1. そろそろ美術の話を...
  2. #135 青銅器を通して知る古代..
2025-07-12 54:13

#135 青銅器を通して知る古代中国の奥深き世界 (泉屋博古館 学芸員 山本堯)

泉屋博古館の山本堯さんをゲストに青銅器の制作が盛んだった古代中国のことや、現在開催中の死と再生の物語(ナラティヴ)―中国古代の神話とデザインについて伺いました。

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://sorosoro-art.vercel.app/ep/13⁠⁠⁠5⁠⁠⁠  番組の感想は、⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠#そろそろ美術の話を⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ でお願いいたします。

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠番組公式Twitter⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠もフォローをお願いします!


Guest Profile

山本堯(やまもと たかし)

  • 公益財団法人泉屋博古館学芸員。1988年、大阪府生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学、博士(文学)。専門は中国考古学、先秦史、中国金工史。


Show Notes

泉屋博古館について

  • 青銅器について

    死と再生の物語展の話題

    山本さんの本

    サマリー

    このエピソードでは、泉屋博古館の山本堯学芸員が、同館のリニューアルや古代中国の青銅器文化について詳しく語ります。青銅器の技術や歴史の重要性、展示方法の革新に触れています。青銅器は古代中国の政治と祭りの重要な関係を示す遺物であり、その技術や役割について深く探求されています。また、青銅器のコレクションや影響を受けた文化、特に日本における青銅器の収集の経緯が紹介されています。青銅器を通して古代中国の文化や歴史について探求されており、青銅器の名称や作成された背景、青銅器サミットの開催や展覧会についての情報が提供されています。さらに、古代中国における青銅器の役割や宇宙観について深く探求されており、方角菊、四神経、西王母といったキーワードを通じて、中国文化とその影響が日本に広がる様子が描かれています。青銅器を通じて、古代中国の神話やデザインに触れ、その魅力が紹介されています。

