1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #578 日本語も英語もいっしょ..
2023-09-02 09:49

#578 日本語も英語もいっしょ!?パラメータの話 from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/715642

主要参考文献
『言語のレシピ─多様性にひそむ普遍性をもとめて─』 (マーク・C・ベイカー、岩波現代文庫)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:07
始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。チャーリーズ・エンジェルです。
今回は、ざっくり言えば、生成文法の話をします。
この生成文法っていうのは、ノーム・チョムスキーという、著名なアメリカの言語学者によって
打ち立てられた理論で、言語学の一つの流れを作った理論なんですよね。
この番組はもう500本ぐらい、500本以上エピソードを配信してますけど、この生成文法について話したのは多分1回だけじゃないかなと思います。
そこでも似たような話をしていると思うんですけど、僕がちょっと苦手なところがあったりとか、納得できないようなところがあるのと、
あとは音声だけではちょっと伝えづらいところもあったりということで、それであんまり取り上げてないんですよね。
なのでこの番組で生成文法の話をするのは、レアというか珍しいといえば珍しいことでございます。
今回はほとんどブックレビューみたいな感じですかね。
岩波現代文庫から出ているマーク・C・ベイカーの言語のレシピ、多様性に潜む普遍性を求めて、こういうものが文庫で出ていまして、非常にわかりやすくて面白いんですね。
生成文法ってかなりね、理屈っぽいっていうか、まあ理屈は理屈なんですけど、より数学っぽいっていうか、
まあちょっとね入門書であっても突きづらいところがあるんですけど、この言語のレシピっていう本は非常にわかりやすく、
言語学を全く知らない方でも楽しめるんじゃないかなと思います。 でこの裏拍子に
なんていうんですか、文句があるわけですけどちょっとそれ読んでみますね。 見た目はかなり違ってもパンとクラッカーのレシピの違いは大さじ1杯のイーストだけ。
似たところなど何一つなさそうな言語同士も実はレシピがほんの一箇所違うだけかもしれない。 言語学は日本語や英語、アメリカ先住民の言語など
あらゆる言語の多様性の本質に迫りつつある。 多様性と普遍性の矛盾を解く鍵はパラメータだ。
03:09
まあこういった文句が裏拍子に書いてあります。
今引用したようにこのベイカーの 言語のレシピでは
言語っていうのをなんていうかな、ま、料理で例えてるんですよね。 パンとクラッカーみたいに出来上がったものは全然違うように見えても
本当はレシピがちょっとだけ違うだけ。 まあこういうふうに言語を捉えます。どういうことかというと
生成文法では言語っていうのを 2段階に分けるんですね。一つはi言語
iランゲージ、でもう一個はe言語、eランゲージと言われるもので i言語の方はインターナライズド、e言語の方はエクスターナライズド
それぞれのiとeを取っているということなんですけど まあ真相と表層とか
あるいは潜在と顕在みたいに言い換えてもいいかもしれません。 i言語の方が潜在的な
我々の頭の中にある言語という感じで e言語っていうのはそれが具体的な形になって出てきている
そういった区別が生成文法の前提としてあります このi言語が
具体的なe言語になるまでの手順というか ステップみたいなものが
パラメータと言われるものです。日本語で変数と言われることもありますけど カタカナでパラメータとそのまま言うこともあります
でこのパラメータっていうのは 今言ったように手順というかね
ステップみたいなものでそれぞれの言語で選択されるものです でその選択の違いのせいで見た目が大きく変わっているということなんですね
この考えに基づけば 日本語と英語っていうのは見た目
つまりe言語では 全然違う言語ですよね
とても似ているとは言えませんが i言語 つまり我々の頭の中にある
生の言語っていうかなそういった次元では 同じだ
そんなに違いはない ということになるんですね
わかりやすいパラメータの一つとして 主要部方向性パラメータっていうのがあります
06:02
この主要部が何かっていうのは結構議論もあるし難しいとこがあったりするんです けど
日本語は主要部を 後続させる後ろに持ってくるという選択をして英語は逆に主要部を前に持ってくる
という選択をしています 例えば
動詞と目的語の関係では動詞っていうのが主要部なんですね なので日本語では本を読むというふうに主要部である動詞が後ろにきます
で英語は逆ですよね リーダーブックっていうふうに動詞のリードが前に
現れていると また名詞と助詞っていうのはちょっと意外に読まれるかもしれないですけど
助詞の方が主要部なんですね なので
彼からみたいに日本語の場合は 主要部であるからが後置詞として後ろに現れていて英語だとこれがまた逆に
なってfrom him というふうにfrom っていうのが前に現れています このように主要部が後ろに出るか前に出てくるかっていう主要部方向性
パラメーターが関わっているのは 今わかりやすく日本語と英語の話でしたけど他の言語にも当てはまることで
まあそのために良い言語 見た目ではある言語は日本語とすごく似てると感じるしまた別の言語では英語と
すごく似てるなというふうに感じるんですね
このように 我々の頭の中にある愛言語は同じでも
わずかな手順の差でまつまり主要部を後ろに持ってくるか前に持ってくるとかね そういったわずかな違いによって
実際の具体的なね良い言語が大きく異なっていると まあ生成文法ではそう考えるんですが
この手順ですねパラメータって言われるのがどれくらいあるかっていうのがまた問題と なっています
今回は主要部が前か後ろかっていう話でしたけど 他にも主語が出てこなきゃいけないのか出てこなくてもいいのかとか
いろいろなパラメータが発見あるいは提案されてるんですけど まあそれが増えすぎるとねどうなんだっていう感じもしますし
議論されているところではないかなと思います というわけで今回は言語学の生成文法と言われる理論の中で
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最も重要なね概念の一つであるパラメータのお話でございました 気になる方はぜひ
言語のレシピ読んでみてください それと冒頭お話ししたように過去に1回だけ生成文法についてお話ししているエピソードがあるので
概要欄にリンクありますのでそちらも合わせて聞いていただけたらと思います というわけで今回はここまでということで最後まで聞いてくださってありがとうございました
番組フォローも忘れずよろしくお願いします お相手はしが15でした
09:49

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