ここは、とある町にある小さなセレクトショップ、SLOW&steady。
国内外からセレクトされた洋服に囲まれた店内は、今日もたくさんの人で賑わっていましたが、閉店間際、今はBGMだけが響いています。
いや、店の奥から誰かの声が。
そう、今日も店主の岡崎が残業がてら。
ああでもない、こうでもないと、洋服話に花を咲かせているのです。
フィッティングルームのさらに奥、SAF ONLYと書かれたその先にある狭くて小さなバックヤード。
今日もこのバックヤードから、あなたのクローゼットへとお届けします。
今日はね、ゲストが来てらっしゃるんですよ。
ちょっと入ってきた瞬間、びっくりしたんですけど。
びっくりしたでしょ。
たまたまね、徳島に来られるということで、ちょっと無情ぶりをさせていただいて、紹介しますね。
うだつアイアンワークスのうだつさんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。お久しぶりです。
コーチの出展イベントの時に、3回4回やったのかな?
そうですね。
すごい協力していただいて、鉄の作品、いろんなものを作っていらっしゃる作家さん?
作家というのかな?
職人さん?
いや、職人というにはおこがましい。
そんなそんな。
うちのアクセサリーケースとかもオーダーメイドで作っていただいて。
あの棚もそうですよね?
そうですそうです。
うだつさんのやつ。
お世話になってます。
基本的に鉄で作れるものを、あれこれといろんなものをね。
レギュラーもありつつ、オーダーメイドもやりつつっていうね。
すごいですね。
なんか今日はね、全然素材は違うけど、3人集まったんでね。
確かにいい食中茶、いい食中ですよね。
もうすごい広く言ったら、そういうことですね。
そういうことですね、確かに。
作り手っていうのも、僕も僕でおこがましいんだけど、
なんかちょっと共通点ないかなとか。
その素材が違う鉄の楽しいところ、楽しくないところ、
そばの楽しいとこ楽しくないとことかね。
苦労話なんかをね、ちょっとせっかくやから。
そうですね、確かになかなかね。
ないでしょ?
こんな機会ないですから。
僕苦労ばっかりやけど、エロ感。
うだつさんね、ものすごい見た目、もう本当にミュージシャンみたいなのがかなり2枚目の。
結構見た目すごいいかつい。
そうですね。
若干こう。
弱気なところ。
弱気ですね。見た目に反してね。
作ってるものすごい武骨で。
そうですよね。
ちょっと男っぽいものが多いんだけど。
うだつさん、鉄の楽しいところってどういうところですか?
楽しいところ?
どんなとこかな。
好きになるってところかな。
曲げることもできるし、切ってくっつけることもできるし、
本当に好きなようにできる。
木やったら切ってしまったら終わりやったりするけど、
なんか表情もいろいろ変えれるし。
鉄以外触れんから。
まだ弱気やけど。
結構長くやられてますよね。
地味に20年くらいやってて。
すごい。
でも最初はサラリーマンしながらやってたけど、
でも完全独立してからもう17年とかそんな感じ。
そうですね、すごいですね。
ずっとコーチで拠点にやられてるんですか?
でもだいたいお客さんは東京とか大阪の人が多いけど。
それはハンガーラック作ってほしいとか?
やっぱり店舗が多くて、
ハンガーラック、看板とかもあるし、
やっぱりアパレルさんが結構多かったから。
やっぱ相性いいもんね。鉄と洋服って。
岡ちゃんのお店でいつも見てますけど、めちゃくちゃいいですもんね。
やっぱ徐々に経年もするし、サビも出てくるし。
なんで鉄だったんですか?