    泉屋博古館の紹介
    はい、アートテラー・とにのそろそろ美術の話を、この番組は私、アートテラー・とにが、アートに関わる方をゲストにお迎えして、トークを繰り広げるポッドキャスト番組です。
    本日は、泉屋博古館学芸員 山本堯iさんをゲストにトークをしていきます。
    ということで、ご出席いただきありがとうございます。 ありがとうございます。
    お久しぶりですというほどでもないというか。 そうです。最近よくお会いしているという。
    実は、月に1回やってるアートウォッチングニュース、アートウォッチングね、やってますけども、
    それでですね、前回、聖堂記サミットの話をしましたので、
    多分この番組では関西聖堂記サミットというのは、行われたことは知っている状態で、
    その時にお世話になった山本さんに、今回改めてお越しいただいております。
    お越しいただいておりますなんですよね。 この前僕だから京都間に行かせていただいたんですが、
    今日は東京間に、京都から来ていただきまして、今はですね、泉屋博古館東京で収録しております。
    そしてこの泉屋博古館については、2021年のエピソード29、30に東京館館長野次郎一郎さんが出演していただいておりますので、
    気になる方はそこを聞いていただけたらと思います。
    リニューアルの詳細
    ということで、泉屋博古館、一応知っている程で進めていこうと思うんですが、
    その時にもたぶんチラッと出てると思うんですけど、京都間があるってことなんですよね。
    あるというか京都間が本館。
    最初にできたのが京都間で、美術館としては1970年にオープンしているんです。
    東京がもともとは文館って言ってたんですけど、2002年にオープンということで、一応本家からやってまいりましたという。
    やっぱりそういう感覚は終わりなんですか、京都のお方は。
    いやいやいや、そういうわけじゃないですけど。
    ちょうど年にリニューアルもされたということで、リニューアルについてもぜひぜひ教えていただきたいんですが、
    結構1年半ですか、工事されて。
    そうですね、だから去年1年間ずっとお休みしてて、改修工事をずっと進めてきたんですけど、
    今年の4月の末にリニューアル以上できまして、今は新しくなった博古館として展覧会もやってますね。
    そのリニューアルの一番のポイントというか、ここがリニューアル頑張ったよというところでいうとどこですか。
    そうですね、いろいろあるんですけど、とにかく先ほどお話ししたように建物が結構古かったんで、
    いろいろ設備的なところも古くなっているところがあって、改修したというのもあるんですけど、
    展示ケースとかが今回かなり新しくなって、そこの点は特に学芸の人たちが力を入れてやってたところで、
    すごく美術品が見やすくなったと思いますので、そこは非常に良かったなと思ってますね。
    僕も京都で京都館の佐根方さんという山本さんの上司に当たった方とのトークショーを京都新聞さん式でやらせていただいた時とかも、
    去年も美術展覧フェスというイベントをやらせてもらった時は、同僚の竹嶋さんとのトークショーをさせてもらって、
    その時もリニューアルが今頑張ってますよというトークだったんですけど、
    結構びっくりしたのは、展示ケースはもちろん大変だなと思うけど、
    展示室の壁の色のグレーをどのグレーにするかで、本当に悩んでましたよね。
    見る側からしたらグレーじゃん、ぐらいに思うけど、もうなんかこの色じゃない、この色じゃない、あれもやっぱりすごいこだわりで。
    そうですね。壁のクロスもそうですし、展示ケースがないのにもクロスを貼っているので、
    床面というか底面とか。
    あれとかも本当にいろいろサンプルを取り寄せて、どの子さんにするかみたいな、あれこれやってましたからね。
    あれを最終的には何で選ぶんですか、そういう時って。
    やっぱり僕は完全に自分の感覚で、なんかしっくりくるなとかので一応決めてますけどね。
    それは結構最終的には京都館の皆さんと一致して、これだって。
    そうですね。細かいところではちょっといろいろ違うところはあるのかもしれないですけど、
    大まかに言うと、多分同じ方向を向いてたんじゃないかとは思います。
    それこそさらっと言った1970年にできてというと、それがもう前回の万博で、
    今回のリニューアルは今回の万博。
    結構それも合わせた部分は。
    そうですね。やっぱり万博との関連性というのはすごく深くて、
    回収をするならこのタイミングしかないということで満を持して回収いたしました。
    多分回収終わったら4月の20何日からですよね、リニューアルオープンってどうですか。
    もう実際3ヶ月ぐらい経ちますけれども。
    本当に多くのお客さんに来てもらっていて、
    結構我々館の人間としても久々の展覧会で慣れない中で、
    回収前よりすごく人が来てくださるので、ちょっとびっくりしながら、
    でも展覧会やってる間ってこんな感じだったなみたいな感覚を取り戻してきたというところですかね。
    お世辞にもアクセスがいいわけではないですもんね。
    サラッと行けるって観光客が入ってくるってわけじゃなくて、
    多分もう目指してくる人たち。
    八甲川に行くって心に決めた人たちが集う場所なので。
    でもそれでやっぱり今順調というかリニューアルして、
    みんな待ってたなってのもあるんでしょうね。
    そうかもしれないですね。
    古代中国の青銅器
    そんな中ですよ、山本さんの一番得意分野といいますか、
    制度サミットの人だって言ってるから。
    なるほどな。
    これからはしゃべっていくとして、
    リニューアルの一つ大きな柱が制度機関リニューアル。
    これはどういうリニューアルのこだわりとかも。
    そうですね。
    千岡八甲館基本的に展示室が2つありまして、
    制度機関と企画展、実質ってのは分かれてるんですね。
    最初にできたのが制度機関。
    それが1970年にできた。
    もともとそっちから。
    そこからスタートしてるんで、
    館の中でも一番最古産のというか古い建物に。
    1970年に千岡八甲館オープンしますという時には、
    その時は名前も制度機関だったんですか。
    それは千岡八甲館だったんですけど。
    メインとしては制度機を見せるのは結構スタートから。
    そうです。だからもうまさに制度機を展示するためにできたという。
    世にも珍しいという。
    なので1970年にできた建物なんですけども、
    建築的にはすごく優れてるという評価を受けてて、
    建物自体を建て替えるわけじゃないので、
    その建物の良さを生かしつつ、
    展示にどう反映していくかというところが一番意識にはあって、
    展示ケースとかもですね、
    全部新しくならなかったんですけど、
    既存のケースとかを併存しつつなんですけども、
    展示環境を良くして、
    ライティングとかもかなり来れるようになったので、
    今までスポットライトとかも入れられなかったんですけど、
    制度機って立体なので、
    光の当て方によって全然見え方が変わるので、
    そのあたりもかなりこだわることができて、
    本当に展示環境としては本当に良くなったんじゃないかなと思います。
    これも制度機の質が良いのは当然として、
    その見せ方がさらにパワーアップしたということですね。
    見せ方をパワーアップしつつ、
    建物の中に入っていただいたことがある方はわかると思うんですけど、
    すごく変わった構造の建物。
    天井がちょっと斜めになって、
    4フロアが大きくあって、
    それがスキップフロア。
