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2025-12-27 07:09

#367/AI要約で「わかったつもり」になる危うさ

#習慣 #習慣化 #AI
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サマリー

AIによる要約技術が進化し、税制改正大綱のような難解な文章を瞬時に理解することができるようになっていますが、それに依存することは自己の理解が不足する危険性があると指摘されています。重要な情報の真意を自分で考え、咀嚼することが不可欠であるというメッセージが伝えられています。

AI要約の便利さとその危うさ
こんにちは、モロトメ ジョーです。
今日もチャレンジしてますか?
横浜の朝は、もう本格的な冬の朝ですね。
空気が澄んでいて気持ちがいい反面、冷え込みも厳しいので、厚着をして歩かないといけない、そんな朝を迎えていますが、いかがお過ごしでしょうか?
さて、12月も後半に入りましたが、僕のような税理士にとっては、ある恒例行事がやってきます。
それは、税制改正大綱の発表です。
税制改正大綱。文字にすると漢字ばかりで難しそうに聞こえるかもしれませんが、要は来年から税金のルールをこう変えますよという国からの分厚い、本当に分厚い手紙みたいなものです。
毎年これを読み込むのが税理士の仕事だったりするわけですが、今年は例年とは明らかに違うある流行が起きています。
それはこの難解な税制改正大綱をAI、特にGoogleのノートブックLMなんかに投げ込んで、一瞬で要約させたり使いをさせたりすることです。
僕も試してみましたが、正直感動しました。
100ページを超える難解な文章が、ものの数秒でわかりやすい箇条書きや、あるいは音声による解説に変わるんですから、これは感動しますよね。
効率化という意味では文句なしに素晴らしい技術です。
でもその便利さに感動すると同時に、僕は背筋に冬の寒さとは別のヒヤッとするような危うさも感じたんですよね。
そこで今日のテーマは、AI要約で分かったつもりになる危うさについてお話ししてみたいと思います。
これは税金の話に限ったことではありません。
あなたも仕事で長いメールとか資料が送られてきた時に、あるいは話題のビジネス書を読む時なんかに、AIで産業に要約してとか頼んだことはないでしょうか。
確かにタイパーや時間帯効果は最高です。結論だけをサクッと知ることができる。
僕もパソコン作業の効率化とか学びの倍速視聴を推奨している立場ですから、そのメリットは痛いほどわかります。
でもここに落とし穴があるんですよね。
AIが出してくれた完璧な要約を読むと、僕たちはつい、ああはいはい、なるほどね、わかったわかったと、自分もその情報を理解した気になってしまいます。
でもそれはAIが理解したことであって、あなたが理解したことではないのかもしれません。
以前、効率化の罠と脱線する習慣というお話をしました。
効率化を求めすぎて無駄やノイズを排除しすぎると、大切な違和感や自分の衝動まで消してしまうんじゃないかというお話です。
AIによる要約は、まさにこのノイズの排除を極限までやってくれます。
思考の重要性
でも文章の行間にある執筆者の熱量とか、これちょっとおかしくないかという違和感とか、一見無駄に見えるけれど実は本質的な情報、そういった言うなれば雑味まで綺麗にそぎ落としてしまうんですよね。
食事に例えるなら、AIの要約はサプリメントみたいなものかもしれません。
必要な栄養素は効率よく取れるけれど、味わうという体験とか、硬いものを噛み砕いて消化する咀嚼、こういったプロセスがないということです。
情報を自分の頭で汗をかいて読み解く、その咀嚼のプロセスこそが、知識を自分の血肉に変えるために一番必要な工程なんじゃないかと思うんですがどうでしょうか。
では、AIを使うなということかといえば、もちろんそんな極端な話ではありません。大切なのは使い分けの習慣です。
僕は今こう考えています。地図を手に入れるためにはAIを使って道を歩くのは自分の足でやる、そういう考えです。
例えば、先ほどお話をした税制改正大綱であれば、全体像の把握とか、どこに何が書いてあるかという地図を作ってもらうのは、AIは最強のパートナーです。
でも、その地図の中で自分や自分のお客様に関わる重要なルートについて、あえてAIに頼らずに面倒でもその原文、元の文章に当たって一言一句自分の目で読んで自分の頭で悩む、概要を知るのと理解するのとは全く別の行為です。
効率化できる部分はAIに任せて、そこで浮いた時間とエネルギーを本当に自分が深く考えなければならない部分、人間が咀嚼すべき部分に全振りする、そうやって思考の下請けをAIにさせないこと、最後の分かったというその感覚だけは絶対に自分の手元に残しておくこと。
それがこれからの時代に情報に流されず、自分軸を持って生きるための大切な作法になるんじゃないかと僕は考えています。
さて、あなたが今日触れる情報の中で、あえてAIには任せず自分の目でじっくり味わいたいものは何でしょうか。
たまには遠回りをして情報の雑味を楽しんでみるのも悪くないかもしれません。
というわけで、今日も最後まで聞いていただきありがとうございました。この後も良いチャレンジを。それではまた3日後にお会いしましょう。
07:09

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