まず、何があったかというのを、ニュースとして上がっているものを紹介しますけども、
リンクは概要欄に貼っておきますんでね。
記事を読みたい方は、ぜひともそちら見てみてください。
記事を読み上げていきますけども、記事のタイトルはこちらです。
3Dプリンターで自作の絞り口を投稿し、物議ロッテクーリッシュ公式X謝罪。
という記事ですね。
ロッテのX公式アカウントロッテクーリッシュ公式は、
1月19日、過去の投稿内容について謝罪しました。
同アカウントは、15日、3Dプリンターで絞り口を作ってみましたと投稿し、
飲むアイスクーリッシュの飲み口に、3Dプリンターで自作したという絞り口を装着した写真を公開。
実際に絞り口からアイスを出し、イチゴにトッピングする様子も披露していました。
投稿を見たネットユーザーからは、食品に3Dプリンターはどうなの?危険では?
真似した人が食中毒にならないか心配などの声が上がっていました。
これらの反応を受け、同アカウントは19日の夕方、投稿を更新し、
1月15日の3Dプリンターに関する投稿について、
多くの皆様から食の安全性や衛生面に関して、ご不安やご懸念を寄せて頂きましたと説明。
当該投稿は、3Dプリンター製作物を食品に使用する際の必要な安全・衛生面への配慮に欠けた内容であり、
弊社はこれを重く受け止め、削除しました。
当該投稿によって、多くの皆様にご不安やご心配をおかけしたことに深くお詫び申し上げますと謝罪したと。
今後については、弊社は今後行う発信の内容に一層注意を払い、正確な表現と慎重な確認を努めてまいりますとしました。
というニュースでございますね。
クーリッシュってアイスあるでしょ?
私も好きなんですけど、ちょっと手で温めてギュッてやると出てくる。
飲むバニラアイスみたいなやつですよ。
あれの口の先にホイップクリームとかの口の先につけるような絞り口みたいなのをつけて、
まるでクリームみたいに出していろんなトッピングできますよみたいな。
そういうジグを3Dプリンターで作りましたよっていう投稿をしたんですよね。
こちらのロッテさんの3Dプリンター製のクーリッシュの絞り口の投稿は私もリアルタイムに見てましたし、
ちょっと気になっていたので私も引用リポストをしたんですよ。
その内容はこちらです。
悪くはないんだけど、食品に3Dプリンターはな。
最低限知識のない人が安易に真似しないように中期は欲しい。
企業アカウントであればなおさら。
という引用リポストをさせてもらったんですけど、
ちょっとこの後話すんだけどさ、
3Dプリンターでこういう食用機器を作るっていうのって結構センシティブな内容なんですよ。
何度もこういう件で3Dプリンター界隈は炎上しているし問題になっているわけですね。
さらにこのクーリッシュの絞り口って明らかにアイディアとして面白いしキャッチーだから、
そのあたりの事情とか法律関係の話を知らずに、
安易に真似する人とか盛り上げる人が出てきそうだなと、
それを見た瞬間に思ったわけですよ。
真似するだけならまだしも配布とか販売を始めちゃう人も毎回いるわけ。
こういうのを見るとね。
こういう3Dプリンター×食用機器関係の話が上がると毎回こういうことが起こるんですよ。
そういった問題がね。
だからちょっとこのロッテさんと良くない流れになりそうだなと思って、
軽い継承の意味を込めて私は引用リポストをしたんですけど、
このポストが変な伸び方をしてしまって、
8000いいねぐらい集まり1000リポストぐらいという感じになってしまってですね。
私の意図が正しく伝わった人もいれば、そうでない。
誹謗中傷みたいな意見もありですね。
しかも私に対しても来るけど、ロッテさんに対してもすごい変な投稿がババッといってしまったんですね。
ちょっとカオスなことになってしまったと。
結果、さっきニュースを読んだようにロッテさんがポストを削除して謝罪するという形になってしまいですね。
計らずも、明らかにこれ削除というか炎上騒動になったきっかけ作った、
この質疑役私みたいな感じになってしまったんですよね。
これはちょっと申し訳なかったなと思ったというか、
私にコントロールできることは何もないんだが、
ただ変な広がり方をしたなと思ってね。
もうちょっと言い方とかあったかなと正直思いました。
それは後の祭りなんで、今後の反省に生かすとして、
この騒動で結構見えてくるものがあったんですよ。
それは世間一般の認識と3Dプリンター界隈のギャップだったりとか、
あとはこの3Dプリンターのライト勢の最近買いましたよという人たちの技術的なリテラシーの低さみたいなものね。
それっていうのはさ、3Dプリンターを使いこなす技術とはまた別の倫理とか法・安全への考え方の話なんですよ。
そういうところですごくいろんなギャップが見えたし、
私が伝えたかったことがSNSで正しく伝わってないなと思ったんで、
もともとSNSなんて正しく伝わるものだと思ってないけど、
今回はこのポッドキャストの中で長々とザックバラに語っていきたいなと思いますね。
まず感じたギャップがあってさ、これはこんな違うんだと思ったのが、
私がこういうポストをしたときにね、まあまあまあ、
一味猛虜たちがいるんですよ、SNSには。
その人たちは何と言おうとどうでもいいんだけども、
そんな中でもこんな重箱の隅をつつくような指摘をするなんて、
人間としての器が小さい、みたいなね。
カスタマーハラスメントだ、みたいなことを言ってくる人がいる中で、
いやそもそもこんな3Dプリンターなんてものは、
専門家しか買わないんだから、
そんなことを知らなずに3Dプリンターを使っている奴なんていないだろうと。
なんでわざわざこんなことを言うんだって意見がめちゃくちゃ多かったのよ。
これすごくびっくりして、
だから3Dプリンターっていうのはその技術者、専門家しか手に入らないものだって、
思ってる人もやっぱすごい世の中にはいっぱいいるのね。
これってさ、実際の現実と違うじゃない。
私もよくものづくりの話をするつかみとして、
今3Dプリンターっていくらで買えるか知ってますか?みたいな話を毎回するんですよね。
初めて公演とか行ったときね。
今3万円で買えるんですって言うと、みんなうおーって驚くんです。
え?3Dプリンター3万円で買えちゃうの?というふうな反応があるんですよね。
それだけやっぱ3Dプリンターっていうものが身近になったよっていうことが、
伝わってきてない人たちって当然いるし、
まだまだ3Dプリンターって一般的なものでは全然ないんですね。
ただ実際に3万円以下で買えてしまうっていうのはもう一般ラインなんですよ。
しかも特別な知識がなくても3Dの積層っていうのはできるわけ。
これ使ってる人だったらわかると思うんだけど、
ほんと簡単なのよ。ほぼほぼ家電と同じような感覚で今の3Dプリンターって使えちゃうと。
昔みたいに細かい設定したりとか、どんな設定してももじゃっちゃうみたいなことなくて、
だいたい安定して印刷できるわけですよ。
だから実際は本当に誰でも買えるような世の中になってしまってますよと。
そこにまずギャップがあって、
