1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #69 今さら聞けない「自動詞」..
2020-05-02 11:56

#69 今さら聞けない「自動詞」と「他動詞」 from Radiotalk

#ひとり語り #落ち着きある #豆知識 #雑学 #教育
テーマ「動詞の自他」

他動詞化 osu/asu
ot-osu「落とす」moy-asu「燃やす」
自動詞化 aru
uw-aru「植わる」matom-aru「まとまる」
両方 eru
(他)tsuzuk-eru「続ける」(自)yak-eru「焼ける」

自作言語の文法書
https://drive.google.com/file/d/1qHNOd0lIlTTD8diS-Z4FGwEnx1m-9JCN/view?usp=drivesdk
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始まりました、志賀十五の壺。今回のトークテーマは、「自動詞と他動詞」です。
自動詞と他動詞って、みなさん、言葉自体はおそらくお聞きになったことがあると思うんですよね。
で、だいたいそういうのって、英語をはじめとする外国語を学習するときに聞いたりすると思います。
簡単に言うとですね、自動詞っていうのは、登場人物が1人の動詞で、他動詞は2人出てくる動詞って考えていただいていいと思うんですよね。
例えば、歩くとかは、あと寝るとかですかね、そういうのって自動詞と考えられます。
私が寝るとか、太郎が歩くとかね、こういうふうに主語ががで出てくるのが自動詞というふうに日本語では考えられます。
一方、他動詞は、がだけじゃなくてがとをっていうね、2つ出てくるのが他動詞と考えていいと思います。基本的にはですけど。
例えば食べるとかですね、私が魚を食べるみたいにがとをが出てくる2つ登場人物出てきますみたいなのは他動詞です。
一方ですね、英語を考えた場合は、いわゆる第一文型と言われるものが自動詞で、第三文型でSVOと出てくるのが他動詞と考えていただいていいと思います。
なんかやりましたよね、文型とかね、高校英語でね。
主語同詞で最悪それで終わっちゃっていいのが自動詞。
主語同詞目的語で名詞で動詞をサンドイッチするみたいなのは他動詞と英語ではこういうふうに考えられます。
自動詞と他動詞っていうのはきっちり英語と日本語で対応しているわけではないんですよね。
なのでよくね、受験生がよく間違える英語として、結婚するとかがよくあがりますね。
メリーとかだと結婚する場合は、日本語の感覚だと誰々と結婚するのでメリーwith誰々みたいにしたいんだけど、英語ではメリーは他動詞なのでwithとかtoとか無しでいいということですね。
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時々あるんですよね。
もっと身近なあれでいうとmeetとか会うっていうやつだと誰々に会うので、日本語の感覚だとmeet to誰々とかになりそうだけど、meetは英語では他動詞なのでmeetの後すぐ人がやってくるとこういうことなんですね。
なので必ずしも自動詞と他動詞の境界っていうのは言語によって違うということが起こります。
結婚するとか会うは日本語では自動詞と考えられているけど英語ではSVOと出てくる他動詞であると。
もしかしたらこういう自動詞と他動詞というのが分かっていると外国語学習に役立つかもしれないということで今お話しているんですけど、それよりももうちょっと母語である、多分皆さんほとんど母語日本語だと思うんですけど、その日本語に目を向けてみて、じゃあ日本語の自動詞と他動詞はどうなっているのかというのをお話したいと思います。
例えばですね、落ちると落とすっていう、これ非常に似てますけど、皆さんだったら落ちる、落とすどっちが他動詞かって聞かれた場合に、先ほども申し上げたとおり、をっていうのが出てきたら他動詞と考えていいので、落とすだよな、石を落とすだもんなってこういうふうに思うと思うんですね。
石を落ちる、あ、言わないな、石が落ちるだもんなと。
あるいはですね、燃える、燃やす、どっちが他動詞か。
つまりどっちが、をが出てくるかって言ったら燃やすの方ですよね。
ゴミを燃やす。
で、今言った落とすと燃やすみたいに、おすとかあすみたいな音が出てくると、他動詞なんですよ。
これね、知らないでしょ。
知らなくても、実は知ってるんですよ。
皆さん無意識に使いこなしてるだけであって。
なので、おすとかあすっていうのが出てきたら他動詞。
こういうのを専門的には他動詞化とか言ったりします。
今言ったように、おすとかあすが出てきたら他動詞になるっていうのと逆で自動詞化っていうのもあるんですね。
例えば、木を植えると木が植わるみたいに、植わるっていうのは自動詞なんですね。
あとはチームをまとめるとチームがまとまる。
