2025-09-20 46:12

Vol.125 仮想世界“東京”からゴーグルを外しログアウトするという感覚 - 小川 大暉さん・橋 香代子さん(土とデジタル)

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サマリー

ゲストの小川大暉さんと香代子さんは、『土とデジタル』を通じて、自然とデジタルの関係を探求しています。彼らは東京の仮想的な世界と現実の自然とのつながりについて考察し、人々が自然にアクセスする新たな橋を作る意義を語ります。ポッドキャストでは、都市とデジタルの関係が議論され、特に東京での生活が持つ仮想空間としての感覚が触れられています。また、ログアウトという概念を通じて、地方と都市の役割や人々の移動に関する考察が深まります。仮想世界から脱却し、自然とのつながりを再認識する重要性も語られています。小川さんと香代子さんは、生活や食材の背景にあるプロセスを理解することで、消費者としての自分たちのあり方を見つめ直します。このエピソードでは、自然や肉食に対する感覚を討論し、命の価値や社会との関わりを深く考える機会を提供します。

00:03
自然と生きるを考える 自然資本論〜
この番組は森で働くことを愛する高橋と奥田が、マーケティングやデザイン視点を持ちながら、森、海、里など自然資本を巡る話を面白おかしくしていく番組です。
はい、北もくろ高橋です。 山とわの奥田です。よろしくお願いします。
よろしくお願いしまーす。
はい、だいぶ秋めいてきましたか?
いや、来てないです。
今日はちょっとね、台風デーなので多少寒くはなりましたけど、まだだいぶ残暑が厳しいですね。
こんなことは初めてですね。
ちょっと長いです。
長野避難に住んでて、9月入ってこんなに暑いのは結構衝撃なんで、少しばかり絶望していますが。
いや本当ですね。
自然資本とデジタルの融合
今回もゲストをお呼びしておりまして、早速ですけど、合同会社土とデジタルの小川大暉さんと、香代子さんに来ていただいております。
よろしくお願いします。
大木さん、香代子さんは、僕も高橋さんも、ワナブラザーズのお二人だというふうに意識してお会いして、
別の会社もやっているということで、そちらもすごい面白そうだったので、今回そっち側で来ていただいておりますが、
最初にお二人の自己紹介、土とデジタルってなんだろう、みたいなのを聞いてもいいですか。
はい、ありがとうございます。土とデジタルの小川大暉です。
僕と香代子ちゃん、二人が共同代表でやっている会社です。
僕はですね、もともとシステム開発の仕事をしていて、今もシステム開発のプロジェクトリーディングだったりとかを普段はしてるんですけど、
片谷長野で漁師をやっています。よろしくお願いします。
お願いします。
同じく土とデジタルの香代子です。よろしくお願いします。
私も大木君と同じで、半分はITの仕事をしながら、半分は土とデジタルの中でワナブラザーズの活動だったりとか、
生産と消費を近づけるみたいなことをテーマに活動をしています。よろしくお願いします。
お願いします。
土とデジタルはですね、私と大木君と、あともう一人、桐田君っていう男の子、3人でやっているチームなんですけど、
元々、全員ITとか広告とか、なんでしょう、手触りのないものを仕事していた人間たちで、
本当に手触りがないものとしか言えないんですけど、土地に目指してないものというのか、
やっぱりインターネットの上に乗っかっているもので、すぐ消えちゃうようなものを作ったり消したり売ったりする仕事をずっとしてきている中で、
ままでいいのかなみたいな疑問がね、それぞれの中にあった中で、5年くらい前にワナブラザーズの前身となるサービスに出会って、
そこからもっと自分たちのスキルを、地球とか土に目指しているものに使えないかなっていうのを考え出して、
土とデジタルという名前で始めたっていうのが始まりですね。
なるほど。
そこが始まりだったんですね。
そうだよね。
なので、概念から何か作ったというよりは、まずワナブラザーズを長野の領主と一緒に立ち上げたというか、
その時のメンバーが土とデジタルという価値観を持っていたので、それを言語化して会社にしたみたいな順番。
なるほど。じゃあ土とデジタル作ってから、その中にワナブラザーズの活動も入っているけど、