あそこすごい叩かれたというか、ついてくる人がいたという感じでね。
2つ前くらいの回、クリエイティブコモンズの話をした回で同じこと話したんですけど、
今この現状、3Dプリンターの世界っていうのは、ある意味で無免許運転の世界なんですよ。
だからルールを知らなくても3Dプリンターっていうのは使えてしまいます。
だから車で言ったらスピード違反で捕まったりとか、事故した後に初めてルールを覚えると。
あ、あの赤色に光ってるランプって止まれっていう意味だったんだね、みたいな。
そういう感じでもOJTでね、交通ルールを学んでいきましょうね、みたいなことになってしまってるんですよ。
私はここにすごく問題意識を持ってます。
テクニック的なことね、だから車で言ったら運転の技術を学ぶであれば、別に運転していればいいわけなんですけど、
それはね、教習所の中でやってればいいわけよ。
でもいきなり行動を走ろうと思った時って、その前にやっぱ運転に必要なルールを学ぶことが絶対必要になってくるわけですよ。
そのためにはそのルールを学ぶ教習所っていうものが存在するじゃない。
ライセンスもあると。でも3Dプリンターにはそんな教習所もないし、ライセンスもないと。
極端な話、3Dプリンターっていうのはコンビニで車売ってるようなものなの。
これ買ってそのまま乗って帰っていいよ、みたいな感じね。
この右の踏むところがアクセルで、この真ん中踏めばブレーキなんでね、つって。
あとハンドル曲げたら曲がりますんで、それでいったらシャイみたいな感じなんですよ。
それ以外の情報を何も与えられずにいきなり行動に出されるみたいね、そんな感じ。
まだ値段自体が高ければ、そこがある意味リテラシーのハードルになって、一つ不類が生まれるんだけど、
いかんせん今もう3万円以下で買えてしまうと。
簡単に手が届きすぎてしまうゆえに無法地帯になってしまっていると。
そういうことなんですね。
でもそういうリテラシーが低いっていう言い方、ちょっと上から目線なんだけど、
実際にリテラシーが低い人たちがダメだって言ってるわけじゃなくて、
技術の民主化のスピードに対して、そういった教育とかルールを知る場の整備が全然整ってないよという、
こういう環境の問題なんですよね。
こういう構造を持つ事象に対しては、
往々にして人命に関わる大きな問題が起こった後に法的な規制をされるっていうパターンが多いんですよ。
それは技術者として決して望むところではないし、
そうなる前に歯止めをかけなければいけないんですよね。
そして3Dプリンターで言うのであれば、この問題が起こり得るのが食用機器でのトラブルなんですよ。
ちなみにもう一つあって、もう一つが3Dプリンター銃ですね。
銃です。鉄砲です。
ただ3Dプリンター銃については、またね、社会の捉え方がちょっと違うんでややこしいんだけど、
あれは極端に3Dプリンターを悪者にするって話で、
メディア的にわかりやすくてインパクトがあるからそこだけフォーカスされるんですけど、
別にそんな悪者にする必要ないよみたいな話なんだけど、
今日は詳しく説明しませんけど、また機会があればこの問題もお話ししようと思います。
ということで、だいぶ前置きがなくなってしまったんですけど、
今日は3Dプリンターで食用機器を作るリスク、どういうことがあるんだいって話を知っていただく回でございます。
こんな注意点あるんだって話を、ものづくりをする前にちょっと頭の中に思い浮かべてもらうと、
そうなってもらうってことが今日のゴールですんでね。
ぜひとも最後まで聞いていただければと思います。
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食用機器と3Dプリンターで度々問題になる、超定番の話がですね、クッキー型問題なんですよ。
クッキーの生地を型抜きして、クッキーを作るために使う型っていうのがあるじゃない。
上からスタンプみたいにポッと押して、スポンってクッキーの形に生地が抜けるみたいな。
そういう道具なんですけど、あれってさ、いろんな形があればあるほど楽しいじゃない。
百均とかにも売ってるんだけど、もしもオリジナルの形を作れたら、それほど楽しいことないですよね。
じゃあ、なんか既存のキャラクターとかオリジナルのキャラクターの型を3Dプリンターで作っちゃえば、
簡単にクッキー型作れるんじゃねっていうことで、クッキー型を3Dプリンターで作る人がいっぱいいるんですね。
それだけならまだいいんですけど、そこから一歩進んでオリジナルのクッキー型を売り出してビジネスしようなんてことを思いついちゃうわけですよ。
できる人は。これ非常に自然な流れですね。
いろんなサイトを見ても実際に3Dプリンター製のクッキー型、山ほど売ってますまだね。
かわいいキャラクターの形とか、オリジナルのデザインとか。
またこう、3Dプリンタービジネスだって言って、型を作ってくれましょうみたいなね。
そういうノート記事とか、ブログ記事があったりなかったりもするわけですよ。
3Dプリンターの強みって、この一品物を安く作れることだからさ、クッキー型って結構相性いいわけね。
それこそさ、型、金型を作って型を起こそうと思ったら、それこそ何十万円もかかっちゃうわけです。
作る数もすごく必要になってくると。
しかし3Dプリンターであれば、数百円の材料でオリジナルの型、いろんな種類、多品種、少量生産できますよということですね。
非常にこう、ものづくりの手法としてクッキー型と3Dプリンターっていうのは相性がいいんですけど、
でもやっぱね、ここで立ち止まって考えれなければならないと。
それは何かって言ったら、3Dプリンター製のクッキー型、本当に安全なんだっけ?っていう話ですよ。
これはもうね、繰り返す歴史というか毎度のことなんですけど、もうね、度々こう話題に上がるし問題になるわけ。
最近はちょっと少なくなっては来てるっぽいけどね、見る限りは。
人間の体の中に入るもの、食用品に触れるところに3Dプリンターの製作物っていうのは基本的には使わない方がいいというか、
使っちゃダメと言っといた方がいいと思いますね。
この問題はですね、衛生面、法律面、そして形状面という3つの視点があります。
だから3Dプリンターユーザーで、今から3Dプリンター使うとか、今使ってますよっていう人は、
これは同じ過ちを繰り返さないために知っておいた方がいい必修科目でございます。
ここからちょっとザックバラに長々話していきますけど、ぜひともついてきてください。大事な話でございますから。
まずは衛生上のリスクの話からしていきます。
3Dプリンター、特に一般的に使われるのがFDMとかFFF方式と呼ばれる方式なんですけども、
熱融解析奏法というですね、樹脂のフィラメントを熱で溶かして一刀筆掛けするように層を重ねて形を作っていくという方式です。
ほとんどの家庭用の3Dプリンターがこのタイプですね。他にも光造形というのもありますけど、
一般的によく買われているのがこのFFF方式だと思います。
そのね、熱融解析奏法の方式で作られた3Dプリンターの完成品をよく見てみると、