    ちょっとずつ階段が上がっていって、最後に戻っていくみたいな、
    不思議な建物ですよね。
    建物自体の魅力を感じられるようなことを意識して、
    ケースの配置だったりとか、
    そういうこともアレンジしてきましたね。
    それもぜひ見ていただきたいんですが、
    制度機の、これまでも制度機、制度機って、
    僕が制度機さんって呼ばれましたよって言ってるけど、
    制度機って何なの?っていうのを、
    今までこの番組では放棄してましたね。
    ちゃんとやらなきゃなって。
    言ったらだって、千億過去館の1970年のオープンは、
    制度機を見せるための美術館だったって言うぐらい、
    この館にとっても大事なものなんです。
    そういうことです。
    ぜひみんなにもわかっていただきたい。
    今日はぜひ教えて。
    そもそも制度機、制度の器ですから、
    制度の器なんていっぱいあるじゃないですか。
    何を持ってまず制度機と言うかですよね。
    何でも言われてないですもんね。
    今回この番組で言うというか。
    千億八個館が所蔵していて、
    一応僕が専門にしているのは中国の制度機なんですけど、
    そもそも制度機とはっていう話なんですが、
    制度っていうのは銅と鈴の合金のことなんですよ。
    英語ではブロンズと言います。
    例えば上野にあるロダンの考える人、
    これもブロンズなんで、
    成分としては同じ、金属と同じなんですけど、
    この制度っていうのが実は人類が最初に使った金属と言われているんですよ。
    鉄とかでもなく。
    たぶんみなさん世界史の授業とかで習ったと思うんですけど、
    石器時代があって、制度機時代があって、鉄器時代。
    その制度機なんですけど。
    鉄器時代よりも前。
    前ということです。
    なので非常に歴史が古いんですね。
    制度は銅と鈴の合金なんですけど、
    合金にすることによって融解温度が下がるんですよ。
    銅単体だと1000℃以上温度を上げないと溶けないんですけど、
    そこに鈴が入ることで850℃ぐらい溶けるようになるんですね。
    だから1000℃作んなきゃいけないって言ったら結構大変だけど、
    もう少し楽になるの?
    楽になるし、鋳造っていう技法にすごく向いているんです。
    要するに金属を溶かして型の中に流し込む。
    そうすると型自体はすごく複雑な造形とかできるので、
    金属でいろんな形を作れるっていう便利さがあるわけですよ。
    ちなみに型は今だと石膏とかのイメージがありますけど、
    この時代だと。
    当時は何?
    一応中国では一番最初は石の鋳型を使うんですけど、
    石を掘っていくってことですか?
    そうです。一番古い段階で。
    基本的に発光管で鋳造されている精銅機は土の鋳型を使って、
    粘土的に固めるってことですか?
    そうですね。
    なのでその精銅機の造形って実質陶芸の造形なんですよ。
    土で物を作って、そこで陶芸だったらそこで完成だけど、
    そこに金属をいこんでいくってことですか?
    そういうことです。
    そういう特性があるんで、実は中国だけじゃなくて、
    いろんな世界中、精銅機文化っていうのがありまして、
    西洋にもちろんあるし、ギリシャ、ローマとかもあるんですけど、
    中国の精銅機文化、精銅機の一番変わっているところは何かっていうと、
    普通金属って武器とか工具とか、役に立つ道具を作るのが普通なんですけど、
    中国では儀式に使うお祭りのための器が異常に発達するっていうのが、
    一番変わっているところなんですよね。
    武器もあるんです。
    武器もありますね。
    中国では武器も当然使っているけれども、
    それっていうのは海外の人は使わないので、
    精銅、今考えると金とかよりは安い素材だけど、
    工具としては貴重なんです。
    わざわざ役に立たないものに高いものを払って素材で作るっていうのは、
    普通に考えたらちょっとおかしいな。
    ちょっとおかしいですね。
    最初は中国でも武器とか工具が出てくるんですけど、
    異常に祭りの器を作ろうとするっていう、
    僕が専門にしていて、八甲官がコレクションしている、
    お祭りのための精銅機なんですよ。
    だから精銅機の剣とか精銅機の斧とか、
    そういうことはコレクションではまだ別なんですね。
    時代でいうと何世紀から何世紀?
    だいたい説明するときよく言うんですけど、
    今からだいたい3000年ぐらい前ですね。
    日本でいうと縄文終わりかけぐらいですかね。
    日本には当然ないわ。
    日本には精銅機時代がない?
    純粋な精銅機時代はないって言われてます。
    いわゆる銅鐸とか銅矛とか出てくるじゃないですか。
    あれは精銅機?
    あれは精銅機です。
    だけど中国と日本だと時代はもう全然遅れてる?
    そうですね。だから弥生時代の精銅機なんかは、
    中国でいうと漢の時代なので、
    もう全然後なんだ。
    今言っている殷周時代よりはだいぶ後になりますね。
    殷周、新漢。
    そうですね。
    漢の前の前の前みたいな。
    そういうことになります。
    殷の時代もやってたし、周の時代もやってたわけなんですよ。
    青銅器の歴史的役割
    普通に考えたらですよ。
    すごい技術だとしたら、殷が頑張る。
    殷はさらに時代も減るから頑張る。
    殷はもっとすごくて、漢はもっとすごくなりそうじゃないですか。
    どんどん歴史というのがステップアップしていくわけですけど、
    なんで周で終わっちゃう?
    そうなんですよね。
    殷周ぐらいでマックスなんですよ。
    精銅機の技術的には。
    それはなんでかっていうと、
    お祭りというものが非常に政治的な意味が大きかったわけです。
    真剣政治とか言ったりしますけど、
    お祭りと国の政治が一体になっているのが殷周時代であって、
    だからこそ本気で精銅機を作る意味があったわけなんですよ。
    日本でいうと古墳が頑張らなくていいのに、
    古墳が頑張っているのと同じような発想なんだ。
    新漢時代になると国の体制がもっとシステマチックになっていくので、
    お祭り頼りの感じにはならない。
    むしろ精銅機ってどちらかというと、
    実用品ベースに変化していくんですね。
    青銅器のコレクションと影響
    なので、あんなゴテゴテした器を本気で作るテンションじゃなくない?ということですね。
    殷周時代から何年ぐらい続くことになるんですか?
    1000年ぐらい?
    そうですね。
    3000年前から2000年ぐらいまでの間?
    そうですね。
    こんだけあると1000年もあるわけじゃないですか。
    世の中に大量に精銅機がありそうな気がするんですけど、
    実際数としてはどれぐらい残っているもの?
    数がどれぐらいって言われるとパッと答えにくいんですけど、かなりあります。
    あることはある量としては?
    あります。
    日本にコレクションされているだけじゃなくて、
    中国でずっと発掘で出土資料がどんどん出てきているので、
    本当に何万点レベルの出土量があります。
    その中でも千億さんが持っているものは質が高い、
    有名な質、世界的に見ても。
    すごい良いものがあって。
    そうですね。造形的にも優れたものが多いなと思いますし、
    珍しいものが含まれているというか、
    中国でも出土してこないような珍しい精銅機が入っているのが特徴ですかね。
    これは何でこんなにあることになるんですか?