実際にIT的なことをそのチームで一緒にやったりもしている。
そうですね。今はそれぞれフリーランスとしてITとか広告の仕事はしながら、
その土とデジタルが交わりそうなプロジェクト、混ぜれそうなプロジェクトは土とデジタルでみんなで。
なるほどね。
うん。
バイオフィリックの探求
じゃあ、今日は僕らも普段ワナブラの2人として接している中で、その辺の話実はあんまり聞いてないんですけど、
改めて土とデジタルのサイト見たら、バイオフィリックみたいなあんまり馴染みのないことを標榜しているというかテーマにしながら、
あと土とデジタルみたいな、割と相反する価値観みたいなのをどうやって統合していくのかみたいなことがテーマですみたいなのを読んで、
すごく気になるテーマだなというか思ったんで、その辺聞きつつ、なんか深掘りしていきたいなという感じがするんですけど。
バイオフィリックっていうのは、聞き馴染みのない言葉かもしれないんですけど、
なんか、自然をどこにいても求めてしまう人間の差がみたいな、そういう意味合いの言葉で、
よく建築の業界とかで使われるみたいで、都会でビルを建てる時とか、オフィスを設計する時とかにバイオフィリックデザインっていうような考え方が振り入れられるらしくて、
多分、よく聞くと思うんですけど、オフィスの中に観葉植物がいっぱいあると生産性が上がるとか、なんだろう。
そうなんですか。なんか違和感あるな。
ある、あるで。
あるらしくて、あんなかんだ言って都会にいても緑を求めてしまうし、
やっぱり土っぽいものとか木っぽいものとかっていうのに触れてたいっていうような、水の音とか聞いてたいとか、
なんか、そういうどこにいても自然を求めてしまう人間の、そういう自然を寄与する心みたいな。
本能的な欲求か。
多分、だから気づいたら多くの人の家に何かしら植物が置いてあるとか、なんか木のプロダクトっていいよね、落ち着くよねみたいな。
おもちみたいなのもそのバイオフィリックに生まれるのかと思います。
それを探求じゃないけど、そういう価値観で活動しようぜっていうことになるんですか。
そういう価値観を探求しようぜっていうことですよね。
なんかその、なんだろうな、我々側まさにそうだったんですけど、その都市で生活している中で、
自然のものに心を取ったりとかワクワクする気持ちっていうのがあるなと、でもあんまり我々なんかそうとは認識してなかったんですけど、
なんかその狩猟、そのワナブラザーズの漁師と出会ったときもそうなんですけど、なんか狩猟って聞いてワクワクしたりとか、
山とか森林の話にワクワクしたりとかっていうのがきっかけで、長野県にも行き来するようになった。
同じように、自然にもっとワクワクしたい人とか、それとどう関わったらいいのかなって気づいてなくても潜在的に思っているとか、
気づいてるけど何をやったらいいかわからないみたいな人っていうのがたくさん僕たちみたいにいるのかなと思っていて、
そういう自然を支給してしまう気持ちに対して、僕らが都市にいる人たちに何かを提供できない。
なるほど。むしろあれですね、ワナブラのサービスがデジタル情報として漁の瞬間とかっていうのが共有されるっていうのも、
それが一番土地とデジタルの観念を表しているサービスでもあるっちゃあるんですね、多分。
そうです、そうです。まさに。
すごい納得感が早速ある。
なんかあれなんですか、入り口を作りたいっていう感じなんですか、関わりがかなり薄いとかそういう意識が少ない人たちに対して、
本当に自然とかを地で生きている人たちとつなぐパイプの役になるとか、パイプを作っていくみたいな活動っていう認識で間違ってないですか。
おっしゃっていただいた通りですね。
なんか多分それを木が欲しいとか植物が欲しいっていう人よりも、なんかこうワクワクにつられてついていったら、気づいたら自然と関わりを持ってたみたいな、そういう橋が作れないかなっていうのを探求している。
なんかかやこさんと話してて、すごい印象的だったのが、命と食が紐づいていなかったみたいな話をされてたと思うんですけど、
僕はよくこの番でも言ったかもしれないけど、霧見が海を泳いでいるっていう論説に対してあれは嘘だろうって、そんなわけないだろうって思ったんですよね、みたいな話をしたら、
霧見が泳いでいるとは思ってないけど、そういう気持ちはすごくわかるみたいな話をかやこさんが、東京育ち?東京生まれ東京育ち?
