1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #623 連濁に似ている世界各地..
2024-02-06 10:51

#623 連濁に似ている世界各地の現象 from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。ジョー・ディマジオです。お便りいただいております。
ラジオトーク宛に、好きな品種は同士さんからギフトと一緒にお便りいただきました。ありがとうございます。
志賀さん、こんばんは。いつも楽しく拝聴しています。ありがとうございます。
日本語の連濁は有性化、母音に挟まれたことによる同化という側面もあるというのは、今まで気づかなかったです。
これね、一概にはそうとは言えないんですが、確かにそういう側面もあるということですね。
昔々、フランス語の先生がフランス人の友達に何度教えても、遊ぶを遊ぶって言うんだよと、確かディエゾンの説明か何かの時におっしゃってたのを思い出しました。
機会があれば、何か外国語の例なんかもトークでお聞きできたら嬉しいです。
早いもので1月も終わりますが、寒さはまだまだ、志賀さんもお元気にお過ごしくださいませ。
ということで、好きな品種はどうしさんどうもありがとうございます。
というわけで今回は、個人的に連濁に似てるなと思う現象についてお話ししていきます。
連濁に似てるなというだけで、有性音化とか同化現象とももしかしたら言えないかもしれないんですけど、
個人的になんとなく連濁に似てるなというものをご紹介していきます。
日本語の中にも連濁の他に連濁っぽいものはあって、
1個は連常と言われるものです。
連なる声と書いて連常と読みます。
これは、例えば天王とかですね。天王と書いて天王とか、銀杏が銀杏とか、あと観音様とかね、因縁とかね、こういったものです。
あるいは三味一体説の三味とか、こういったものが連常と言われるもので、
現代ではあんまり生産的なものとは言えないと思うんですね。
つまり語彙的にもう定められているもので、
現代語で新しく連常という現象がね、観察されるというよりは、個別に辞書に登録されているものだっていうのが実情じゃないかなと思います。
この連常の面白いところは、昔の発音がわかるというか、元の中国語の発音がわかるんですよね。
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さっきのだと三味一体説の三味っていうのは、Mの音が出ているわけですけど、
あれは元々当時の中国語で三っていうのが三音っていうこのMの音、唇を閉じる音の音だったっていうことがわかるということで、
連常っていうのはその歴史的に見ても面白いものなんですね。
さて、連濁というものは、一種のシーン交代ですよね。音が変わっているということで、
たこうがゆでだこうになるのは、このtoというtで書かれるようなシーンがdoというdで書かれるようなシーンに変わっている、交代しております。
これは三音によっては優勢化っていうことができるんですね。声帯の震えを伴うようになるということで。
連濁の場合は、ある五の一部となるとき、後部要素、後ろの要素となるときに優勢音化するというか、
優勢音化と一括りにするのもまずいんですけど、ひとまずそういう条件の下でシーンが交代するという現象でございます。
世界各地の言語にそういった現象はあるかというと、あります。
僕が連濁とよく似ているなぁと思うのは、ケルト諸語に見られるシーン交代、レニーションとか言われるんですけど、
これはなんて言うんですかね、弱化とか、あるいは難化っていう風に言われると思います。
ケルト諸語っていうのは、現代ではヨーロッパのかなり西の方の東諸部で話されている言語で、
ウェールズ語とかアイルランド語がケルト諸語に属すものです。
もともとヨーロッパ大陸部でも話されていた、勢力を持っていた言語なんですけど、
現代ではかなりインドヨーロッパ語族の中では少数派になっていると言っていいんじゃないかと思います。
ウェールズ語なんかにはそのレニーション、弱化とか難化と言われるシーン交代の現象があって、
例えばプーっていうPで書かれるようなシーンがある条件の下でブーというシーンに変わります。
これはプーがブーになるのは有声音化なので非常に連濁に似てるんですが、
ただPが交代するのは有声音のブーの音だけじゃなくて、
微音のム、エムの音とか摩擦音のフ、エフの音に交代することもあるんですね。
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なので交代の仕方が有声化と微音化と摩擦化と3つのパターンがあって、
連濁とさらに違うのは、その弱化が見られる条件ですね。
どういう時に見られるかというと、例えば監視の後なんかで見られます。
あるいは前次詞の後とか、そういう機能語の後に例えばPの音があると、
Fの音に変わったりするんですね。
なので日本語の連濁は複合語で起こる現象なんですけど、
ウェールズ語の場合はクという単位で起こるものと言えるかもしれません。
これは確か他のケルト諸語、アイルランド語とかでも見られる現象だったと思います。
このケルト諸語のレニション、シーンジャッカー、シーンランカーと似ている現象が
日本のすぐ近くでも観察されるんですね。
それはニブフ語と言われる言語であります。
あるいはギリヤーク語と言われる言語で。
ニブフ語っていうのはサハリン、カラフト等ですね。
そういったところで話されている聞き言語ですね。
話者の数は非常に少ないと思います。
ニブフ語っていうのは話者の数が少ないっていうのもそうだし、系統的に孤立してるんですよね。
日本語も、あるいはアイヌ語もそうなんですけど、親戚の言語っていうのがわかっておりません。
そういった意味でニブフ語っていうのは非常に貴重な言語と言えるかもしれません。
そのニブフ語にもシーンジャッカーみたいなものがあります。
ただそのシーン交代の規則っていうのが結構複雑で、このエピソードで全部お話しすることできないんですけど、
その中の一つに破裂音が摩擦音に交代するっていうのがあります。
だからさっきのウェールズ語と一緒でプーの音がフーの音に変わるっていう交代パターンもあるんですよね。
そのシーン交代がいつ起こるかというと、これもいろいろあるんですけど、
面白いのは目的語と他動詞との間で起こると言われてるんですね。
それだけ目的語と他動詞の結びつきが強いとも言えるかもしれません。
ニブフ語は日本語と同じ目的語動詞の順で現れるので、
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動詞の頭のシーンが交代することになるんですね。
これもなかなか面白いですよね。
さらにニブフ語は字動詞と他動詞のつい、日本語で言うとこの乾くと乾かすみたいな、
この動詞の字他のついにもこのシーンの交代が見られるっていうことで、
これも非常に面白いですよね。
今までケルト諸語とニブフ語のシーンの交代を見てきましたけど、
成長を持っている言語では成長が交代するっていうこともあるんですよね。
そういうのをトーンサンディとか言ったりします。
中国語にもあります。
プートンファっていうか中国語だと成長が4つあるんですよね。
牛の胃袋じゃないですけど。
それで3声と3声が続くときは2声3声っていう風に最初の3声の音が2声に変わるっていう規則があって、
ニーハオっていうのがそうなんですね。
これはシーンの交代ではなくて成長の交代ですが、
ある条件下で音が交代するという点では、広い意味では連濁に似てるかなと思います。
今回は割と取り留めのない話でしたけどね。
興味のある方はぜひいろいろ調べてみてはどうでしょうか。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。
またねー。
10:51

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