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始まりました。志賀十五の壺。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
オレスデストラーデです。
高校の古文で、高校じゃなくてもやったんだっけな。
中学でもやったんだったかどうだったか。
とりあえず、動詞の活用っていうのをみなさん覚えたと思います。
活用の種類がいくつかあって、
四段活用から始まり、紙に下に、紙市下市、
あと変格活用と言われるものが、
下辺・左辺・那辺・那辺っていう風にね。
これだけ活用の種類があってですね。
それぞれ、未然・連用・終始・連帯・以前・命令と、
形を変えてたわけですよね。
現代日本語もこういう活用っていうのはあるわけですけど、
活用の種類っていうのはやや少なくなっていて、
特に変格活用っていうのは、
現代日本語は下辺と左辺しかないので、
もっというとくるとするしかなくって、
那辺とら辺っていうのは残っていません。
あとは二段活用っていうのも、
少なくとも現代日本語の共通語、
いわゆる共通語ではなくなっています。
それはそれとして、
古文でいう四段活用っていうのは、
現代日本語でいうとこの五段活用に対応するんですね。
一個増えてるじゃないかっていうことですけど、
もし皆さんが鋭い学生であったなら、
この辺りのことについて疑問をお持ちになったかもしれません。
あるいは何も考えていないかもしれません。
四段活用と五段活用っていうのは、
実質同じものと言ってよくて、
で、昔四段活用って言ってたものを、
現代日本語では五段活用と言ってるんですよね。
で、なんで一個増えたかというと、
そもそも四段活用っていうのは音が4つ出てくるからで、
あ、い、う、えっていう音が出てきてたわけですよね。
未然、連用、終始、連体、以前、命令の順番でいくと、
例えば書くっていう動詞だと、
書か、書き、書く、書く、書け、書けっていう風にね、
あ、い、う、う、え、えという音が出てきます。
で、これが現代日本語だと、
あ、い、う、えに加えて、
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五段の音も出てくるっていうことですね。
で、古文になかったこの五段っていう音が、
どうやって出現するようになったのかっていうことを、
今日はお話ししていこうと思います。
さっきの書くっていう動詞の場合、
古文にはなかった書こうっていうね、
勧誘とか意思を表す形が、
現代日本語にはあります。
で、古文の時代には、
この書こうみたいな五段の音がなかったので、
四段活用と言ってたわけです。
でね、この書こうみたいな五段の音は、
未然形っていう風に教えられてるみたいですね。
で、これはね、全然ダメだと思いますね。
書かないとか書かれるみたいに、
書かっていう風にあだんの音が出るときは、
未然形で、まあいいと思うんですけど、
書こうみたいな五段の音も、
未然形にするのは、
まあ全く意味がわからないですね。
まあ意味がわからないと言いつつ、
本当はよくわかってるんですけど、
というのが、この書こうっていうのは、
もともと確かに未然形に由来しているからです。
まあもっと言うと、
かかむという助動詞むに由来してるんですね。
まあ今でもちょっと古風な言い方で、
いざゆかんとか言ったときの、
このんっていうのが助動詞むに由来するものです。
で、このんっていう風な音を聞くと、
特に西日本の方の人は、
否定をイメージすると思うんですよね。
今日は書かんとか言うと、
今日は書かないみたいにね、
まあそういう風にんが否定で使われるんですけど、
こっちのんは助動詞ず、
もっと言うとその連体形のぬに由来するもので、
書かぬから書かんになってるんですね。
で、一方、今お話ししてる書こうっていうのは、
かかむっていう、
まあむっていう助動詞から、
このmで書かれるようなし音が落ちてですね、
かかうっていう発音にまずなりました。
で、このあとうの母音が連続することになって、
これが書こうにつながっていったんですね。
まあこういうのはうおんびんっていう風に言うこともできると思います。
というわけで、書こうっていうのは、
かかむっていう、なんて言うんですか、
未然形プラス助動詞のむに由来してるので、
そのせいで書こうっていうのも未然形にしてしまってるんですけど、
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このね、言語の歴史っていうのと、
実際話されてる言語の文法っていうのは区別しなきゃいけないんですよね。
まあこの点については関連エピソードがあるので、
ぜひ聞いていただけたらと思います。
この書こうっていうのは未然形にするんじゃなくって、
新しく活用形っていうのを設定して、
一種形でもなんでもいいですけど、
そこに書こうっていうのを入れるのがいいやり方だと思います。
ある意味その古文の文法体系っていうのを引きずってしまっているっていうことですね。
このかかむっていうのが現代語で書こうになってるわけで、
だからあむっていうのがあうになっておうっていう風にね、
まあこういう風に変遷をたどっていったわけですけど、
そうなると現代語であむっていう動詞があるのは、
本当はおかしいんじゃないかっていうことになりそうですよね。
というのがあむっていうね、
正太をあむとかのあむっていうのも、
かかむと同じようにあむっていう音が入っているので、
かかむっていうのが繰り返しですけど、
あうからおうと変わって書こうになったならば、
あむっていう動詞もあうとなって、
その後おうっていう形で、
現代語に引き継がれてないと、
本当はおかしいんじゃないかっていうね。
ただこのあむっていうこのむっていうのは、
助動詞のむではないので、
まあ活用語尾と言ってもいいかもしれないですけど、
まあ修飾形の形ですよね。
で活用するので、
あまない、あみます、あむ、あむとき、あめば、あめみたいに、
まあ活用する部分なので、
かかむの助動詞のむとは、
まあ事情が異なるんですよね。
なのでかかむとか、
あるいはよまむっていうのが、
現代語では書こうよもうになってますけど、
同じ変化が動詞あむに起こったわけではなくて、
確かに同じ音の並びではあるんですけど、
活用語尾あるいは動詞の一部、動詞そのものであるため、
同じ音変化はたどらなかったということなんですね。
まあこのあむっていうね動詞の話は、
ダソクとして置いとくとして、
今日お話ししたかったのはですね、
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古文で四段活用と言われていたものが、
現代語では五段活用になっていると。
でそれは、かかむみたいに、
未然形プラス助動詞むっていうね、
その連続が音変化の結果、
五段の音が生まれているというお話でした。
でそれを未然形とみなすのは、
ちょっと良くないんじゃないかなっていうねお話でした。
というわけで最後まで聞いてくださってありがとうございました。
番組フォロー忘れずよろしくお願いします。
お相手はしがじゅうごでした。
またねー