サマリー
この放送は、2024年4月18日に行われた浅草演芸ホールの夜の部のレポートです。特に、主任を務めた柳家わさび師匠による即席三題噺に焦点を当てています。客が選んだ「ブランコ」「ソプラノ」「安産祈願」という三つのお題から、わさび師匠は『雷お兄さん』という新作落語を創作しました。この三題噺は、お題を単なる伏線としてではなく、物語全体を巧みに構成するための要素として活用しており、わさび師匠独自の創作メソッドが随所に活かされていることが高く評価されています。 落語パートでは、前座の三遊亭東村山さん、柳亭市寿さん、桂三木助師匠、そして動物ものまねの江戸家猫八さん、クレバー坊っちゃん芸の林家木久蔵師匠、古典落語を得意とする古今亭菊志ん師匠、マジックの小梅さん、芸達者な師匠、得意ネタ「やかん工事中」を披露した三遊亭圓歌師匠、歌や踊りもこなすホームランたにし先生、新作落語『あちたりこちたり』を披露した柳家小満ん師匠など、多彩な出演者が登場しました。中入り後には、春風亭三朝師匠、ウクレレ漫談のウクレレえいじさん、そして主任のわさび師匠の師匠柳家さん生師匠は古典落語「藪医者」を披露。さらに、はめ物を使った「稽古屋」を演じた古今亭志ん輔師匠、ヒザの漫才ニックス先生も登場し、寄席の賑やかさを伝えています。古今亭志ん輔師匠の「喜撰」の場面では、浅草演芸ホールの音響への言及もありました。
浅草演芸ホール夜席 柳家わさびの即席三題噺
はい、シェアする落語のシケです。
4月18日土曜日、浅草演芸ホール、夜の部ですね。
主任、柳家わさび師匠に行ってまいりました。
なかなかお披露目以外の予選にはいけてない私でございますが、
今回はですね、わさび師匠が即席三題噺をやるということで、
これは行きたいなと思って行ってまいりました。
最初にですね、幕がこう上がるじゃないですか。
上がったところにすでにわさび師匠がお座りになっていて、
頭を下げているという。
その場でですね、お題を3つ拾うという、そういう感じですね。
お客様からですね、お題を出してもらうと。
パパパパッと手が上がりまして、
僕もお題を拾っていただくことができました(ソプラノ)。
ブランコ・ソプラノ・安産祈願という3つのお題で、
円丈師匠っていうのが出たんですけど、
ちょっと固有名称はやめてくださいという話にして、
じゃあ落語家って言ったので、
落語家って言うとちょっと身内がね、
身内話になっちゃうんで、落語家を括弧に入れてですね、
ちょっとだけ触れるというところで入れて、
3.5題噺ぐらいですかね。
その三題噺がこれからスタートすると。
寄席の出演者たち(前半)
その間、この期間にずっと時間の間に、
わさび師匠はお話を作り続けるわけでございますが、
普通に寄席がスタートいたしまして、前座が
三遊亭東村山さん。
なんか評判をね、よく聴きます。
『牛ほめ』でした。
聴いてる評判のその個性は、
チラッチラッとしか出てきませんでしたけども、
なかなか楽しみな感じです。
続いて柳亭市寿さんですね。
この人はなんか顔がいいですね。
笑顔がすごくチャーミングな方だというふうに思います。
柳亭ということで、
落語協会、芸術協会の別はありますが、
戦後のすぐの人気者でありました、
柳亭痴楽の作品であります
『ラブレター』をやりました。
なかなかレトロな感じで面白かったです。
続いて桂三木助師匠です。
三木助師匠がね、
こういうのもやるんだっていう感じでしたね。
新作でした。
後で調べたら、志ん八時代の
古今亭志ん五師匠の作品らしいですね。
『おばけ遊園地』という。
でも言われてみれば、確かに志ん五師匠っぽいなっていうところがありましたね。
ただね、
ちょっとこの段階だとお客さんがね、
まだ重いんですよね。
前にやってたのが、2代目三遊亭円丈
襲名披露興行なんですよ。
入れ替えなしなので、
そのお客さんが残っていて、
ちょっと疲れてる感じがあって、
なかなか笑いが起きても、
それが広がっていかないというところで、
ちょっと残念ではありましたが、
三木助師匠は面白かったです。
ここで代演、
江戸家猫八先生。
見事ですね、この人の芸は。
予選のどのポジションに出てきても、
きっちり計算した、
ピタッとそこにはまるね、
動物ものまねをやっていただけるということで、
全幅の信頼がおける方ですね。
本当に素晴らしいと思います。
やっぱりね、
最後のウグイスが浅草演芸ホールの
わりと披露目の空間に広がっていくっていうのはね、