    千億箱管理ということですね。
    いろいろ理由はあるんですけど、
    一つは千億箱管って皆さんご存知かどうかわからないですけど、
    住友系が収集した美術品を公開する美術館なんですけど、
    住友といえば銅じゃないですか、別資銅山。
    その銅開発と関係があるということで、
    一つの関係との関わりというのがあると言われています。
    もう一つ、箱管の精銅機のほとんどを集めた人が、
    住友春水という住友家の15代の当初がいるんですけど、
    その方が大体集めたんですけど、
    その方はもともと住友家の出身じゃないんですよ。
    特大寺家という京都の奥義さんの出身で、
    西音寺金持っているじゃないですか。
    首相にもなった人ですね。
    西音寺金持の弟なんですよね。
    彼は貴族の生まれなので、子供の時からいわゆる漢石の教育を受けていました。
    結構若い時から中国文化に対する憧れがあった人らしくて、
    特に若い頃は煎茶という抹茶じゃなくて、
    煎茶道みたいなのにハマっていたらしくて、
    煎茶の中では美術品を飾って、
    それを見ながらお茶を飲みながら、
    美術について語り合うみたいなカルチャーがあるらしくて、
    その飾りとして青銅器を飾るという伝統があるらしいんですよ。
    茶の湯で言うとわびさびだから、
    韓国とかの茶碗とかのイメージだけど、
    煎茶道だとメインが青銅器みたいなものもあるけど、
    青銅器もやるんですか?
    そうですね。青銅器とか、
    要するに中国文化の影響が結構ダイレクトに出ているのが、
    煎茶の特徴なんですけど、
    そういう青銅器を飾るという伝統があって、
    そもそも春水は煎茶界で飾るために、
    青銅器を買い始めたと言われているんですよ。
    だけどたぶん途中でだんだん青銅器にハマっていったのか。
    買えるぐらい、手に入るということは、
    日本に輸入されていたということですか?
    そうですね。
    集めたタイミングも実はすごい良くて、
    良くてという言い方があるかもしれないですけど、
    ちょうど大陸では、
    清朝が滅んで中華民国になるぐらい、
    ちょうどそれぐらいの時代なんですけど、
    その時、やっぱり中国の美術品が、
    かなり海外の美術市場に出ている時期だったんですよね。
    なので、そういう良いものを買える環境だったというのもありますね。
    よく日本だと、
    日本の名品が海外に流出して、
    ボスの美術館に買っちゃったとか、
    そういう話もあるじゃないですか。
    青銅器の技術と特徴
    それと同じようなことが、
    逆に中国から流出しちゃったものもあって、
    それが日本に入っていたってことですね。
    ちなみにコレクションとしては、
    何点ぐらいあることになるんですか?
    青銅器でだいたい200点弱ぐらいあります。
    これは世界的に見ても、数としても、
    結構あるんですね。
    これでも僕が何度も教えてもらっているからですけど、
    この後の形の話とかも聞きたいなと思うんですけど、
    薄さがすごいって言ってますよね。
    そうなんですよね。
    印集青銅器はだいたい2ミリぐらいの薄さで鋳造しているのが結構あって、
    これは結構とんでもない技術ですよね。
    とんでもないですよね。
    どうやって作るのか。
    まず外側がわかるんですよ。
    だから外側を作って、型を作って、
    その中が全部銅を埋めちゃえば変な話ですよ。
    そのまま外で作りたい形ができるじゃないですか。
    2ミリってことは、その2ミリ分少ないものを作らなければいけない。
    そういうことです。
    なので外型と内型というのを両方作らなければいけないんですよ。
    内型が器の中空部分になるパーツなんですけど、
    それを組み合わせて、
    外型と内型の隙間が2ミリになるように調整しないといけないんですよ。
    これちょっと動いてくっついちゃったりしたら、
    入らなくなる。
    穴が開いちゃうんですよ。
    そうならないように厳密に調整して、
    その2ミリ、1、2ミリぐらいの厚さで鋳造するんですよ。
    だから別に全部埋めるとは言わないけど、中に空洞を作りたかったら、
    外側は変な形、でも内側はサーモボトルみたいな円筒みたいなことでもいいわけじゃないですか。
    別に理屈上はね。
    それをどうしても薄くしたい。
    そうですね、いろいろ理由が考えられるんですけど、
    中国の精銅器の一つの特徴が、
    オブジじゃなくて、一応ちゃんとお祭りの時に実用するための器なんで、
    それこそ茶道具とかと一緒なんですけど、
    お茶碗とかって手取りがすごく重たかったり、
    すごい使いにくいじゃないですか。
    だから精銅器とかも実際に本当に使うので、
    ちゃんと使いやすいように作られてるっていう。
    そのためにあまり重いと使いにくいんで。
    それはでも山尾さんの特権というか、学園さんの特権だけど、
    持ち運びできるわけじゃないですか。
    軽いんですか。
    軽いです。
    見る、見てるよりもっていうか。
    見た目だとすごい重そうに見えるんですけど、
    実際持つと意外と軽かったりするんです。
    ある展覧会の時にやってましたけど、
    あれを今の技術で実現しようと思ってもできなかったみたいな。
    そうですね。
    同じ作り方でやろうと思っても今はできないんですよ。
    そんなにすごいテクノロジーなんて。
    だから今、鋳造の技術で作品作られる作家さんとかいらっしゃいますけど、
    お話ししてても3ミリはめちゃめちゃ薄いって言われるんで。
    そうなんですね。
    それを下側の2ミリとか1ミリとかで鋳造してくるんで、中国製の器は。
    ミトマの1ミリ的な。
    2ミリなんてその世界の3ミリと2ミリは相当の差があるんですね。
    そうですね。
    はえー。
    すごい。
    ってことは強度は結構あるんですか?
    そうですね。
    それでも結構壊れちゃって発掘されるものもあるんですか?
    いや、意外と丈夫ですよ。
    丈夫なの?
    僕自身もお墓からちょうど精銅器が出土しているところを見たことあるんですけど、
    ちゃんと残ってます。
    壊れてしまう場合ももちろんあるんですけど、
    そんな壊れやすくて全然残らないってことはないですね。
    だからやっぱり薄いけど強度はちゃんとあってしっかり作られている。
    そうですね。
    これでも今皆さん精銅器好きな人は、
    精銅器の話してなんとなくこういう形かなと思うかもしれないですけど、
    何も知らないで自面だけ見ると、
    もう少し普通の形、円筒形とか思うけど、
    本当に変な形ばっかりじゃないですか?
    不思議な形。
    これだから儀式用だから?
    そうですね。
    特に中国精銅器の中だと、
    動物の姿をした器なんかも結構あって、
    千岡八甲館で一番有名なコユというね、
    虎が人間を抱っこしているみたいな器があったりだとか、
    あるいはシキョウソン、
    シキョウというのはフクロウとかミミズクのことなんですけど、
    フクロウ、ミミズク型の器があったりだとか、
    結構動物がよく出てきます。
    それはおそらく祖先の神様に捧げる特別な器だからということだと思うんですよね。
    要するに精銅器というのは一般の人たちが日常生活で使うものではなくて、
    王公貴族しか使えないもので、
    それがお祭りに特化した道具だという、
    そこが関係しているんだと思いますけどね。
