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2025-06-03 08:46

シェアハウス業界:コロナ対策ガイドライン策定の回顧録

この回顧録は、新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた2020年春における、日本のシェアハウス業界の対応について記しています。特に、業界としての指針が不明確であった初期段階において、筆者が主導して感染対策ガイドラインの策定に至った経緯が詳細に述べられています。ガイドライン作成では、現場の状況だけでなく、保健所や行政の負担を軽減することも視野に入れ、行政との協議を経て実務的な内容を目指しました。この取り組みは連盟内外に共有され、その後の円滑な連携や行政対応にも繋がり、加盟事業者におけるクラスター発生ゼロという結果にも貢献したことが語られています。また、非常時における他者との連携の重要性や、目の前の課題に対する行動が業界全体の動きに繋がる可能性についても触れられています。

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00:00
【佐藤】こんにちは。今回はですね、2020年の初頭、新型コロナウイルスが広がり始めた頃のお話です。
特に共同生活が基本になるシェアハウス、ここがどういう状況だったのか、その裏側を見ていきたいと思います。
【田中】ありましたね。本当に先が見えない、そんな状況でしたよね。
今回は、あるシェアハウス運営者の方の、当時の記録、ブログ記事を元に進めていきます。公的な指針もまだ全然なくて、手探れだったっていう。
【田中】そうなんです。その記事を読むと、感染への不安ばかりが高まっていく中で、業界としても、あるいは行政にしても、具体的にどうすればいいのか、全く方針がなかった時期の緊迫感が伝わってくるんですよね。
今回の探求のポイントとしては、その未曾有の危機に対して、どうやって一人の運営者の方が主体的に動いて業界全体を巻き込んでいったのか、そして具体的な感染対策ガイドラインをどういうプロセスで作り上げていったのか、その教訓を探っていきたいなと。
特にシェアハウスならではの課題にどう切り込んだのか、その工夫に注目したいですね。
記録を見ると、まず2020年の2月ごろ、都内で市中感染が確認され始めて、社会全体に不安が広がっていた。
でも、シェアハウス業界の団体・連盟としての統一的な方針というのは、まだ見えてこなかったんですね。
そこで、この記事を書かれた運営者の方は、まずできることとして、政府が出していた手洗い・うがい、あの啓発ポスターですね、あれに連名のロゴを入れて、加盟事業者さんに配るというところから始めたそうです。
あ、緻密な一歩ですね。でも現場からは、これがあるだけで入居者さんに説明しやすくなったっていう割と好意的な反応があったと。
ええ、そうみたいですね。これが事業者間の連携のほんの第一歩になったと書かれています。
うーん、でも状況は日々コクコクと悪化していくわけですよね。
まさに。3月に入ると、濃厚接触ってそもそもどこまでが範囲なの?とか、もし陽性者が出たらその物件どうなっちゃうの?みたいな、すごく切実な疑問が出てくる。
ああ、具体的な問題が。
そうなんです。でもそれに対して誰も明確な答えを持っていない。事業者同士で情報交換はするんだけれども、みんなが暗中模索という状態が続いていたようです。
しかも、その保健所の方もシェアハウスの、なんていうか、実体?大人数が一つ屋根の下で暮らすっていう状況を必ずしもよく理解していなかった。
そうなんですよ。だから自治体ごとに対応がバラバラになってしまう危険性もあった。
うわあ、それは困りますね。
ええ、このままでは運営している現場も対応する保健所もパンクしてしまうんじゃないかと、そういう強い危機感があったそうです。
03:04
なるほど。その危機感から独自のガイドライン作成へと。
そういう流れですね。ここで浮き彫りになったのが、シェアハウスならではの非常に深刻なリスクなんです。
リスクというと?
いわゆる濃厚接触者の定義。これをそのままシェアハウスに適用するとどうなるか。
ああ、共有スペースがありますもんね。
そうなんです。例えば、100人規模の大きな物件でたった1人陽性者が出ただけで、理論上は入居者全員100人が濃厚接触者になってしまう可能性がある。
100人全員がですか。それはちょっと想像するだけで大変ですね。
ですよね。そうなると保健所の業務は完全に麻痺しますし、入居者の方々の生活にもものすごく大きな影響が出る。仕事に行けなくなるとか、給料の問題とか。
