1. 【10分言語学】志賀十五の壺
  2. #838 プロトタイプ理論と品詞..
2026-02-28 10:22

#838 プロトタイプ理論と品詞分類 from Radiotalk

主要参考文献
大堀壽夫 (2002)『認知言語学』東京: 東京大学出版会.

おたより▶︎https://bit.ly/33brsWk
X▶︎https://x.com/sigajugo
オリジナルグッズ▶︎https://suzuri.jp/sigajugo
Instagram▶︎https://www.instagram.com/sigajugo/
LINEオープンチャット▶︎https://bit.ly/3rzB6eJ
note▶︎https://note.com/sigajugo
BGM・効果音: MusMus▶︎http://musmus.main.jp/

#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:00
人間にはカテゴリー化という能力が備わっています。 日本語で言うところの反中化です。
やや固い言い方ですけど、要はグループ化というか、 いろんなものをまとめて扱うということですね。
例えば、花っていうのは実にいろんな花があります。 色も様々だし、花びらの形も様々だし、
あるいはその大きさであったりとか、香りもいろんなものがありますけど、 そういったものを一緒くたにグループ、カテゴリーに分ける能力が
人間には備わっているんですね。 このカテゴリー化の基準というのが
古典的カテゴリー化と言われたりするんですけど、昔は条件がいくつかあって、 その条件に当てはまるものがそのカテゴリーのメンバーである
みたいに考えられていたんですね。 例えば、鳥というカテゴリーであれば
羽があるとか、くちばしがあるとか、空を飛ぶとか、こういった条件、チェックをクリアしたものが 鳥というカテゴリーのメンバーになれる
そんな風に考えられていたんですが、現代の言語学、 特に認知言語学と言われる分野では、そういった古典的カテゴリー化ではなくて
プロトタイプ理論というのに基づいて カテゴリーというものを考えます。
要は、条件をクリアしたものだけがそのカテゴリーのメンバーになれるっていう、そういった 考え方に問題があったということなんですね。
どういうことでしょうか。 BGMです。 始まりました4月15日のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
ブラッドピットです。 番組宛にギフトいただいております。
はるはるさんから2回分ギフトいただきました。 ありがとうございます。
条件をクリアしたものだけがそのメンバーになれるという古典的カテゴリー感の問題点は、 その条件を決めるのが結構難しいということです。
例えば、鳥というカテゴリーの条件として、 さっき言ったやつだと空を飛ぶことができるとかいうのを考えましたが、
飛べない鳥っていうのも中にはいるんですよね。 ペンギンであったり、ダチョウであったり、あるいはニュージーランドのキウイとか、
03:00
こういったものたちは飛ぶことができません。 飛ぶという条件をクリアできていないよって、ダチョウやペンギンやキウイは鳥ではない。
まあそれもなんだかなーっていう感じですよね。 鳥は鳥なんだけど、
なんだか鳥っぽくない鳥といった方が正確な気がします。 この鳥っぽくない鳥みたいなものを含めるのが、
ある意味プロトタイプ理論の真髄なんですね。 プロトタイプ理論では、プロトタイプというそのカテゴリーの中心メンバーみたいなものを想定します。
鳥で言うと、まさに鳥らしい鳥というのがプロトタイプです。 そういう中心メンバーだけではなくて、周辺メンバーっていうのもプロトタイプ理論では認めます。
つまり、そのカテゴリーの構成メンバー全員が持っていなきゃいけない条件みたいなものは想定しないんですね。
ですので、古典的なカテゴリー間では、 鳥か鳥じゃないかっていうその0か1かの問題だったわけですけど、
プロトタイプっていうのはもうちょっとグラデーションがあって、 まさにそれっぽいそれ、それらしいそれから、あんまりそれらしくないそれに段階があるというふうに考えるんですね。
そうなってくると、今度はプロトタイプっていうのをどうやって定義するかっていうのがまた問題になってくるんですが、
いずれにせよそれっぽいそれというのがプロトタイプということでございます。
このプロトタイプ理論は、 実は品詞の問題にも関わっているんですね。
品詞っていうのは名詞とか動詞とか形容詞とかっていうことですけど、 つまり名詞らしい名詞があれば名詞っぽくない名詞があり、
動詞っぽいまさに動詞だっていう動詞もあれば、 そうではない周辺的な動詞もあるということです。
例えば形容詞の場合だと、 形容詞っていうのはよく状態を表すとか言われたりしますが、
そんな中でも形容詞のプロトタイプは色彩、色をですね、 色を表したり価値を表したり年齢を表したり、
次元、高いとか低いとか、そういったものを表すのが 形容詞のプロトタイプであると考えられています。
つまり多くの言語で、そういった色彩とか価値とか年齢とか次元とか、 そういったものは
06:03
形容詞で表されると考えられているんですね。 そこから外れたようなものは、
形容詞で表されるかもしれないし、 また別の品詞で表されるかもしれないということです。
形容詞にも形容詞らしい形容詞と そうじゃない形容詞があるっていうのはなかなか面白いですよね。
さらに面白いのは数詞で、数詞っていうのは 1,2,3から始まり100とか1000とか万とか、
いっぱい数詞がありますよね、日本語にも。 この話は数詞っぽい数詞、数詞らしい数詞があって、
周辺に数詞っぽくない数詞があるとかっていうよりは、 小さい数と大きい数で、
ちょっと数詞の性質が、品詞らしさっていうのが変わってくるっていう話なんですね。
もうちょっと具体的に言うと、小さい数詞、特に1とか、 そういったものは形容詞らしい特徴を示して、
大きくなればなるほど名詞っぽい特徴を示すということが指摘されています。
このことが顕著なのはロシア語で、 特にロシア語の数詞の位置っていうのは、
名詞と整数格の位置をしなきゃいけないんですね。
就職する名詞の文法性と数と格によって形をいちいち変えなくてはいけません。
ロシア語の数詞は、その数が大きくなればなるほど、 名詞っぽい特徴を持つようになります。
例えば、名詞と同じように複数形を取れるようになるとか、
あとは名詞と同じように限定詞がつくことができるとか、 続格が取れるようになるとか、
そういった特徴、名詞らしい特徴は大きい数詞に限られます。
英語でも多少そういったことは言えて、
100っていうのはハンドレットですけど、 これはアハンドレットっていう風に漢詞のアっていうのと一緒に出てこられます。
つまり名詞っぽいんですよね。
10はアテンとか言いませんよね。
日本語も多少そういった特徴はあります。
つまり大きい数字の方が名詞っぽいことがあって、 数百万の人口とか日本語で言うことができます。
この数百万のっていう風に、万っていう数字だったら、 名詞と同じようにのっていうのが出てこられるんですよね。
09:05
これが小さい数字だと、
千の人とか百の生徒とかかなり言いづらいと思います。
言うとしたら、一千人のとか百人のっていう風に、 人っていう助数詞を挟まないと厳しいですよね。
このようにですね、結構いろんな言語で数詞っていうのは、 小さければ小さいほど形容詞っぽくって、
大きければ大きいほど名詞っぽい特徴を示すと言えそうなんですね。
なので数詞っていうのは、名詞的だ、形容詞的だっていう風に、 かっちり決められるものというよりは、
形容詞的なものから名詞的なものへと、 グラデーションなしているものだと考えた方がいいかもしれません。
というわけで今回のエピソードはここまでということで、 また次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はよろしくお願いいたします。 お会いしては、シガ15でした。
10:22

コメント

スクロール