって
あーってなって
何かやらなきゃっていう
必死でちょっとあの時はもがいてましたね
作家ってなんだろうとか
作家性ってなんだろうとか
花のところに水玉というのかな
玉がところどころについてる
45:02
これは何でつけてるんですか
これはワックスですね
花を沈める時に
その時点でワックスの玉も乗せる
花を買ってきて
花が目の前にある時に
ワックスでポンポンポンと雫をつけて
それを胃がたにして
胃の中作って焼くと
じゃあこの花の作り方は
多分分かっていただけたと思うんです
一応
なんか忘れながら
これをじゃあ
その動物の骨
頭蓋骨に同表面にこれをつけていく
つけていくってことですよね
でさっき言った
作家性っていうところもあるんですけど
やっぱ花だけだと弱いと
頭蓋骨っていう
なんか象徴的な
造形しなきゃいけないんですよね
花単品って
自分が造形してるところってないじゃないですか
花がその中にいるので
じゃあ自分が何かといったら
コントロールする必要があるんですよ
形を
そういう時に
そういう風にした時に
実際の花をつけていくと
しおれるし
造形する時間がまるっきりないので
やっぱり一回ワックスというか
自分が慣れた素材に一回変えないと
造形するときは粘土で造形しますよね
はいはいはい
なのでじゃあ僕が慣れてる素材で
ワックス、鋳造にも相性があるので
ワックスで一回造形する必要がある
頭蓋骨だと
はい
頭蓋骨じゃあ買ってきたり
なんなりしてそのお手本と
全く同じものを作るわけですね
ワックスで
まずはって
そうですね
自分が
これたまたま
目の前に
これワックスでできた頭蓋骨とか
これは違います
これは普通の
レジンでできた
本物の空通ったやつで
場合によってはもう
一から粘土で
ずらっと作ることもあるんですけど
なんか息移しっていうのも
若干少しテーマにも入ってるので
なんか生きた
アーカシーというか生きた形
もともとこう生きてたものなので
それを形取るっていう
レジンっていうのは
ワックスとはまた別物なんですか
全部プラスチックというか
はい
樹脂ですよね
でまず作るわけですね
レジンでできて
これを普通に石膏で取っちゃいます
なるほどなるほど
さっきの要領で
要するに型を作るわけですね
はい
石膏
ただ石膏で取るのが
これなんですよね
これがワックス原型を作るために
石膏を取るっていう
ん?ん?ん?
ちょっと待ってね
おーどういうこと
え?
その石膏は金属のために
作るわけじゃないんですか
はい
これを
はい
花をこう置いていって
その石膏の内側に
そうですね
忘れな草の小っちゃいパーツを
どんどんどんどん入れていく
それでこれでくっつけていく
ハンダゴテで
ワックスでできた忘れな草をくっつけていく
48:02
でその頭蓋骨の表面を作っていく
はい
作ってぺろっと剥がしたものと
こっちでこう繋げていけば
理屈上どんどんできていく
はい
厚さ1ミリ前後の
忘れな草で薄い膜みたいな
こいつができるんですよ
ほーほーほーほーほーほー
ちょっと待って待ってちょっと待って
もう一回最初からやらないと難しくなる
頭蓋骨がまずあります
頭蓋骨のパーツを一回作りました
レジンというプラスチック的なもので
はい
これ何でもいいんですけど
それで石膏は
その石膏のパーツは
その次にどこのタイミングで作るの
まずそれで石膏
これができたら
まず石膏をかけて
割らないといけないので
今までは石膏入れたじゃないですか
そしたら焼いちゃってましたよね
焼いて穴を尽くしたじゃないですか
今回は穴を作んないんだね
金属流す
これは難しいのが
目的がさっきの方と違いますよ
石膏の方
さっきの石膏の方は
金属にするための方なので
今度はワックス原型を
作るためだけの石膏型なので
全然種類が違う
だから石膏を
今目の前にあるのは
軸層パズルの立体パズルの
パーツのようになっているのは
普通だったら
金属入れるんだったら
もう壊しちゃっていいから
それもなくていいんだけど
外側を作りたいってことだもんね
ニュアンスとしては
ニュアンスとしては
これに石膏
これに金属
もともと流せないんですけど
側を今作ろうとしている
外ごとの全体
ワックス原型
だからこの造形を作るために
ワックスで
単純にこう
2パターンあると思うんですよ
こういうのを器用に
