1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #174 させていただくシンドロ..
2020-09-14 11:00

#174 させていただくシンドローム from Radiotalk

敬語のトーク https://radiotalk.jp/talk/261519
ら抜きことばのトーク https://radiotalk.jp/talk/238987
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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
今回のトークテーマは、「敬語」です。
まあね、日本語は敬語がある変わった言語だ、みたいな言われたりするんですけど、
そんなこともないですね。
敬語を持つ言語って山ほどあるので、そういった点では別に日本語は変わっているとは言えません。
過去のトークで敬語の話はしているので、そのリンク先を概要欄に貼っておこうと思うので、
興味のある方はそちらも聞いていただけたらと思います。
これで、今回のトークで取り上げたいのは、「させていただく」っていうね、この表現ですね。
これはよーくやり玉に上がってるんですよ、ってなんか記事になったりよくしてますよね。
させていただくっていうのを使いすぎじゃないか、みたいなね。
一応ですね、このさせていただくっていうのを使える条件というかね、場面というのがありまして、
一つは相手の許可がいるような場合に使うと。
例えば、見学させていただきます、みたいな場合ですね。
あるいは、その行為によって自分の恩恵になるというか利益になるような場合に使うと。
勉強させていただきますとかね、こういった場合に使うってことで。
割と限られた場面でしか使えないような敬語なんですけど、
相手の許可がいるような場面でもなければ、自分の恩恵になるような場面でもない、
そういった時にもさせていただくっていうのが対応されてるってことでね。
まあ、やり玉に挙げられてるんですよね。
なんかしょうもないマナーボンとかね、そういうところで多分取り上げられてるんでしょう、これね。
だから正しく使いこなすために知っておこうっていうことなんでしょうけど、
まあ、そもそも僕自身は言語に正しいもクソもないというか、どうでもいいと思ってるので、
させていただくっていうのを使いたければ使えばいいと思うんですよ。
その場面がどうとかね、どうでもいいと言えばどうでもいいと思ってるんですけど、
これは難しいところで、人間というか言語もそうですけど、
社会的なものなので、世間が許さなきゃ使っちゃダメっていうかね、そういうとこはあるんですよね。
だから敬語って特に対人的な言語表現というかね、そういうものなので、
かなり社会性の高いっていうんですかね、そういうものなので仕方ないですよね。
正しい正しくないっていうのが議論されやすいところであるし、
実用的な意味というか現実的な意味で、そういうことは多少考えなきゃいけないっていうことなんですよね。
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だから敬語についてはそういう面があっても仕方ないと思うんですよ。
ただね、敬語以外の言語について、まあ言語というか言葉について、
こういった意味が本来の意味だからこっちの方が正しいとか言ってるのはうんざりしますよね、ああいうのはね。
いつかそういうのをね、テーマにトークを収録したいと思うんですけど、
まあそういうなんていうかな、正しい意味はこうですとかなんとかのたまって、
まあいいか、なんかこれ以上言うと悪口っぽくなるので、
とりあえず僕自身の考えでは正しい正しくないはどうでもいいんですけど、
敬語についてはそうも言ってられないってことなんですよね。
でもお話は済んでるんですよね。
その使える条件としては相手の許可がいるとか、
自分の利益になるみたいなそういう時にさせていただくっていうのは使おうということで、
で、なんかさせていただくっていうのが使いたくなっちゃったらっていうか、
なんかどうしたらいいんだろうって時は、
まあいたしますっていうのを使えば済む話なんですよね。
発表させていただきます。
で、なんかこれどうなの、させていただくなの、どうなのっていう時は発表いたしますって大抵済むっていうことなので、
これで話おしまいです。
させていただくもそうなんですけど、
このトークでちょっと掘り下げたいのは、
再入れ言葉っていうものなんですよね。
こっちのほうが面白いっていうか興味深いんですよね、僕自身。
再入れ言葉ってその名の通りですね、差を入れる言葉なんですよね。
過去のトークでこれもリンク先貼っておこうと思うんですけど、
ら抜き言葉っていうのはお話ししたんですよね。
あとレタス言葉っていうのもお話ししたんですよ。
で、これは読めるっていうのが読めれるっていうレが入るっていうこれですね、レタス言葉。
それとは別に再入れ言葉っていうのもあって、
まあこれは差が入るっていうことで、
まあ多少させていただくと関係あるかもしれませんけど、
活かさせていただきますとかいうのが再入れ言葉ですね。
活かせていただきますでいいのに活かさせていただきます。
読ませていただきますでいいのに読まさせていただきます。
まあこういうのを再入れ言葉ということですね。
で、これはどうなってるかというとですね、
