お便りの紹介
お便りいただいております。マシュマロでいただきました。マシュマロでお便りいただくのは4年ぶりぐらいですね。ありがたいですね。
志賀十五さんへ、こんにちは、こんにちは。最近この番組を知り、1から順に追っており、
現在やっと300ぐらいまで来ました。ありがとうございます。どれも楽しく拝聴し、その深い知識に感覚しております。
さて、質問なのですが、志賀さんのアドバイスにしながい、恐る恐る一般言語学講義に挑戦してみたく思っております。
そういうアドバイスをしてるんですね、どうやら過去にね。これは何ですかね、古典を読もうみたいなやつですかね。
日本語訳で読みたいのですが、調べたところ訳がいくつかありまして、どれかおすすめなどありますでしょうか。
もしよろしければご教示くださいますと幸いですということで、こちらは一応匿名の方からのお便りでございます。
過去のものから聞いてくださっているということで、今300ぐらいで、このエピソードがシャープ764とかなんですよね。
ですので、過去のものから順々に行くと、このエピソードにたどり着くのが随分先のことになってしまいますが、ひょっとしたらね、このエピソードから聞いてくださるかもわかりません。
ひとまずお便りをお答えしていこうと思います。BGMです。
始まりました志賀十五のツボ。みなさんいかがお過ごしでしょうか。ジャッキー千恵です。
このように昔のエピソードから聞いてくださるのはありがたいですね。
自分でももうどんな話をしたかっていうのは聞き直さないとね、なかなか思い出せないようなものもたくさん出てきています。
今回のお便りにあった一般言語学講義ですが、これはソシュールが書いた、正確にはソシュールが書いたんじゃなくてソシュールの弟子がその講義の内容をまとめたわけですけど、
一応ソシュールの一般言語学講義のことで、過去のエピソードで多分古典を読もうとかそういう文脈で話したんではないかと思います。
同じような意味でサピアの言語っていうのも同じように紹介したことがあるんではないかなと思います。
このソシュールの一般言語学講義は言語学を真面目にやるんだったら避けては通れないもので、
言語学をね深く学ぶんであればぜひ読んでほしいというか読まなきゃいけない本だと思うんですよね。
このソシュールの一般言語学講義にしろサピアの言語にしろ100年以上前のものですけど、
今でも読む価値があるというか、ある意味で言語学って歴史が浅いので古典といってもせいぜい100年前みたいな感じなんですよね。
そういう言語学の古典的な書物として、一般言語学講義とかサピアの言語とか、同じ言語というタイトルですけどブルームフィールドの言語とか、
アンドレ・マルティネの一般言語学用理とかね。
こういったものが言語学にとっての古典で、これにチョムスキーをね加えてもいいと思うんですけど、
どうせ本格的にやるんだったらそういう大物というかね古典にあたるのがいいんではないかと思います。
お便りの内容ですけど、訳がいくつかあるっていうことですけど、言語学をやっている人間にとって、少なくとも僕にとって一般言語学講義の日本語訳っていうのは小林秀夫のものを指していて、
岩波書店から出ているものなんですけど、僕自身も正直日本語訳はそれしか読んだことがないので、他のものはあまりお勧めできないんですが、
岩波書店の小林秀夫訳のものを読むのがいいんではないかと思います。
この小林秀夫という先生はね、英語の英に夫で秀夫ですので、その無情ということとか考えるヒントとか、モーツァルトの小林秀夫とはまた別の人物です。
僕の個人的な性格として原理主義的なものがあるので、古けりゃいいってものではないですけど、やっぱり小林秀夫訳の一般言語学講義を読むのがいいんではないかと思うんですよね。
ただ小林秀夫の訳がいいというわけでもなくて、語訳というかね、ちょっと訳に問題があるっていうことは指摘もされています。だからこそ新しい日本語版が出ていたりするんだと思うんですけど、
ただ、僕の記憶が正しければですけど、ソシュールの一般言語学講義が初めて外国語に翻訳されたのがこの小林秀夫訳で、原文はフランス語なんですよね。
