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#892 バーリンとケイの基本色彩語彙研究【言語学者とその思想 vol. 10】 from Radiotalk
2026-09-05 10:58

#892 バーリンとケイの基本色彩語彙研究【言語学者とその思想 vol. 10】 from Radiotalk

主要参考文献
Berlin, B., & Kay, P. (1969). Basic Color Terms: Their Universality and Evolution. Berkeley & Los Angeles: University of California Press.

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色を表す単語っていうのは、日本語に山ほどありますよね。 赤、青、白、黒、黄、緑、ピンク、オレンジとか。
あげればいくらでもあるわけですが、 果たしてこの色を表す単語っていうのは、どんな言語にでもあるのでしょうか。
色というのは連続体なので、例えば赤と青の間に紫があって、さらにその間に赤紫や青紫があってっていうふうに、徐々に色が変わっていくわけですよね。
白と黒もそうで、間に灰色があるわけですけど、 それも白に近い灰色と黒に近い灰色があったりとか、
一体どこからどこまでがその色なのかっていうのは、言語によって異なるということが想像されます。
実際そのような研究もたくさんあるんですよね。
しかしその一方で、人間っていうのは言語は違えど同じ人間なので、視覚的な能力っていうのは共通しているはずです。
見えるのは赤から紫までというか、赤外線とか紫外線っていうのは赤の外、紫の外の発照っていうんですか、光は人間の目には見えないんですよね。
他の動物であればそれを知覚する能力があったりするわけですが、
少なくとも人間が知覚できる、視覚として知覚できる色の範囲っていうのは共通していると考えられます。
今日はこの色の名前、色彩語彙について深掘りしていこうと思います。
BGM、ゆけい。
始まりました4月15日のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。一文字ハエトです。
究極的には色を表す単語が2つしかないという言語もあるんですね。
これはダニ語という言語で、パプアニューギニアで話されている言語です。
これは白色と黒色とも言えそうなものですが、だからといってダニ語を話す人々が世界が白黒に見えているわけではありません。
というよりは、色の連続体をその2つの単語で分割しているみたいな感じなんですね。
白にあたるようなものは黄色とか赤も含みます。
なので、暖色系という感じですかね。
一方、黒の方は、黒も当然含まれますけど、青とか緑とか、寒色系というんですかね。
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そういう明るい、暗い、暖かい、冷たい、みたいな二分法で色を表します。
冒頭言ったように色っていうのは連続体なので、どこに区切りを入れるかっていうのは、こちら側っていうかね、人間側、言語側の問題なので、
ダニ語みたいに区切りを1個だけ入れて二分割するっていう言語があってもおかしくないし、実際あるということなんですね。
それに対して日本語は色を表す単語がたくさんあるなという気もするんですが、果たしてそう言えるのか。
本来的に色を表す単語っていうのは日本語は実は少ないのではないかと思います。
黒、白、赤、青、この辺は本来的に色を表す単語と言っていいと思うんですが、
まず外来語がありますよね。ピンクとかオレンジとか、こういったものは当然日本語に本来的にあるものではないので除外されますよね。
その他にも茶色とか灰色っていうのは茶とか灰とか名詞に由来してますよね。
色彩を表す単語が先にあるんじゃなくて、その物の名前から色彩語というのが成立しています。
灰色、茶色、あとは水色、ネズミ色とかもそうですよね。
こういったものは本来的な色彩語彙ではなくて、何か具体的なものから派生したものと考えられるので、これも除外されるんですよね。
あとは赤紫とか青紫みたいなものも組み合わせでできている複合語というかね、ですので単純語ではありません。
のでこういったものも除外されます。
黄緑とかもそうですね。これは黄プラス緑なので純粋な本来的な色彩語とは言えません。
こういう風にいろんなものを削り取っていくと、黒とか白とか赤とか青とかこの辺のメンバーしか日本語は意外と残らないんじゃないかと思います。
色を表す単語自体は確かにありますけど、それが本来的であるいは純粋であるかと考えると意外と少ないんですね。
金色とか銀色とかもそうですよね。
これは金とか銀ありきの単語っていう感じなので、そもそも本来的な色彩語ではなかったということですね。
こういった色彩語彙に関する有名な研究として、バーリンとケイという二人の研究者によるものがあります。
これは60年代かな70年、かなり昔の研究なんですけど、かなり面白い研究なんですよね。
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バーリンとケイが注目したのはベーシックカラータームといって、さっき言ったようにその純粋で本来的な色彩語というのに注目して研究しています。
なので日本語の水色とか本来的ではないものは除外されるし、黄緑みたいなそういう合成語も除外されます。
そういうのを取り除いた純粋なベーシックカラータームを色彩語彙を世界の言語で調べたところ、一種の階層性というのがあるとわかったんですね。
まずどんな言語でも白と黒というのは区別されると考えられています。
階層の一番上にあってどんな言語でも白と黒は区別される。
さっきのダニ語がそうですけど、その白と黒の次に考えられるのが赤。
この赤というのは白と黒の階層的に下にあるので、どういうことかというと赤という単語はあるけど白や黒という単語はないという言語は考えられないんですね。
逆に言うと赤という単語があるなら白や黒という単語もある、そういうふうに考えられます。
その赤の下には緑、黄色、その下に青、その下に茶色というふうにだんだん続いていくんですけど、青って結構下の方なんですね、こう考えるとね。
ですので青があるんだったら緑や黄色、赤、白、黒、こういったものもあるというふうに考えられます。
日本語の青っていうのは、昔は緑もカバーしてたんですよね。
これは現代語にも多少残っているところがあって、青信号とか青ガエルとか、青葉とか、葉っぱが青いとかいうときの青ですね。
そういった青は現代の感覚で言うと緑でしょうけど、昔の日本語は青であった。青というのは青と緑をおそらくカバーしていたんではないかと思います。
ひょっとしたら緑の方が典型的な青だったのかもしれません。
ですのでこのバーリンとケイの階層に従えば、日本語の色彩語彙はどうですかね、4つか5つと言えると思います。
階層の一番上の白黒、これはあります。その下の赤もある。
次のグリーン・イエローは、グリーンはさっき言ったようにブルーもカバーする青、イエローはキーですね。
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おそらくこの辺までが日本語の本来的な色彩語彙で、その下にブラウンがあるわけですけど、茶色の茶はさっきも言ったようにこれはお茶の茶ですので、本来的な色彩語彙ではおそらくないです。
このように考えるとですね、日本語の色彩語彙っていうのは意外と少ないです。
ただ、世界のあらゆる色を表す手段が全くないわけではもちろんなくって、水色、灰色、茶色、こういう何か本来的ではないですけど、そのモチーフがあるというか、何か名詞由来の色彩語彙っていうのも使うし、
釈用も使うし、ピンクとかオレンジとか、あるいは黄緑とか赤紫とか、合成語も使うことができるので、色を表せないわけではないです。
ただ純粋で本来的な色彩語彙となると意外と少ないと、何回も同じこと言ってますけど、そういったことが言えると思います。
かなり極端な例としてダニ語という言語の例を出しましたが、ダニ語は白と黒しかないんですよね、極端な言い方をすると。
2色ではなくて3色しか色彩語彙がないという言語もあります。
そういった言語は白と黒と赤、この3つしかないんですね。
これが白と黒と青とか、白と黒と黄色とか、そういった言語は確認されていないんですね。
それを明らかにしたのがバーリンとケイの研究でございました。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はよろしくお願いいたします。
お相手はシンガ15でした。
またねー。
10:58

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