手で何もない状態から
作ってくねくねしながら
これにしていく
それだと
一回それでもチャレンジしたんですけど
めちゃめちゃ精度ないんですよ
ワックス原型を
ワックス原型っていうと
何の形かわからないけど
ワスレナグサのワックスが
今目の前にあります
ちっちゃいパーツが
これを組み合わせたものを作りたいんだよね
そうですそうです
ここに今目の前に
ワスレナグサのワックス原型があるんだけど
このワックス原型を
対応にこう
敷き詰めてって
まずその要するに
頭蓋骨の
形にした局面のものを作ります
そしてそこに今
ワスレナグサパーツが
たくさん今敷き詰められました
これを焼いたら
ここにその穴が開くから
ここに金属流せばできるってことですよね
っていう作業を今してるということ
その敷き詰める作業というのはそういうことなの
そうです
51:00
そうすれば今
パーツがいくつも立体パーツに分かれてるから
例えば頭蓋骨を
単純に言って
例えば4等分しましたと
まあまあちょっと難しいけど
4等分して
右前パーツ
左前パーツ
後ろパーツみたくするじゃないですか
これとこれはどうやってくっつけるんですか
そのパーツパーツは
パーツパーツはこれが
これパーツの
収まるようにできてるので
じゃあもう一発で
できるんだ
この敷き詰めた頭蓋骨
忘れな草でできる頭蓋骨が1個できる
そうですね
ここで合わせ目が出るので
ここに合わしながらくっつけていって
これをきれいに抜くと
ほうほうほう
そしたらここに
側面がついた状態で立ってくるので
最後は
下のものできて
合わせた時に隙間を
埋めてく
この忘れな草の
全体パーツ
頭蓋骨の形になりました
に先ほど出てきた
この大きな花は
どのタイミングでつけるんですか
その母体の
が全部金属になった後に
それをつけます
ハンダ的なもの
ハンダですね
特殊なやつですけど
ちなみに目の前にあるこれ
何の頭蓋骨なんですか
これはブルドックですね
ブルドックのサイズで
サイズと言ったら
どれくらいと言ったらいいのかな
ソフトボールくらいの大きさ
これで忘れな草のパーツは
全体でいくつくらい
使うことになるんですか
1000では効かない
1000では効かないと思いますね
じゃあこの忘れな草パーツは
異常に作らなきゃいけない
そうですね
下側が先にあるので
5000は余裕だと思います
すごいねこの作業
よくその質問されるんですけど
数えてたら仕事できない
1,2,3,4,5とか
やってる場合じゃないもんで
じゃあこの忘れな草パーツは
家にたくさん
用意してあるってこと
それも作るんですよね
それは
ジュエリーの
対応生産の技法を応用して作って
自分のオリジナルを入れるので
これも本物の最初
忘れな草を焼いて作って
焼いてさっき言った
花の作り方で
その時に2箱
200リンぐらい焼くんですよね
ちっちゃいので
そのうち
綺麗なのを選抜して
入ってる入ってないのがあるので
54:01
すごいなそれ
大体40種類ぐらい
あって
それを
40種類ぐらい裏に
ちょっとやっぱり
ワックスを流さないといけないので
大体1ミリ
横に行けば行くほど薄くなるように
作ってるんですよ裏を
そういうことなんだ
収蔵しやすい形に
全部していって
マスター原型と言うんですけど
それを作って
それをゴム型と言って
シリコンドリルより強い
これぐらいのものに
型を取るんです
金属と
裏打ちは樹脂でやってるんですけど
取って
そしたらそこに圧力をかけて
ワックスをシュッと流し込むんですよ
そしたら
ワックスができたのが
わしの長さが
大量にできるので
それを丁寧にブチブチ切るとき
10時間切ってっていうのを
5000個に達するまで
やって
5000個に達す
なぜだってさ
今聞きながらさ
途中から半分入ってこなかった
この作業をやってるという
すごいんだなってことだけは
これさでもさ
絶対聞かれると思うんだけど
こんな作業してるってことは
細かいの普段も
全然細かくない
貴重面な人しかできないのかな
とこんな思う
これだけ逆に
料理とかもし
カレーとか作るときとかも
適当にざく切りとかじゃなくて
これ以上なのあるんですけど
そんなに
別に全てのものに
置いてそうではなくて
製作に関してもってこと
製作に関しても
貴重面の方
でもこれでも
細かくない
これで?