例えば英訳とかロシア語訳とかドイツ語訳が出るよりも先に日本語訳が出版されています。
そういった意味で歴史的にも非常に意義のあるというか重要なので、世界に先駆けてソシュールの思想が日本語に訳されたっていうのは、
日本の言語学だけではなくて思想史とかね、もしかしたらそういうものを受け入れるだけの土壌が出版界にあったとか、それくらい重要な出来事と言ってもいいかもしれないんですよね。
小林秀夫がこのソシュールの一般言語学講義を訳したのは戦前のことで、今市場に出回っているというかね、図書館とか本屋さんで手にすることができるものは1972年に再出版されているものですけど、
個人的にはこの小林秀夫役のものをお勧めしますというか、それしか知らないからですね。
さらに言うと、この一般言語学講義そのものにあたる前に、おそらくこれも過去のエピソードでお話ししてますけど、
丸山圭三郎の言葉とは何か、これはちくま学芸文庫から出ているものですけど、とか、同じ丸山圭三郎のソシュールを読む、こちらは講談社学術文庫から出ているものですけど、
こういったものを先に読むか、あるいは並行して読むのをお勧めしますね。
丸山圭三郎先生みたいなソシュールの研究の第一人者が日本で生まれたっていうのも、やっぱり小林秀夫の役があってこそですので、
そういう歴史的な位置づけもあって、小林秀夫役の岩波書店の一般言語学講義を読むことをお勧めいたします。
生涯学習としてのポッドキャスト
こういうふうにこの番組、僕が配信したエピソードがきっかけとなって、皆さんがいろんなことを学ぶようになったとしたら、それはかなり喜ばしいことですね。
ポッドキャストっていうのはそういう側面もあると思うんですよね。生涯学習としてのポッドキャストというかね。
やっぱり学び続けないとダメだと思うので、この番組聞いただけだとやっぱり物足りないと思うんでね。
ぜひ実際に本を手にして、いいものをたくさん読むきっかけになればなと思います。
そういう生涯学習としてのポッドキャストという意味では、どちらかというと僕の方が生涯学習になってるんですよね。
定期的にこうやってエピソードを配信して、いろんなことをインプットして、それをポッドキャストという形でアウトプットしてるわけですけど、
別にアウトプットするためにインプットしてるわけでもないんですよね。
そうなっちゃうと結構おしまいな感じがしますけど、その番組で話すために、エピソードを配信するために何か自分の中に入れてるとしたら、
それはもう純粋な知識って感じではないので、そうではなくて結果として配信することになってるって感じなので、
僕の中ではかなり生涯学習としてポッドキャストが役に立ってるかなという感じですね。
聞いてる皆さん以上に僕の方が生涯学習になっていると思います。
そういう意味ではですね、この番組はラジオトークというアプリでも配信していて、
そのラジオトークっていうアプリではライブ配信っていうのができるんですよね。
毎週土日の朝7時から30分間勉強的なライブ配信をしていて、
この間ね、世界史の教科書を1年ぐらいかけて読み終えたんですよね。
これは朝のライブ配信っていうのをやっていなかったら多分読んでいなかったと思うので、
聞いてくださる皆さんがいるおかげでね、世界史の教科書500ページ以上ありましたけどね、読み終えることができました。
言語学の方はこの番組があってもなくても勉強はしてたと思うんですけど、
世界史の教科書を丸々読むみたいなのはこの番組をやってなかったら、もしかしたら達成できていなかったかもしれません。
今後も毎週土日朝7時からライブ配信30分間何か勉強的なものをしようと思っていますので、
興味のある方はラジオトークというアプリをインストールしていただいてですね、
ライブ配信に来ていただけたらと思います。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はよろしくお願いいたします。
お相手はSIGA15でした。
またねー。