詞彙の表現ですね、助動詞って言っときますかね。
詞彙の助動詞っていうのは、せる、させるっていうのが詞彙なんですよね。
で、させるっていうのは、いわゆる一段動詞につくんですよね。
一段動詞っていうのは、食べるとか見るみたいなものなんですけど、
まあこれはさせるっていうのがつくので、
食べさせていただきます、見させていただきます、で差が出てくるんですよ。
一段動詞ってなんじゃっていうのは、
ないっていうのをつけたときにあだんの音が出てこないのが一段動詞です。
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食べないとか見ないですね。
一方させるに対して、せるっていうのがつくのは、
五段動詞と言われるものです。
五段動詞はないをつけたときにあだんの音が出てくるものです。
未然形であだんの音が出てくるってことですけど、
行かないとか読まないとかみたいにあだんが出てくるので、
これらは五段動詞ってことです。
これにはせるがつくので、行かせる、読ませるでいいところを、
さっき言ったように、行かさせていただきます、読まさせていただきます、
みたいに、さが余分に入ってくるっていうのが、
さ入れ言葉というものです。
これはレタス言葉って、この間話したんですけど、
それとかなり平行的に考えられるものだと思います。
そうでもねえかな。
そちらのトークも、興味のある方はぜひ聞いていただけたらと思います。
これもなかなか面白いですよね。
一つは、させていただく、させていただくってさっきから言ってるように、
させていただくっていうのが一つのまとまった表現になっちゃってるんでしょうね。
それで、動詞の活用のパターンにかかわらず、
させていただくっていうのをくっつけるっていう意識が多分あって、
こういうのを類推って言ったりするんですけど、
だから、食べさせていただきます、見させていただきます、
と同じように、させていただくっていうのをつけるってことで、
行かさせていただきます、読まさせていただきますと、
こうなっちゃってるってことですよね。
この再入れ言葉が見られるのは、させていただくが多分中心なんだと思うんですよ。
普通の詞役の時は何か使わないんじゃないかなと思うんですよね。
弟に無理やり行かさせた。
弟に無理やり読まさせた。多分言わないんじゃないですかね。
弟に無理やり行かせた、読ませた。
普通にこういうせるっていうのを使うと思うので、
やっぱりさせていただく特有の変化だと思うんですよ、再入れ言葉って。
先ほども言ったように、僕自身は正しい正しくないはどうでもいいので、
再入れ言葉も使いたいなら使えばいいっていうか、使っちゃうならしょうがないっていうことなんですけど、
多分その口うるさいマナー本とかは再入れ言葉に気をつけましょうとか言って、
読まさせていただきます、行かさせていただきますは、
差が余分に入っているから間違った日本語ですとか多分言っているものがあると思いますよ。
気をつけたい人は気をつけた方がいいというか、
これもやっぱり社会的実用的な意味でですね、
口うるさい人と対面した時は気をつけた方がいいかもしれません。
この再入れ言葉が面白いのはですね、
普通っていうのも難しいですけど、
普通言語変化っていうのは形が短くなるものなんですよね。
例えば、雨だのだっていうのは元々であるから来てるんですよね。
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で、このであるのるが取れてであになって、
で、それが短縮されてだになってるってことなんですけど、
これ方言によってはじゃになったりやになったりしてるってことで、
出字は全部一緒なんですけど、
そういうふうにどんどん短くなるのが言語変化のよくあるパターンなんですけど、
再入れ言葉って差を入れて長くなってますよね。
これ非常に面白いですよね。
逆行してるっていうか珍しいパターンだと思います。
というわけで、今回のトークはさせていただくっていうね、そういう表現と、
それに付随してなんか現れちゃったみたいな、
再入れ言葉っていうものについてお話ししました。
どうですかね、皆さんさせていただくってついつい使っちゃうとか、
あるいは無意識のうちに再入れ言葉、
活かさせていただきますみたいな使っちゃってるみたいなね、
そういう方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんね。
ただ、言語これからどう変化していくかわかんないので誰も。
もしかしたらさせていただくっていうのが新しいその敬語の形としてっていうか、
つまり相手の許可とか恩恵とかそういうの関係なしに使える敬語として確立されていく可能性もあるし、
あるいは再入れ言葉もそっちの方がスタンダードになっちゃうっていう可能性もあるしっていうことでね、
それはわかんないですね。
ただ現時点ではなかなか市民権を得てないっていうか、
一応間違った日本語ということになっています。
こんな感じでですね、身近な日本語の話もしたりするので、
もし気になった表現とかございましたらお便りいただけたらと思います。
というわけで今回はここまでということで最後まで聞いていただいてありがとうございました。
よろしかったら番組フォローをお願いいたします。
ではまた次回お会いしましょう。
ごきげんよう。
11:00

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