出た。
聞いちゃいかんこと。
聞いちゃいかんことだったんですか、これは。
さっきちょっと岡ちゃんにも言ったけど、
特に鉄にこだわりがあるわけじゃなしに、
僕、物を作ることが好きで。
そっちが先にあったって。
そっちが先にあって、何でもいいから何か作りたいなっていうのがあって、
たまたま親父が鉄関係の仕事してたから。
ちょっと触ってて。
それで自分でやりたいことを始めていったみたいな。
なるほど。身近にあった素材が。
もし多分木だったら木で何かやってるし、
プラスチックだったらプラスチックでやってるかもしれないし。
そういうことだったんですね、きっかけは。
多分こういうものが欲しいっていうものを、
なんかあれこれ考えて多分生み出すのが好きなんだな気がする。
そこがすごい楽しい。
やっぱり話聞いて、この人の欲しいのってこれだよねっていうのを
形作っていく瞬間がすごく楽しくて。
徐々に物が出来上がっていく様がいいですね。
確かに蕎麦もちょっと近いかもしれないですね。
どういうこと?
蕎麦って粉から始まるんで、
身を粉にして、それを固まりにして、最後は細い線にしていくっていう。
その段階は面白みはありますけどね、そういう意味で。
まこっちゃんは蕎麦じゃなかったらダメだったね。
蕎麦じゃなかったらダメだったかも。
うどんやったりしたら。
うどんね、確かに。
ラーメン。
ラーメン。
全部麺類やな。
けどやっぱ蕎麦が一番、一から作る感があるじゃないですか。
自分自らの手で作り上げていく感じ。
僕もざっくりとした職人みたいなのが好きだって。
言ってたね。
そうなんですよ。
僕は飲食業でずっと20年くらいおったので、
それが結びついたのが蕎麦だったっていうのは。
蕎麦に行き着いたのはどんな瞬間に、俺蕎麦でいこうって。
そうですね。
僕前職は焼き蕎麦屋だったんですよ。
ちょっとややこしいですけど。
焼いてた。
焼いてた方なんですけど。
焼きだと。
焼いてた方から。
焼き蕎麦は逆に言うと結構簡単に調理をしてて、
あまりこだわりがないわけではないんですけど、
手で一から作り上げていくようなものではなくて、
最後炒めるのがメインで。
調理自体は簡単なものだったんですけど、
そこからもうちょっと一から自分で作り上げたいものが何かしたくなってきて。
いろいろ探すうちに蕎麦にたどり着いたって感じですけどね。
それが大体7年くらい前じゃない?
そうですね。店始める、もっと前かな。
もう店6年なんで。
ネットで稼ぐっていう時代からやっぱりコロナ経て
やっぱり手で触りたい。体験だよね。
スラムも遅いかもしれないっていうぐらい進んでるから。
そうなんですか。今そんな感じになってたんですか。
その流れはうちとかありがたいですよね。
飲食をどう考えてもインターネットで食べれんからね。
オンラインミーティング商売とかね。
通販もないんでね。うちそば売ったりとかね。
時代としてはやっぱりそういうところに行き着いてるんじゃない。
一周して戻ってきたみたいな感じですよね。
どれだけ自分のファンを作るかっていうことがやっぱり全てで。
いやわからんけどな。難しいよね。難しいけど
いかに売上げを下げるかみたいなところで
最近売上げを下げなさいみたいな本がたくさん出てるの知ってる?
どういうことですか。
売上げを下げるんですね。
売上げを上げなさいじゃなくて売上げを下げなさい。
じゃあ俺実践してる。
いやいやいや。今は作りたいものが何作ろうかなという時やから。
何もなかったからね。
違う違う違う。そういう意味じゃなくて。
でも売上げを上げようとする活動をすればするほどやっぱり大事な部分が薄まってくるから
その濃い部分というのを確立させてそこをしっかり成熟させたら勝手に売上げは上がるんだよっていう。
だから一旦売上げを。売上げに困ってたら売上げを下げなさいと。
自分のファンとか自分が本当にやりたい表現っていうのをまずは一回スタートラインに戻って
ちっちゃく、もっと固くやりなさいっていう。
そういうことがあるためにこの先言ったSNSをやめていくっていうことなんですか?それに繋がるってことですか?