東京と仮想世界の考察
仮想世界生まれ、仮想世界生まれ、東京って本当にそういう場所だと思うんですよね。
なるほど、なるほど。
何も本物はない。人間が欲しいと思ったものを、人間が作ったものしか多分ないんですよ。
なるほど、なるほど。
なんか、なので物理的に、何だろう、ゲームの中に街を作るみたいなイメージで、東京って多分できてるんじゃないかなと思う。物理的に存在はしてるんですけど、動く人工のものしかないじゃないですか。
確かに。
そこで、結構その都心で生まれ育ったので、ずっと30くらいまで仮想世界に住んでたってことに聞いてた。
面白いな。人間の欲望の塊みたいな形なんですね、イメージ的に東京が。
なんかクラウド、物理クラウドって呼んでるんですけど、クラウドシティみたいな感じで、みんなこうログインしに来てる。
なんかでもだんだんやっぱりみんな、どんどんログアウトしてくる人。
いいっすね。ログアウト、現実に戻る。
ログアウトしてく人がたくさんいるなーっていうのをすごい見てますね。
逆に言うとあれなんですかね、最近というか10年前くらいからのアニメで、そういうフルダイブVRみたいな世界観あるじゃないですか。
身体ごとログインして、仮想空間でRPGするみたいなアニメがすごい増えたと思うんですけど。
まさにそれはむしろあれ東京なんじゃないですかね。
でも、地でやってるのが東京ですので、そこには何も本物はないので。
あ、ウケる。俺、そうか、じゃあ一応ログアウトした側になった。
あ、そうですね。ログアウトした側かもしれないですね。
確かに養老先生も、自然の杖にあるのが都市化だみたいな話。
人間の都合のいいものしかないっていう話をされてるけど、まさにそういう感覚が、なんだろう、
それこそ身体値としてお二人にはあるっていうのが、逆にないっすもんね。
その身体値を持ってないかもしれない。
俺もない。
ログインした試しがないっていうか。
体験版しかやったことないから。
なんかセーブできなかった。
いやーでもそうですよね。ログアウトしてく人を見るのが寂しくもあるんですよ、私は。
えー、そうなんですか。
なんで?
おもろいですね。
いやー、自分がやっぱ生まれた場所だから。
あー、東京がね、確かに。
空間育ち。
世界育ちなので、だからあれですよ、長野とか狩猟の現場とか行くと、すごいVRゴーグル外してるなーっていう時もあるんですけど、
でも東京戻ったら戻ったですごい落ち着いちゃうんですよ、自分は。
やっぱ生まれ育ってる人たちはそうなんですね。
ログインしたみたいな。
でもログインの感覚なんだもんね。
ログイン、どっちがだから本物なのかもはや分かんないんですけど。
東京の仮想感覚
そうですよね。なんか僕とか岡田さんみたいに田舎で育って東京、僕の場合は一回東京行ってるから、東京ログインっていう感覚、今言われてめっちゃ分かると思ってる。
かゆくんさんの場合、どっちかというと森林側行った方がログインの可能性が本来あるもんね。
そうですね。でもなんかこっちが本物だったのかって思うと、すごい切なくもあり、寂しくもあり、なんか難しい気持ちになりますね。
すごい面白い感覚ですね。
しかもなんかそれは東京、ずっと東京ですよね。
ずっと東京です。ただバックパックでちょっと世界一周した経験があって、これが結構大きかったかもしれないですね。
だからそこまではログインという感覚すら持ってなかったってことですよね。
そうです。
それが30ぐらいだった?
それが30ぐらいの時だったんですよね。ちょうどコロナの直前くらいですかね。
大輝さんはそういう仮想空間感覚ってあるんですか?出身東京?