表面に細かい線が入っているんですよ。
まあわかりますよね。3Dプリンターで作られたものだっていうものって、
そういう積層根という線、レイヤーラインとも言いますけど、そういうラインがありますと、
この積層根がね、実は最近の温床になるんですよ。
これね、ちゃんと研究されてるんですね。
アメリカのドレクセル大学が2021年に発表した研究によると、
FFF方式の3Dプリンターの積層根の溝の深さっていうのは、
だいたい10マイクロから200マイクロメートルぐらいの深さがあります。
最小のくぼみだったとしても、コンマ5マイクロメートルぐらい。
コンマ5マイクロってね、結構少ないんだけど、
とにかくそういう細かいへこみみたいなものが表面にびっしりあるわけですよ。
で、その3Dプリンターの製作物の表面にある溝の隙間っていうのは、
一般的な細菌のサイズと比べると非常に大きいわけ。
つまり、余裕で細菌が入り込めるサイズの隙間がプリンターの表面にびっしりあるということです。
この大学の研究では、大腸菌をはじめとするいろんな菌を使って実験して、
3Dプリンターの積層根の溝の中で細菌がどうなるかなみたいなことを実験した結果、
細菌の膜みたいなものが主に積層根の溝に形成されるということを確認しているんですね。
特に表面が粗い素材とか、例えば炭素の繊維入りのフィラメントとか、
ウッドタイプの木が混ざっているようなPLA樹脂なんかを使うと、
より細菌の繁殖が顕著だったと。そういう結果が出ているわけですよ。
さらに他の実験で言ったら、プルサリサーチという3Dプリンターメーカーもいろいろと実験しているんですね。
無処理の、何にも処理しない、ただただ3Dプリンターで作ったPLA製樹脂のカップの中に
14日間牛乳を入れておくと、そういう実験をしたんですけども、
そうしたらやっぱり複数の細菌コロニーというのが形成されたと。
一方でこれ比較試験として、エポキシでコーティングしたカップの中に同じ条件で牛乳を入れてたんですけど、
こっちはコロニーの形成というのがゼロだったんですよ。
だから明らかに3Dプリンター製のカップというのが、細菌の繁殖を助長しているということが分かっているんですね。
やっぱり3Dプリンターで作ったものって、脊僧根があるから、すごく衛生面を保ちにくいという特徴があります。
いやこれ、洗えばいいんじゃないと思うかもしれないんですけど、やっぱ洗浄もだいぶ問題なんですよ。
水の表面張力の影響で、洗浄時にその微細な隙間の間に水が入っていきにくいんですよね。
だから普通に洗っても、なかなか溝の奥まで届かないんですよね、洗浄が。
じゃあ、熱湯消毒すればいいんじゃないという話もあるんですけど、いやいやいや、熱湯弱いです。
PLAなんかは約60度で難化してしまうので、例えば食洗機なんかに突っ込んだら、たちまち変形してしまうと。
当然ですね、哺乳瓶とかで行うような煮沸消毒っていうのは無理です。
じゃあどうするのって話ではあるんだけど、一応一般的な話だと、石鹸水とかであれば表面張力っていうのを下げれるから、
そしたら微細の隙間まで洗剤入っていくよねって話あるんだけど、結局微細の隙間まで石鹸水だったら入っていっても洗い流せるかっていう問題もあるよね、正しくね。
だからその適切な洗浄ができるかと、安全なレベルまでちゃんと消毒できるか洗浄できるかっていう話はいろいろと批判があってですね、
明らかに3Dプリンターの製作物っていうのは食器として安全な洗浄ができるかっていう視点で見ると、全然それが確保できてないよということが言えるわけね。
これはコップとかお皿に限らず3Dプリンターで作ったクッキー型にも全く同じことが言えるわけですよ。
だって洗うからね、あれもね。
クッキー型の石倉庫の間に詰まったクッキーの生地みたいなものをちゃん適切に処理できるかって言われたら、やっぱ何とも言えないっていうのが現状なんですよ。
私も一応4年前ぐらいに個人的に実験したことがあってさ、3Dプリンター製のコップを作って、その中に水を入れて1週間ぐらい放置したわけ。
そのコップをその後1週間後に分解してみたんですよ。
分解というか切ってワップタッチとかにしてみたわけ。
そしたら若干内部に水が染み込んでたのよ。
これって常用の通常のコップであったらだいぶ不衛生よね。
だってコップの中に水が染み込んでいってしまうってことは、その中でカビが発生するかもしれないということじゃないですか。
瞬間的に洗おうと思っても水の中に水入っていかないんだけど、ずっと浸してたらどんどん浸透していっちゃうから。
当然作りのクオリティとか表面処理にもよるんだけども、単純に積層で作ったものだけだとこういうリスクを抱えるわけですね。
今話したのは積層っていう作り方の特徴ゆえの話なんだけど、単純に素材に関してもいろいろとリスクがあります。
3Dプリンターでよく使われる樹脂っていうのがPLAですね。ポリ乳酸って言われる樹脂です。
安価で扱いやすいと。あとはトウモロコシとかサトウキビから作られる成分解析プラスチックと。
すごい体に良さそうだし、自然由来のものからできてるんだったら、食用機器に使ってもいいんじゃねと。
PLAって結構安全だよねと言われてはいるんですけど、これは半分正解で半分間違いなんですよ。
確かに純粋なPLAという樹脂は一般的に安全と認められています。
ただこれはあくまでもPLAという純粋な樹脂の物性的な話であって、
市販のフィラメントどうなんですかと言ったら全然事情が違うわけ。
市販のフィラメントは異常性のために色がついてたりとか印刷性を向上させるためにいろんな添加物が入っているわけよ。
それだって食に対する安全大丈夫なんて言ったら全然そんなことは保証されてないわけです。
フィラメントの中に使われる添加物として入っているものは、
亜鉛とかクロムとかカドミウムとかいろいろなものが入っているんですよ。
鈴とか金属系のものも混ぜ込まれてたりするとかしないとか。
3Dプリンターのフィラメントに入っている添加物とかの着色量の話は過去にしてますから、
そっちの過去回の方を聞いていただければと思うんですけど、
とにかくPLAなら安全っていうのは単純に全然言えないわけ。
他にもいろいろと3Dプリンターでよく使われる樹脂があります。
例えばABSね。これは結論から言うと絶対食品使っちゃダメなやつですね。
ABSの印刷温度ってだいたい220℃から260℃ぐらいなんだけど、
これぐらいの温度でスチレンモノマーっていう物質がABSから放出され始めるんですよ。
このスチレンって発願性があるんじゃないかって疑われている物質に分類されているわけですよ。
独特な匂いしてね。ABSってすげー臭いんだけど、
それがまさにスチレンモノマーで体に良いものじゃないんですね。
頭が痛くなったりとか気分が悪くなったりするようなものだし、
さっきも言ったけど発願性があるかもしれないと言われているもの。
とにかく印刷しているときは換気しなきゃいけないよということがよく言われているんですけども、
このスチレンモノマーっていうのは結局出来上がった製品の中にも残留しているって可能性が十分にあるわけですね。