    これこそ自分で精銅器サミットのMCを2回やっちゃってるから、
    弊害って言ったらひどいんですけど、
    コユって言われても漢字思い浮かんじゃうし、
    シキョウソンって言われても思い浮かぶけど、
    多分一般の人はコユって言われても字面とかも出てこないと思うぐらい、
    見たことない字が多いですもんね。
    コは虎でしたけど、
    ユがね、ハンドソープみたいな字って僕はいつも言ってるんですけど。
    皆さんぜひ調べてください。
    ハンドソープみたいな形状をした字ってことですね。
    ユはどういう意味なんですか?
    ユは一応お酒に関わる器、
    酒器の一種だって言われてるんですよね。
    飲酒精銅器なんか酒器ものすごい種類があって、
    ユって言ってるのはだいたい釣り手がついてて、
    蓋のついてる器を一応ユと呼んでるんですけど、
    いっぱい精銅器これから店内で見に行ったりとかして、
    あれは漢字ばっかりじゃないですか。
    全部漢字ばっかりで何だかよくわからないと思うけど、
    ルールはあるんですよね、ネーミングの。
    ユっていう形のものだよっていうことなんですね。
    そうですね、器種が一つ名前の中に必ず入ってるっていう。
    日本で皿とか壺とかあるような感じで、
    ユというものがまずある。
    しかもソンというものがある。
    そうです、ソンっていう種類の酒器っていうことなんですよね。
    だいたい何種類ぐらい代表的なの、
    どれぐらい覚えたらいいですか先生。
    よくあるの?
    一回それで聞かれてパッと答えられなかったんですけど、
    たぶん40,50くらい結構ありますね。
    割とありますね、種類が。
    三国志好きな人は釈は知ってるみたいな。
    結構マンガとかアニメにも釈が出てくるんで、
    三本足のやつ。
    そう、三本足で不思議な口の形した器があるんですよ。
    釈っていう風に言ってて、
    それもお酒の器なんですけど、
    釈は話し出すとちょっと長くなっちゃう。
    いいですよ、全然いい。
    たぶんこの番組だけで釈を好きなだけ喋っていい番組は。
    あれを今釈と呼んでるんですけど、
    実はあれ本当に釈かどうかわからないんですよ。
    読み方が。
    本当に釈と呼んでいいかどうかわからないんですよ。
    結構だから、
    神道器の種類は謎のやつが結構多いんですよ。
    だから今更ですけど、
    固有とか至強尊、釈とかって、
    例えば美術品の題名は、
    題名を書いてくれたりするわけじゃないですか、作家が。
    だから固有なんて、
    どっかに作者がこれ固有ですって書いてたわけでもないし、
    いわゆる箱書き的なものもないわけじゃないですか。
    青銅器の命名と由来
    伝来があって茶碗だったら箱書きとか。
    だから誰がネーミングするんですか?
    これは非常に難しい話ですね。
    基本的に命名するときは、
    器にたまに名文が書いてあることがあるんですよ。
    金文って言ったりするんですけど、
    要するに器を作った当時の人が、
    文章を書いてくれてるときがあるんですね。
    どういうふうに作ったよ、誰のために作ったよみたいな。
    そのときになんとかっていう種類の器を作ったと、
    わざわざ自分で書いてくれてるやつがたまにあるんですよ。
    それはその器の名前ってことでいいですよねっていう。
    それは研究者とかがありがたい。書いといてくれる。
    そういうの自名器って専門的に言うんですけど。
    例えばカナエっていう定談の語源になったカナエっていう。
    あれなんかはカナエって書いてくれてるんで、
    これは間違いなくカナエだってわかるんですよ。
    ところがお酒にまつわる器は、
    自名器が極端に少ないんですよ。
    なので名文から決めるってことができないんですよ。
    なのでどうするかって言ったら、
    学者たちは中国の古典文献にいろんなお酒の器が出てくるので、
    これはたぶんあれちゃうかみたいな感じで推測するんですよ。
    尺も実はそのうちの一つなんですよ。
    あとあと研究者たちが推測で、
    尺って言う言葉って何かの文章に出てくるんですね。
    なんか尺に入れたよみたいな。
    尺は文献の中ではどういう使われ方してるか。
    大体お酒飲むとき尺で飲んでるんです。
    なのでアニメとか見ていただくと、
    大体武将が尺でこうやってお酒飲みしてる。
    ところがそれはあくまでその器を尺だろうって考えてるのは、
    学者たちの説なんで、
    本当にそう使ったかどうか実はわからないんですよ。
    研究の重要性と国際的な視点
    その文章がイラスト入りだったらよかった。
    そうそうイラスト入りだったら間違いなく、
    こうやって飲んでるなってわかるんですけど、
    残念ながらないんでイラストが。
    おそらくこの形の器はこの文献に出てくる尺だろうと、
    推測してる筋ないんですよ。
    じゃあもしかしたら尺って呼んでるのは、
    違う可能性も出てくるってこと?
    出てきますね。
    実際尺で地下飲みしたら飲みやすいんですか?
    あれは絶対飲みにくいと思います。
    そんな気がしますよね。
    飲みやすさはなさそう。
    飲みやすさは多分ないと思います。
    口がみょーって伸びてる。
    ポッととまでは言わないけど、
    ポッとみたいな感じでみょーっと伸びてる。
    そこで酒地下飲み。
    そうそうそうそう。
    なんか今じゃ許されないけど、
    なんかそういうサークル飲みとかで、
    後輩をいじめるための描写があるよね。
    尺で後輩の武将を、
    尺で飲ませたとか書かれてあったら、
    確定かもしれないけど、
    そうじゃないとしたら飲みづらい。
    そうなんですよね。
    それと似たようなやつがあって、
    こういう器がありまして、
    怪獣の頭がついたみたいな器が、
    怪獣の頭がパカッと取ると、
    華麗のルーを注ぐみたいな。
    それこそ華麗のルートみたいなやつ。
    あれも字行ってどういう意味かっていうと、
    絶対喋ってても字行の字図は絶対出てこない人なんですけど、
    難しいね。
    字っていうのは牛の姿をした化け物で、
    っていう意味なんですね、字という字。
    行っていうのはその角で作った器なんですよ。
    だからそのリュートンみたいな、
    角をくり抜いて、
    ギリセン。
    が本来は字行って呼ばれてたはずなんですけど、
    今は字行って呼ばれてると全然似てないですよ。
    形もそうだね。
    この字行は、角型の字行は、
    本来は罰ゲームのために使われてると言われてるんですよ。
    やっぱり飲み干せっていう、置いとけないから。
    そういうことです。
    っていう器があったりとかもします。
    やっぱ当時から罰ゲーム的なのもあるんだな。
    じゃあ尺がもし違ったとなった場合の、
    候補はいくつかあるんですか?
    これじゃないかって言ってる説はありますね。
    それ変わるとしたら、どのタイミングで変わるんですか?
    どうなんですか。
    一つは命名あるあるなんですけど、
    もうなんかすでに定着しちゃってるから、
    もうええやんってなる場合も結構あるから、
    結構ね尺、実は尺っていう名前、
    1000年くらい前から使われてるんで、
    普通の名前として。
    制動器に関してはね。
    なのでもうだいぶ定着してる。
    なのでそれを変えようっていうのは、
    かなり力がいるというか。
    これちょっと気になるんですけど、