出身は僕三重県なので。
一緒なんですね。
生まれはサーバーじゃない。
生まれはサーバーじゃない。大学からなんか気づいたらログインしてたみたいな。
僕ずっと小学校の時ぐらいからパソコンが大好きで、ずっとパソコンして親によく怒られてたんですけど、大学の途中でプログラミングやり始めて、そのままプログラマーになってシステム開発の仕事をするようになって、すごい楽しかったんですよ。
今でも好きだし、こんな楽しいクイズみたいなこと、パズルみたいなのをやってて、金がもらえるなんて、なんていい仕事なんだって。
ずっと思ってたんですけど、なんか気がついたら、自分が過去数年間で頑張って、本当に涙を流しながら苦労して作ってたものが、なんか一個も残ってないな。
キャンペーン、ウェブサービスみたいなのを作って、いろんな人と意見を戦わせながら、頑張って徹夜とかもして作ったウェブサービスが、サービスクローズしててもう残ってないなとか、何年間もかけて作ったアプリが、ローンチされずに終わっちゃった。
ログアウトの必要性
そんなこともあるんですね。
みたいなことがあって、あれ、何を仕事にしてきたんだっけみたいな。
めちゃくちゃいいな。
気持ちになった時に、さやちゃんの言うクラウド感みたいなのは感じていたかもしれない。
山口周さんっていらっしゃると思うんですけど、あの人の本に都市の成り立ちみたいなの書いてあって、なるほどって思ったのが、私は情報のやり取りをするのにすごいコストがかかってたと。
電話とかインターネットがなかった時って書類を送んなきゃいけなかったじゃないですか。
それも大変だし、国際電話とかもすごい、電話するのもすごいお金かかってたし、だからその情報のやり取りをするために人間が集まった方が、その情報のやり取りのコストがすごい低くなるから、みんなを集めていったっていうのが、その都市の成り立ちだっていう風に書いてあって。
やっぱりだから、ログインしてるじゃんって。
なるほど、通信同期みたいな感じ。
だから物理的にやってた。
リアルに集まってね。
でもそれも多分、今もこれ離れてる4人がネットで電話できてますけど、もう物理的に多分集まる必要があんまりなくなってきたときに、そうですよね、なんかみんなログアウトしだしたなっていう。
でもそのログアウト感覚で、それこそ都市、地方に住んでると逆に、東京にみんな吸い寄せられていくっていう現実はあんまり変わらないようにも見えるんですけど。
いや、全く変わらないよね。
もちろん移住してくる人もいますけど、東京だけは人口ほぼ減らず、むしろ増えて、地方の人はいなくなってるなみたいな、なんか人口の減り方ほんとすごいから。
いや、そうっすよね。
なんか、日本の人口全体が減る手前から、田舎の人口減り続けてるって結構面白い現象ですよね。
確かに。
なんか全体減ってるわけじゃないのに、総量減ってないのに、田舎からはどんどんいなくなるみたいなのが、そう言われるとそうなんですけど。
ブラックホール化してますね、東京が。
そのかよこさんたちの感覚みたいな、東京ログイン説みたいなやつは、割と周りの人たちと話すと共感されるというか、分かるみたいな感じなんですか?そうでもないんですか?
面白いねと言われるので、分かると間違えるかもしれないですが、
でも、やっぱ去っていく人を見ると、去っていく人の話を聞くと、やっぱりログアウトしたいっていう気持ちはすごいあるみたいですよね。
でもそこには、東京っていう実態があるようで、実際は人の都合に合わせて作られたバーチャル世界みたいな感覚に対する違和感とかを感じるってことなんですか?そこは。
そうですね、きっとそれに気づいた人からログアウトしてくる。
直感的?多分言語化はされてないと思うんですけど。
言語化はされてないけど、なんとなくこの街おかしいみたいな違和感がある人からログアウトしてくるんじゃないですか?
おかしいみたいなログアウトの仕方もあると思うし、僕らも言ってたように、地に足をつけたい、もっと残る仕事に関わりたいなみたいなところから気づいたらログアウト民になってたみたいな。
でも本当にキーワードとして、10年前は言い過ぎかもしれないけど、10年前くらいから都会の人と話すときに手触り感ってめっちゃ出てくるなってずっと思ってました。
えー面白い。
手触り感のない仕事みたいなことを都会の人たちは言うな。
地に足がついていないもん言われてましたけど、僕から見たら別に地に足はついてるしと思ってたんですけど、浮いてんのかな?