だからそれがABSで例えば食器とか作ってしまうと触れた食品に移ってしまうということがあるんで、
ABSで食器を作るっていうのは当然非常に危険なんですね。
だからマジでやめた方がいいって話。
次よく使われるのがPETGっていう材料ですね。
これは比較的マシな選択肢なんですよ。
PETGってペットボトルに使われているPETっていう樹脂のさらにちょっと改良した版がPETGなんだけども、
これペットボトルだからじゃあいいじゃんって思うけど、
PETGだったらやっぱり全部安全っていうわけじゃなくて、
さっき言ったPLA同様のリスクがあるわけですね。
添加物何入ってるんだ問題っていうのがあるわけ。
後ほどちょっとチラッと紹介するんですけど、
最近では食用グレードの3Dプリンターのフィラメントっていうのも出てるんで、
最低限そこから選ぶ必要はあります。
ただそれを選べばいいっていうことではなくて、
これもちょっと後ほど紹介しますけどね。
素材の話の最後に意外と見落とされがちなリスクを一つ紹介すると、
ノズルからの流出っていうのがあるんですよ。
3Dプリンターってホットエンドっていうところで樹脂を溶かして、
そこから金属製のノズルを通って積層していくと。
そこから樹脂が出てきて積層していくっていう形なんだけど、
このノズルっていうのが多くの場合は真鍮製なんですよ。
真鍮っていう金属は銅とアイオンの合金なんだけど、
微量の鉛を含んでいる可能性があるんですよね。
フィラメントが高温でノズルの中を通過するときにこの鉛が溶け出して、
フィラメントに付着する可能性があるんです。
あくまで可能性の話だけどね。
そんなに人体に影響があるほどじゃないんじゃないかと、
真鍮製にならなくてもいいんじゃないかと言われてはいるんですけど、
こういう話もあるんですね。
オーダーメイド試験機ならお任せ。グラフテスターズデザイン株式会社。
じゃあそういうところにさえ気を使えば、
3Dプリンター製の食用機器って作ってもいいんですかという話なんですけど、
ここもですね、うんとは全然言えないんですね。
ここから法律のお話です。
この3Dプリンターの食用機器の話って非常に法律に関わってくるんですよ。
実は3Dプリンターで食用機器を作って売るのっていうのは、
法律違反になる可能性があります。
ここを見落としてしまっている人って結構多くて、
日本には食品衛生法という法律があって、
食品に直接触れる機器とか梱包容器については、
もう法律で厳しく規制されてるんですよ。
さらに2020年の6月に大きな制度変更というのがあったんですね。
それがですね、ポジティブリストというものの導入です。
これめちゃくちゃ大事な話だから、ちょっと詳しく話し出してください。
従来の日本の規制ってネガティブリスト方式っていうものだったんですよ。
これどういうことかっていうと、食用機器に使う物質の話なんだけど、
使っちゃダメな物質をリストアップして、
それ以外はOKですよっていう考え方の規制をしてたんですね。
だからこの材質危ないからダメダメダメダメダメ、
これがダメですよっていうネガティブリストっていうのがあって、
これに入ってなければ使っていいんだっていう考え方だったんですね。
ただこういう規制をしておくとですね、新しい化学物質がどんどん出てくる時代では全然対応しきれないわけよ。
新しいの出てきた、これはOKNGか、ネガティブリストに追加しなきゃいけないのかどうなのかっていうのを判断して、
追加したら初めて規制できると。こういう対応になってしまうから、
全然この時代の進化に対処しきれないと。
こういうことをやっていると何が起こるかというと、
アメリカだとこれ禁止されている物質なんだけど、日本だと禁止されてないみたいなそういう問題が起こってしまうわけですよ。
で、その問題に対処すべく始まったのが2020年6月から始まったポジティブリストの制度なんですね。
これはネガティブリストとは全く逆の発想です。
安全が確認された物質だけをリストアップして、そのリストに載っているもの以外は原則使っちゃいけませんよっていう法律です。
使っちゃダメなものをリストアップするんじゃなくて、使っていいものをリストアップしましょうという形に変わったんですよ。
そうすることによって、新しい化学物質がバーンて出てきた時に勝手に使われちゃうということがないわけ。
それをポジティブリストに載せるために申請をしないと、実際に食欲機器では使えないよっていう、そういう国になったわけね。
このポジティブリストというものには、今だとベースポリマーというものが20種類ぐらい、添加物が840種類ぐらい登録されているんですよ。
その各添加物には使用できる樹脂の種類ごとに上限みたいなものが決まっていて、
あと溶出の量の基準とか細かい条件が全部決められているんですよ。
これ以下であれば食欲機器に使っていいですよという話になっているんですが、
結局ここで問題になるのは、市販の3Dプリンター製のフィラメントがこのポジティブリストに適合しているかどうかということなんですよ。
結論から言うとほとんどのフィラメントは適合してないです。
フィラメントメーカーって、フィラメントを買った人だったらわかると思うけど、
はい、PLAですとか、PETGですっていうのが書いてあるだけで、中にどんな添加物がどのくらい入ってますかっていうものは一般公開してないわけね。
だから我々はそれがポジティブリストに該当するかどうかなんてのは当然判断できないし、教えてくれないんですよメーカーも。
だから基本的にさっきも言ったけど、PLAだったらOKだよとかPETGだったらOKだよってことは全然なくて、
PLAだからポジティブリストに載ってますって話ではなくて、
あなたが買ったフィラメント、そのメーカーが交渉しているフィラメントの中に入っている添加物とか全部含めて
ポジティブリストに載ってますよっていうことが証明できれば初めて食用機器としてその材料を使うことができるという話なんですね。
このポジティブリスト制度っていうのが2025年6月1日から完全施工っていうのをされています。
これもさっきも言ったけど2020年の6月から制度が施工されたわけですけども、
移行期間というのがあるわけ。いきなりポジティブリストボーンってやると現状を作っているものが急に作れなくなったりすると困るから、
数年間は移行期間として曖昧な材料というのもあったんですけど、もう今では全部がきっちり制定されています。
だから今はもうリストに未収録の物質を使って食用機器を作って販売したらNGということになります。
このポジティブリスト制度っていうのは食品衛生法に基づく強制規制で、違反した場合は当然処分とか処罰の対象になります。
具体的には適合しない機器を製造して、製造とか輸入、販売、営業を行った場合、
まず管轄の行政から是正指導を受けたりとか回収命令が来たりとか、
行政処置が取られて、それに従わない場合は営業許可の取り消しとか、処分が下されたりとか、
あとは刑事罰として1円以下の懲役100万円以下の罰金みたいなことが課される可能性があると。
