1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #15 「らぬき言葉」って悪いの..
2020-03-05 11:59

#15 「らぬき言葉」って悪いの?俺は支持するぜ! from Radiotalk

#ひとり語り #落ち着きある #豆知識 #雑学 #教育 テーマ「ことばの乱れ」 画像が見づらい場合下記参照。        五段動詞 一段動詞        (子音語幹) (母音語幹)  <基本形 (r)u> ik-u tabe-ru <(r)are形> ik-are-ru tabe-rare-ru <(r)e形> ik-e-ru tabe-re-ru
00:00
こんにちは、志賀十五です。毎回テーマを一つ決めて、それに沿ってトークしています。
今回のテーマは、言葉の乱れです。
言葉の乱れって言いますね。
言いますし、皆さんも一度くらい使ったことがあるんじゃないかと思います。
僕は言語学をやっているので、そういった言葉の乱れについて考えたりするんですが、
ただ、言語学はその言葉の良い悪いは問わないんですね。
問わないというか、どうでもいいというか、それをするのは言語学じゃないんですね。
というよりもむしろ、その言葉の乱れとされているのが何でそういうふうに現れているのか、
どういう仕組みでそういう乱れ方をしているのかというのを探るというのが言語学です。
なので、その乱れ方というのも必ず何か理由や根拠があるというふうに考えます。
今回はわかりやすい例として、
ラヌキ言葉、今むしろラヌキ言葉の方が主流になっているようなところもあると思うんですけど、
このラヌキ言葉を例に言語学的に考えてみたいと思います。
それを話すにあたり、見られる方は見てほしいのはサムネイルというんですかね。
このトークの画像があると思うんですけど、
このやり方はラジオとして最悪のやり方なんですけど、
どうしても何か書いてあるもので説明しないとわかりづらいので、こういう方法になっています。
あるいは紙やペンが近くにある方、スマホで打っていただいてもいいですけど、
何か書いていただいて話を聞いていただけるといいんですが、
まず前提として、日本語の動詞というのは必ず無断で終わるんですね。
辞書形というか現在形というか、いくたべるがここでは例に挙がっていますが、
この動詞というのは大まかに言って二つのグループに分けられます。
一つは五段動詞、もう一つは一段動詞です。
これ多分中学校の時にやってるんですよ。
中学校の時に習った時はもうちょい細かく言ってるはずなんですね。
03:04
紙一段と下一段という。
ただ今回の話は紙とか下とか関係ないので、
ここでは五段動詞と一段動詞に分けて話をしたいと思います。
日本語の数ある動詞全てこの二種類に収まります。
例外はたった二つしかないんです。
不規則の動詞というのは現代の日本語において二つしかあります。
それするとくるという。
この二つだけは別個の変化の仕方をするので今回は扱わないですが、
英語の不規則の変化を山ほど覚えさせられましたよね。
Go went goneとかね、ああいうやつですけど、
その不規則系、英語に比べると日本語はたった二種類しかありません。
それでこの二種類、五段動詞、一段動詞なんですが、
言語学だともうちょっと別の言い方をすることがあって、
五段動詞のことを詩音互換動詞、
一段動詞のことを母音互換動詞ということがあります。
これはどういうことかというと、
言語学ではカナで書いているとちょっと本質を見落としがちなので、
ローマ字で分析するということがよくあります。
行くだとIKUですね、これで行く。
食べるだと食べるですね。
そういうふうにローマ字でまず書いていただいて、
ローマ字で書くと見えなかったものが見えるようになるんですね。
例えば、現在形というのは、
行くの場合は語幹がIKなんですね。
それにUというのがくっついているというふうに考えます。
他の五段動詞、例えば書くとかもそうですけど、書くの場合も語幹はKAK。
これにUがくっついているというふうに考えます。
語幹というのは変化、いわゆる活用と言っていいと思うんですけど、
活用するときに変わらない部分のことを語幹と呼びます。
語幹が死因で終わっているので、
行くも書くの場合も両方Kで終わっていますけど、
