1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2020-06-17 10:04

#113 バズる言葉の共通点をさぐる from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました。志賀十五の壺。 皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀です。
まあ、いきなりですけど、 昨日配信したトークはつまんなかったですね。
ちょっと自分で聞き直してみて、なんじゃこりゃって思いましたね。 いきなり愚痴かよって感じですけど、
そのトークテーマっていうのが、口外科っていう、 その後ろに母音のイっていうのが出てくると、
親音の発音の仕方が変わるっていう、そういうお話だったんですよ。 これはつまんなかったっていうのは、そのテーマが悪かったっていうことではもちろんなくてですね、
僕のその続き方っていうか、話の広げ方っていうのが、 なんかイマイチだったなぁと思いました。
最近ですね、そのお便りをよくいただいて、それに対する回答っていうのが多かったので、 その昨日配信したのはずいぶん前に収録したものだったんで忘れかけてたんですけど、
なんか、なんかね、イマイチだったなぁと思いました。
でもね、それでも聞いてくださって、 しかもリアクションしてくださる方がいるってのはありがたいですね。
まあ減るもんじゃないし、せっかく収録したからってことで配信したんですけどね。 もしかしたらそれが面白いって感じる方もいらっしゃるかもしれないんでね。
まあそれはそれでっていうことで、今日もですね、 またマシュマロでご質問いただいたので、それに対する回答ということでやっていきたいと思います。
こちら、匿名の方からです。 流行語になるのに何か共通点ってあるのでしょうか?
もしあれば、それを使って好きな言葉をバズらせてみたいです。 ということですね。
まあ流行語っていうことは、ある意味その新しい言葉というかね、新しい単語を生み出す、 単語に限らずですかね、表現を生み出すっていうことですよね。
これは非常に難しいですね。 すごい極端な言い方をすると、
言語の体型を変えるっていうことなので、 なかなか難しいですね。
一つ確実な方法はですね、今までなかった ものとかあるいは概念とかを
自分で生み出してですね、 それに名前をつけるということですね。
つまり、我々が知覚している世界というか、 日本語母語話者にとっての世界に新しいものをポンと入れれば、
それは今までになかったものなので、 当然名前が必要になるから、
新しい単語を作るということで、 それが流行れば流行語になるっていうことですね。
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これ確実な方法です。 言ってみれば二度手間っていうことですね、これは。
一個新しい概念、ものにしろことにしろを作り出して、 それに名前を与えると、こういうことですね。
そうじゃない場合は基本的に、 何かもう表している言葉があるのに、
それを新しい言葉で置き換えなきゃいけない っていう作業になるんですよ。
これは非常に難しいんですよ。
例えば、頭っていう単語が気に入らねえなと思って、 日本語で頭ってなんか嫌だわと思って、
よし、じゃあこれからペコペコって 頭を呼ぶことにしましょう。
じゃあ皆さんペコペコって呼んでください ってみんなに呼びかけてもですね、
あいつペコペコおかしいんじゃねえの っていうことになるから、もうダメなんですよ。
そんなの通用しません。
言語っていうのは社会的な慣習っていうふうに、 そういうふうにも捉えられるものですから、
そう簡単には変えられません。 ただ言語を変える方法として、
2つ方法があると思います。
1つは、 それは不謹慎だから、
別の言い方しろとか、 それは差別的だから別の言い方しろ、
こういうふうに言うと言葉って簡単に変わります。
いわゆる放送禁止用語っていうか、 差別用語っていうのは、
どんどん時代とともに変わっていくんですよね。 あれはもう世間がそれは差別的だって言った途端に変わります。
これ驚くほど簡単に変わります。 これディスってるとか嫌味とかじゃなくて、
冗談抜きで本当に、 もしかしたら一番簡単な方法だと思います。