浮いてます。浮いてます、確かに。
ドラえもんみたいな感じがしますね。3センチ浮いてる。
3センチね、そうですね。浮いてます。
とはいえ、でも自分の出自は変えれないじゃないですか。
確かに。
すごい、やっぱ好きな気持ちもあるので、東京、まあそういう都市的なものを好きな気持ちもあるので、なんとかその、何でしょう、最初の話に戻るんですけど、
そういう土地的なものとデジタルなものとか都市的なものと、まあなんかそうですね地域ローカルみたいなものとか、なんかそういう生産と消費とかもそうなんですけど、
そういうこうちょっと離れたものとして扱われがちなものの間を取り持ったりとか、なんかどっちかを選ぶんじゃなくて、どっちもいいよねみたいな、
なんかどっちもあるからこそこう、なんかお互い助け合えるよねみたいな、なんかそういう、そういう世界観に行きたいなっていう願いを込めて活動しているという感じですね。
僕、前にその食品メーカーで本当に東京で働いたときに、東京生まれ東京育ちの人も結構いたんですけど、で僕が転職するってなったときに本当にその超ドローカルの方にまた行くって、いろいろ話をその時にもしてたんですけど、
なんかそのバイオフィリック的なその話で言うと、東京生まれ東京育ちの人って、まあ確かにその森林とか森とか結構非日常として行くのは好きだけど、現実的に土とか虫が好きがちょっとね、まあ人にもちろんよるんだけど、
なんか土とかそういうものを、もはや汚いものとして感じてたりする人が結構多いなっていう印象があって、だからそこは田舎の出身の人と都会の出身の人で、なんか感覚のずれみたいなのめっちゃありそうだなってすごい思ってたんですよね。
そうそう、科学さんとかがその感覚をバックパッカーで世界一周してっていうのはあるんでしょうけど、なんかモテたっていうところとかが結構なんか話を聞いて面白いなってめっちゃ思ってたんですよね。
なんかその感覚を持っている人と持てない人のその違いって何なんだろうみたいな。
何なんだろう。
えー何なんですかね、でもやっぱり一回接続を外す必要はありますよね。
ゴーグル外してみる。
はい、ゴーグルを外して自分の目でちゃんと世界を見るという当たり前のことを。
あ、予想空間の中に目で見ようって、そのゴーグル外そう。
ゴーグルをまず外さないといけないっていう。
それを外して、付けて生きてるということになかなかやっぱマトリックスの中にいたら気づけないじゃないですか。
うん。
ので、一回強制なんだろう、ログアウトというか外されてみないとわからないことがやっぱあるのかなっていうのを思いますよね。
僕はなんか、かえちゃんはかえちゃんで多分旅の中でそういう体験があったのかなと思うんですけど、
僕はそれこそワナブラザーズの前身になるサービスとの出会いがゴーグルを外した瞬間だったんですよね。
はい。
さっきの岡田さんの切り身の話とすごい似てるんですけど、
ワナブラザーズってオンラインで狩猟のプロセスを見られて、お肉が最後に届くっていうサービスなんですけど、
そのお肉が最後届いたときに、自分がそのお肉を食べるときその動画を見返したんですね。
そしたら目の前にあるお肉が動物だったときの姿っていうのが動画で見られて、
そしたら途端に目の前のお肉が、今まで抽象的に鹿肉、お肉みたいなものだったのが、
動画の中に映ってるこいつの足なんだって。
そこが初めて繋がって、
で、「あ、お肉って生きてる動物の一部なんだ。」っていうクソほど当たり前のことに、
27歳でしたら、6歳?
で、気がついて、
で、それが当たり前のことすぎてすごく衝撃だったんですよね。
地域とのつながり
うん。
が、今の話でいう、こうグルを外した?
頭では分かってるつもりだったことが、実は分かってなかったっていう。
それはめっちゃある。
うん。
めちゃくちゃ分かる。
気づき?