だから飲食店でいうとメニューが例えば売上げ上げたいと思ったら
服屋さんもそうやけどいろんなブランドが増える。いろんなメニューが増える。
そういう当たり前の話。
例えば蕎麦が嫌いだったら天ぷらだったら食べれる。握りだったら。
どんぶりとかね。
それをずっとやっていくと自分がほんまに蕎麦屋なのに他社から見るとファミレス感出ちゃうっていうか。
だからちゃんと整理を常にして売上げを一気に上げすぎるような施策をしないように守っていく。
売上げを上げ上がりすぎないように守っていくことが結局売上げが上がる最大の近道だよっていう。
なるほどね。
うちだったら蕎麦だったら蕎麦だけを集中してとりあえずは。
いやまこっちゃんは性格なんか何か広げようともしてない。
どっちかというと、前も喋ったけど欲がないというか。
不器用なんでいろいろできないっていうのもあるんだけど。
この前からずっと言うけど不器用って言ったらかっこいいと思ったから。
高倉圭祥も。
それはでも宇田さんにもすごく感じるよね。
どうしようかなとかやりますやいろいろやりますって言うけどやっぱり好きな仕事以外絶対やりたくない。
不器用なんで。
あんまり好きじゃないんでやめましたとか普通に言うから。
だからなんだかんだ言ってそういう部分があるから絶対20年近く続いてるんだなっていうのがあって。
やっぱ好き気が入って大事かなって思う。
洋服新しいの作るときはここのお客さんをよぎらさないっていう。
でもそれを徹底してる。
作るときに。
逆にどういうイメージで。
誰が来てもついつい手に取ってしまう洋服って言ってるのに。
まこっちゃんに当て込んでまこっちゃん好きかなってよぎった時点で色ついてるじゃん。
そういうことか。
それって違うじゃん。
だから言ったらもう本当にフラットな状態に一旦リセットして
本当にワーってなったら外に出て歩く人をずっと眺めて
なんかあの人にも来てほしいこの人にも来てほしいみたいなことで
イメージを出すように。
作りたいものは決まってるから僕は。
その上でそういう作業してるってこと?
特定の人に向けてやってないかっていう。
それを本当に自問自答してて。
誰誰に行って食べてもらいたいみたいな感じですか?
誰かがあれ言ったからじゃあこれもやろうかみたいなことが一切ないじゃん。
そもそもないじゃん。
そうですね。
全然頭に入らないですね。
いいのか悪いのか。
そばだけ?
はい。
天ぷらもやってなくて。
天ぷらやってないですね。
おにぎりもない?
おにぎりはあります。
おにぎりとそばとそばかきやな。
そばかきと。
そばかきって何?
そば粉と水を合わせたものを火にかけて練るんです。
そうしたらお団子みたいになってきて。
それがそばかきっていう食べ物なんですけど。
そこにきな粉と黒蜜みたいなのかけて。
俺初めて聞いたけど。
本当ですか?
そばかき。
50になるのに。
僕もマコちゃんがそばかきって言うまで知らなかったよ。
そうですね。あんまりメジャーじゃないんですけどね。
めっちゃ美味しいですよ。
美味しいよね。
美味しいです。
デザートみたいな感じ?
そうですね。それに黒蜜きな粉をかけたらデザートになるし。
それを普通につゆにつけて食べたら。
そんな人もいるの?
うちのメニューもありますよ、そばかき。
知らなかった。
両方あるんです。
そうなんだ。
一般的?
そうですね。
そば屋さん行ったら大体。
あるところとないところとありますけど。
そもそもそばはそばかきが先なんですよね。
そうなの?
そばの成り立ちとして食べる。
そばを食べるようになったのはそばかきから食べるようになって。
そうなの?
これから進化して今みたいなメインになってるんですけど。
へー。
そうなんですよ。
なんでそんなん買いとかんの?どっかに。
お店に。