確かにそれは避けなければいけない。
この運営者の方のすごいところは、単にガイドラインを作ろうというだけじゃなくて、濃厚接触者の爆発的な増加という具体的なボトルネックをちゃんと見抜いていたこと。
なるほど。問題の確信を。
そして先手を打ったんですね。東京都とか保健所と事前に話し合って、通常の住宅と同じ基準を機械的に適用するのはやめてほしいと提案した。
代わりに。
代わりに事業者がもっと積極的に連絡窓口になって、入居者さんの健康観察をちゃんとやって、必要な情報を保健所に報告すると、そういう体制をガイドラインに盛り込んだんです。
つまり行政の負担を増やさずに、実態に合った運用を目指したということですね。
そうなんです。非常に現実的な上手い解決策だったと思います。
それは見事ですね。その策定のプロセス自体もかなりスピード感があったと聞きました。
そうなんですよ。もう緊急事態宣言の発令が目前に迫っていた時期で。
時間がない。
時間がない。
だから通常の理事会を開いて審議して承認してというプロセスでは到底間に合わない。
ですよね。
そこでこの運営者の方はガイドラインの草案をもう自分で先行して作っちゃって。
で、事後承認を前提とした臨時理事会っていうかなり異例の形で招致をかけたそうなんです。
事後承認前提すごい決断ですね。
その場で草案を示して大枠の承認を取り付ける。まさに時間との勝負だったというふうに書かれていますね。
すごい行動力だ。で、完成したガイドラインは連名のサイトで公開されて厚労省とか内閣府にも送られたんですね。
はい。事前にしっかり調整していたこともあって行政側も特に大きなしょうがなく受け入れてくれたと。
それは大きいですね。
結果的に連名の加盟者だけじゃなくて、他の事業者さんとかいくつかの行政の関連ページなんかでも広く参考にされたそうです。
その有効性が認められたということですね。素晴らしい成果ですね。
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他にも何かそういった取り組みというのはあったんでしょうか。
はい。いくつか試みはあったようです。
例えば、要請者が出た場合に一時的に待機してもらうための物件を連名として確保できないかという動き。
それは必要そうです。
ただこれは費用負担の問題がクリアできなくて、結局実現はしなかったみたいなんですけど、検討はされたと。
なるほど。
あとは、抗ウイルスコーティングっていうのがあるんですが、それに関する勉強会を開いたりとか、できることをいろいろと模索していた様子が伺えます。
さらにちょっと興味深いのが、自社の物件での感染率データをちゃんと分析して、市中感染率と比べると自社物件では半分程度に抑えられていたっていう具体的な数字も記録されているんですね。
データに基づいた効果測定までしっかりやられていたんですね。
そうなんです。統計的な予測なんかも可能になっていたと。
すごいですね。
それからもう一つ印象的なエピソードがあって。
はい。
静岡の弁護士の方が個人的に作られていた新型コロナ対策支援カードっていうのがあったそうなんです。利用できる支援策とかがまとめられていた。
ほうほう。
運営者の方がその存在を知って、弁護士の方に許可をもらって、それを連名内で共有して配布したそうなんです。
ええ。
そしたらそれが入居者の方々の安心感につながったっていうんですね。
なるほど。それもまさに非常時における情報共有とその連携の活用を示すいい例ですね。
そう思います。
いや、今回の記録をこう振り返ってみると、本当に先行きが見えない危機的な状況の中で、現場の具体的な課題、特にシェアハウス特有の濃厚接触リスクっていう確信を的確に捉えて、
行政ともうまく連携しながら、実効性のある対策をしかも迅速に作り上げた、この一人の主体的な行動っていうのが、業界全体の混乱を防ぐ本当に大きな力になったんだなということがよくわかりますね。
そうですね。では最後に、これを聞いてくださっている皆さんへの問いかけということで、この話から私たちはどんなことを学べるでしょうか。
予期せぬ危機に直面して既存のルールとか今までの常識がまあうまく機能しない、そういう場面で個人とかあるいは組織がこれは自分事だと捉えて主体的に動くことの力、そしてその最初の一歩が周りにどんな変化をもたらし得るのか、そんなことを少し立ち止まって考えてみる一つのきっかけになれば嬉しいなと思います。
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