そういうことなんですね。
じゃあ今3Dプリンター製のクッキー型を売ってる人ってどうなんかって話ですけど、
まず今言ったようにポジティブリストに対応してるのかいっていう話もあるし、
そもそも食品衛生法だと食品用機器の製造とか、あと梱包容器の製造とかね、
輸入販売をする業者に対していくつかの義務を課してるんですよ。
都道府県知事への届けの義務とか、あと厚生労働省に対する試験結果の提示とかね、
さらにはGMPっていう規則に基づく製造管理ってのも求められるわけ。
これは中身見たけど結構厳しい管理ですよ。
医療機器とかの製造の規則を元に作られてるみたいなんだけども、
製造の衛生面みたいな管理はもちろんのことですね。
品質の管理とか、あとはそれらのトレーサビリティっていうのを確保しなければならないと。
かなり製造に関して厳しい管理が求められます。
だから売る人はそれやらなきゃいけないのね。
つまりこの販売サイトとかでクッキー型を作って売ってる人って、
本来ならこれらの義務とか製造管理を全てクリアしないと売り出せないわけ。
じゃあ本当にみんなやってるかって言ったら、まあやってないでしょうねっていう感じでしょ。
実際にメルカリとかも2023年ぐらいに3Dプリンタ製の食用機器の販売について注意喚起っていうのを出してますよ。
実際に保健所とか抜き打ちで出してる人に対して検査してるっていう話もありますし。
割とこの辺りはですね結構厳しく見られているっぽいですけど、
そういう規制を知らずにいきなり売り出しちゃうっていう人。
形作れたからこれビジネスになるぜって言ってやっちゃう人が後を絶たないというのが現状なんですね。
ここで一つポイントがあってですね。
規制だ規制だとかダメだダメだって言ってますけど、
個人で使う分には規制の対象にはなりません。
自分でお皿作ってみましたとかお箸作ってみましたとかコップ作ってみましたとか、
作ってそれを自分で使ってご飯を食べるとか、それは別に好きにしてくださいと。
自分の責任の範囲で自己責任でよろしくお願いしますと。
それでなんかこう法律でさばかりたりするってことは当然ないわけですね。
ただし1円でも受け取って他人に譲渡したらそれ販売になるわけで、
その法規制ですね食品衛生法の規制の対象になる可能性があるということです。
じゃあこの販売とその自己責任の中間ぐらいの扱いだったらどうなんだろうと。
具体的に言ったら食用機器の3Dプリント用のデータを作って、
それを販売配布した場合はどうなんだって話。
実際にその食用機器を売ってるわけじゃないけど、データを売ってるんですよと。
これどういう扱いになるんですかって話なんですけど、
このデータの販売とか配布自体は食品衛生法には触れません。
だからOKです。ただここにも問題があってですね。
食品用機器の3Dプリントデータですよと表記して販売とか配布をすると、
かなり限りなく苦労になります。
配布とかその販売自体は問題ないんだけど、
するにしても必ず名席を書く必要があるわけですね。
この3Dモデルっていうのはあくまでもホビー用途ですよと。
ジョークグッズなんですよと。
このあたりはアダルトグッズとかと同じ扱いですね。
アダルトグッズに関して詳しい話を聞きたい人は過去回そこで配信してますから、
シャープ131ちょっとエッチなものづくりの話っていう回をぜひとも聞いてください。
人気回でございますわ。という話はさておきですね。
とにかくそういうこれは食用機器ではありませんよという一筆を書かないと非常に危ないと。
そういうくくりになってるんですね。
これってさ結局食用機器ですよって言ってデータを配布販売するとですね。
食品衛生法の基準を満たしていないのに食用機器として展開をしているというくくりになってしまうらしくて、
この場合景品表示法とか消費者保護法の観点から問題になることがだいぶあるようですね。
冒頭に言ったけどね、正しい判断っていうのは専門家、だから弁護士さんとかに相談して判断してくださいね。
あくまでも私が調べた範囲でっていう話ではあるんですけど、要はやるなって話ですよ。
形として共有するっていうことを止める人は当然いないし止めることはできないんだけども、
これは食用機器ですよ、食用機器のデータですよというふうに販売配布するっていうのはやっぱダメだっていうことです。
こういうのもね、何か起きたら遅いというか、知りませんでしたじゃなかなか済まないルールなんでね。
信号を無視してブーンって言った後に赤信号で止まるって意味なんだなって言ってると一緒なんで、やっぱちゃんと知っておかなければならないルールの一つです。
最後にですね、形状としてのリスクという話をしたいと思います。
これ意外と盲点なんですよ。3Dプリンターで作った製作物ってさ、見た目はしっかりしてても、
構造的な弱点を抱えていることが多いんですね。
食用機器に使うと何が起こるかというとですね、まず一つ目が破損による異物混入のリスクです。
FFF公式の3Dプリンターの特徴として、やっぱ積層っていうのがあるからさ、積層間の接着力みたいなもの。
だから層と層がプチってちぎれて部品が取れちゃうよっていうことが結構あるんですよ。
方向によって弱い方向っていうのはやっぱあります。
層と層の間に力が入るような方向に力を受けてしまうと、やっぱそこが剥離しやすいっていうことですね。
例えばさ、今回テーマにした炎上したですね、クーリッシュ用の絞り口であったとしても、
この絞り口っていうのがね、イメージするとするならば、
さっき言ったホイップクリームの口とか、マヨネーズの口がギザギザついてるじゃない。
ああいう感じの形をしてるわけよ。ギザギザトゲトゲの部分があるんだけども、
そこから出てくるから綺麗な形で出てくるよって感じなんだけど、
そのトゲトゲの部分が出す時の力に負けてパキッと折れてしまう可能性って十分にあるよねと。
そういう異物混入のリスクがあるわけですよ。
例えば今回ロッテさんがそういうものを作ったって言って公開してたわけですけども、
それを見て真似して作りましたって言った場合ね、真似して同じような形を作ることはできてもですね、
じゃあ実際に必要な強度を計算してその企業側が作ってたとしても、
見た目から強度ってわかんないからさ、真似した方は結構脆く作ってしまう可能性もあると。
だからそうやってね、プレジプリンターって形を簡単に作れてしまうから、
構造に対する楽観視というか、強度に対する意識の低さみたいなものがある気がするよね。
私なんでね、当然メカ設計の人間だからさ、そこらへんすごくシビアに見るんだけども、
やっぱりこの形大丈夫か?みたいなのはありますからね、やっぱりね。
っていうのがまず一点あるんだけど、形状に関してはね。
もう一個あってさ、2つ目が、経年劣化による形質変化のリスクっていうのを正直見れてない人が多いなって思いますね。
特にPLAとかってさ、成分解生プラスチックと言われていて、自然に放置してたら分解されるよっていうものなんだけども、
そうやってすごく環境に優しいねってイメージあるじゃない?