言葉を変えるっていう意味では。 今までも特に差別的な意味合いがなかったものも、
だんだんだんだ差別的な意味合いを帯びてきた途端に、 新しい言葉にコロッと変わりますから、
そういう意味では、 新しい言葉を生み出す原動力にはなってるんですよね。
ただこれはもう流行語同行っていう話でも なくなってきてるので、
ここから本題は最も実用的な方法ですけど、 新しい言葉が生まれやすくて、
しかもそれが流行りやすいのは、 とてもとかそういう程度が突き抜けてることを表す言葉っていうのは、
新しいのがすぐ出てくるし、流行りやすいです。 つまり、すごいなんとかだ、すげえとか、
鬼なんとか、神回とかの神とかもそうですね。 こういったものはすべて程度が優れてることを表す単語でして、
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こういうのはどんどん更新されていくし、 どんどん新しいのが出てきます。
昔で言えば超とかそうですよね。 全然例が出てこないですけど、そういうものですね。
これは何でかっていうと、 例えば今までとてもって言ってたんだけど、
だんだんとてもじゃその程度が飛び抜けてるってことは 表しづらくなって、別の言い方をすると。
例えば超っていうのが出てくると。 超おいしいとかの超。
今度はその超ばっかり使うようになったら、 だんだんだんだんマンネリ化してきちゃって、
新鮮さがなくなっていくので、 今度は鬼っていうのが出てきて、
鬼おいしいとかね。 わかんないけどこんな言い方するのかな。
わかんないけどそういうふうに、 このとてもとかそういう程度が強いんだってことを表す言葉は、
簡単に新しいのが出てきます。 なので、僕個人としては流行語を狙うんだったらここが狙い目だと思います。
今まで言っている神とか鬼とか超とか、 そういう程度が裸々しいことを表す言葉を流行らせるのが手っ取り早いと思います。
というわけで特命さんいかがですかね。 アドバイスになってますかね。
はい、ということでまだ時間があるんで、 ちょっとお話ししますけどさっき、
言葉は簡単に変えられないっていう話をしましたけど、
頭っていう言い方が気に入らないからペコペコにしよう、 そんな無理だって言いましたけど、
これは考えてみたらおかしい話なんですよ。
というのが前々回、手話の話をした時に、 恣意性と遮蔵性みたいな話をしたんですよ。
聞いてない方がいらっしゃったら、 これ聞き終わった後でいいんでぜひ聞いてみてください。
割と前回に比べれば、 前々回はうまく話せてると思うんで。
何の話をしてたかというと、
言葉というか単語っていうのは、 表すものと表されるもの、
もっと具体的に言うと音と意味の間に、 自然的な関係はないっていう話をしたんですよね。
だから、頭のことを頭って言わなきゃいけない 義理はないんですよ。
だから、諸外国語で頭を表す単語は、 英語だったらヘッド出しとかね、
いろいろ言い方があって、 っていうことに繋がってるんですけど、
音と意味に必然的な関係というか、 自然的な関係がないんだったら、
何の音でもいいはずなんですよ。
だったらペコペコでもいいじゃんってことになるけど、 そこは政権が許してくれないんですよね。
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だから、ここは言語の恣意性という特徴と、 社会性という特徴の攻め合いみたいなところがあるってことですね。
というわけで話がずれましたけど、質問を読み返すと、 何か共通点があるかっていうことだったんですね。
どうなんでしょうね。共通点あんのかな。
共通点かどうかわかんないけど、繰り返しになりますけど、 僕は程度がずば抜けてるっていうことを表す言葉は、
移り変わりが早いので、 流行語になりやすいかなとは思います。
でも、世間で影響力がある人が使うっていうのが、 もっとも実用的な方法だと思うんですけどね。
好きな言葉をバズらせてみたいっていうことなんで、 応援してるんでね。頑張ってください。
というわけで今日はここまでということで、 よろしかったら番組クリップお願いいたします。
ではまた次回お会いしましょう。ごきげんよう。
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