それでは、2回目なんですけども、じゃあテーマを森本さんから発表してください。
はい、ありがとうございます。私が次に話したいのはですね、人的資本経営をプロ野球から考えてみましょうというお話をしたいと思います。
はい、プロ野球。
プロ野球、森本さん好きなんですか?
めちゃくちゃ好きですね。人生で一番好きなのはプロ野球かもしれません。
そうなの?
そこまでですか?人生で一番好き?
第1回であれだけ熱量を持っていろんなことを言ってたのに、プロ野球の方が好きなのか?ってみんな思ったと思うんですけど。
そうかもしれないですね。
どうぞどうぞ。
私が一番今日伝えたいことを考えてきたんですけど、人的資本経営っていうメガネをかけて、世の中が見れるようになってくるってことが大事なんじゃないかなと思って、
そのメガネをかけてプロ野球を見てみると何が見えてくるのかっていう話をしたいんですね。
さっき、経営側から考える人的資本経営っていうのと、個人から考える人的資本経営っていうのと、少なくとも2つのものの見方がありますよねみたいな話をしたときに、
プロ野球ってすごく面白くて、選手の立場から見たときに、プロ野球選手としてのキャリアって、さっき調べたんですけど平均9年ぐらいなんですって。
だからだいたい高卒で入ると18から27とか。
18で入って27で終わりになる。
平均でいくと。
もっと短い人たちはもう2年とか3年とかで契約が終わってしまうし、長い人はもうちょっと20年弱とかいったりするんですけど。
なので、せいぜい30、40ぐらいでプロ野球選手のキャリアって終わっていくんですよね。
そこから先もずっと続くじゃないですか。
そのときにプロ野球選手として、一生稼いじゃって、あとはお金は運用します、大丈夫ですっていう。
それはそれで、そういう生き方はいいだろうなって思うんですよ。
でもそこから先、じゃあ何するのっていう問いがあるじゃないですか。
で、稼げる選手なんてごくごく一部で、ほとんどの人たちはもう全然稼げないまま終わってっちゃったりするんで。
そこから先どうやって生きていくのかっていうときに、今のプロ野球選手を見ていくと、結構やっぱりYouTube始めましたとか、自分でブランド立てましたとか、いろいろ活動しているわけですよね。
いますね。
ああいうふうに戦略を持っているのかなんのかわからないけど、自分のプレイヤー時代を障害キャリアにつなげている人たちもいれば。
結局この前も記事になっていたんですけど、戦略会通告を受けるとトライアウトっていう、次の球団が雇ってくれるかどうかの品田定め会みたいなのがあるんですけど、そこに行ってもほとんど声をかけてもらえないんですよね。
そこから先どうやって生きていくのかみたいな話になるんですけど、そのときに結構民間企業が声をかけたりしているそうで、全然野球チームは声をかけてくれなかったんだけど、なんとか工業みたいなところが声をかけてくるみたいなのもあるんですって。
それはそれでトランジションしていかなきゃいけないんですけど、その選手としてどう生きていくかっていうことを考えるときに人的資本経営っていうのはまずとても面白い切り口なんじゃないかなって思ったのが1個目ですね。
この調子で次は会社から見たときの話をしようかと思ったんですが、このまま続けて大丈夫ですか。
会社っていう経営の観点から考えるとプロ野球ってスポーツビジネスなんで、利益を上げたりとか経営として経済的価値を作り出すっていうところが一つの切り口にあるわけですよ。
会社っていうのは例えば横浜DNAベイスターズにおけるDNAとかそういうことですね。
そうです。まさに私ベイスターズファンなんで、そこら辺はずっと長年ウォッチしてるんですけど、例えばTBS時代ってずっと赤字だったんですよね。
一応補足しとくとDNAの前はTBSがOASでしたね。
OASでした。TBSだったんですよ。ずっと赤字だったんですよ。
それはTBSのマーケティング的な話で、赤字でも別にこれで認知度上がったりしてるんだからいいじゃないかみたいな。
大体プロ野球ビジネスってそんな感じだったんですけど、親会社がDNAに変わって、確か3年だか5年だかぐらいの間からずっと黒字が続いてるんですよね。
単体でもう儲かってるんですよ。
コロナ禍唯一黒字だったのが横浜DNAベイスターズで。
セリーグ、パリーグ全部見渡してたことがある。
スポーツビジネスがとても上手なんですよ。
親会社はDNAで経営が上手いんだろうな、ただ本体の経営の話は今いろいろ難しくなってるんですけど。
とりあえずスポーツビジネスとしては非常に好調になっていて、選手の魅力をビジネスにつなげるってことはとても上手にできてるわけですよね。
