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こんにちは、志賀十五です。 今日も志賀十五の壺をやっていこうと思います。
そんな皆さん気にしていらっしゃらないと思うんですけど、 最近連日の配信になってるんですよね。
この後数日間も毎日更新ということになりそうです。 というのもタイミングなんでしょうけど、
お便りを何通かいただいていて、それを新鮮なうちにお返ししないと、 この間の特命希望さんのみたいに
1月後にお返しってことになりかねないので、 まあそういうこともあって、あとは取り溜めしているトークもあって、それとの兼ね合いとかね、いろいろあって、
収録のトーク配信が、 この後ちょっと毎日配信ということになりそうです。よろしくお願いします。
というわけでまあ今日もお便りをお答えするということですね。 こちらラジオネームをあたりさんからいただきました。
読み上げます。シガさんこんにちは。初めてお便りします。 むいむいさんの紹介で本日初めて拝聴しフォローさせていただきました。
日本語は世界一難しい言語かというテーマのお話、興味深く拝聴しました。 漢字、ひらがな、カタカナの存在や、自動詞、他動詞の違いなどを例に挙げつつも、
日本語の難しさはその人の母語次第で特別難しい言語ではないとのお考え大変。 感銘を受けました。
さて一つシガさんに質問です。 もしかしたらすでに取り上げられておられるかもしれませんが、
ここ数年個人的に引っかかっている単語、「やばい」についてです。 これ元々はまずいの意味でカジュアルなネガティブワードとして出現したと思うのですが、
近年すごい素晴らしい的なポジティブワードとしても使われていますよね。 こういう一つの単語がネガポジ両方の意味で使われる単語って他国にもあるのでしょうか。ご教示願えれば幸いですということです。
大当たりさんどうもお便りありがとうございます。 このね、日本語は世界一難しい言語かっていうトークは、まさに大当たりさんがおっしゃってくれたように、
特別難しい言語ではないんだ日本語はということをわかっていただけたらと思います。 往々にしてね、こういうの愛国心の現れみたいなところがあるんでしょうけど、
自分の喋っている言語が難しくあってほしいっていうのがね、それぞれの 言語の和謝にあるんだと思うんですよね。
それはそれでいいと思うんですけど、言語学的に見ればこの間のトークみたいになるということです。
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で、本題ですが、ヤバイ。まあ確かにヤバイっていうのはネガティブな意味で使われてたはずなのに、
近頃って言ってももう十数年とかそれ以上経ってるんですかね、このヤバイの良い意味で使うっていうものですよね。
なんか美味しいものを食べてこれヤバイって言った時に、思わずギョッとする人もいらっしゃるっていうことですよね。
このヤバイっていうのは、 程度が外れていることみたいな感じですよね。
想定されている程度からプラスにもマイナスにもどちらでも 外れていることを表すのに使われているといった感じですよね。
で、こういった単語はすごいっていうのもどうやらそうみたいですね。 古語だと過ごしですけど、
これが古語辞典によると、 気味が悪いっていう意味とかもの寂しいとかね、
っていうネガティブなものと合わせてゾッとするほど素晴らしいっていう意味もあると。
おそらくこれもヤバイと一緒で、 ネガティブな意味合いで使われていたものが、
天時勢っていうかね、 良い意味で使われるようになっているということですね。
現代ではもうむしろ良い意味でしか使わないですかね、すごいって。
こういうネガティブ、ポジティブ両方の意味で使うものが 他の言語にはあるかというとね、
ちょっと英語ぐらいしか例が浮かびませんけど、 英語だったらクレイジーとかね、
気が狂ってるっていう意味ですけど、 天時勢、
この天時勢っていうのも通合の良い言葉ですけど、 良い意味で使われることもありますね。
あとはインセインっていうのが、 これも気が狂ってるみたいな意味ですけど、
良い意味で使われることもあります。
僕が知っているのは英語ぐらいしかないですけど、 他の言語でもあり得ることかなと思いますね。
こういったヤバい、すごい、 あるいはクレイジーとかインセインとかいうのは、
どれも程度を表すものですよね。 こういう程度を表す表現っていうのは、
変化が非常に早いものと言われています。
というのも、何かすごいものっていうか、 良いものでも悪いものでも、
程度がずば抜けているものを見たときに、 ある形式を使って表現していても、
もっと強調してすごいんだってことを表したいんだっていうね、 そういうことがモチベーションになって、
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新しい形式が出てくると。
そういう程度がずば抜けてるんだっていうのを表すために、 悪い意味のものが採用されているっていう例だと思いますね。
あとはね、そういうことで言うと、 超とかね、鬼とか神とか、こういったものもある意味で強調表現ですけど、
こういったものもやはり変化が早いもので、 どんどんどんどん新しいものが出てくるんですよね。
というのが、超うまいって言ってても、 この超っていうのがだんだん使い古されてというか、
使ってるうちにすごいっていう意味がだんだん薄れてきちゃって、 さらにその上を行くというか、真新しさを求めて鬼うまいとか出てきてね。
で、さらに新しいのが出てきてっていうふうに、 どんどんどんどん書き換えられていくものなんですよね。
やばいっていうのも、そういったものの変化の表れと言えるかもしれません。
こういったやばいとかすごいとかね、古語に限らず、 言語の意味というのは変化していくものですね。
言語の形ももちろん変化していきますけど、 意味も変化していくと。
一般的に2つの方向が 認められるんですよね。
意味の向上と意味の悪化というね、上下方向というか、 ポジティブ・ネガティブと言い換えてもいいかもしれません。
例えば、これね、1つの単語でも確かめることができて、 クイーンっていうのは女王っていう意味だとパッと思いつくと思うんですけど、
これはね、もともと女性っていう意味だったんですよね。
で、それが意味の向上ですよね。 女王という意味になっているわけなんですが、
別の単語なのかな、やっぱり。 別のつづりのクイーンの、Eが2つ続きますけど、
後ろのEがAのつづりの Q-U-E-A-Nっていうクイーンもあって、
こちらは、売春婦っていう意味になっているんですよね。
これは、明らかに意味の悪化ですよね。
だから、これは女性っていう単語が、女王になって片方、で、片方は売春婦になるっていうね、
1つの単語の中で、意味の向上と悪化が同時に見られるといった例です。
いっぱいありますよね。日本語でも、これは、二人称代名詞でよく観察されるものですね。
貴様とか、自面で見たら、どう見ても、敬っている感じなのに、今では罵る時にしか使いません。
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こういったものは、明らかに意味の悪化と言えるものですね。
こういった意味の向上にしろ、悪化にしろ、変化っていうのは、どんな言語にでもあることですし、
身の回りのものでも、ちょっと注意してみればね、見つかるものだと思います。
というわけで、お答えになってますでしょうか。
やばいみたいにネガティブなものが、ポジティブなものに使われるっていうのは、
少なくとも英語にはあって、他の言語にもあることだと思います。
それは何でかというと、何か程度がずば抜けているっていうことを表すのに、
従来の表現では、物足りなくなって、ネガティブなものをあえて使うっていうね、
それで正しさっていうのを出しているということなんだと思います。
こういう流れは、過ごしとかを見てみると、昔からあることなので、
今、悪い意味で使われている言葉が、良い意味で使われるようになるってことはね、
当然あり得ることなので、そういうことがあっても面食らわないようにしましょうということですね。
というわけで、今日はここまでということで、最後まで聞いていただいてありがとうございました。
よろしかったら番組フォローをお願いいたします。
ではまた次回。ごきげんよう。