何を言ってるのよ
もっと
すごいきっちりやってるじゃないですか
皆さん
ザクザク汚いな
ザクザクなんて
もうちょっとしっかりしよう
っていつも思う
思う人なんですけど
他の方を見て
自分の見受け
自分の作品完成してもちろん
作品として出してるからには
自信があって出すとは思うけど
自分の中ではまだザクザクだと思うのある?
もうちょっとこうやっておけばよかったなって
ずっと見てると
やってるときは必死ですよ
前回の思ったことをブラッシュアップしよう
って必死で
思って
ちょっと変えると結構
失敗にすぐつながったりするんだ
すごい科学的な要素もあったり
物理的な要素も
大きいので
でもそこを越えて
57:01
ちょっとずつ進化していかないと
一回これができるって思っちゃえば
みんなできるようになっちゃうじゃないですか
いっぱい
探すのは大変なんですけど
でも分かったといったら
良いスタートで
僕はちょっとだけ進んでるだけだと思ってるので
だったら自分なりにどんどんどんどん
レベルアップ
レベルを上げていかないと
何にする
すげーな
美術で耐える表現ってそこがちょっと難しい
ですよね
でもそういう要素ある気がしますね
ドラゴンボールみたい
僕あれだけ強くなったから
もう終わりかと思いきや
まだまだ
フリーザでもすごかった
セルって何
地球にいたの
魔人ブーム
好きないんだね
力って
そういうことなんだ
皆さん伝わっていただけたらいいな
この番組は
なんかしながら聞いてます
みたいなコメントいただいたんだけど
今回みんな作業の手は止まるよね
理解しようとするから
申し訳ない
伝わらなかったら
僕の技術のせいです
それは俺の責任
だからそれは良くない
ありがたいですね
でもそうやって
なんとか皆さんは分かっていただけたのかな
ちなみにこの制作中
今ね
聞いてるとものすごい
めんどくさそうな感じがしたんですけど
楽しいのやってて
いや辛い
ですけどね
でも楽しい時もありますよ
どういう時が一番
花が綺麗に出てきた時
なるほど
ちょっとギャンブルっぽいのかな
僕ギャンブルだから絶対やらないんですけど
1か8か
毎回来て
出てきた時
綺麗だな
なんか
思うんですよ
これ本当に失敗したらどうしようって
機嫌制まったく
あるので
でも髪がかって生える時があるんですよ
それが
本当に感動しますね
なんか花の
茎の部分
茎の部分に
水分を吸うために産毛が生えるじゃないですか
あるあるある
全部出たんですよ
温度も
全部ピッタンコで
多分全ての条件があったんですよ
自分でもびっくりする
ゴミかと思ったら
ゴミみたいについたなと思ったら
明かりいったら
これ金属じゃんつけてない
あれ?みたいになって
ツンと触ったら
全部綺麗に
曲がっていっちゃって
金属の強度を持ってしても
1:00:01
産毛だからね
自立できなかったんだなって思って
いやそれすごいね
あれ見た時は本当に
感動しましたね
へえ
やってる楽しいんだね自分の中では
自分が想像しない
発見があるのは
面白いかもしれない
100%自分で
絵画とかって
コントロールできると思うんですよ
彫刻とかって
陶芸はそこは
ある程度まで頑張っても
神の領域的な
部分があるので
そこが楽しい
陶芸の炎の芸術っていうか
自分が予期しない
美しさが出会えるっていう
要素がやっぱり
均衡の中でも特にある気がしますね
そうなの?