    例えば山本さんを含めて、
    日本にも制動器研究してる人いっぱいいるじゃないですか。
    日本の研究者の中で、
    もう尺違いましたってなるとするじゃないですか。
    もうこれです、なった時に、
    中国本場の人たちもいるわけじゃないですか。
    日本がいくら言ったところで、
    中国が突っ跳ねたらもうダメだったりとかするんですか。
    そんなことないですか。
    いや、なのでそこまで極端なことはあんまないんですけど、
    ほんと極端な例で言うと、
    結構研究者によって呼び名が違うみたいなのはあったりします。
    だから日本の研究者はこう言ってるけど、
    他の人たちはその名称使ってないみたいな。
    この時にやっぱり制動器に関しては、
    中国が絶対とか、
    そういうのはあんまないんですか。
    学会で日本の研究者が言って正しいと思ったら、
    向こうも折れてくれるじゃないけど、変わってくれるもんね。
    いや、どうですかね。
    もちろん向こうの人たちも日本人の説を聞かないわけじゃないんですけど、
    やっぱりあちらの方が研究者の数も多いし、
    日本人の説で中国の人が全員その説を改めるっていうのは、
    あんまりないことではあると思います。
    でも向こうでやっぱり本場の研究者がたくさんいてってことなんですね。
    展覧会の魅力と青銅器のデザイン
    とはいえ日本にも制動器を持っている美術館があるからってことで、
    制動器サミットが行われたという。
    ちなみにどうでしたか。
    制動器サミットからもう今2週間3週間経ちますけど、
    今回関西制動器サミットを改めてやってみた。
    そうですね。あれは現実だったんだろうかっていう。
    あまりにもいろんなイベントがあったというのもありますけど。
    だから打ち合わせも2日前の最終打ち合わせも台湾から帰ってきたばかりで、
    僕たちは空港からリモートで参加するっていう。
    で、関西制動器サミットが終わった翌日は東京で、
    その日の夜にはもう東京に行っていってましたね。
    僕が帰るのと一緒くらいのタイミングで東京に戻って行って、
    翌日イベントをやっていって、
    その生活がいまだにまだ続いている。
    その収録の日までまだお忙しいのが続いているということなんですけれども。
    というのもなんと今東京で開催中の展覧会があるということで。
    京都館のこともやってるけど、東京からの展覧会もそうですもんね。
    そうですね。
    まさにこの千億八個館東京で7月27日まで開催中なんですけれども、
    人再生のナラティブ、物語と書いてナラティブと読ませますけれども。
    これ何か誰が書いてましたけど、コナンの映画のシステムと書かれてる。
    十字路と書いてクロスロードと読ませます。
    物語と書いてナラティブ。
    コナンシステムをちょっと採用させていただいてます。
    サブタイトルが中国古代神話とデザインということなんですけれども、
    千億八個館が所蔵している制動器とか、あとは鏡ですね。
    制動鏡、鏡をメインに展示してまして、
    中国制動器とか鏡とかすごく複雑なデザインがあるんですけど、
    あれが一体どういう意図で表されているのかというのは、
    なかなかそこを突っ込んで解説する展示も珍しいかなと思って、
    タカンさんの所蔵品なんかもちょっと交えながらですね、
    中国古代のデザインに表されている世界観というのを探究するという、
    そういうちょっと挑戦的な展覧会になっております。
    これは山本さんしかできない展覧会だなと思いました。
    僕は一緒にいろんなイベントをやってきたので、
    当然違いもわかってくるし、いかにも注目するようになったけど、
    一般の人にとっては制動器は制動器、制動鏡は制動鏡と思うけど、
    この展覧会の面白いところは模様に注目していくと、
    やっぱり全然違うよっていう、
    当たり前のことって当たり前のことなんだけど、
    今までそこって誰もそんなに言ってくれなかったし、
    その物語の見せ方がすごく面白いなと。
    ありがとうございます。
    なんとなく遠目に見ているとですね、
    なんかすごそうだなで終わってしまうんですけど、
    中国古代のデザインの面白いところというのは、
    本当に寄りで見ていって、こんな細かいところに着目すると、
    実はそこにすごい深い意味があったりとかですね、
    そこに着目していくとですね、
    デザインを謎解きしていくような、
    そういう面白さというのがあると思うんですよね。
    そこの面白さを伝えられたらなと思って企画した展示です。
    展覧会でいろんなストーリーが紹介されていると思うんですけど、
    ぜひ会場に来てみていただければ、
    それが一番にこうしたことないんですけど、
    せっかくなのでこの番組で、
    1個、2個選ぶのは大変だと思いますけど、
    まずこの作品を見て、
    このストーリーをちょっと知って欲しいというと、どれですか?
    そうですね、今その展示している中で、
    たぶん一番人気であるのが四季押尊という、
    これはだって何がすごいって、
    青銅器サミットで盛り上げていくのかと思ったら、
    京都にいないっていう。
    関西で全員集めときだから、
    アイドルは東京に来ちゃったんですよね。
    四季押尊はなかなか忙しい子なんで、
    東京でちょっと出張してきたんですけど、
    さっき出てきたミミズクの形をしたやつ。
    見た目がかわいらしいということで有名なんですけど、
    実はフクロウとかミミズクって、
    中国古代では演技の悪い鳥と考えられていたらしいんですね。
    それは特に中国の古典文献の中には、
    そういうふうに書かれているんですよ。
    けれども陰の時代、
    今から3000年くらい前ですけど、
    どうも中国の古典文献が、
    だいたい戦国寛大くらいでできるので、
    ちょっとそれより1000年くらい前の話なんですけど、
    陰の時代というのは。
    その時にはそこまで悪い意味というのがなくて、
    おそらく四季押尊の形をした器だったりというのを、
    お墓の中に服装してですね、
    お墓に葬られている人に、
    邪霊が悪さをしないように見張るような、
    そういう意味合いがどうもあったらしくてですね。
    そういう意味で、
    文献だけから見えてこないような、
    古代中国の人たちの服装感というか耳づく感が、
    ちょっと垣間見える、
    そういうちょっと面白い器になっています。
    あと四季押尊がすごいかわいいのは、
    首がちゃんと外れている。
    首がちゃんと回るように作られているんですよ。
    これは多分ね、
    耳づくの生体と関係していると思っていて、
    180度動きますもんね首が。
    270度くらい行くらしいです。
    真後ろくらいまで行く。
    多分そういうのを観察していて、
    わざわざ首のところが蓋になるように、
    そうするとくるくる回るようになるんで、
    じゃないかなと個人的な推測ですけど。
    でも外れるってことは、
    ぴったしに合うように作られているってことですね。
    首の部分と顔の部分が。
    なおかつ、だから今日もお話ししましたけど、
    オブジじゃなくて、
    あくまで器として作っているっていうことですよね。
    損というのは首器の一種だと言われていますけど。
    しかもこの四季押尊のポーチまで作りましたね。
    フェリシモさんとコラボさせていただきまして、
    念願の四季押尊ポーチが完成。
    そこがすごいですよね。