という観点で見ても人的資本経営とプロ野球はめちゃくちゃいろいろなものが見えるなと思って面白いなと思っています。
面白いですね、そうなんだ。
なんか具体的にもうちょっとこういう話があるとかってありますか。
例えばプロ野球ってあんまりベンチにカメラとか今まで入れなかったんですよね。
選手がずっと野球やってるところの裏側は全然公開とか見せなかったんですけど、
DNAになってドキュメンタリー映画みたいなやつを作って公開したんですよ。
それは無料でYouTubeとかそういうことですか。
無料ではなくて映画館で金払って見たりとかDVDとか買ったりとかそういうことをしてるんですけど、
今までそんなところに価値がある、本当はあったんだけど価値があるって思ってなかったところの価値に気づいて、それをお金に変えていくっていう。
例えばそんなことをいろいろなところで工夫しながらやってるんですよね。
それがすごい上手ですね。
それはファン目線から見てやっぱりTBSオーナー時代とDNAになってからって全然違うんですか。
全然違いますね。
全く外から見てると分かんないですよ、違いが。
そうですよね。分かんない人から見ると横浜というチームでしょ、ずっとしか見えないわけですよ。
それが全然違うんですよ。
やっぱりビジネスに注目してみなかったらあんまり分かんないのかな。
でもファンクラブの会員数とかもすごい増えてるんですよ。
確か9倍とかになったと思うんですけど。
なのでファンクラブの年間費とかもどんどん入ってくるじゃないですか。
人がいっぱい来たらそれだけ食べ物食べたりとかグッズ買ったりとか、どんどん価値が膨らんでいくんで。
やっぱり人が来たくなるようなボールパーク作って、そこでいろんなお金が落ちる施策を考えていって、
それがどんどん高循環になるように展開していくわけですね。
大人のプロ野球ビジネスもやってるんですけど、
例えばそれを少年野球のところに持ってったりとか、違うスポーツビジネスですよね。
サッカーもDNAやってるし。
そうなんですね。
やってるんですよね。
あとはチアリーダーが、それはそれで一つのブランドになってるんですけど、
チアリーダーのダンススクールとか、いろんなプロ野球を中心にビジネス展開していて、
それがいろんなところとコラボレーションして、また新たな価値につながってるみたいな。
そうなんですね。でもあれですよね。
ちょっと分かんないですけど、2000年代とか90年代に比べて、
野球の民放って減ってるんですよね。
めちゃくちゃ減ってますね。
そうですね。
放映っていうんですかね。
テレビで放映される。
もう激減ですよね。
でも当時はテレビで放映されるっていうことは、
そこからスポンサー要領とか広告料とかで入ってたんですけど、
それを失ってだいぶ減ったとしても、
それを補って余り余るぐらいの収入を得てるってことですよね。
そういうことです。
DNAは独自でカメラをたくさん球場の中に入れて、
特別なアングルから見れるDNAチャンネルみたいなやつも運営してるんですよ。
それはそれでまた会員が入ったらどんどん儲かれますんですね。
それは森本さん入ってる?
それはですね、私入ってないんですよ。
入ってないんですか。
いろいろですね。
やっぱ一部のファンは喜ぶんだけど、
それはみんなが喜ぶサービスじゃないみたいなのがいっぱいあるんですよ。
でもそれが正しいんですよね。
そうです。正しいです。
そのようなめちゃくちゃDNAファンっていう荒い解像度ではなく、
その中に舞台裏の練習が見たいみたいな人とか、
別のなんとかっていう要素が見たいみたいな、
みんな一人一人の推しポイントが結構違うから、
そのずれてる推しポイントに対してこれどうですかっていう、
そのDNAっていう中でもニッチなものを出し分けて、
総合的に収益が上がればということですよね。
本当にその通り。本当にその通りなんですよ。
だから私は別にそういうの興味ないなって思ったりするんですけど、
例えば一緒に行く女性の横浜ファンの子は、
こういうのにすごい萌えを感じるみたいなのがあって、
私とは全然違うけどこういう楽しみ方があるんだみたいな。
私が面白がってる話をしても、
多分あんまりピンとこないみたいなことがあるわけですよね。
でもそれがいいですよね。
例えば細かい選手のステータスというか、
パラメータじゃないよな、数字とか。
データは私たちは興味が湧きますもんね。
それももしかしたら友人の女性の人は興味がないのかもしれないけど、
あんまりいないかもしれないですね。
だけど一人一人興味が結構違うんだけど、
そこに合わせてしっかりデータなりコンテンツを出して、
マネタイズなりさらにそこから繋げるっていうことは、