そういうのを死因語幹動詞と呼んでいます。
一方、食べるの場合は語幹がTABEなんですね。
それにUではなくRというものがくっついて現在形というのが作られています。
他にも、この一段動詞だと起きるとかもそうですね。
06:05
起きるも大きいが語幹、変わらない部分で、
それにRというのがくっついています。
こういうふうに変わらない部分が、
つまり語幹が死因で終わっているのか、
母音で終わっているかというのが一つ動詞の違いなんですね。
それでは次の話になるんですが、
ら抜き言葉について考える前に、
正しいとされている日本語について考えてみると、
Cといえばらあり言葉というか、ちゃんとした形ですね。
この場合はどう考えるかというと、
行くみたいな語段動詞の場合は、死因語幹動詞の場合は、
語幹がEIKですね。
そこにあれという要素がくっついて、
最後にるという現在形のものがまたつくんですけど、
これで行かれるという形になります。
一方、食べるの場合はTABE、
その後にられという要素がくっついて、
また最後にるというのがくっついて、
食べられるという風になっています。
なのでこの分析では、
中学校の時に習った未然形という考えはしません。
未然形だといかという風に考えると思うんですよね。
いかれるだと。
いかという要素にれるがくっつくという風に考えるんですが、
ここでは変わらない部分がIKの部分で、
それにあれるというのがくっついて、
これで行かれるという風になっています。
これはローマ字で書かないと見えてこないところなんですが、
そういう考えもあるということで、
今回ら抜き言葉を説明するのに、
こういう分析の仕方の方がいいので、
こちらを使っています。
次にいよいよら抜き言葉の本題に入るんですが、
ら抜き言葉が見られるのは、
一段動詞、母音互換動詞、つまり食べるタイプにしか観察されません。
なので食べられるのらの部分が取れるから食べれるになるんですね。
これが何で起こったかというと、
この食べられる、行かれるもそうなんですが、
このられとかあれとなっているこの要素は、
非常に様々な意味を持っているんですね。
例えば一つは受け身、もう一つは尊敬、
そして可能表現という三つの意味を持っているので、
09:07
基本的にこの三つの意味を持っていて、
食べられるといったときに何を意味しているかが
瞬時に判断できないんですね。
これは受け身なのか尊敬なのか可能なのか分からないと。
尊敬の場合はお食べになるとか、
飯上がるみたいに別の言い方ができるので、
尊敬はある意味回避の仕様があるんですけど、
受け身と可能形はちょっと瞬時に判断ができないと。
ではどうするかと考えたときに、
ここで一旦語弾動詞、行くタイプの話になるんですけど、
この行くみたいな語弾動詞の場合は、
えっていう要素をくっつけると可能動詞が作ることができるんですね。
行けるとか字が書けるとかですね。
っていう風にえっていう要素をくっつけると可能動詞が作れると。
これと似たようなことをら抜き語弾動詞はやってるんですね。
例えば食べれるっていうのは、
食べの後にれっていう要素がくっついて食べれるになってると。
これはどうなったかというと、
可能を表す要素として、
えあるいはれっていう要素をくっつければいいっていうルールができた。
原来日本語でできたっていうことなんですね。
それを表したのがこのサムネイルの画像なんですけど、
なのでこうすることによって行けるとか食べれるっていうのは、
可能オンリーの意味しか表さないので、
ある意味効率化が進んでるっていうことになります。
食べられるで三つも表してたのが、
可能の意味は食べれるに任せることによって、
受け身の意味あるいは尊敬の意味っていうふうに負担が軽くなっているっていうことになるんですね。
でそのら抜き言葉が生まれたのは、
いけるとかかけるとかそういう語弾動詞の方にある動詞の形に引っ張られているっていう面も多少あるかもしれません。
が現代日本語はこういうふうにきれいな表にまとめることができるんですね。
なのでら抜き言葉を一言で言葉の乱れっていうのはちょっとよろしくないんじゃないかと思います。
わりとぴったり解説ができました。
というわけでわりと言語学こういう面白いこともやっているので興味のある方勉強してみてください。
ではまた次回。ごきげんよう。
11:59

コメント

スクロール