    四季押尊のぬいぐるみを作るのではなくて、
    やっぱりあくまで精度計入れ物だから、
    ちゃんと中に物がかぽった頭を外して、
    中に入れれる。
    青銅器のデザインと思想
    それはフェリシモさんのこだわりで、
    フェリシモさんはリアル路線で作られるので、
    精度計だから用途がないということで、
    単なるぬいぐるみじゃなくて、
    用途も出せなきゃということで、
    それでああいう作りになっているんですよね。
    精度計の職人たちが聞いたら泣きますよね。
    僕らのマインドが3000年後にちゃんと届いているよみたいなことなんだ。
    四季押尊もありますけど、
    精度計でも名品というか、
    これをぜひ見てほしい理由はありますか?
    方角、菊、四神経という漢字が難しいんですけど、
    ぜひ見に来ていただきたいんですが、
    どこで区切ったらいいですか?
    方角、菊、四神。
    菊です。
    方角というのはどういう意味ですか?
    見ていただくとわかるんですけど、
    鏡自体は大体丸い形にしているんですよね。
    真ん中にポッチリがついていて、
    あれは柱って言うんですけど、
    紐を通すための罠がついている。
    その柱の周りに四角い枠がついているんです。
    あれのことを方角って呼んでいるんです。
    これは単になんとなく四角い形を表しているんじゃなくて、
    これはちゃんと思想的な背景があって、
    中国古代では天園地方という思想があった。
    天園地方というのは、天は丸くて地は四角いという発想なんですよ。
    半球体みたいなこと?
    まん丸じゃなくて地面があって、
    地面が四角い形をしていて、
    その上に天蓋のような丸い点が、
    ドーム型が覆っている。
    方角と丸い鏡で、
    実はそれは天地を表しているんです。
    天地は今言ったような構造なので、
    ちゃんとロープでつないでおいて、
    外れないようにしておかないといけないんですよ。
    本当にテントと同じ発想なんですね。
    宇宙が飛んでいっちゃうんですね。
    なのでテントみたいにつなげるロープと、
    巻き取る器具を図案化したのが、
    キク。
    キクモンって言ったりするんですけど、
    ローマ人のTとかLとかVみたいな、
    模様が実は入っているんですよね。
    それは今言ったように、
    天地をつなぐロープと、
    巻き取る器具を実は象徴している。
    だからそのデザイン全体で、
    この鏡は宇宙を表していますよ、
    ということを意味しているわけです。
    でもそこに獅身というのは、
    いわゆるスザックとかサイリューとかそういうやつ?
    そうです。東西南北の守神でご存知の獅身なんですけど、
    あれ皆さんご存知の、
    現物とかいますよね、スザック。
    いわゆる随獣と言われているような。
    あれ実は中国古代だと星座でもあるんですよ。
    東西南北を表すだけでなくて。
    そうです。
    例えば、竜の星座というのは、
    今言っているサソリ座。
    あれが実は中国古代では、
    竜の星座とされているんですね。
    それは星竜。
    星竜座とか星竜。
    じゃあ中国の三河健一は、
    星竜座の女なんですか。
    あとオリオン座、冬の星座。
    あれは実は白虎の星座なんですよ。
    だから天地を表した、
    鏡の中に獅身が表されているということは、
    あれはプラネタリウムなんですよ。
    なるほど、当時の人にとっては。
    そういう宇宙が正しく動いていますよ、
    というのをデザイン化したのが、
    宝角菊神経なんですよ。
    だからこのタイトルは、
    使徒制度の中でも、
    神話とかデザインとか、
    そういうのがあって、
    やっぱりね、
    翌日に東京に戻ってきて、
    何のイベントをやっているかと思ったら、
    プラネタリウムの、
    渋谷のプラネタリウムの、
    港科学館の、
    コラボトーク。
    何のこっちゃと思ったけど、
    そういうところに繋がっているわけです。
    結構天体とか天文の知識というのが、
    やっぱり当時の人たちにとって、
    すごく重要なんで、
    それが実はデザインにとって、
    かなり重要なんですね。
    そこを読み解くために、
    プラネタリウムの解説員の方に来てもらって、
    宇宙観と星座
    天文の観点から解説してもらうと、
    すごい面白いんですよ。
    それは面白い。
    天文の観点の人から見ると、
    宝角菊神経はどんな感じだったんですか?
    宝角菊神経がというか、
    トークで話題になっていた、
    サソリ座のことだったんですけど、
    今のプラネタリウムってすごくて、
    何年前のどこどこから見た
    何座を映し出すというのが、
    パッとできるようになっているんですよ。
    今のじゃなくても、
    何百年前とかじゃわからないけど。
    そのプラネタリウムの方がやってくださったのが、
    今から2000年くらいまで、
    カンの時代の南の空とかで、
    パーンと出して、
    できるんですよ。
    コンピューターでやったらできる。
    そうするとサソリ座が、
    今よりも高く上がっているんですよね。
    だから、より目立つ星座だったんじゃないか、
    という話をしてくれて、
    より龍感があるんですね。
    そうですね。
    飛んでいるのかもしれない。
    なるほどって思いましたね。
    面白いですね。
    逆にプラネタリウムに行ってトークの時は、
    どういうトークをされたんですか。
    だから、星座、
    大体みんなが知っている星座は、
    西洋由来の星座なんですけど、
    中国古代でまた違う星座が考えられていましたよ、
    という話をしていて、
    星座が要するに、
    デザインの元になっていますとか、
    あるいは、
    四神というのは中国で生まれた
    デザインであるんですけど、
    例えば、高松塚古墳とか、
    キトラ古墳とか、
    日本の人たちにも実は受け入れられていて、
    あの時話したのね、
    ポケモンにも結構四神モチーフが出てきたりするんですよ。
    その時に、
    盛り上がって話していたのは、
    名探偵ピカチュウという映画があるじゃないですか。
    あの中のワンシーンで、
    ギャラドスとリザードンが対峙するシーンがあるんですよ。
    あれはすごい竜好きとしてはたまらないシーンでした。
    ギャラドスは水のポケモンじゃないですか。
    あれはまさに西竜で、
    東アジア的竜の味方なんですよ。
    リザードンは火のポケモン。
    あれは西洋的なドラゴンなんですよ。
    それが対峙しているというのが、
    すごい良いですよね、
    みたいな話をプラネタリウムでしていました。
    お客さんも受けて、
    ポケモンがピンとこなかったらアウトですけど。
    西竜というのは、
    要するに星座でもあって、
    デザインでもあって、
    それが日本のポケモンとしての
    ポケモンとしての
    ポケモンとしての
    チュウヨンというのとは
    全然違いが出ると。
    この展覧会では標準的に
    中国の古代のというと
    全然違う世界と思ったら、
    意外と田里竜の文化も
    中国原来だから、
    結構日本人の
    生活に根付いているんだよというのを
    結構この展覧会では紹介しました。
    西王母と日本文化の関係
    そこが面白いところで、