その3日前の土曜日に横浜スタジアムでファン感謝祭っていうのがあったんですよ。
選手がファンのみんなをスタジアムに招いて、
隠し芸披露したりとか、
ちょっとしたミニゲームみたいなやつをいっぱいやったりとか、
サイン会やったりとかそういうのがあるんですけど、
そういうところでホスピタリティのある選手は、
自分で例えばみんなの前でスピーチしたりとか、
芸を披露したりとか、
モノマネやったりとかいろいろやるんですよね。
そうするとファンの魅力に魅了されていく機会が増えるじゃないですか。
そうすると例えばグッズが売れるとか、
もしかしたら引退後もちょっとタレント的なポジションでキャリアにつながるとか、
例えばそんなことがあると思うんですよ。
もちろん野球で最高のパフォーマンス出せれば一番いいんですけど、
プラスアルファは選手としての魅力をいかに表現していくかみたいなのが、
多分今すごい時代として必要で、
例えばYouTubeとかSNS関連は、
まさにそのままフォロワーになってグッズ買ってくれたりとか、
本出したら買ってくれたりとか。
ポイントはいかに自分の価値、魅力を自分で膨らませて、
それを伝えるかっていうところにあるなって見てて思います。
これは最近よくある推し文化みたいなところと近い感じなんですかね。
そうでしょうね。
だからやっぱり真面目に野球やってて、
それでパフォーマンス上がったり上がってなかったりするんですけど、
パフォーマンスはすごいけど、あの選手はいじりづらいなっていう人たちがいるわけですよ。
一方でパフォーマンス上がってたり上がってなかったりするんですけど、
いじりやすい性質を持っている選手みたいなのもいて、
たぶんいじりやすい選手の方が、
引退後いろんなキャリアがあるだろうなっていうふうに思います。
これはひるがえって会社組織でも同じなんじゃないかなっていう気もして、
例えば20人とか新入社員が入ってきましたと、
仕事ができたりできなかったりしますけど、
仮に仕事ができなかったとしても、
ちょっと愛嬌があったりとか魅力があったりすると、
なんだかんだもうしょうがねえなとかって言ってケアしてくれたり、
じゃあちょっとこのプロジェクト入るとかって声をかけてくれたりすると思うんですよね。
それがすごい一周回って大事だなっていうふうに今思ってます。
なるほどね。確かにそういう意味では会社とか、
我々みたいな働き方というか仕事の人たちでも通じるポイントはあるかもしれないですね。
地味なら地味なりに地味さの可愛がられ方があると思うんですよね。
なんかすごい陽キャ陰キャみたいな話でいくと、
陽キャのほうが明らかに目立ちますけど、
陰キャならではの、うわーわかるわーとか、
こいつのこの一言面白いなーみたいなのあるじゃないですか。
やっぱ自分らしくあるっていうのを突き詰めていくのが大事なんじゃないかなって最近思ってます。
なんかでもそのなんて言ったらいいんですかね。
野球選手もそうだし、アイドルとかもそうだと思うんですけど、
なんか我々ファンの側が見えてるものと本人が思ってたり、
本人のその仕事の中の近しい世界でしてるコミュニケーションとはだいぶ違うんじゃないかとか、
そう思うべきなのではと僕なんか思ってて、
例えばなんかアイドル番組とかでアイドルの人が何か言ってるのを見て、
なんか性格悪いなとか思っても、いやいやいやいや、
それってこういう切り取られ方なり、
外面的コンテンツだからそう見えるだけだろうとか、
実際は全然違うんじゃないのとか思ったりするんですよね。
まあ一部しかわからないですからね、我々ね。
そうそう。でも結局ファンってその一部が滑ってじゃないですか。
そうですね。
だからまあそういう意味ではどうなんでしょうね、
その会社とかに置き換えた時で言うと、
でも会社とかだとそのファンとか別にいねーしなとか。
まあそうですね。
どうなんだろうと思ったりしますけどね。
まあなんか全く重ねて一緒に何か言えるかっていうと、
そうでもないかなと思うんですけど、
例えばじゃあ自分が営業を受ける側だった時に、
まあいろんな人が出現するじゃないですか。
その時にやっぱり一生懸命売ろうとしてるやつか、
もうなんか明らかに言われたことそのままやりに来てるやつかで、
やっぱり印象って全然違うなって思うんですよ。
なんかそのまあいろいろ裏表あるかもしれないんだけど、
なんか一生懸命毎日ちゃんと仕事するとかは、
すごい普遍的な話なんじゃないかなっていうふうに思いますね。
その一生懸命仕事するっていう中に、
例えばさっきの野球選手の話で言うと、
バッターボックスで一生懸命打つとかそれは当然なんだけど、
それ以外のそのファン感謝デーで頑張るとかもそこに入るのでは?