で、この分解されるよっていう特性って、食用機器にとっては非常にデメリットになりうると。
PLAってね、紫外線とか温度の影響を受けて、時間とともにどんどん脆くなっていくんですね。
表面カサカサになったりとか、白っぽく変色してきたりとか。
だからね、過程で使ってると徐々に変化するから気づきにくいんだけども、確実に劣化進んでいくわけですよ。
で、時間が経てば経つほど脆くなると。
さらに表面が劣化することによって凹凸も増えるから、それがまた最近の温床になりやすかったりするわけですよ。
いやいや、そんな3Dプリンターで作ったもの何でも使わないでと思うかもしれませんけども、
それに明確な寿命があるということもあまり意識しないですよね。
私はポジショントークになっちゃいますけども、プロの機械設計のエンジニアですから、
ものづくりを時間軸で考えるという癖はついてます。
その瞬間ではなくて、1年後、2年後、3年後と。
その今作っている製品の仕様として求められる寿命を全うできるような作りになっているかなと。
それの作ったものに対するそのライフサイクル、製品のライフサイクルっていうのを意識した設計というのを必ずしなければならないので、
そういう視点でものづくりを見るわけですよ。
これは技術者だったら当然当たり前の話です。
ただ、昨日今日3Dプリンターを使い始めましたよっていう人は当然そんな視点いきなり持てないから、
形だけは作れても、じゃあこれ何日使うものなのかとか、何日使った後にこうなるから寿命このぐらいですよねっていう、
その先のことなんて全然考えないじゃない。
これが結構危ないんですよ。
やっぱりものづくりって絶対的に時間軸で捉えなければならないんですよ。
作ったものが経年劣化によってバキって壊れちゃうだけだったら、壊れちゃったねーでいいかもしれないんですけど、
それが食べ物に混入するリスクがある食用機器になってくると全く話は別でさ、体の中に入ってしまうわけですね。
だから考えなければならないこと、考慮しなければならないことがあまりにも専門的でかつ多すぎるんですよ、食用機器っていうのは。
だから素人がおいそれと手を出していいものじゃないわけ、そもそも。
僕だって、僕は産業機器のエンジニアなんで食用機器に関してはど素人ですから、
私がどんなに頑張ったって一人で食用機器っていうのを作ることはできません。
お皿一つにしたってそうよ、私が作ることはできないです。
さっきポジティブリストの話したじゃない。
最近はさ、食用グレードのフィラメントってのも出てます。
ちゃんとポジティブリストに対応した正式な食用のフィラメントですよっていうのも出てます。
ただそれは、それを使えばできるじゃないかっていう人もいるんですけど、
あくまでも材料という一つの視点でクリアしたに過ぎないんですよ。
今言った強度の問題、劣化の問題、あと積層管の細菌の問題とか、
ノズルからの金属の溶出の問題等々ですね、抱える問題は山積みで全然クリアできないと。
その一点ポジティブリストだけクリアしたに過ぎないわけね。
食用グレードのフィラメントって言ったってさ、
家で使ってるバンブーラボの3Dプリンター、いつもものづくりに使ってるやつを
食用機器のグレードのフィラメントに変えましたってだけじゃ何にも意味ないんですよ。
それって例えるならば、食品の鮮度はめっちゃ気を使ってるけど、
包丁とかまな板洗ってませんよみたいな、そういう料理屋みたいなもんですよ。
うちは食品の鮮度だけには気を使ってるんですって言って、
本当に鮮度だけにしか気を使ってなくて、
まな板も使わずに地面で材料切ってるみたいなね、
そのぐらいのアンバランスさはあるんですよね。
食用機器を安全に作ろうと思ったら、全部が安全でなければ当然作れないと。
だからこそ製造工程の管理とか品質の管理とかトレーサビリティっていうのが
すごく求められるようになるわけですよ。
結論としては、素人は3Dプリンターで食用機器作るのやめましょうって話です。
クッキー型もそうだし、コップとかお皿だってそう、作ってはいけないと。
作るにしても自分で自己責任で楽しむだけにしましょうねということが言えるかなと思います。
もし本気で3Dプリンターで食器作りたいんだというのであれば、
それを実際に実現している人とか専門家の意見やアドバイスを仰ぎましょうと。
持ちは持ちやと。
すでに正しい知識を持っている人から適切なアドバイスとか技術的な指導をもらわないと作れません。
実際に3Dプリンターを食用機器に生かす方法っていっぱいあります。
印刷した後にコーティングをすればいいとか、
3Dプリンターで形状を作るのはあくまでも型で、それで型取りしてシリコンで作るとか、
いろんな方法はあるわけ。
生かせる方法はいろいろあります。
それをちゃんと正しい知識を持っている人から学びましょうねということですよ。
持ちは持ちやです。
私は技術士っていう国家資格を持っています。
これは技術系で最難関の国家資格の一つで、技術士を持つと技術士と名乗れるようになるし、
プロフェッショナルエンジニアっていうのを名乗ることができます。
なので私は孫をことなくプロのエンジニアと自信を持って言えるんですけど、
この技術士には技術士倫理考量というものがあります。
技術士が業務に挑むときの心構えみたいなものがまとまっているわけですよ。
国が作ったやつがね。
その技術士の倫理考量の中に、有用性の重視という項目があるんですよ。
これはどういう教えというか、どういう考え方、どういう心構えかというとですね。
技術士は自分や協力者の力量が及ぶ範囲で確信の持てる業務に携わるという心構えです。
つまり自分の力量を過信せず、確信が持てないことには手をつけないことというのが
技術士の心構えとしても書いてあるんですね。
プロのエンジニアが偉い逃げ腰じゃないかと思うかもしれないんですけど、
これはねめちゃくちゃ大事なのよ。
技術士はいかなる業務でも事前に必要な調査、学習、研究を行うと。
そして技術士は業務の履行に必要な場合、
適切な力量を有する他の技術士や専門家の助力・協力を求める。
業務の受託に際し、性能・品質・能気等要求事項を充足できる見通しが得られないと判断した場合は、
他の技術士専門家の協力・助力を求めることを躊躇してはならない。
だから自分の専門外、自信がないときは積極的に他の技術士や専門家を頼れということが書いてあります。
これを躊躇うなということがわざわざ国の最上位資格の技術士の心構えに書かれているんですね。
これの意味することって何だと思います?