チームをだからまとめるの方が他動詞だからチームがまとまる。
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まとまるが自動詞かとこういう風になるんですけど。
こういう風に植わるとかまとまるとか、あとは転がるとかですね。
こういう風にあるみたいな音が最後出てくるとこれ自動詞なんですよ。
他にもいっぱいあるのでぜひ皆さん探してみてほしいんですけど。
つまり日本語の動詞っていうのは、おすとかあすが出てきたら他動詞。
あるっていうのが出てきたら自動詞と。
こういうルールがあるんですね。
面白いでしょ。
これで進めば話は簡単なんですけど、めんどくさいのがこういう場合があるんですね。
っていうのが、続けると続く、焼けると焼く、こういうペアを考えた場合に、
まず続ける続くっていうのを見たときに、おが出てくるのは話を続ける、だから続けるの方ですよね。
一方、焼く焼けるっていうのを比べたときに、魚を焼く、だから焼くの方が他動詞なんですよ。
なのでこれどうなってるかっていうとですね、ちょっと聞いてるだけじゃピンとこないと思うんですけど、
概要欄に一応書いておくんですけど、このえるっていうのが最後出てきた場合は、続けるみたいに他動詞の場合もあるし、
焼ける、魚が焼ける、焼けるみたいに自動詞になる場合もあるんですよ。
水陸両用っていうか、このえるっていうのは自動詞にも関わってるし、他動詞にも関わってるんですよ。
これ非常にめんどくさいと思いますよ、この日本語、第二国語として勉強する場合。
我々は天才なんでそういうのを考えなくていいんですけど、なので今お話ししたことをまとめると、
おすとかあすっていうのが出てくると他動詞、あるっていうのが出てくると自動詞、
えるっていうのが出てきた場合は自動詞かもしんないし他動詞かもしんない。
これは非常にめんどくさいですよね。
こういうルールは本当にいろんな動詞に当てはまりますよ。
例えばあいそがつきた、あいそがつきるっていう場合とあいそをつかすっていう場合は、
やっぱりあいそをつかすであすって音が出てる方がやっぱり他動詞ですよねっていう風にもっといっぱいありますよ。
皆さんぜひ探してみてほしいんですけど。
一応こういうルールがあるにもかかわらず、我々はその事実を知らないまま自由自在に使いこなしてると。
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よく思いますよ。こういう言語学勉強してると、やっぱり母語話者って天才なんだなってよく思いますね。
だからある意味ちょっと前向きな気持ちになりますよ。
こんな複雑なことしてるんだみたいなね。
そんなことはどうでもいいんですけど。
こういう日本語の場合はいちいち自動詞他動詞で動詞の形が変わってるっていうことなんですけど、
これね、例えば英語の場合とかだと、
例えばね、dropっていうね、落ちるみたいな場合はit droppedでそれが落ちたですよね。
で、I dropped itでそれを落としたっていうことですけど、私がそれを落としたってことになるんですけど、
みたいにdropとかopenとかcloseでもいいけど、
そういう自他両形っていうね、つまりいちいち形変えないものが多いんですよ、英語の場合は。
あるいはですね、これ言語によりますけどね、
インドネシア語とかだと日本語みたいに両方ありますね。
多動詞にするルールと自動詞にするルールがあったりするんですけど、
いろいろ言語によるんですよ。
その多動詞化ばっかり使うような言語もあれば、
自動詞化ばっかりの傾向が強いような言語もあったりすると思います。
日本語は割とバランスよく両方使ってるんじゃないかなと思いますけど、
あるいはですね、ちょっと物騒ですけど、
死ぬと殺すみたいに全く全然違う形を使うっていうパターンもあります。不規則的にね。
言語によっては死ぬに対して死なすみたいなね、
死ぬっていう自動詞から死なすっていう多動詞を作るみたいな場合もありますけど、
日本語の場合はね、死ぬと殺すって全然違うものを使ってますね。
英語もそうですね、die to killだからそうなんですけど。
僕はですね、趣味で自分の言語を作ってて、
僕の言語は多動詞化しかないんですよ。
なので基本的に自動詞があって、
それを一部の音を繰り返して多動詞にするみたいなことをやってます。
例えばくっぷっていうのが食事をするっていう意味で、
くくっぷみたいにくっていうのを繰り返すと、
何々を食べるっていう多動詞になると、こういうふうになってます。
そういうわけでちょっとかなりね、ごちゃごちゃした話になりましたけど、
意外と知らない日本語のお話をいたしました。
それではまた次回お会いしましょう。
よろしかったら番組クリップお願いします。
ではまた。ごきげんよう。
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