1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #592 DOM:示差的目的語標示に..
2023-10-21 09:45

#592 DOM:示差的目的語標示についての軽いエピソード from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:11
始まりました、志賀十五の壺【10分言語学】、ドクターリンです。
番組宛にギフトやお便りいただいております。
まずは1通目。
サナダユキさんからギフトいただきました。
ありがとうございます。
続きまして2通目。
好きな品種はどうしさんからもギフトと合わせてお便りもいただいております。
ありがとうございます。
志賀さんこんばんは。まだ聞き始めて1ヶ月なので、加工トークの流しギキと合わせて毎回楽しみにしてます。
二重音階制約の続きのトークもありがとうございました。
これふくた同士のエピソードですね。
PTRのサムネと英語の具体例を出してくださったのでよくわかりました。
英語は格変化が失われて語順が機能を果たすようになったので、いろんなパターンがあるのですかね。
これからも楽しみにしてます。季節の変わり目、お体にも気をつけていろんなトークをお願いします。
ということで、好きな品種はどうしさん。どうもありがとうございます。
二重音階制約っていうのは、日本語には女子の音っていうのは1回しか出てこれないっていうような制約で、
埋め込み文とかは別なんですけどね。
彼を殴った男を知っているとか、関係説っていうか連帯説っていうか、文が埋め込まれている場合は、「を」っていうのは2回出てこられるんですけど、そういう場合じゃなくて、
例えばふくた同士みたいな場合でも、「を」っていうのは日本語では1回しか出てこられません。
ふくた同士っていうのは目的語が2つあるように思われるっていうか、目的語っぽいものが2つある動詞で、「あげる」みたいなものですね。
子供をおもちゃをあげるとか言えないんですよね。日本語では。
子供におもちゃをあげると。
子供の方、ふくた同士の「あるこう」とかね、受けてこうの方を2っていうのでマークする必要があります。
それに対して英語の方は、二重目的語構文っていうのがあるので、
ギブ人物みたいな構文ができるんですよね。両方目的語になります。
日本語みたいに、Tの方、物の方を目的語にする。
おもちゃをあげるっていう言い方をする言語もあるし、そういうのをインディレクティブ型とか言うんですけど、
そうじゃなくて、動作の受けての方を目的語にするっていう言語もあるっていう話をしたんですよね。
03:05
そういうのをセカンダティブ型と言って、日本語風に考えると、子供をおもちゃであげるみたいに、
子供の方が目的語になると。
で、かなり変な言い方ですよね。子供をおもちゃであげる。
ただ、日本語にもこういった言い方があるなぁと、つまりセカンダティブ型の構文があるなぁと思ったんですよ。
例えば、グラスをビールで一杯にするみたいに。
これは動作の受けて、Rの方が目的語になって、物の方っていうかTの方がでっていうので出てきているので、まさにこういうのがセカンダティブ型です。
そういうのを意識するとセカンダティブ型っていうのはどういったものかっていうのがよくわかると思います。
詳しくはね、副他動詞のエピソード。
PTRとかね、インディレクティブ、セカンダティブとかの話してますので、そちらを聞いていただけたらと思います。
なんで日本語で二重音格制約があるかっていうのは、よくわかんないと言えばよくわかんないんですよね。
今言った副他動詞っていうのは、よく典型的にはギブみたいな、与えるとかあげるみたいなのが副他動詞と言われてますけど、
そういった動詞は、動作の受けてっていうのは典型的には人で、物っていうのは物なんですよね。
つまり無生物名詞のことが多いと思います。
おもちゃを子供にあげるみたいなものですけど、これが両方五角で出てきたとしても、子供をおもちゃをあげるみたいな言い方をやったとしても、
どっちがRでどっちがTかっていうのはすぐわかるんですよね。
副他動詞って結構そういうものです。
そういうものですっていうのは、Rっていうのは人間名詞っていうのが一番典型的なので、
もし両方目的語になっていたとしても、あるいは日本語で両方五角で表れていたとしても、
人間だったら、それはR項だろうっていうのがわかるんですよね。
そういう意味では、五角が2個出てきちゃダメっていうのはよくわかんないんですよ。
五角が2個出てきていたとしても、片方人間名詞だったらそっちの方がR項っていうのはある意味自動的にわかるんで、
そっちの方が無表なんですよね。デフォルトなので。
似たようなことは主語と目的語の間でも起こっていて、
話し言葉だったら、「が」とか「を」っていうのは出てこないことがあります。
06:06
主語や目的語に特別の表示がないということですね。
なので、「お前コーヒー好き?」とか平気で言えるんですよね。
別に解釈に問題はなくって、
お前が主語でコーヒーが目的語で、好きが動詞ではないですけど、述語なわけですけど、
これもやっぱりさっきと同じような原理で、主語っていうのは典型的には人間名詞で、
コーヒーみたいな無生物名詞の方が目的語と解釈されるので、
語順とかもあると思うんですけど、ちょっと置いといて、
お前コーヒー好き?と言ったら、お前っていうのが主語、コーヒーが目的語っていうのは、
助詞っていうものがなくても、別にそうやって解釈することができます。
こういう解釈の揺れが出るときに、逆に助詞みたいなものが必要なんですよね。
つまりどっちも主語になり得るし、どっちも目的語になり得る。
主語も目的語も人間名詞のときに、ちょっと解釈の揺れが出ます。
お前あいつ好きなんじゃね?って言った場合、両方あり得るんですよね。
お前が主語という解釈もできるし、あいつが主語っていう解釈もできるので、
つまり両方人間名詞で主語になり得るっていうことですけど、
同じこと何回も言ってますけど、こういった揺れを、誤解を防ぐために、
例えば、のことみたいなものをつけて、
お前あいつのこと好きなんじゃね?とか、お前のことあいつ好きなんじゃね?
こういうふうにのことっていうのをつければ、
主語と目的語の解釈の揺れっていうのはなくなります。
さっきの副他動詞の場合は、
RもTも両方人間っていうのはあんまり考えられないと思うので、
人心売買的なことになりますよね、そうなるとね。
やっぱり典型的には、Rは人間で、Tは無生物っていうふうに考えられるので、
ある意味で助詞っていうのは必要ないし、
あるいは二重目的語っていうので表してもいいんですけど、
日本語はそこに強い制約があります。
ちょっと話が行ったり来たりして申し訳ないですけど、
さっきの主語と目的語両方人間だった場合に、
のことっていうのが出るみたいなね、
特に好きみたいな述語の場合にそういうものが出るわけなんですけど、
そういうのをDOMということがあります。
Differential Object Markingと言われるもので、
09:03
これについては過去にエピソード撮ってますので、
合わせて聞いていただけたらと思います。
なかなか面白い仕組みですよね。
日本語ののこと以外にも、世界中の言語で、
そういう主語と目的語の曖昧性を解消するための手段っていうのがあるんですね。
ぜひ関連エピソードも聞いていただけたらと思います。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。
またねー。
09:45

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