それだけ専門外の技術を扱うというのは難しいということなんですよ。
今日話してきた話ってさ、別に3Dプリンターの話だけじゃないわけ。
最近、生成AIであらゆる分野の専門技術が民主化されつつあります。
やっぱりどの分野でも同じような構造の問題が起きていて、
一例を挙げると、例えばウェブサイトとかウェブアプリとか、バイブコーディングで簡単に作れるようになったんですよ。
私ももう一つの番組、落ち着きAIラジオの方で話してますけど、
番組の中でツールバイブコーディング作って皆さんが使えるような形で公開しましたっていうのをやったんですけど、
こういう感じでサービスっていう形は簡単に作れるんですけど、
公開する上、サービスとして公開する上で色々と注意しなければならないネットワークのセキュリティの話とか、
それこそ法律上の表記の話とかあるんですね。
必ず表示しておかなければならない事項っていうものが定められてたりします。
生成AIっていうのはね、そんな配慮までしてくれませんよ。
こっちがいった機能は実装してくれますが、法的な配慮まではしてくれないと。
当然その日本独自のドメイン知識って、そこそこ弱いんですよね。
日本語は悠長に話してくれるんですけど、日本の法律のことをめちゃくちゃ詳しく知ってるかって言ったら微妙なわけですよ。
言えば多分そういうことを配慮してやってくれるかもしれないけど、
最低限こっちがそれが必要な事項なんだなってことを理解している必要があるわけ。
つまり勉強しておかなければならないんですね。
こういったものをやっぱり知りませんでしたでは済まないわけ。
ごめんなさいじゃなくて、できてなかったんですね。
じゃあ罰則ありますよとか、社会的な責任を負ったりとかですね、社会的な信頼を失ったりするわけです。一発でね。
これはやっぱり技術の民主化の怖いところで、あまりにも技術が簡単に使えるから、
何でもできるようになったと勘違いしがちなんですけど、全然違うんですよね。
技術っていうのは力です。だから包丁と一緒だと私は常々そう言ってます。
我々はしやすい包丁を持たされているに過ぎないんです。
それはね、材料に当てればスパッと切れますよ。切れ味いいし。
しかも持ちやすいから誰でも自由に振り回せるわけですよ。
そういう風に設計されている、非常に使いやすい使いやすい包丁を持たされていると。
だからね、いいねっていう風にやってるんだけど、
じゃあ今持っているその包丁って、人に向けていいんだっけ?とか、外に持ち出していいんだっけ?という話ですよ。
使い方の知識のみならず、そういうルールとかマナー、倫理に関係なくただただ今包丁を持たされていると。
それが技術の民主化の恐ろしいところなんです。
最近は生成AI文脈でね、エンジニアがいなくなるよとか、専門家が不要になるよと、
よく言われる言葉なんですけども、ちゃんちゃらおかしいですよね。
専門家の背の字も理解してない人たちが、ただただワーワー言ってるだけだと。
技術者の本質が全然見えてないんですね。
技術者の本質っていうのは具体的な技術の知識ではないんです。
もっと広い技術をどう扱うか、正しい技術の使い方とは何か、
社会を良くするためにどうやって技術を実装していく必要があるか、
それを考えるのが技術者の本質的な部分で、技術者倫理と呼ばれる部分です。
技術者と素人の違いっていうのは明確にそこにあります。
体系的に工学を学んでない人がすっぽり抜けている部分がそこ。
技術者倫理なんですね。
技術自体の研鑽や勉強っていうのはみんな頑張りますよ。
スキルを磨きますね。だって作れるものが増えて楽しいからその方が。
でもじゃあ倫理とか法令を学ぼうと、改まって学ぼうとはなかなか考えませんよね。
社会一般で求められる道徳的な倫理と技術の分野で求められる倫理っていうのは同じではありません。
もちろんその道徳観点のベースは同じなんだけど、全然それじゃ足りないんですね。
趣味とプロを分けるのはこの倫理の観点です。
技術が優れていても工学倫理を学んでいないのならばそれはエンジン屋にあらずと。
ただ包丁をやたら振り回すのが上手い人ですよね。
上手くて危ない人ですよ。
技術が使えるようになったからといってエンジン屋になった気分にはなってはならないということです。
これは過信ですね。いわゆるダニングクルーがこうかってやつだね。
ちょっと勉強したぐらいだとさ、実力以上に自信を持ってしまうという現象があるんですよ。
もっと勉強を進めるとその技術の懐の深さというか奥深さを知ってどんどん自信をなくしていくと。
どんどん計算するたびにどん底に落ちていくみたいなそういう現象のことを言うんだけど、
そのどん底に落ちてから本当の意味での自信がついてきますよねっていうのがダニングクルーがこうかというものですね。
技術の民主化っていうのはダニングクルーがこうかの山の頂上に爆速で連れて行くっていうそれだけなんですよ。
ヘリコプターですよね。
こんなことできるようになった。この山登れるようになった。ヘリコプターで行っただけですねっていう感じになってしまうから。
大事なのはそこから降りてこれるかどうかですよね。それはもう明確にその人の課題だと。
もしも山の頂上にいるのであればさっさと降りてきてくださいと。降りる方法はめちゃくちゃ簡単ですよ。
勉強すればいいですね。その分野をちゃんと体系的に学べばいいと。
それだけで爆速でスキー並みに降りてこれますから。
あー俺全然知らなかったーっつって、ふもとまで爆速で来れます。
私はさらにその低みにいますんでね。ぜひとも低みでお待ちしておりますよ。
今日の話で言いたかったのはそういうことですね。
技術が使えるようになったからといって、プロフェッショナルと同じ視点になったとか、それで何でもできるようになったと思ってはいけないということです。
ただ必ずしもエンジニア偉いと言っているわけではなくて、
当然ね趣味でものづくりをするっていうのもすごく大事ですし、本職じゃなくてもいろんなものを作っていいと思います。
ただ一個やっぱ本職のエンジニアにちゃんと意見を聞くとか、プロフェッショナルにアドバイスを仰ぐっていうことをちゃんとやってほしいですよね。
わからなければ。自分で調べて解決するとか考えて解決するっていうのは結構ね素人視点で危険になる可能性がありますので、
そこはやっぱり注意しなければならないと。今回のロッテさんの炎上の件もすごくわかりやすいんですよね。
クーリッシュの先端につける絞り口って誰もが作りたくなるものじゃないですか。
3Dプリンター買ったばかりだったらあれ作ってみようっていう風に当然になっちゃって、
そうやって何か起こった後ではやっぱり遅いわけですよ。
そこに内在するリスクっていうのをわかっている人たちがこれ危ないんですよと言うんですけど、
それをまっすぐ受け取ってくれないんですね。やっぱり専門家たちが公式アカウントいじめてるとか、
カスタマーハラスメントだみたいなことを言ったりとか、そういう風な受け取り方をしてしまう人も多いんですけど、
そういう話じゃなくて、実際に非常にリスクを抱えるし、その一個の個別の事象だけじゃなくて、
抽象化した時にやっぱりそれは危険な考え方なんだよっていうことに対して警鐘を鳴らしているってことなんですね。
これに気づいてほしいし、ここに対して気づける人でないと3Dプリンターを使い続けるのはやっぱり難しいと。