そうですね。
さっきの話で人的資本系、自分を資本としてみた時に、
どうやってそこから価値を膨らますかっていう問いが立つじゃないですか。
その時に自分の価値に全部自分で気づけるというのはなかなかないと思うんですけど、
ここなのかなみたいなのが何かしら自分なりに浮かぶと思うんですよ。
それを自分なりに突き詰めていって、
それを人に認めていってもらって、
そこの認めてくれた人たちと一緒に膨らませていくみたいなのが、
結構人的資本系の肝なんじゃないかなと思います。
僕もすごいそうだなと思いつつて、
やっぱ重要になってくるのって結構フィードバックじゃないかなと思うんですよね。
例えば何か取り組みをやってみた時に、
いや、今の取り組みはすごい良かったとか、
まだ結果は出てないかもしれないけど、
その方向性悪くないからもうちょっと頑張ってみなよとか、
やっぱり人間ってそんな強くないから、
そこでポジティブなフィードバックをもらうと、
じゃあもうちょっと頑張る。
特に新しいことをやった時にすぐ結果なんか出ないわけだから。
で、なってくると、
いや分かんないですけど、
DNAという組織全体がそうなのかどうかは知らないんですけど、
他の組織でもそうかもしれないけど、
やっぱりいかにそういうチャレンジしようとしてるとか、
何かやろうっていう人にポジティブなフィードバックを出せるかっていうのって、
これはある意味で個人の良い人とか良い上司とか良い同僚に頼るんじゃなくて、
組織全体でそういうふうにしましょうねってやってった方が
圧倒的に効率いいんじゃないかなとか思ったりするわけですよね。
間違いない。
だからさっきのデータフィードバックの活用もフィードバックの一つの使い方じゃないですか。
それを全然活かせてない組織と、
大いに活用して活かせてる組織があって、
それで大きな違いが生まれてくるんだと思うんですよね。
例えば阪神ってこの2023年めちゃくちゃ強かったんですけど、
圧倒的に強かったんですよ。
見ていくと選手はそこまで大きく入れ替わってないんですよね。
監督が変わったんですよ。
今まで矢野監督から岡田監督になったんですけど、
何が今までと違かったのかみたいなことを選手がいくつかの記事で書いていて、
言っているのが書かれていて、
それを読むと岡田監督は私から見てフィードバックとフィードフォワードがめちゃくちゃ上手いですね。
フィードフォワードっていうのは何かっていうと、
フィードバックっていうのは何か起こった事象についてこれはこうですねって書いてくるものじゃないですか。
フィードフォワードっていうのは、
あなたはこの局面でこういうことを意識して取り組んでみてくださいっていうことを先んじて言うんですよ。
それがめちゃくちゃ上手くって、
あなたはこういう選手だからこういうことじゃなくてこういうことに意識を向けなさいとか、
これはこういう状況だからこういうことじゃなくてこういうことに意識を向けなさいみたいなことを、
言葉使いは全然違いますけど、
言っていることとしてはそういうことを適切にやっていて、
それで選手がフォーカスすべきことが明確になっていってパフォーマンスに繋がってるなっていう風に見えるんですね、私には。
一方で、やっぱり今球団経営にせよ、
このチームマネジメントにしてもう上手くいってないところって、
ちゃんとフィードバックをできていないし取れていないか、
取ったものを全く適切に扱っていないかによって、
本当は改善されるべきプロセスの中でずっと上手くいかないのが維持されて、
結果弱くなっていくみたいなことが起こってそうだなって見ていました。
なるほど。
結構納得しましたね。
そうなのか、なるほど。
それは結構大事ですね。フィードフォアとね。あんまり考えたことなかったですけど。
でも私も今思い出すと、銀行を辞めて、
GOBという会社でCFOをやりながら、自分で仕事もしたんですけど、
その時にお二人もご存知のICJの吉澤さんといろいろ仕事する機会があったんですけど、
吉澤さんはそういうフィードフォワードが上手かったですね。
そうですか。
上手いし、吉澤さんって結構気に入った人いれば、
結構フェイスブックとかでバンバン紹介されてるじゃないですか。
この人めっちゃ面白いですみたいな。
そういうのはすごく僕にも、銀行自体にないフィードバックとかフィードフォワードだったので、
それはすごく励みになりましたね。
なるほど。
いいというか、フィードフォワードをバンバンしてくれる人と出会って、
結構その近い距離というか接点が結構そこそこの頻度で持てるっていうことが結構ある意味、
そうですね。
転機というかプラスになったというか。
やっぱりその1回目の話にも近いんですけど、
私も大企業にいたんでわかるんですけど、