惚れ惚れするなと思ったら、
ご本人も惚れ惚れすると言ってました。
よかったです。
続いて、林家木久蔵師匠ですね。
この方もね、
非常にクレバーなんですよ。
自分のお坊ちゃんイメージを逆に取った感じをね、
本当に上手い具合に出してくる。
ネタはね『看板のピン』でしたけども、
上手いっていう感じの鋭さではなく、
自分のキャラでもって、
古典落語でしっかり目の前のお客さんを
楽しませてスッと帰るっていう、
そんな感じでですね、結構でございました。
続いてが、
個人的にお久しぶりで、
僕の大好きな、
古今亭菊志ん師匠。
菊志ん師匠好きなんですよね。
この日の鳥居のわさび師匠も、
菊志ん師匠を
すごい尊敬してて、
面白い先輩で尊敬してます、
みたいなことをね、
ちらっとおっしゃってた記憶があるんですけどね。
やっぱりなんていうんですかね、
手数の多さね、
その的確な手数の多さみたいなところが、
ある意味古今亭っぽいのかなって思いますけども、
ネタが『堀の内』でね、
非常に楽しかったです。
続いてマジックが小梅さんですね。
何気に、
浅草演芸ホールのちょっと披露目の空間でも、
分かりやすいマジックで、
まとめてるあたりが、
なかなか好感持てますね。
このあたりに女性のマジシャンが入るっていうのも、
華やかな感じがしていいですね。
お次がですね、
この方も養成のエキスパートですね。
春風亭正朝師匠です。
『ん廻し』なんですけども、
僕の知っている『ん廻し』とはちょっと違う、
半身半面が出てこないタイプで、
それだけにこの正朝師匠が、
お客さんの雰囲気を掴んで、
ちょっと大きめな小さで持ってですね、
わっと盛り上げる感じが、
さすがやっぱり、
寄席のね、
どこ出ても自分の仕事をしっかりするっていう、
寄席のエキスパートのですね、
実力を見させてもらった感じがします。
楽しかったです。
続いてが三遊亭圓歌師匠。
もうお得意の『やかん』工事中にいきなり入りました。
『やかん』工事中はね、
私千葉県民なんで、
『浅草お茶の間寄席』チバテレビの放送がありまして、
最近拝見したんですけど、
ほとんど一緒ですね。
もう磨き上げているという感じで、
先代圓歌と同じですよね。
自分が作った話をきっちり磨き上げていくというところがね、
圓歌という名前なんだなっていうところでね、
まったく同じ話聴いてもね、
やっぱり笑っちゃうというあたりがですね、
この人の面白いところだなっていう風に思います。
ここでまた異論ものが、
ホームランたにし先生。
一人でね、
すごいんですよ。
持ち時間の中で歌いまくるわ、
踊りまくるわ、
前後の開脚ピタッと決めるわ、
最後に本の宣伝して帰るわですね。
もうてんこ盛りです。
お元気ですよね。
どちらもすごいなと思うのは、
矢沢永吉さんと同い年だったということが今回わかりまして、
もう医療の進歩も素晴らしいですね。
寄席に出ていただける、
いつまでもお元気で寄席に出ていただきたい方の一人かと思います。
仲入り前を締めくくっていただけるのが、
柳家小満ん師匠です。
この小満ん師匠のね、
このネタをね、
もう10年くらい前かな、聴いてもう一回聴きたいなとずっと思ってたんですけど、
やっと聞けました。
小満ん師匠の自作の新作落語です。
『あちたりこちたり』。
このね、大したことが何も起きないっていう、
それをずっと聴いてられるっていうね、
もう見事さね。
小満ん師匠は、
やはり先代文楽師匠の
美しい落語の流れと、
文楽師匠が亡くなられた後、
先代ですね、
五代目柳家小さん師匠の元にもいらっしゃったんで、
柳家系の爆笑の流れも
ちゃんと持っていらっしゃって、
寄席たとこれを使い分けたりするわけですけど、
これはまあ第三のラインですよね。
ご自身で作られているっていうのがね、
やっぱりおしゃれですよね。
この方は本当におしゃれな方だなっていう風に思いますね。
もう本当にギャグじゃないですもん。
何にも大したことは起きていない。
先頭に行って帰ってきたのが遅かったんで、
なんで遅く帰ってきたかを奥さんに説明するだけの話です。
これがね、面白いんだわ。
もう一回聴きたいですね。
仲入り挟んで、今度は食いつきで、
寄席の出演者たち(後半)と柳家わさびの三題噺の解説
春風亭三朝師匠『悋気の独楽』です。
この方はやっぱりね、元気元気。
元気でね、メリハリのパリッと聴いた、
目が覚めるような芸ですよ。