うん。
そうですよね。
じゃあ、終えて、あれこれもしかして、
でもそれって普段食べてるどのお肉でも同じことが起きてるはずじゃないですか。
うんうん。
で、そのお肉が来る元のルートを我々が見てないから気がついてないのであって、
なんかそっちにすごい元本物があるんじゃないかみたいな、
僕の気づいてない何か当たり前ですごく重要なことがあるんじゃないかっていう気がしたので、
もう長野行こうみたいな。
うん。
で、この体験をした後にすぐみんなで長野に押しかけて。
みたいなところから長野医療所に通うようになったっていう感じだったので、
それが僕のゴーグル外し体験。
で、それワナブラ全身のやつはどういうきっかけで出会ったんですか。
自然との再接続
なんかたまたま友達から、友達ご飯食べてた時に、
その友達が今度鹿肉がいっぱい届いちゃうんだよねっていう話をしてて、
これはなんかその後一回も聞いたことない変わったセリフだなと思ってるんですけど今でも。
で、それどういうことですかみたいな話を聞いたら、
いや、ワナのオーナーになれるサービスでサービスがあってみたいな話を聞いて、
僕ちょうどその時にそのなんかうすうすクラウド感みたいな、
血に足ついてない感とか、
自然のことに偶然と興味を持ち始めたタイミングだったのもあって、
なんか自然の面白そうなサービスの話だっていうので、
なんかそれ買えるよって聞いたんで買ってみたっていう。
いや、いいっすね。
なんかやっぱ、僕料理人の三上直さんっていう人が友達にいるんですけど、
その人も渋谷生まれ渋谷育ちの超都会の人で今。
そうなんだ。
そうなんですよ。
焚き火料理人としてなんか縄文料理とかやってるんですけど、
なんかその人、なんか感心する部分として、
なんだろう、赤ちゃんって言ったらいいんですよ。
5歳児みたいな感じで、
その好奇心、みずみずしく感動できるみたいなのが、
すげーなーって見てて思うんですけど、
海で貝が獲れるすごいみたいな。
いやーわかるー。
わかるなー。
それを、なんか田舎育ちじゃないからこそ、
その当たり前じゃなさみたいなことに対してものすごい感動できるってことが、
むしろ、なんだろう、彼女のファンというか共感されるポイントなんだろうなって思ってるんですけど、
でもまさにそういう、
まさに。
これなんか、高橋さんにちょっとお話ししたかもですけど、
ゴマの畑行ったとき本当にびっくりしたんですよ。
どういうことですか。
ゴマ畑行ったことあります?
ありますあります。
ゴマここからできるの?って思ったんですよ。
面白い。
初めて。
ゴマはもしくはちょっと工業製品なんじゃないか的な。
何かを固めて。
生産者としての意識
つぶつぶはならない。
こんなちっちゃいの収穫するやつおらんやろ。
本当に恥ずかしながら、だから本当に切り身が海を泳いでるのと、なんか変わらないですよね、感覚としては。
ゴマここからできるんだと思ってすっごいびっくりしたんですよね。
それはどういうびっくりなんですか。
どういうびっくり?
実物の植物としてなのか、収穫激物じゃんみたいなのか。
理不尽みたいな。
全部ですね。
いやなんかその、そもそも本当に当たり前のことなんですけど、
土から何かがこう生えてて、それが食べれるみたいな。
食べ物がそこから出てくるみたいなことがすごすぎないっていうのと、
ゴマに関してはそれをこう、これどうやって取って集めるんだろうみたいな。
確かにね。
すごすぎるんだけどって思いました。
結構最近の話なんですか。
それがちょうどなので、世界一周中だったんで。
海外で見たんですか。
ゴマは、それは日本なんですけど、
世界一周中に、ちょっと半周ぐらいして一回戻ってきたタイミングがあって、
その時にキカイ島っていう天海の方の島で見せてもらいました。
それで大感動。
感動っていうかなんか衝撃ですよね。
えーって思いましたね。
そこからなんかやっぱり、食べ物ってこうやってできるんだと思って、
本当にコンビニに湧いて出てくるくらい。
いい。
はい。
すごすぎると思って、
そっからなので、あまりにも自分って本当に消費の一番先端のところで、
お金だけ入ればクイックに交換してもらえるっていうところしか見えてなかったんだなって思って、
さっきのニックの話もそうなんですけど、
消費者であるのは消費者なんだけれども、
ちょっとやっぱそのプロセスを遡ったところから、
なんか関われるようになりたいなっていう気持ちがすごい強くなっていって、
そっから帰国してからなので、
みんなで田んぼで、
ワナブラザーズの田んぼ版みたいな、
田んぼをみんなでシェアして、
お米を持ってるコミュニティとか、
いろいろやってみたりしてる中で、
ワナブラザーズもその一つですね。
消費者である自分たちがどうやったら生産側に近づいていけるのかっていうところを考えているのかな。
それを近づけて、自分たちの暮らしの中でも近づけていくことで、
変化すること、感情とか暮らしみたいなものって、
何か変化があるものですか?
