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【徒然草ミニッツ】
さあ始まりました、【徒然草ミニッツ】。
この番組は、1日8分で600年分の知恵をポケットに、おコンセプトに、
吉田健康の【徒然草】を1日1段ずつサクッと味わい、
通勤・家事の隙間時間でコテンチャージしていこうという教養ショートラジオです。
よろしくお願いします。
さて今回は、第231段を見ていきましょう。
早速、現代語訳です。
別頭乳戸の技術
園の別頭乳戸という抜群の包丁人がいた。
ある手で見事な鯉が出された時、
みんなは別頭乳戸の裁きが見たいと思うものの、
こちらから頼むのも気が引ける。
すると別頭乳戸を自ら、
私は近頃100日の鯉を切っております。
今日だけ欠かすわけにはいけません。
どうか切らせてくださいと願い出て裁いた。
場にぴったりと合い、
教主満点で人々は感心した。
この話を北山大乗乳戸に伝えると、
帰ってきた今日はこう。
こういうの私は気恥ずかしく感じる。
切る人がいないなら私が切ろうというくらいが良い。
何故100日の鯉などというのか。
これを聞いた人はなるほどおかしい。
かっこがん畜があると語った。
見せる振る舞いより、
素っ気なく平静である方が勝る。
競王や贈り物も段取りを誇示するより、
さりげなく差し出すのが本意で、
計算や言い訳が混じると今日がそがれる。
はい、というわけですね。
要点3つ。
名人芸は出しゃばらずに光る。
段取り自慢は素人の一手に劣る。
雑魚は前置き不要。
計算集は今日を殺す。
現代への応用
現代のしさ&使い方。
100日の鯉イコール型書きプレゼンの比喩。
実績の能書きは場を覚ます。
必要なら最小限。
基本は結果で語る。
そういうのわざわざ言わなくていいですよっていうことですかね。
プロならスッとやれよっていう。
あとはさりげない介入が最強。
誰もやらないなら私が。
賭けを埋める一手は評価が高い。
わざわざ出張ってどうか切らせてください。
私がやりますっていうんじゃなくて、
誰もやらないんだったら私がとりあえずやっておきますねみたいな穴埋めをする方が評価が高いんじゃないかっていうことを言っているわけですね。
はい、というわけで今日のところはこれぐらいですかね。
ぜひ皆さんもスッと、あまり腕まくりして私がやりましょうっていうよりもスッとやるのを意識してみてはいかがでしょうか。
というわけで今日はここまでです。また明日お会いしましょう。さよなら。