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始まりました、志賀十五の壺。 皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀です。
今回のトークもまたまたお便りをいただいたので、 それに対するお答えということでやっていきたいと思います。
こちら、匿名の方からです。 今後もしメッセージや質問等を送ってきてくださる方、
ラジオネームも添えていただけるとありがたいです。 匿名でもいいんですけどね。
読み上げます。志賀さん、はじめまして。 普段から興味深いトークをありがとうございます。
最近気になった日本語があり、家を決してマシュマロを手に取りました。 なんかこれね、家を決してマシュマロを手に取るとか言うと、ダイエット頑張っている人が
1個だけマシュマロ食べちゃいましたみたいなね、 そんな感じに聞こえますね。
まあそんなことは置いておいて、本題です。 味わうという言葉の変化で、味合わせるという言葉。
書くと味わわせるになりますよね。 これは音ではなく文字が先に定義されたゆえのルールなのでしょうか。
ご存知でしたら教えてください。 またこのような言葉が他にあればそれも知りたいです。
トークにしづらい文字表記の相談ですみません。 これからもトーク更新楽しみにしていますということでね。
はいありがとうございます。 さあ味合わせると味わわせる。
まあ多分この方の感覚からすると、 その話すときは味合わせるなのに書くときは味わわせるになるっていうことだと思うんですよね。
まあ正しい正しくないっていうのは少なくとも僕の中ではなくてですね、 どっちが良い悪いっていうことはお話ししませんが、
教科書的な意味で言うと味わわせるの方が正しいということになります。 教科書的な意味で言うとですね。
で味合わせるの方が ルールから逸脱しているというか教科書的な意味で間違っている言い方になります。
でご質問が音ではなく文字が先に定義されたゆえのルールというふうにあるんですが まあこれちょっと
ややこしい話になるんですけど文法っていうのは言葉のルール ではあるんですけどそれは定義されたルールというよりは
実際に用いられているその言語の状況から 一般法則を導き出したという形のルールだと思うので僕自身は何か機能と演劇とかそういう
ことになるんですかね なので
僕個人の考えとしてはその定義されたルールっていうのは 言語にはないと思っています。なんか従わなきゃいけないルールっていうものではないと思っています。
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まあその話は置いておいてですね まあ味合わせるっていうのが本来の形で書くときにはそれが使われてただ口に出すときは確かに
味合わせるとかそういう形がよく 聞かれると思うんですよ
まあこれは書き言葉と話し言葉の違いというよりは その一般的に言語の
形っていうのは書き言葉の方が古い形を保持して 話し言葉の方はどんどん変化していくっていうのがあります
だからフランス語とかで英語でもいいですけど 綴りと発音が全然違うっていうのは
本来書き言葉のように発音してたのに話し言葉の方ではどんどん変化していったからって いうことなんですよね
なのでこの味合わせると味わわせるのこの対応も 味わわせるっていうのがある意味伝統的な形で書き言葉ではしっかり残っていて
ただ口に出すときは味合わせるになりがちだっていうことだと思います じゃあなんで味わわせるっていうのが味合わせるになっちゃったかっていうと
いろいろ説明があるみたいなんですよ 一つは味わわせるってこの和が連続するっていうのを嫌って
最初の和をあに変えて味合わせる そういう風になっちゃったっていう説があります
こういう現象をイカって言ったりするんですよね これ日本語以外にも見られて例えばラテン語とかでですね
r が2つ入ってたら片方 l にするとかねまぁそういうのがあるんですけど なのでまぁこの和の連続ですね
これはまぁ味わわせるっていうのはこの味わわっていう 動詞の未然形にせるっていうのがついているっていうことなので
この味わうっていう動詞の場合は未然形の場合味わわで和の連続が出てくることに なるのでひょっとすると
味わわないじゃなくて味合わないっていう人がいるかもしれませんね なのでこの味わうっていう動詞に関して言えば未然形で味わわで必ず和が連続して出てくるので
その和が連続することを嫌って味合わせるとか味合わないとか こういう風になったというのが一つ説明としてあります
ただまぁそれは1個の説明にはなると思うんですけど もうちょっとね複合的な
理由があると思うんですよねっていうのが祝うっていう動詞ですねお祝いするの祝う っていうのもこの味わうと同じような活用の仕方なのでなので
例えば祝わないとか 祝わせていただきますとかやっぱり未然形ではが連続して出てくるんですよね
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でもね祝うの場合はこれが言い合わせていただきますとか 言い合わないとか
和の連続を避けることがないんですよね 祝うの場合は
なので単純に和が連続してるから 1個は
あに変えるっていうねそういう一般化だけではちょっと説明できないと思います なので別の説明の仕方として
異分析っていうねそういう説明の仕方があると思います これどっかでお話ししていると思うので
リンクもつけておこうと思うんですけど つまり単語の切れ目が変わっちゃうっていうことですね
味わうで1語なんですけど 味と合うの2単語みたいにねもしかしたら
分析されてるんじゃないかと思いますね なんでかというと味を合わせるってずっと言ってると
その合わせるみたいな この音の並びっていうのが他になくて
代わりに合わせるっていうのはよく使うのでそっちに引っ張られて味合わせるとか 否定でも一緒で味合わないとか
そういうね 単語の区切り方をしているんじゃないかと思います
そうすると言わない とか言わせるっていうのが言い合わないとか言い合わせるとかにならないのは
その言い合わせるみたいにそこで 単語を区切るのが難しいからだと思うんですよ
味合わせるの場合は味っていうのがもう完全に独立して漢字で書くっていうのもあります けどそこで区切れるんだっていう意識が強いですけど
まあ言わせるの場合は 意と合わせるっていうふうにはね
多分意だけがどういう意味を持っているかとかそういうふうに考えられないので その言わうの場合はあんまり
言い合わせるとかね 言い合わないとかそういう
教科書的に間違った言い方はあんまりないんだと思います はいどうですかねお答えになりましたかねちょっとまとめますと
味わうっていうその 語形変化の一つに味わわせるっていうのがあって
それにはバリエーションがあって味わわせるっていうのと味合わせるっていうのがあると で書くときには味わわせるになるのは書き言葉の方が古い言葉というか古い形を
保持しがちなので まあそうなっているということですね
ではなぜ味わわせるが味合わせるになるかというと 一つは和の連続を避けるためっていうことをお話ししました
これを以下って言ったりするっていうことですね でもう一つ考えられる理由として
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味と 合わせるっていうね
そういうよく使う単語の組み合わせだっていうふうに 誤解してしまって
それを専門的には異分析というふうに言いますけど それで味合わせるとかあるいは味合わないとかねそういう言い方も出てきてしまったと
こういうお話をいたしました まあよく言うんですけどこれも繰り返しになりますけどどっちが良い悪いっていうことではないですが
教科書的な意味で言うと味わわせるの方が正しいということになるので その
公の場とか 文章とかメールとか
の場合は味わわせるを使った方が無難だと思います どうですかね今味合わせるの方が優先になっているのかなぁちょっとね全然
僕は実感としてわからないです共存関係にはあると思うんですけど これから味合わせるの方が優先になるのかなぁ
ちょっとそれはこうご期待っていうところですね というわけで今回のトークはお便りに
回答するっていうことでした今後もどんどん マシュマロをお待ちしておりますので
ラジオネームも添えて送ってきてください それとよろしかったら番組クリップもお願いいたします
ではまたお会いしましょうごきげんよう