    整竜記のおもしろさでもあるんですけど、
    もっと見たときは完全に異世界の わけわからない奴らかと思うときは
    実はその要素が日本文化にも受け継がれている というのが面白いところで
    確かに
    そこを着目してもらえたらなと思ってますね
    七夕伝説もだから日本に関わる あれですもんね 中国古来
    そうですね 中国の漢代の時期から だいたいそういう原型となった物語が出てくるんですけれども
    中国で七夕の物語は 日本とちょっと違うところもあったりして
    その時にキーパーソンになるのが 西王母という仙女がいるんですよね
    西王母自体は多分日本美術が好きな方もおなじみというか
    川に出て丸山家が描いていたりとか 西の王様の母とかが描いていたり
    あれはそれこそ絵画の中だと 大体美しい女性の姿で描かれるのが普通なんですけど
    七夕とは関係ないですよね 一般的に思うと
    けれども中国の七夕バージョンだと 織姫が実は西王母の孫娘だったという設定があったりとか
    実はその西王母自身が七夕チックなことを してたりするんですよ物語の中で
    ということは彦星チックな人もいるんですよね
    そう それが観の舞台という校庭なんですけど
    観の舞台のところに7月7日に西王母が会いに行くという物語が実はあったりして
    微妙にちょっと重なっているんですよね
    それもやっぱり7月7日なのかな
    7月7日ですね その時にお土産を持っていくんですけど
    桃も7個持っていくらしいんですよ
    7という数字が多分重要だった
    よく西王母は桃と書かれるけど そこから来てるんですか
    そうですね 西王母が桃を持つというのはもうちょっと後の時代の発想らしいんですが
    そういう西王母と七夕の関わりがあって
    なおかつ西王母というのは海岸の中だと大体不老長寿の桃をくれるということで
    結晶の画題として書かれることが普通なんですけど
    古代中国だと西王母ってどういう姿をしているかというと すごい怖い姿をしているんですよ
    美人ではないんですね
    髪ボサボサだけどでもなぜか髪飾りをつけていて
    ひょうのしっぽがあって歯は虎の形をしている
    それが7月7日に会いに来るんですか
    その1回我慢しなきゃ桃持ってくるんですよ
    しかも不老長寿を授けてくれる存在でもあるけど
    同時に人の死とか病をつかさどる存在でもあったらしくて
    まさにこの展覧会のタイトルになっている
    死と再生をつかさどる存在だったらしいんですよね
    でも今回の展覧会では美人の方の掛け軸とか展示されていましたけど
    その怖い方のビジュアルというのはあるんですか
    怖い方のビジュアル
    なんかやっぱりビジュアルになっている時点で
    大体もう普通の女性の姿で書かれることが多いので
    そのものは出てないんですけど
    やっぱり寛大の画像石というリリーフがあるんですけど
    やっぱりそこに描かれている聖おぼっていうのは
    今絵画で見る姿とはだいぶ違っていて
    ちょっとやっぱりマガマガしさがあるというか
    でもなんかそうやって怖いキャラクターが長いこと愛されていってないけど
    ずっと語り継がれると可愛くなってくるのかもしれない
    貞子なんてリング1しかやってない時にはもう恐怖の象徴だったのか
    なんか最近ちょっと可愛いキャラ発揮会になってきたりとかして
    長い歴史が経つと
    なんかそんな感じでもしかしたら聖おぼも
    いつからかなんか可愛くなってきたのかもしれないですね
    特に前漢時代終わりの後漢時代とかになると
    なんかすごく聖おぼ人気が高まったらしくて
    聖おぼの姿を実は鏡の文様にいっぱい描くようになるんですよ
    聖おぼの姿を描いている鏡は神獣鏡ってよく呼ばれるんですけど
    神の獣とか
    聖おぼみたいな神様と
    あとその創造上の獣を文様として表す鏡なんですけど
    それのバリエーションの一つが三角縁神獣鏡って言ってるやつで
    日本の古墳からよく出土することで有名なんですけど
    そこにも一応聖おぼ的なものが描かれていることがありますね
    じゃあ知らず知らず日本にも古来にもいるんだ
    そうですね
    だから多分当時の日本の人たちもその絵自体というか
    その文様自体を見ていると思います
    いつの間にかなんか忘れ去られたキャラクターになってますよね
    一般的じゃないですか今多分聖おぼっていう
    でも長い歴史で見ていくと
    結構やっぱり日本にも馴染みのあるキャラクターが
    そういうのがこの展覧会では分かっていくってことですよね
    今回でもあれですよねイベントまだ他にもさらにやっていくって言いますよね
    そうですね
    実はこの収録日の翌日に私のスライドトークがございまして
    プラス19日ですね
    7月19日にももう一回スライドトークやりますので
    なんでそんなにやるんですか
    ちょっと張り切りすぎちゃった
    張り切りそういう問題
    だいたい学芸員がスライドトークやるって
    だいたいマストで2回ぐらいやるんですけど
    それ以外のイベントをちょっとはしゃいじゃって
    これいいアイデアを思いついたっていって
    いろいろ詰め込んだ結果
    青銅器の専門性
    地獄のスケジュールが完成したということになります
    でもやっぱりおもんスターみたいな人がいないと
    制動機ってやっぱり一般的には
    なかなか取っつきづらいイメージもあるし
    他のジャンルだったら他にもいっぱい学芸員さんがいるから
    他の人もやってくるけど
    あんまりだっていないですもんね
    制動機って
    そうですね
    中国の制動機を本当に専門にしてる学芸員っていうのは
    多分僕だけなんじゃないかと
    それは頑張るしかないし
    それが死と生の物語ってことなんですか?
    たまに死んだりすることもありますけど
    改めて告知をぜひお願いいたします
    7月27日まで開催の
    死と再生の物語7という
    中国古代の神話とデザイン
    千億八個館東京で開催中です
    会期中トークイベントとかもあったりしますので
    制動機のデザインの奥深さを知っていただけたらと思いますので
    ぜひぜひお運びください
    そして千億八個館東京
    京都の方でも制動機館はいつでも見られる
    そうですね
    トークイベントの告知
    8月17日までやってますので
    ぜひ京都にもお越しいただければと思います
    あとここに書いてないですけど
    あれの告知もぜひしてください
    やっぱり多分この放送を聞いて
    こういうの言うってどういう字かなとか
    尺とかどういうのか興味持った人もいると思うんで
    ヤンモーさんのわかりやすい本がありますから
    この制動機の本
    ありがとうございます
    実は新調者のトンボの本というシリーズがございまして
    そこからちょっと中国制動機入門という本を出しております
    実はこの度10冊が決定いたしまして
    日本語で読みやすく
    中国制動機の入門書というのがあると
    多分唯一だと思いますので
    ちょっとでも興味持っていただいた方は
    ぜひちょっと買っていただいたらと思います
    ビジュアルもちゃんとカラーで載ってますし
    わかりやすい本ですので
    ぜひぜひ皆さんここで読んでいただけたらと思います
    さあということで
    後半もこの後もまたよろしくお願いします
    はいってことで
    次回もヤンモーさんをゲストに
    トークを続けていきたいと思います
    54:13

    コメント

    スクロール