その中でやっぱりおかみさんとかね、
お妾さんとかね、
女性がまたいいんですよね。
好きな師匠ですね。
お次が色物、ウクレレえいじ先生です。
ご高名はかねがね承知しておりますが、
実は肉眼で見たのは初めてでした。
あまり僕ね、客をいじる芸に好きじゃないんですけど、
あまりにもウクレレが上手くて、
あまりにも微妙なモノマネが面白くて、
結構ゲラゲラ笑ってしまいました。
いいっすね。
続いて柳家さん生師匠。
わさび師匠が主任で、
師匠の柳家さん生師匠が上がって、
大師匠の小満ん師匠も上がるという、
親子三代が並ぶというのが、
わさび師匠がトリの時によくあるパターンですね。
この三代を一緒に聴けるのはとても幸せだなと思います。
この三代を一緒に聴けるのはとても幸せだなと思います。
ネタはさん生師匠のファンの方には
もうお馴染みのですね、
『薮医者』という噺で、
またこれがいいんですよね。
流れがちょっと変わる。
えいじ先生の後に、
こういう正統派の江戸の古典の滑稽噺で、
こういう正統派の江戸の古典の滑稽噺で、
かつ、そんなにかかることがない噺が来るというのが、
いいアクセントですね。
お見事です。
さらにここにですね、
がらっと色が変わるのは、古今亭志ん輔師匠です。
志ん輔師匠も久しぶりだな。
やっぱり寄席で見る志ん輔師匠は、
いいですよ。
さっきからいいですよとしか言ってないような感じがありますけども、
『稽古屋』ということで、
あれですよ。
ハメモノが入りました。
ハメモノが入って志ん輔師匠ってのは、いいですね。
これ昔NHKの演芸図鑑で、
内海英華師匠と同じタイミングで、
ご出演された時に、
『喜撰』を弾いていただいてたんじゃないかな。
それと同じですね。
『喜撰』というね。
何歌になるの?小歌になるの?歯歌になるの?
その辺が僕はよく分かってないんですけども、
『喜撰』を教えるところで、
三味線が入るという。
いいですね。
こういうのが寄席だなと、いうふうに思いますね。
残念なのに浅草演芸ホールと、いまいち音が良くないんですよね。
この三味線を池袋演芸場とか、
PAを通した中で音が一番いいのは、
木馬亭ですよね。
ああいうところで聴きたいなというふうに思いました。
膝がニックス先生ということで、
ニックス先生も何度も見ているので、
パターンは掴んでいるんですけど、
ネタをちょっとずつ入れ替えているというところがあるのと、
この日のニックス先生は、
前にもマシでキリッキリな感じがありましたね。
膝なんで気合が入っていたんでしょうか。
すごくいい感じでございました。
いよいよ主人が、
柳家わさび師匠の三題噺。
演目がちゃんとついていまして、
『雷お兄さん』という話ですね。
本当にお見事ですよね。
三題をきちっと
繋げることによって、
本当に古典落語っぽい
ナンセンスさが、
この新作落語に出てくるってあたりがね、
やっぱり新作落語ってみんなどうしても、
聴きやすさを、
作りやすさでもあるのかもしれないですけど、
やっぱり筋があったり、
パターンがあったりするわけですよ。
だけど、わさび師匠がこうやって
三題噺で作ると、
例えば前半で出てくる「安産祈願」っていうのは、
もう伏線でもなんでもないんですよね。
前半を盛り上げるための道具に過ぎない、
っていうところですよね。
噺そのものは「ブランコ」っていう、
もう一つの題で引っ張っていって、
僕が出した「ソプラノ」っていう台は、
最後の方で使われるっていう、
このあたりがね、本当に見事で、
わさび師匠はかつてインタビューさせていただいたことがあるんですけど、
三題噺を作るためのメソッドを、
ものすごく細かく開発してるんですよ。
この日の、
この『雷お兄さん』の中にも、
そのメソッドが活かされていることが、
僕には分かって、
お題に対して謎かけを作るっていうね、
それも一つ二つじゃなくて、
いっぱい謎かけを作ってみるっていう、
そこからお噺を作っていくっていうね、
そういうわさびメソッドが一つあるんですけど、
それが活かされている。
きちっと一つの落語になっているっていうところが、
もう痺れますね。
ということでですね、
わさび師匠すげえなっていうところをね、
久しぶりに体感させていただいて、
素敵な浅草の夜でございました。
シェアする落語の四家でした。
ではまた。
16:07
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