そうですね、やっぱ買い物の仕方とか変わりましたね、かなり。
そうなんですね。
やっぱコスパ良ければいいっていうところしか、
買い物する時の軸がなかったんですけど、
やっぱりこんなに作るの大変なんだとか、
こんなに何かを生み出すっていうことで犠牲になるものとかあるんだなっていうことを、
体感を持って知れたものほど、
高いお金を払ってでもできるだけじゃ犠牲が少ない方とか、
できるだけグッドなもの、
全く犠牲のないものみたいなのはないと思うんですけど、
より良い方があればそっちを高くても選ぶみたいなことが、
自然とできるようになってきたとは思います。
現場との接点
それもちょっと、わかんないですけどね、自己満足ですけどね。
すごい、いやいや、そんなことないですよ。
思いを持って生産を、これもなんかむずい話ですけど、
じゃあ思い持ったぞ生産してるのかみたいな話は難しいんですけど、
社会とか地球にとって良いことみたいに思って活動してる、僕らもそうですけど、
からすると、そういう文化みたいなのはやっぱり作りたいとか欲しいなと思うけど、
難しさも同時に感じるから、そこはまさに、
ログインログアウトの感覚として、
やっぱり頭では、それこそ多分かやこさんも、僕同い年なので、
それこそ地球環境、環境問題とかの勉強をしながら育った世代だと思うんですけど、
なので頭では理解してるんですよね、結局みんな。
分かるけど分からないみたいなことの、
頭での理解と腹落ち、腑に落ちることの差のデカさみたいなのを、
どう乗り越えるのかみたいなのはむしろ重要な話なんだとは思ってるんですけどね。
そうだよね、テキストベースで地面で理解っていうのが本当の理解なのかって言われると、だいぶ遠いもんね、やっぱり。
思ったより遠いんですよね。
で、なんか僕にも結構思い当たる節があって、
アーツ&クラフト運動みたいなこととかも50年以上前から、
自分で作るとか、自分で修理するとかっていう価値観、大事だよねっていうこと、
最近言われるコンビビアルみたいな共有することみたいなのも、
頭ではめちゃめちゃ理解できるんだけど、全然作ってないみたいなことがあったりするので、
結局、言葉でわかっても、頭でわかっても体でわかってないみたいなことは、
すごいたくさんあるなっていうのは、最近よく感じるところでもある、めちゃくちゃ。
2人はそこから実際ね、鹿捌きに漁師になってるから面白い。
そうですよね。
すごいな。
2人とも自分で捌いたことはあるんですか?