3Dプリンターだけに限らず、これから民主化されていくであろう色々な技術を使いこなして価値を出していくのは難しいと思います。
そういう視点を持たない限りは。だから誰もがエンジニアになる必要はないんですけども、技術を扱う上で必要な倫理っていう観点は持っておいた方がいいと思うので。
じゃあどうすりゃいいんだいって話だと思うんですけど、最後におすすめの本1冊だけ紹介したいと思いますね。
これ最近第2版が出た、私も好きな本なんですけど、非常に読みやすい技術者の倫理の本なんでおすすめです。
講談社さんから出てるんですね。初めての技術者倫理、未来を担う技術者研究者のためにという本が出てます。
これそんなに厚くないと。ページ数で言ったら何ページだ。読める160ページぐらいのかな。160ページ、170ページぐらいの本で非常に薄い。
これを薄いって言うとあれだけど、そんなに厚くないですね。フルカラーだし結構その項目ごとに分かれていて、
1個1個読める、結構今風の技術者倫理の本ですよ。これもともとベストセラーというかすごく有名な本だったんですけど、
それが最近第2版としてAIに関する倫理とかいろんなものが追加されて販売されましたので、いつだったかな、去年12月ぐらいだったかな。
そうですね、2025年12月9日に第1版が出版となっているので、これ非常にお勧めですよ。
今日話したような内容、具体は書いてないんですけど、やっぱりどういうところ、特許とか製造物責任法とか、
いろいろ技術扱う上で衝突するようなところとか気をつけなければならないようなところが網羅的に書いてあります。
いろんな分野でね。なのでまずこれちょっと気になるって方は読んでみるといいんじゃないかなと思います。
とにかくそういう視点で技術を見ましょうというお話ですね。
技術とうまく付き合うためには技術の具体的な使い方、テクニック的な部分ではなくて、倫理的な部分を学んでいきましょうというお話でございました。
はい、ここがクロージングトークです。だいぶ長くなってたぶん1時間ぐらいの話になったと思うんだけど、
実は本当はお便りの返信もね、お便り結構前回のホワイトボードの回にいただきまして、
よし、今日返そうと思って収録し始めたんですけど、なんかいろいろモリモリ喋ってたんですね。1時間ぐらいになってしまったんでね。
今日ちょっとお便りの返信は1回ちょっと置いとかせていただいて、また来週ですね返させていただきます。
お便りくれた方本当にありがとうございます。ここからちょっとね、告知をさせてください。
もう明日の話なんですけど、これ配信してるのがね1月の24日だと思いますけど、
1月の25日にですね、愛知県の名古屋市の鶴舞というところにあるですね、ステーションAIっていうイノベーション施設があるんですけど、
そこでイベントをやります。アイガーラというイベントでして、1月の27から29まで愛知県名古屋市でテックガーラっていうね、
AIとかIT系のカンファレンスのイベントがあるんですね。それのサイドイベントとしてですね、ステーションAIというね、いけてる施設でですね、
アイガーラというイベントをやります。これ私主催側に入ってますけども、そこでもう1個のポッドキャスト番組の落ち着きAIラジオの収録をします。
落ち着きAIラジオとしての登壇というよりは、ちょっとねゲストを招いてですね、いろいろ喋りましょうということで喋るんですけど、
なんと招くゲストがですね、宇宙話の佐々木亮さんでございますね。佐々木亮さんを呼んで、私と落ち着きAIラジオの相方カネリンとですね、
この3人での定談をしましょうということになっております。アイガーラというイベントの最初がその定談から始まりですね、
その後もフィジカルAIの話とか、AIと教育の話とか、あとですね、推しバースっていうね、メタバース文脈の話とか、
結構面白い話が続々ありますので、もしも現地に遊びに来れる方は、ステーションAIの現地に来ていただければなと思います。
イベントの概要はリンク概要欄に貼っておきますんで、そこからね、申し込みができますと。
現地来れないよっていう方もですね、一応オンライン配信ありますんでね、それを見ていただければ、会場の様子とか、喋ってる内容見れますんでね、
そうやって見ていただくのも良しですし、一応ね、落ち着きAIライトの方で公開収録という形で収録しようかなと思ってるんで、
そっちの方はね、Podcastでまた同じ収録音源出ると思いますので、そちらは都合がつかないよって方は聞いていただいてもいいかなと思います。
とにかくですね、笹木亮さんとのコラボレーション、公式のこういうイベントでね、コラボするのは確か初めてだと思いますね。
タツさんの番組ですね、奏でる細胞というPodcast番組のタツさんの番組で、亮さんと一緒に出演させてもらったってことはあるんですけど、
意外とね、僕のこのものづくりのラジオの方に亮さんを呼んだりとか、あんまりそういうコラボできてなかったんで、
今回ね、イベントでお互い対面登壇するっていうところなんでね、こういう形でコラボできるのは非常に嬉しいなと思いますので、皆さんぜひとも楽しみにしておいてください。
というわけで今回はここまでとさせていただきます。私は、支部長技術研究所という技術プログラムを運営しております。
週一更新を目標に更新しておりますので、そちらもぜひ覗いてみてください。また、Xで毎日役立つ技術情報の発信を行っております。
朝7時10分、夕方18時20分に必ず投稿しておりますので、そちらもチェックよかったらフォローしていただけるとうれしいです。
また、ものづくりの視点というですね、音声配信、兄弟配信もやっております。
こちらは月曜日から金曜日までの週5で配信中です。10分ぐらいで聞けるものづくりの話ですので、そちらも聞いてください。
また、落ち着きAIラジオという別番組もやっております。こちらはAIに関する情報発信をしておるんですけど、毎週火曜日、金曜日、週2で配信しております。
こちらもぜひぜひ聞いてください。またですね、リスナーさん向けのコミュニティ、面白NICSラボというものも今やっております。
こちらは私ともっと密に交流しましょうとか、あとコミュニティの中でリスナーさん同士につながってくださいねみたいな。
私と一緒にとか、みんなと一緒にね、ものづくりを進めていきましょうみたいな意味で立ち上げたコミュニティになっております。
無料でメンバー登録できますので、こちらもぜひ覗いてみてください。またですね、有料プランも展開しておりまして、こちら次は500円なんですけども、限定コンテンツとかそれで見れるようになりますので、
私のこの活動を応援していただけるよという方は、是非とも有料プラン履いて応援していただけるお金が私の活動費になって非常に嬉しいなという限りでございます。
またですね、このものづくりのラジオ、いいなと思っていただけたら、番組のフォローまた各ポッドキャストアプリで評価の方を是非ともよろしくお願いします。
皆様がね、2秒でできる私への応援となりますんで、評価またフォローいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
というわけで今回はここまで。以上、渋長でした。ではでは。