釜の仕事っていうか洋業って言うんですけど
そういうのは
自然の力に任すっていうか
そういうところがあるので
そこは面白いから
なるほどね
最後これだけ聞いていいですか?
最後これに
行きましょうかね
時間も今回迫ってます
高橋さんにとって工芸って何ですか?
これ結構
工芸っていう概念
自体がどんどん
膨れ上がって
工芸イコールクラフト
翻訳の仕方も間違っている
思っている方で
すごい日本的で
日本人のアイデンティティが
すごく濃く
残っている分野でもあるし
一言で
今なかなか言えない時代に
僕が
高橋さんにとってのっていう
僕にとって工芸って一つの答えが出てる
っていうと
やっぱり素材感ですよね
ほうほうほう
素材
ただ素材だけを
扱うときのようなもの派みたいな素材の
シンプルな力みたいなんですけど
素材とやっぱり
その素材が素材で見えなくなる
ぐらいの美しさ
でもその素材でしかできない表現
一線を超えたクオリティですよね
それを
実現しているのは技術なんですよね
結局
そこの双方が合わさった
素材感というかさらに
神が変に神秘的にも
思うぐらい
あるぐらい工芸
っていうのはその素材感
日本人の本当に
宗教観にもあるような
いろんなものに神様が宿る
いろんなものに神様が宿る
一つどこかで目つぶれるぞみたいな
何でも神が宿って
それぐらい
実は素材に没頭して
崇めて
その時何か
その状態になる
がんがん
入り込んで作っていって
その時に見えてくる綺麗さ
美しさというか
だから何度失敗しても
何か見える
1:03:01
綺麗なんですよね
熱とか
熱い金属流して
型壊した時に
あったかいんですよ
生まれてくる鋳造物が
生命の誕生にする
それがものすごく綺麗で
完璧に出てくる時
感動があったりとか
それってある意味一線こうやってますよね
畑みたいな
おかしなやつじゃないけど
宗教人みたいなところもあるし
でも
宗教って言ったら危ない
危なくはないんですけど
神がかってるっていう
神がかって何か神秘さを感じながら
作ってるかもしれない
高橋さんの作品ってさ
みんなに感動を与えてるけど
一番目に感動してるのが自分ってことなのかな
自分ですよね結局
自分がいいと思ってるから
作品化してるし
これってみんな
どう思う?って見せたい
すごいのできたよみたいな
すごいの見てよみたいなのも
少しは馴染みはありますよね
それで
その技法と表現が
表現したいこと
技法と素材感が
表現したいことと
マッチする
表現したいこと
素材
技法
それがトライアングルがしっかり収まることを
僕は
実現したいなっていうか
それが今ある作品
っていうか
それがちゃんと生命感
死生感にもつながってほしいし
今までこう
臭くて言えないこともすごく大事だった
臭いにもつなげてほしいし
だから苦労もできる
失敗しても
前に進めていこう
進めたときにちょっとした感動が
素材からもらえて
またやろうって気になる
素材などを育ててもらう
不思議な感じなんです
すごいいい話だ
おかしい
恐いなって
なんか
それを感じちゃうんですよね
だから
その素材
日本人に若干そういうのとかあるのかな
その素材にしか出せない
味があるって
だしもそうですよね
なぎさんのどこのわかみ
昆布
出してるかもしれんけど
昆布
昆布しか出ない
だし
細かくてごめんね
鹿児島出身だからそこはカツオムシにたどりたほうがいい
細かいことだけど
ちょっとおいしい
急に昆布で例えちゃった
地元は
おいしいですからね
カツオムシは
いいよカツオムシ話は
すごい薄かった
濃い味でした
どうして
中蔵の地に行ったのか
みたいな話は
ぜひ次回に
1:06:01
来たいなという風に思っております
01:06:31

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