はい。
そこまで言ってるのがちゃんとすごいですよね、本当にね。
僕も2月に取材させてもらったんですけど、やっぱ冬の捌くの、めちゃめちゃ寒かったですよ、本当に。
寒いですよね。
冷蔵庫状態。
でも暑いと暑いで嫌なんですよね。
確かに。
虫が本当。
そうですよね、匂いとかね。
そのリアリティがお2人にはあるから。
なんか本当はもっと一定の距離を保ってる予定だったんですよ。
あ、そうなんだ。
はい。
狩猟は長野で狩猟してくれる人たちに任せて、僕らは東京サイドの人間として東京側でできることをやろうって思ってたんで、結構最初はずっとそういう動き方をしてて。
東京で狩猟の話をするときに、漁師の川端さんが言ってたこと、漁師の誰々さんが言ってたこと、そのセリフを借りてあたかも自分が知っていることのように語るっていうシチュエーションがすごい何度も何度も重なっていく中で、なんか違和感がだんだん出てきて。
これ俺の言葉じゃねーみたいな。
あーいいですねー。
めちゃくちゃいい。
なんかすごいそれが、最初地につける、地に足をつけるっていう気持ちで関わり始めたはずなのに、結局すごいなんか東京的なスタンスというか。
あーはい。
なんかものすごく長野に行ってダサいことしてるんじゃないかみたいな気持ちになってきて。
そうですね、もっと自分の言葉で喋れるようになりたいなと思って、僕は2年前に修了免許を受けて、そこからはなりをちょっとずつするようになってっていう流れでした。
本当は解体とかもやらない予定だったんですけど。
えーそうなんだ。
それで自分の言葉になったんですか?そこは。
まだまだやっぱり途中だなっていう気はしますね。
なんかすごく話に、なんだろうな、自分の感覚から言葉を紡ぐのってすごく難しいことだなと思うんですよ。
なので、やっぱりこうずっと前線で一線でやり続けている人の言葉の方が自分の記憶にも残るし、なんかその自分の体験が言語化されるより先に頭に入ってきちゃう。
だから結構他の人の言葉を使いまくってます、今も。
あーなるほど。
でもなんかそこに、それをできるだけちゃんと体感で知りたい。
体感で知れば知るほどどんどん無情無情の中に入っていく感じもあって、なんかAかBかじゃないとか、AイコールBじゃない、AイコールAじゃないみたいな。
なんか矛盾した気持ちが自分の中にあったりとか、なんか誰かと仲間と仲間の言ってることが違ったりとか、なんかそういうなんか矛盾というリアリティって意味不明なんですけど、
なんか整理されてないものが現場にはあるなーって、それを感じられれば感じられるほど本物に近づいていってるような感じがするので。
すげえいい話ですね。
いや本当ですね。
でも矛盾というののリアリティはめちゃめちゃ感じます。今でも感じますし。
本当ですか?
命の現場と感情
はい、もうそれはすごい共感するし、あとやっぱり何だろう、例えば命の現場っていうことですごく重く捉えたりするして、
自分はもっと悲しんだり心を痛めたり、感動したりするんじゃないかっていう心持ちでいったらあっけなく何とも思わなかったみたいなこともあったりして、
なんかそんな自分にびっくりするみたいなこともあるんですけど、それも多分なんかドキュメンタリーというかドラマチックに物事を捉えすぎていて、
日々の命のやり取りの中で、もうそこに当たり前のように流れている時間感覚みたいなのがあったりして、
ああ命をいただいているみたいな情緒的なものよりも、そこの何だろう、無駄の無さとか美しさにはえーって思うみたいなことがあったりするので、
でもじゃあそのあっけなさみたいなのを伝えることが社会に対していいんだろうかっていうのを思った時に、
ちょっと自分の感情がねじ曲がったりとか、そういうのもあるなーっていうのは思うので、なんかそういうのは焚き火をしながら話したいっていう感じですよね。
すごく。いやでもお二人の感覚すごいいいな、いいなっていうか僕もよくわかるし。
いやーすごいいいよね。
面白い。
だらけですよね。今あれなんですよ、だから私もあの狩猟免許取ったんですけど、最近本当にお肉食べてなくて、なんかすごい矛盾してるなって。
それはなんで食べてないんですか?
それあれじゃない?次、次回に回した方が。
あー確かに確かにそうだね。
そうですね、次回というか後編でお二人がやってた肉食最高っていう、肉食を再び考えるという、節度ある食卓ですよねっていうテーマで展示会やってたんで、
それを話し聞こうと思ってたんですけど、まさに多分その辺の話がドンピシャーだと思うんで。
なぜ罠漁師、漁師が肉を食べないのかっていうのは次回聞きたいなと思います。
はい。
じゃあ前半こんなところでありがとうございました。
肉食と矛盾
ありがとうございました。
ありがとうございました。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
番組では皆様からのお便りを募集しています。
感想、ご意見、自然資本を生かした取り組みの情報、自然にまつわる研究論文などぜひ教えてください。
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Xでのメンション、ハッシュタグ自然資本論をつけてのコメントなどでも大丈夫です。
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最新話を見逃さないためにぜひ番組のフォローもお願いいたします。
もし気に入っていただければレビューをしていただけると励みになります。
それではまた次回お会いしましょう。
46:12

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